4 / 24
懐かしい夢、ロイドの訪問
しおりを挟む
街に出掛けた夜、懐かしい夢を見た。
「ティアナ、君は私の秘密など知らなくていい」
前回の人生で婚約破棄された卒業パーティーの前日。
ロイド様は、会いに行った私に何故か悲しみを浮かべた顔でそう述べた。
一体ロイド様が何を考えていらっしゃったのかは分からない。
しかし、ロイド様のあの顔を忘れることなど出来なかった。
ロイド様も何か秘密を抱えていたのだろうか。
「いいえ、今の私には関係ないことだわ」
私は目を瞑《つぶ》り、もう一度眠りについた。
リアーナと街へ出掛けて三週間が経った頃のこと。
私とリアーナは、たまにお茶会をしたりと距離を縮めていた。
しかし、段々とリアーナの話はロイド様のことが多くなっていった。
「ロイド様にまた会いたいですわ。街で会った時はあまりお話出来なかったですから、今度お茶会に誘いませんか?」
「それは・・・」
今までの人生で何度も惹かれあった二人である。
リアーナが一目でロイド様に恋に落ちても不思議ではないだろう。
「何か駄目な理由でもあるのですか?」
駄目な理由などないはずだ。
だってリアーナとロイド様はいつかは結ばれるのだから、その時期がズレても問題はないだろう。
私が、今回の人生ではロイド様に関わらなければ良いだけのこと。
「いえ、今度お誘いしてみましょうか。でも、私は暫く忙しいからリアーナとロイド様の二人で・・・」
コンコン。
私の言葉を遮《さえぎ》るように、扉をノックする音が聞こえた。
「ロイド殿下がお見えです。客間にお通ししますか?」
執事長がそう問うた。
街でロイド様に「また会いに行ってもいいか?」と問われた時に、一線を引いたことはロイド様も気づいていただろう。
まさか本当に会いに来るなんて・・・
しかし、王族でいらっしゃるロイド様を出迎えないわけにはいかない。
私が困っていると、リアーナが勢いよく立ち上がった。
「私が出迎えますわ!客間にお通しして頂戴!」
「リアーナ・・・!?」
「お姉様はお忙しいでしょう?私が要件を聞いて参りますわ。勿論、何かあったらお呼び致します!」
ここはリアーナに任せても良いのだろうか?
しかし、今回の人生での一つの目標は「ロイド様に近づかないこと」。
「そうね。では、リアーナに任せても良いかしら?」
「はい!」
リアーナが元気よく返事をして、部屋を飛び出して行った。
「これで良かったのよね・・・」
何故、自分がそう呟いてしまったのか、私には分からなかった。
「ティアナ、君は私の秘密など知らなくていい」
前回の人生で婚約破棄された卒業パーティーの前日。
ロイド様は、会いに行った私に何故か悲しみを浮かべた顔でそう述べた。
一体ロイド様が何を考えていらっしゃったのかは分からない。
しかし、ロイド様のあの顔を忘れることなど出来なかった。
ロイド様も何か秘密を抱えていたのだろうか。
「いいえ、今の私には関係ないことだわ」
私は目を瞑《つぶ》り、もう一度眠りについた。
リアーナと街へ出掛けて三週間が経った頃のこと。
私とリアーナは、たまにお茶会をしたりと距離を縮めていた。
しかし、段々とリアーナの話はロイド様のことが多くなっていった。
「ロイド様にまた会いたいですわ。街で会った時はあまりお話出来なかったですから、今度お茶会に誘いませんか?」
「それは・・・」
今までの人生で何度も惹かれあった二人である。
リアーナが一目でロイド様に恋に落ちても不思議ではないだろう。
「何か駄目な理由でもあるのですか?」
駄目な理由などないはずだ。
だってリアーナとロイド様はいつかは結ばれるのだから、その時期がズレても問題はないだろう。
私が、今回の人生ではロイド様に関わらなければ良いだけのこと。
「いえ、今度お誘いしてみましょうか。でも、私は暫く忙しいからリアーナとロイド様の二人で・・・」
コンコン。
私の言葉を遮《さえぎ》るように、扉をノックする音が聞こえた。
「ロイド殿下がお見えです。客間にお通ししますか?」
執事長がそう問うた。
街でロイド様に「また会いに行ってもいいか?」と問われた時に、一線を引いたことはロイド様も気づいていただろう。
まさか本当に会いに来るなんて・・・
しかし、王族でいらっしゃるロイド様を出迎えないわけにはいかない。
私が困っていると、リアーナが勢いよく立ち上がった。
「私が出迎えますわ!客間にお通しして頂戴!」
「リアーナ・・・!?」
「お姉様はお忙しいでしょう?私が要件を聞いて参りますわ。勿論、何かあったらお呼び致します!」
ここはリアーナに任せても良いのだろうか?
しかし、今回の人生での一つの目標は「ロイド様に近づかないこと」。
「そうね。では、リアーナに任せても良いかしら?」
「はい!」
リアーナが元気よく返事をして、部屋を飛び出して行った。
「これで良かったのよね・・・」
何故、自分がそう呟いてしまったのか、私には分からなかった。
510
あなたにおすすめの小説
婚約者に「ブス」と言われた私の黒歴史は新しい幸せで塗り替えました
四折 柊
恋愛
私は十歳の時に天使のように可愛い婚約者に「ブス」と言われ己の価値を知りました。その瞬間の悲しみはまさに黒歴史! 思い出すと叫んで走り出したくなる。でも幸せを手に入れてそれを塗り替えることが出来ました。全四話。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
【完結】婚約破棄されたらループするので、こちらから破棄させていただきます!~薄幸令嬢はイケメン(ストーカー)魔術師に捕まりました~
雨宮羽那
恋愛
公爵令嬢フェリシア・ウィングフィールドは、義妹に婚約者を奪われ婚約破棄を告げられる。
そうしてその瞬間、ループしてしまうのだ。1年前の、婚約が決まった瞬間へと。
初めは婚約者のことが好きだったし、義妹に奪われたことが悲しかった。
だからこそ、やり直す機会を与えられて喜びもした。
しかし、婚約者に前以上にアプローチするも上手くいかず。2人が仲良くなるのを徹底的に邪魔してみても意味がなく。いっそ義妹と仲良くなろうとしてもダメ。義妹と距離をとってもダメ。
ループを4回ほど繰り返したフェリシアは思った。
――もういいや、と。
5回目のやり直しでフェリシアは、「その婚約、破棄させていただきますね」と告げて、屋敷を飛び出した。
……のはいいものの、速攻賊に襲われる。そんなフェリシアを助けてくれたのは、銀の長髪が美しい魔術師・ユーリーだった。
――あれ、私どこかでこの魔術師と会ったことある?
これは、見覚えがあるけど思い出せない魔術師・ユーリーと、幸薄め公爵令嬢フェリシアのラブストーリー。
※「小説家になろう」様にも掲載しております。
※別名義の作品のストーリーを大幅に改変したものになります。
※表紙はAIイラストです。(5/23追加しました)
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
謹んで婚約者候補を辞退いたします
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ブリジットは王太子ヴィンセントの婚約者候補の三人いるうちの一人だ。すでに他の二人はお試し期間を経て婚約者候補を辞退している。ヴィンセントは完璧主義で頭が古いタイプなので一緒になれば気苦労が多そうで将来を考えられないからだそうだ。ブリジットは彼と親しくなるための努力をしたが報われず婚約者候補を辞退した。ところがその後ヴィンセントが声をかけて来るようになって……。(えっ?今になって?)傲慢不遜な王太子と実は心の中では口の悪い公爵令嬢のくっつかないお話。全3話。暇つぶしに流し読んで頂ければ幸いです。
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。
完結 女性に興味が無い侯爵様、私は自由に生きます
ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ!
そんな私に好都合な相手が。
女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる