最弱スキル《リサイクル》で世界を覆す ~クラス追放された俺は仲間と共に成り上がる~

KABU.

文字の大きさ
41 / 75
第四章:「大陸統一戦争」

第41話:再生同盟

しおりを挟む
 夜明け前の空は、まだ灰色だった。
 廃都メルディナの中心塔。その最上部から、蓮は静かに地平を見つめていた。
 新しい旗が、風を切って翻る。
 黒地に銀環――再生を象徴する印。

 リアが肩を組むように隣に立つ。
 「なぁ、見てみろよ。街の外まで灯りが伸びてる。」
 蓮は頷いた。
 「“再生都市”の輪が広がってる証拠だな。」
 「まさか、あのボロ街がこんなになるなんてな。……お前の《リサイクル》、本当に世界を変えちまってる。」
 「変えてるのは、みんなだよ。俺ひとりじゃ何もできない。」

 リアはふっと笑う。
 「相変わらず、そういうことサラッと言うよな。……でも、嫌いじゃないぜ。」



 日が昇る。
 メルディナの広場には、百人を超える代表者たちが集まっていた。
 人間、エルフ、獣人、魔族――かつて敵として刃を交えた種族たちが、今はひとつの円卓を囲んでいる。

 会議の中央に立った蓮が、静かに口を開いた。
 「今日から、俺たちは“再生同盟”として動く。
  戦うためじゃない。壊れた世界を繋ぎ直すためだ。」

 ざわめきが広がる。
 獣人の戦士が立ち上がった。
 「だが王国は、俺たちを“異端”と呼んで狩ってくるんだろう? どう立ち向かう?」
 蓮は視線を向け、答えた。
 「戦争を望むなら止める。けど、破壊しか考えないなら――それごと直す。」
 「直す……だと?」
 「壊して終わりじゃない。再生させてこそ意味がある。」

 その言葉に、会場が静まり返る。
 セリナが一歩前に出た。
 「再生とは、赦しの行為です。
  敵であっても、壊された命をもう一度立ち上がらせる……それがこの同盟の理念。」

 やがて一人、また一人と代表者たちが頷いた。
 「ならば、俺たちは“修復者”として誓う!」
 「奪う時代は終わりだ!」
 歓声が広がり、空気が熱を帯びていく。



 その夜、蓮たちは屋上で集まっていた。
 セリナが星を見上げながら呟く。
 「まるで、星々が再生の環を描いているようですね。」
 「この大陸も、同じ形になればいい。」蓮が答える。
 リアが笑った。
 「お前らの言ってること、詩人みたいで気恥ずかしいな。でも、嫌いじゃねぇ。」

 セリナが微笑み、蓮を見つめる。
 「あなたの理念、王国にも届き始めています。
  ただ――あちらは“異端者の宣言”と受け取ったようですが。」
 「予想通りだ。王国も教会も、“壊す”ことでしか世界を動かせない。」
 「だからこそ、あなたは“直す”。ですね。」
 蓮は小さく笑った。
 「そういうことだ。」



 一方その頃、王都アルゼリアでは。
 聖教会の神殿に、王と司祭、そして宰相ヴァルガが並んでいた。
 「陛下、奴の旗印は“再生”を掲げていますが、その実、秩序の破壊です。」
 ヴァルガの声は冷たい。
 「王国の秩序を揺るがす思想は、放置できません。」
 司祭がうなずく。
 「女神の教えに背く者は、光の下で粛清されるのみ。」
 王は重く沈んだ声で言った。
 「……異端討伐軍を編成せよ。名を、“浄化の聖軍”とする。」



 数日後。
 メルディナに戻った蓮は、修理班の報告を聞いていた。
 「旧王国の街道に沿って、避難民が集まっています。」
 「武装した兵の姿もありましたが、彼らはあなたを“救世主”と呼んでいました。」
 蓮は苦笑する。
 「救世主なんて柄じゃない。……ただの再利用屋だよ。」

 リアが後ろで笑いながら言う。
 「そういうとこ、ほんと変わらねぇな。
  でも、“再利用屋”が世界を変えてんだぜ? 笑える話だ。」

 セリナが言葉を添える。
 「謙虚なのは結構ですが、あなたが掲げた旗が希望になっているのは事実です。」
 蓮は頷いた。
 「なら、俺たちのやることは一つ。
  誰も捨てず、誰も見捨てない――その誓いを貫くだけだ。」



 夜。
 中央塔の頂で、再生同盟の旗が風を受けて大きく揺れた。
 蓮はその下で、手を掲げる。

 「この旗のもとに集う者たちよ。
  戦いは避けられない。だが、戦う理由を忘れるな。
  壊すためじゃなく、再び立ち上がるために――。」

 広場を埋めた人々が声を上げた。
 「再生を!」「再生を!」
 その声は、かつて滅んだ大地に新しい鼓動を刻んでいく。



 遠く離れた魔王城の玉座では、ルディアスが静かにその報せを聞いていた。
 「再生同盟……か。
  人間どもにしては、面白い理想だ。
  だが、その理想がどこまで貫けるか――見物だな。」

 魔王の瞳が、暗闇の中で妖しく光った。
 そしてその光は、やがて大陸全土を巻き込む“戦争”の炎へと変わっていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。 名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。 絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。 運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。 熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。 そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。 これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。 「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」 知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

スキル【土いじり】でパーティを追放された俺、開墾した畑からダンジョンが生えてきた。

夏見ナイ
ファンタジー
「役立たず」の烙印を押され、パーティを追放されたアルフォンス。彼のスキルは戦闘に不向きな【土いじり】。失意の彼は都会を離れ、辺境の地で静かに農業を営むことを決意する。 しかし、彼が畑を耕すと、そこから不思議なダンジョンが生えてきた! ダンジョン内では、高級ポーションになる薬草や伝説の金属『オリハルコン』が野菜のように収穫できる。地味だと思われた【土いじり】は、実はこの『農園ダンジョン』を育てる唯一無二のチートスキルだったのだ。 噂を聞きつけ集まる仲間たち。エルフの美少女、ドワーフの天才鍛冶師……。気づけば彼の農園は豊かな村へ、そして難攻不落の要塞国家へと発展していく。 一方、彼を追放したパーティは没落の一途を辿り……。 これは、追放された男が最強の生産職として仲間と共に理想郷を築き上げる、農業スローライフ&建国ファンタジー!

防御力ゼロと追放された盾使い、実は受けたダメージを100倍で反射する最強スキルを持ってました

黒崎隼人
ファンタジー
どんな攻撃も防げない【盾使い】のアッシュは、仲間から「歩く的」と罵られ、理不尽の限りを尽くされてパーティーを追放される。長年想いを寄せた少女にも裏切られ、全てを失った彼が死の淵で目覚めたのは、受けたダメージを百倍にして反射する攻防一体の最強スキルだった! これは、無能と蔑まれた心優しき盾使いが、真の力に目覚め、最高の仲間と出会い、自分を虐げた者たちに鮮やかな鉄槌を下す、痛快な成り上がり英雄譚! 「もうお前たちの壁にはならない」――絶望の底から這い上がった男の、爽快な逆転劇が今、始まる。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...