何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました

海咲雪

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プロローグ

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「ロイド様、今回も愛しては下さらないのですね」


「聖女」と呼ばれている私の妹リアーナ・フィオールの能力は、「モノの時間を戻せる」というもの。

姉の私ティアナ・フィオールには、何の能力もない・・・そう皆に思われている。

しかし、実際は違う。

私の能力は、「自身の記憶を保持したまま、世界の時間を戻せる」。

つまり、過去にのみタイムリープ出来るのだ。

そのことを誰も知らぬまま、私は何度も第一王子ロイド・エルホルムとの婚約破棄を繰り返している。

馬鹿で愚かな私は、18歳の婚約破棄の度に時を戻している。

どうしたら、ロイド様の愛を得られるのか。


ただそれだけを考えながら。


始めは、一年前の17歳に。

経った一年、時を戻せばロイド様の愛を得られると思っていた。

しかし、残酷なことにロイド様はまた私に婚約破棄を言い渡した。

その次は、私が16歳の時まで時間を戻した。

それでも駄目で。

15歳、14歳と時を戻す量を増やしていった。

そして、愚かな私は気づいていなかった。

力には限界があることを、何度も世界の時間を戻せば限界が来ることを。

5回目に時を戻す時、13歳の私に行こうと思っていたのに、4回目と同じ14歳になっていた。

きっとやり直しを出来る回数はもう限られていると、その時初めて気づいた。

そして、それと同時にもうロイド様の愛を求めることに嫌気が差した。

だから5回目の人生で婚約破棄された18歳は、最後に力を振り絞った。

どうかこれで最後にするので時を戻してください、と。

目を覚ますと、私は8歳の自分に戻っていた。

そして、もう力は一切残っていないことを感じた。

ロイド様、私は貴方の愛を得ることだけに今まで全ての時間を使ってきましたわ。

でも、どうしてなのでしょう?

何度時間を戻しても、貴方は苦しそうな顔で私に婚約破棄を言い渡し、「妹」と新たに婚約することを発表する。

もう次の人生は貴方の愛など求めない。

貴方が居なくても幸せになってみせる。


だから、どうか妹と幸せになって下さい。
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