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3.また逃げるのですか?
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ディナーが始まって数十分、まだ私とセルト様は一言も会話をしていない。
ここは紳士らしくセルト様から話を降って欲しいところだったが、そうもいかないらしい。
「セルト様、なぜ急に私と一緒にディナーをとりたいと仰ったのですか?」
セルト様の視線が私に向く。
普段目の合いにくいセルト様と視線が合うだけで、心臓がドクンと跳ねたのが分かった。
そんな動揺を悟られないように私はいつもより表情に力を入れてしまう。
「レシールが逃げるなと言ったのだろう?」
まるで何か悪巧みをしているのではないかと思ってしまうような笑みをセルト様が浮かべている。
その笑みでつい私の強気な性格も顔を出してしまう。
「その割には数日間お呼びがなかったですけれど?」
「私も忙しいんだ」
セルト様も私の物言いに慣れてきたのか一つ一つに動揺しなくなっていた。
「レシール、ディナーが終わったら私の部屋に来ないか?」
突然の誘い。
しかしセルト様の表情から私の反応を見ていることは確かだった。
ならば……
「もちろん行きますわ。セルト様が私と向き合って下さるなら私には逃げる理由がありませんもの」
感情のままにそう述べただけなのに、何故かセルト様は少しだけ驚いたような表情を浮かべた。
「セルト様。ディナー後の予定も決まりましたし、今は食事を楽しみましょう?」
私の言葉にセルト様は食事を再開したが、何を考えているのかは表情からだけでは読み取れなかった。
しかし食事が終わっても、セルト様はすぐに立ち上がらない。
「セルト様?」
不躾だが、そっとセルト様の顔を覗き込む。
少しだけ緊張しているように強張った表情を見て、先ほどの自室への誘いを私が断ると思っていたのだと悟る。
私が断ると思っていて、強気な物言いをしたのだろう。
そのことに気づいて、私はついセルト様を可愛いと思ってしまう。
「あら、セルト様。また逃げるのですか?」
「っ……! 馬鹿にするな……!」
セルト様がすぐに立ち上がり、自室に向かおうと歩いていく。
「妻を置いて先に歩いていく旦那様はあまり格好良くないですよ?」
「っ! 早く行くぞ」
旦那様が立ち止まって私が隣に来るのを待ってくださっている。
「ふふっ、可愛い旦那様」
私はついそう呟いてしまった。
ここは紳士らしくセルト様から話を降って欲しいところだったが、そうもいかないらしい。
「セルト様、なぜ急に私と一緒にディナーをとりたいと仰ったのですか?」
セルト様の視線が私に向く。
普段目の合いにくいセルト様と視線が合うだけで、心臓がドクンと跳ねたのが分かった。
そんな動揺を悟られないように私はいつもより表情に力を入れてしまう。
「レシールが逃げるなと言ったのだろう?」
まるで何か悪巧みをしているのではないかと思ってしまうような笑みをセルト様が浮かべている。
その笑みでつい私の強気な性格も顔を出してしまう。
「その割には数日間お呼びがなかったですけれど?」
「私も忙しいんだ」
セルト様も私の物言いに慣れてきたのか一つ一つに動揺しなくなっていた。
「レシール、ディナーが終わったら私の部屋に来ないか?」
突然の誘い。
しかしセルト様の表情から私の反応を見ていることは確かだった。
ならば……
「もちろん行きますわ。セルト様が私と向き合って下さるなら私には逃げる理由がありませんもの」
感情のままにそう述べただけなのに、何故かセルト様は少しだけ驚いたような表情を浮かべた。
「セルト様。ディナー後の予定も決まりましたし、今は食事を楽しみましょう?」
私の言葉にセルト様は食事を再開したが、何を考えているのかは表情からだけでは読み取れなかった。
しかし食事が終わっても、セルト様はすぐに立ち上がらない。
「セルト様?」
不躾だが、そっとセルト様の顔を覗き込む。
少しだけ緊張しているように強張った表情を見て、先ほどの自室への誘いを私が断ると思っていたのだと悟る。
私が断ると思っていて、強気な物言いをしたのだろう。
そのことに気づいて、私はついセルト様を可愛いと思ってしまう。
「あら、セルト様。また逃げるのですか?」
「っ……! 馬鹿にするな……!」
セルト様がすぐに立ち上がり、自室に向かおうと歩いていく。
「妻を置いて先に歩いていく旦那様はあまり格好良くないですよ?」
「っ! 早く行くぞ」
旦那様が立ち止まって私が隣に来るのを待ってくださっている。
「ふふっ、可愛い旦那様」
私はついそう呟いてしまった。
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