最強のアラサー魔導師はかつての弟子達に迫られる~ただ冒険者を始めようとしただけなのに弟子達がそれを許してくれない~

おやっつ

文字の大きさ
2 / 62
第1章:帝国での暮らしを始める

第2話:最強魔導師、盗賊を撃退する

しおりを挟む
───ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン

ちょうど真上に太陽が昇る時間、俺は帝国に向かうために、王国の過疎地から帝国に向かう安い馬車に体を揺られていた。

『ヒヒーン!』

「…何事だ?」

大きな声で鳴いた馬に違和感を抱き、俺は急いで馬車から降り、周りの様子を観察する。
その場で見えるかぎりだと、何人かの大人が手に凶器を持ち、馬車を囲んでいた。

「1,2,3人か。おい、盗賊か?」

全く、襲うならもっと高そうな馬車にすればいいものを。わざわざこんな見た目からして木造で安そうな馬車を襲う意味もないだろう。

「………なんだ?おっさん。変に突っかかってくんなら………殺す!!」

その瞬間、盗賊が3人一斉にシューファに向かって飛びかかる。

「3人もいるなら、もっと挟んで攻撃とか役割を決めるとか、頭を使ってくるとかしろよな、でもどちらにせよ、殺されたくはないし仕方ないよな。」

「縮小(レダクション)」

「カハッ………!!」

───なんだ今のは!?私はこの安い馬車の運転手をして数十年経つから、冒険者が魔物を対峙する時に使う魔法はたくさん見てきた。でもあの魔法は、そんな私でも全く見た事はない。

「お前らが殺そうとしてきたんだ。殺される覚悟はあったはずだよな。」

あんな冒険者、見たことがない。これまでの冒険者は火、水、雷、土、この4大魔術を駆使して戦っていた。しかしこの冒険者かもわからないおっさんは手を握ってそれを右から左、左から右、上から下、下から上。そんな仕草をしただけで、盗賊たちはなにかに弾かれたように飛び、死んで行った。

「おーい!発車頼むよー!」

「す、すみません!すぐに出します!」

ただの優しいおっさんかと思ったが、あれはそんな次元なんかではない。世界でも1番強いと言われても納得ができる。もしかしたら………

「あんなの帝都の“聖級魔導師”のやつでもできないんじゃないか………?」

さっきの盗賊達、威勢はいいものの、大した奴らではなかった。最近、強いやつと戦っていないから体がなまっているかもしれないな。

さっき使ったものだって、ただ“そこら辺に魔力を小さくしてぶつけただけ”なんだよな。まぁ、これが意外と難しくて、できるのは王国でも俺しかできなかったしな。というか、これは誰にも、“あいつらにも”教えていない魔法だ。でも今は、わざわざ隠す必要も無いだろうし、使うことが多い。

───ガタン、ゴトン

数日もこうやって馬車に乗っていると、この揺れにも慣れてくるというものだ。

「乗り物酔いには弱くて、初日は本当に辛かったけどな………。」

───ガタン、ゴトン

それにしても、気持ちのいい揺れが続いて、少し眠くなってきてしまっ………たな……。

───それから少し時は過ぎ

「お客さーん!そろそろ着きますよ!」

「んん~。」

もうすぐ帝国に着くらしい。まぁそこから帝都まで少し歩かなきゃならないらしいが、歩いて数時間らしいし、案外早く着くかもな。

「おぉ、あれが……!!」

遠くの方に栄えた街………は見えないが、お城と城壁が見えてきた。

「立派なものだなぁ。」

生まれも育ちも王国なもんで、30年生きてきても帝国に来るのは初めてだったりする。王国にはこんな立派なお城と城壁はなかったし、新しい世界に来たみたいだなぁ。

「それじゃ、冒険者手続きをするために帝都に向かうとするか!」

気持ちの良い程に大きな声をだし、俺は新たな生活を手に入れるため、その大きな城門をくぐり、帝国に足を踏み入れたのだった───



・・・・・・・・・あとがき・・・・・・・・・
この作品を読んでいただきありがとうございます!
この作品がいいと思ったらブクマやWeb大賞の投票をしていただけると励みになります!
これからもこの作品をよろしくお願いします!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。 故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。 一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。 「もう遅い」と。 これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!

僻地に追放されたうつけ領主、鑑定スキルで最強の配下たちと共に超大国を創る

瀬戸夏樹
ファンタジー
時は乱世。 ユーベル大公国領主フリードには4人の息子がいた。 長男アルベルトは武勇に優れ、次男イアンは学識豊か、3男ルドルフは才覚持ち。 4男ノアのみ何の取り柄もなく奇矯な行動ばかり起こす「うつけ」として名が通っていた。 3人の優秀な息子達はそれぞれその評判に見合う当たりギフトを授かるが、ノアはギフト判定においてもハズレギフト【鑑定士】を授かってしまう。 「このうつけが!」 そう言ってノアに失望した大公は、ノアを僻地へと追放する。 しかし、人々は知らない。 ノアがうつけではなく王の器であることを。 ノアには自身の戦闘能力は無くとも、鑑定スキルによって他者の才を見出し活かす力があったのである。 ノアは女騎士オフィーリアをはじめ、大公領で埋もれていた才や僻地に眠る才を掘り起こし富国強兵の道を歩む。 有能な武将達を率いる彼は、やがて大陸を席巻する超大国を創り出す。 旧タイトル「僻地に追放されたうつけ領主、鑑定スキルで最強武将と共に超大国を創る」 なろう、カクヨムにも掲載中。

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

処理中です...