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フェリアル・エーデルス
366.いけめんふぇりあるとプレゼント
しおりを挟む「俺もフェリアル様の"ください"見たかったです!」
「水晶にしっかり保存してるっすよ」
「え、何ですか貴方。天才ですか?」
いつの間に仲良くなったのか、シモンとシャルルが楽しくお話をしている様子を前に庭園を進む。
朝食後。部屋を出ようとした時にパパに呼び止められ、庭園にプレゼントを用意したと何やらワクワクなことを言われたのだ。
本当はパパも一緒に行く予定だったけれど、途中で緊急の仕事が入ったとかで執事さんに引き摺られて行ってしまった。かわいそう。
代わりにシャルルが案内してくれるとかで、今はその最中。道中にぽつぽつと会話を始めたシャルルとシモンが何だか仲良くなっているのが嬉しい予定外。
シモンはずーっと僕に尽くしてくれているから、たまにはお友達をつくってのんびり羽を伸ばしてほしい。よきお友達ができてよかったねと一人うむうむ頷いた。
「父上が用意したプレゼントって何だろうね?」
「……?ライネスも知らないの?」
「突然一人で勝手に動く人だから……。周囲に報告とかしないタイプなんだよ。報告なんてしなくても、何でも上手く収めてしまうからね」
なるへそ、と納得。確かにパパはいちいち誰かに報告なんてしなさそうだ。
ライネス曰く、そのせいで大公妃さまに怒られることもしばしばあるらしい。王様みたいなパパだけれど、意外と大好きな奥さんには弱いタイプなのかな。ほほえましい。
「さっきも大公妃さま、びっくりしてたもんね」
「やっぱり母上にも言ってなかったんだろうね。あれは今頃キツく説教されてると思うよ」
おかしそうにクスクス笑うライネスを見て、僕も釣られてにこにこ頬を緩める。やっぱりライネスの笑顔は素敵だ、不思議と周りもにこにこさせる素敵な笑顔。
「くふふ」
「……うん?なぁにその可愛い笑顔は?食べちゃうよ?」
思わずくふふと頬を染めて微笑む僕にライネスが首を傾げた。食べちゃうって、人は食べられないよ。
僕のにこにこを見たライネスが嬉しそうに笑うから、またにこにこが深くなる。ぎゅっと繋いだ手に力を込めて答えた。
「ライネスすてき。ライネスと結婚出来る人は幸せねーって思ったら、僕だったの。嬉しいね、幸せだねぇ」
「なっ……!」
かぁーっと真っ赤っかに頬を染めるライネス。何かおかしなこと言っちゃったかな、とぱちくり。
すると不意に、ついさっきまで仲良くお話をしていたはずのシモンとシャルルの声が聞こえて首を傾げた。
視線を向けると、そこにはヒューッと口笛を吹いてにんまり笑顔の二人の姿が。
「流石フェリアル様!イケメン!素敵!カッコイイ!」
「どっちが旦那なんだか」
パチパチパチッと拍手するシモン。呆れ顔の苦笑をライネスに向けるシャルル。
突然の賞賛にあわわっと困惑しながらも、なんだかんだ満更でもないのでにこにこ。嬉しい。
「えへへ。僕いけめん。かっこいい」
きらりーんとイケメンなポーズをすると途端に賞賛の言葉が切り替わる。カッコイイ!から可愛い!に変わってムッとなった。かっこいいじゃないんかーい。
「わっ、私だって幸せだよ!フェリの旦那様になれる人は幸せだなーって思ったら、私だったよ!嬉しいよ!」
「それはそうですよ。この世の全てに感謝してください」
「フェリアル様と結婚出来るとか強運すぎるっすよ。この世の全てを崇めて生きてください」
なんだか僕の時とは違う反応を受けるライネス、あわれ。
ちょっぴり辛辣な声音の二人をぴしゃっと制して、しょぼぼんライネスをなでなで。僕もライネスと結婚出来ることに感謝して、神様にありがとうしてるよ。
「ライネス好きだよ。ライネスに好きって想ってもらえるの、とってもありがたいよ。好きになってくれてありがとうねライネス」
「うぅ……私もフェリ愛してるよ……好きになってくれてありがとうフェリ……」
「なんすかこのショタ。イケメン過ぎるだろ」
「流石フェリアル様。可愛いだけじゃなくカッコイイまで極めているなんて……」
僕もすべてにありがとうだよとライネスよしよし。愛してるって言われちゃった。てれてれ。
むぎゅーっと抱き締められながら、不意に今の目的を思い出してハッとする。
そうだ、今はこの世の全てに感謝している場合じゃない。パパからのプレゼントを確認しなければいけないのだ。
慌ててライネスをぽすっと離して、シャルルをあわわっと催促。けれどあわあわしているのは僕だけで、シャルルは軽く「あぁ、そういえばそうだったっすね」と言いながら周囲を指差した。
「ここっすよ。プレゼント」
「……む?」
「ここっす。この花畑がフェリアル様へのプレゼントっす」
辺りをきょろきょろ。さっきからとことこ歩いていた道中も振り返り、むむ?と首を傾げる。いまなんと?
「……お花畑が、プレゼント?」
「そうっすね」
「ここからここまで?」
「いや、ここからあっちまでです。あの、よーく目を凝らすとあそこに塔が見えるっしょ?あそこまでっす」
目を凝らしても塔なるものが見えないのでござるが……?と呆然と固まった。
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