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ロイドとのお茶会
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ロイド様はすでにお茶会の場所にいらしており、菓子も準備されていた。
「申し訳御座いません。お待たせしてしまいましたわ」
「構わないよ。ティアナを待つ時間は浮かれてしまうからか、とても楽しいんだ」
そう仰って、ロイド様は微笑んだ。
私がロイド様の前の席に座ると、ロイド様はメイドに紅茶の準備をする様命じた。
「ティアナ、入学式は緊張したかい?」
「私はお話を聞いているだけですから大丈夫ですわ。ロイド様こそ代表挨拶は緊張なさらなかったのですか?」
「うーん、少しだけしたかな。いつもはどんな時もあまり緊張はしないんだけれど」
「そうなのですか?」
「うん。今回はティアナに格好良く思われたくて、頑張ったからね・・・なんて、子供っぽいかな?」
ロイド様はそう仰って楽しそうに微笑んだ。
「ああ、そうだ。ティアナに言わなければならないことがあったんだった」
「何ですか?」
「王妃、つまり私の母に会う必要は無いからね。王妃は厳しい人だから。まぁティアナほどの淑女なら何も言わないだろうけれど、やはり会わない方がいいだろう」
ロイド様が私と目を合わせたまま、暫く逸らさない。
「どうされましたか?」
「何でもないよ。いつかは挨拶をすることになるだろうけど、何を言われても気にしないでくれ」
その言葉に私はとても驚いた。
何故なら今までの人生でロイド様は私に何度も言い聞かせていたからだ。
「絶対に王妃には会わないで欲しい」と。
前の人生で私が学園に入学した後のこと。
本当は王妃様は王族しか面会が許されないが、婚約を結んだことの報告とご挨拶をすることになった。
しかしロイド様はそのことを頑なに反対し、王妃様との面会は無効に決まった。
「ティアナ?どうかしたかい?」
「ああ、いえ・・何でもありませんわ」
「じゃあ、紅茶が冷めないうちに頂こうか」
私は紅茶を一口、そっと口にする。
「・・・!とっても美味しいですわ!」
紅茶の深い味わいについ私は感激してしまった。
「ティアナの笑顔が見られるなら、手に入れたかいがあるね」
ロイド様も紅茶に口をつける。
「ああ、本当だ。とても美味しね。
ねぇ、ティアナ。いつかこの紅茶の取れる隣国へ共に旅行へ行こうか」
「え・・・?」
「ティアナと居られるなら、どこへ行ってもきっと楽しいだろう」
「いつか」という言葉に胸が痛くなる。
貴方は「いつか」その微笑みを私には向けなくなる。
私に会うたびに苦しそうに笑う様になるのだ。
「そうですわね・・・」
私はそう曖昧に返事をすることしか出来ない。
ロイド様が、紅茶のカップを置いて私と目を合わせる。
「ティアナ、ずっと私の隣にいてくれ」
ロイド様はそう仰って、私に微笑みかけて下さる。
しかし、その約束を結ぶことは出来ない。
それでも、これだけははっきりと言える。
「どこにいても、私はロイド様の味方ですわ」
優しい紅茶の味がそっと心にまで沁みた気がした。
お茶会が終わり、その日の夜はぐっすりと眠ってしまった。
また懐かしい夢を見る。
「ティアナ、君を守るためならば、私は・・・・」
「君にもっと愛を伝えておけば良かった」
「ティアナ、いつまでも愛しているよ」
婚約破棄の一ヶ月前。
風邪で体調を崩して寝ている私を訪れたロイド様に、朧《おぼろ》げながらもそう言われた気がした。
いいえ、気のせいね。
ロイド様がそんなことをおっしゃるはずがない。
きっと熱でうなされた私が見た幻覚だわ。
だって、貴方は結局私を愛してなどいなかったのだから。
分かっているはずなのに胸が痛むのは何故でしょう?
その日の満月は、私の気持ちとは裏腹《うらはら》に美しく輝いていた。
「申し訳御座いません。お待たせしてしまいましたわ」
「構わないよ。ティアナを待つ時間は浮かれてしまうからか、とても楽しいんだ」
そう仰って、ロイド様は微笑んだ。
私がロイド様の前の席に座ると、ロイド様はメイドに紅茶の準備をする様命じた。
「ティアナ、入学式は緊張したかい?」
「私はお話を聞いているだけですから大丈夫ですわ。ロイド様こそ代表挨拶は緊張なさらなかったのですか?」
「うーん、少しだけしたかな。いつもはどんな時もあまり緊張はしないんだけれど」
「そうなのですか?」
「うん。今回はティアナに格好良く思われたくて、頑張ったからね・・・なんて、子供っぽいかな?」
ロイド様はそう仰って楽しそうに微笑んだ。
「ああ、そうだ。ティアナに言わなければならないことがあったんだった」
「何ですか?」
「王妃、つまり私の母に会う必要は無いからね。王妃は厳しい人だから。まぁティアナほどの淑女なら何も言わないだろうけれど、やはり会わない方がいいだろう」
ロイド様が私と目を合わせたまま、暫く逸らさない。
「どうされましたか?」
「何でもないよ。いつかは挨拶をすることになるだろうけど、何を言われても気にしないでくれ」
その言葉に私はとても驚いた。
何故なら今までの人生でロイド様は私に何度も言い聞かせていたからだ。
「絶対に王妃には会わないで欲しい」と。
前の人生で私が学園に入学した後のこと。
本当は王妃様は王族しか面会が許されないが、婚約を結んだことの報告とご挨拶をすることになった。
しかしロイド様はそのことを頑なに反対し、王妃様との面会は無効に決まった。
「ティアナ?どうかしたかい?」
「ああ、いえ・・何でもありませんわ」
「じゃあ、紅茶が冷めないうちに頂こうか」
私は紅茶を一口、そっと口にする。
「・・・!とっても美味しいですわ!」
紅茶の深い味わいについ私は感激してしまった。
「ティアナの笑顔が見られるなら、手に入れたかいがあるね」
ロイド様も紅茶に口をつける。
「ああ、本当だ。とても美味しね。
ねぇ、ティアナ。いつかこの紅茶の取れる隣国へ共に旅行へ行こうか」
「え・・・?」
「ティアナと居られるなら、どこへ行ってもきっと楽しいだろう」
「いつか」という言葉に胸が痛くなる。
貴方は「いつか」その微笑みを私には向けなくなる。
私に会うたびに苦しそうに笑う様になるのだ。
「そうですわね・・・」
私はそう曖昧に返事をすることしか出来ない。
ロイド様が、紅茶のカップを置いて私と目を合わせる。
「ティアナ、ずっと私の隣にいてくれ」
ロイド様はそう仰って、私に微笑みかけて下さる。
しかし、その約束を結ぶことは出来ない。
それでも、これだけははっきりと言える。
「どこにいても、私はロイド様の味方ですわ」
優しい紅茶の味がそっと心にまで沁みた気がした。
お茶会が終わり、その日の夜はぐっすりと眠ってしまった。
また懐かしい夢を見る。
「ティアナ、君を守るためならば、私は・・・・」
「君にもっと愛を伝えておけば良かった」
「ティアナ、いつまでも愛しているよ」
婚約破棄の一ヶ月前。
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いいえ、気のせいね。
ロイド様がそんなことをおっしゃるはずがない。
きっと熱でうなされた私が見た幻覚だわ。
だって、貴方は結局私を愛してなどいなかったのだから。
分かっているはずなのに胸が痛むのは何故でしょう?
その日の満月は、私の気持ちとは裏腹《うらはら》に美しく輝いていた。
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