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36 サシュナの波止場
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シャルリンテは、海風の吹く波止場で、古株の売春婦に泣きついていた…。
「…だって、部屋に入るなりスカートを捲って急にお尻を触ってきたんですよ?逃げようとしたら、髪を引っ張られて…だから…吐いてしまった…」
「……どこの国のお姫様だよ…。カリストの家出娘が新入りとして急に立ち始めたと思ったら…吐く女に客は付かないよ」
サシュナの波止場は、切り立った崖が続く特徴的な場所にあった。
天然の自然港を利用した、比較的大きな船着き場だ。
波止場に着いてすぐ、シャルリンテは赤いショールを身に着けている女性がポツポツと立っている場所を見つけた。
シャルリンテは彼女達の動きを陰から一晩観察し、ここのルールを少しだけ理解した。
船が停泊するたび、ぱらぱらと降りてくる船員や旅人が、ここの売春婦達の主な客。
売春婦達は店に雇われているわけでもなさそうで、個人個人でお客とやり取りをしているように見えた。
そして話がまとまると、崖下にある小さな宿屋が並んでいる場所に消えて行く…。
もしかしたら、陰で売春婦達を取り仕切っている者がいるのかもしれないが、見ていた限りでは見つけられなかった。
翌日、シャルリンテは勇気を出して、立ってみる事にした。
クースリューに言われた通り、口紅を塗って赤いショールを肩に掛ける。
どきどきしながら立っていると、次から次へと声をかけられシャルリンテは驚いた。
自分は案外、魔性の女とかいうやつかも…と有頂天になる。
そして、最初に声をかけてきた男に、うきうきと付いて行きすぐに現実を知る…。
部屋に入るなり、シャルリンテはベッドに押し倒された。
若い船員の男は、自分の服を脱ぎながら「してくれ…」と言った。
シャルリンテは「…何をするのでしょうか?」と聞き返し、男に笑われてしまう。
「まぁいいか…」と、男が顔を近づけてきた途端、シャルリンテは嘔吐してしまった。
男に触られるだけで、虫ずが走る…。
その上、最悪なのは心の中で密かにスーリの名を呼んでしまう自分がいる事…。
かつて、厩番に顔を近づけられた時は、こうはならなかった…。
処女ではない今、性行為に対する敷居は低くなっているはずではないのか?
なぜ、高くなっているのだろう…。
シャルリンテは、怒った男に追い出されながら途方に暮れた…。
気を取り直して、もう一度違う男に付いて行った。
そして、再び同じ惨劇が起きる。
そんな事を数回繰り返し、今、シャルリンテは崖の上で身を縮めてしゃがんでいた。
赤いショールを胸元に、ぐしゃぐしゃと丸めて…。
もう一度、ショールを身に着けて波止場に立つ事など、とてもできない…。
次の男にもきっと、吐く…。
──廃業だ…。
一日も商売が成り立つ事もなく、失業した。
自分は男と寝るのが好きだったわけではなく、スーリに抱かれるのが好きだっただけ…。
そんな事も、こんな無駄な実践をしなければ理解できない。
来るはずもないスーリを、心の中で呼んでしまう自分にも呆れていた…。
魔力も持っていない…。
どうやってこれから生活していけばいいのだろう。
シャルリンテは文字通り、頭を抱えていた…。
「…だって、部屋に入るなりスカートを捲って急にお尻を触ってきたんですよ?逃げようとしたら、髪を引っ張られて…だから…吐いてしまった…」
「……どこの国のお姫様だよ…。カリストの家出娘が新入りとして急に立ち始めたと思ったら…吐く女に客は付かないよ」
サシュナの波止場は、切り立った崖が続く特徴的な場所にあった。
天然の自然港を利用した、比較的大きな船着き場だ。
波止場に着いてすぐ、シャルリンテは赤いショールを身に着けている女性がポツポツと立っている場所を見つけた。
シャルリンテは彼女達の動きを陰から一晩観察し、ここのルールを少しだけ理解した。
船が停泊するたび、ぱらぱらと降りてくる船員や旅人が、ここの売春婦達の主な客。
売春婦達は店に雇われているわけでもなさそうで、個人個人でお客とやり取りをしているように見えた。
そして話がまとまると、崖下にある小さな宿屋が並んでいる場所に消えて行く…。
もしかしたら、陰で売春婦達を取り仕切っている者がいるのかもしれないが、見ていた限りでは見つけられなかった。
翌日、シャルリンテは勇気を出して、立ってみる事にした。
クースリューに言われた通り、口紅を塗って赤いショールを肩に掛ける。
どきどきしながら立っていると、次から次へと声をかけられシャルリンテは驚いた。
自分は案外、魔性の女とかいうやつかも…と有頂天になる。
そして、最初に声をかけてきた男に、うきうきと付いて行きすぐに現実を知る…。
部屋に入るなり、シャルリンテはベッドに押し倒された。
若い船員の男は、自分の服を脱ぎながら「してくれ…」と言った。
シャルリンテは「…何をするのでしょうか?」と聞き返し、男に笑われてしまう。
「まぁいいか…」と、男が顔を近づけてきた途端、シャルリンテは嘔吐してしまった。
男に触られるだけで、虫ずが走る…。
その上、最悪なのは心の中で密かにスーリの名を呼んでしまう自分がいる事…。
かつて、厩番に顔を近づけられた時は、こうはならなかった…。
処女ではない今、性行為に対する敷居は低くなっているはずではないのか?
なぜ、高くなっているのだろう…。
シャルリンテは、怒った男に追い出されながら途方に暮れた…。
気を取り直して、もう一度違う男に付いて行った。
そして、再び同じ惨劇が起きる。
そんな事を数回繰り返し、今、シャルリンテは崖の上で身を縮めてしゃがんでいた。
赤いショールを胸元に、ぐしゃぐしゃと丸めて…。
もう一度、ショールを身に着けて波止場に立つ事など、とてもできない…。
次の男にもきっと、吐く…。
──廃業だ…。
一日も商売が成り立つ事もなく、失業した。
自分は男と寝るのが好きだったわけではなく、スーリに抱かれるのが好きだっただけ…。
そんな事も、こんな無駄な実践をしなければ理解できない。
来るはずもないスーリを、心の中で呼んでしまう自分にも呆れていた…。
魔力も持っていない…。
どうやってこれから生活していけばいいのだろう。
シャルリンテは文字通り、頭を抱えていた…。
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