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第14話:同じチーム、同じ気持ち
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朝。
オフィスの空気が少しざわついていた。
「おい、見た? 新しい共同プロジェクトのチーム編成」
「広報と営業の混合って珍しいよな~」
「しかも、リーダー柊さんで、メイン担当が藤原!」
(……ついに正式発表)
モニターの前で、真由の心臓が高鳴る。
画面にははっきりと、
『プロジェクトリーダー:柊 誠
サブリーダー:藤原 真由』
の文字。
(また、一緒に働ける……!)
⸻
数時間後。
広報部の会議室。
新チームの初顔合わせ。
柊がホワイトボードの前に立つ。
スーツの袖を少しだけまくって、いつもより軽い表情。
「まずは自己紹介から……と言いたいが、
だいたい知ってる顔ばかりだな」
軽く笑いが起こる。
「今回の目的は、“会社のブランドを人で伝える”こと。
それぞれの部署の“声”を集めて一つのストーリーを作る。
――以上」
(短っ!)
隣の席で、真由が小声でつぶやく。
「相変わらず要点しか言わない……」
「何か言ったか?」
「い、いえ! 何も!」
そのやり取りに、周囲が少し笑う。
美咲がニヤッとした目で言った。
「久しぶりに見たわね、課長……じゃなくて柊さんのツッコミ」
「仕事中だ」
「はいはい、“仕事中限定”ね」
(うわ、美咲さん、勘が鋭い……!)
⸻
会議後。
廊下を歩いていると、成田が近づいてきた。
「おい真由、なんかお前、また柊さんと息合ってるな!」
「ち、違うよ! 普通に仕事の話!」
「いや~、どう見ても“職場恋愛再開編”だろ~?」
「成田っ!」
「冗談冗談! でもまあ……羨ましいな、あの信頼感」
(……信頼、か)
⸻
夕方。
プロジェクトルーム。
資料を並べながら、柊と真由が向かい合う。
「藤原、この部分、もう少し柔らかい表現にしてみてくれ」
「はい……たとえば、“人のつながり”とか?」
「いいな。……やっぱり君の言葉は温度がある」
「っ……」
思わず手が止まる。
「相変わらず、褒め方ずるいです」
「事実を言っただけだ」
「それがずるいんです!」
彼が少し笑う。
その笑顔が、以前より近い。
(……この距離。もう“上司と部下”って感じじゃない)
⸻
夜。
残業フロアに二人きり。
「進捗、だいぶ早いな」
「課長――あ、えっと、柊さんがいると安心するから、かも」
「……課長でいい」
「え?」
「俺はもう“肩書き”にこだわってない」
一瞬、空気が止まる。
「……じゃあ、課長で」
「そのほうが落ち着く」
「私も、です」
視線が交わる。
その間に、言葉より強い何かが流れた。
「……このチーム、成功させよう」
「はい。絶対に」
⸻
翌朝。
出社すると、社内チャットがざわついていた。
《@WORK_LIFE_BALANCE:
“再出発は、同じ道をもう一度歩くことじゃない。
隣を歩く人が、変わらないことだ。”》
「……また投稿してる」
そのコメント欄には、
“おかえりなさい”のメッセージが並んでいた。
(みんな、待ってたんだ)
スマホを見つめながら、
真由はそっと笑った。
その時、隣から声。
「藤原」
「はい?」
「コーヒー、ブラックでいいか」
「……覚えてたんですか」
「当たり前だ」
(もう、この人の隣が“日常”なんだ)
オフィスの空気が少しざわついていた。
「おい、見た? 新しい共同プロジェクトのチーム編成」
「広報と営業の混合って珍しいよな~」
「しかも、リーダー柊さんで、メイン担当が藤原!」
(……ついに正式発表)
モニターの前で、真由の心臓が高鳴る。
画面にははっきりと、
『プロジェクトリーダー:柊 誠
サブリーダー:藤原 真由』
の文字。
(また、一緒に働ける……!)
⸻
数時間後。
広報部の会議室。
新チームの初顔合わせ。
柊がホワイトボードの前に立つ。
スーツの袖を少しだけまくって、いつもより軽い表情。
「まずは自己紹介から……と言いたいが、
だいたい知ってる顔ばかりだな」
軽く笑いが起こる。
「今回の目的は、“会社のブランドを人で伝える”こと。
それぞれの部署の“声”を集めて一つのストーリーを作る。
――以上」
(短っ!)
隣の席で、真由が小声でつぶやく。
「相変わらず要点しか言わない……」
「何か言ったか?」
「い、いえ! 何も!」
そのやり取りに、周囲が少し笑う。
美咲がニヤッとした目で言った。
「久しぶりに見たわね、課長……じゃなくて柊さんのツッコミ」
「仕事中だ」
「はいはい、“仕事中限定”ね」
(うわ、美咲さん、勘が鋭い……!)
⸻
会議後。
廊下を歩いていると、成田が近づいてきた。
「おい真由、なんかお前、また柊さんと息合ってるな!」
「ち、違うよ! 普通に仕事の話!」
「いや~、どう見ても“職場恋愛再開編”だろ~?」
「成田っ!」
「冗談冗談! でもまあ……羨ましいな、あの信頼感」
(……信頼、か)
⸻
夕方。
プロジェクトルーム。
資料を並べながら、柊と真由が向かい合う。
「藤原、この部分、もう少し柔らかい表現にしてみてくれ」
「はい……たとえば、“人のつながり”とか?」
「いいな。……やっぱり君の言葉は温度がある」
「っ……」
思わず手が止まる。
「相変わらず、褒め方ずるいです」
「事実を言っただけだ」
「それがずるいんです!」
彼が少し笑う。
その笑顔が、以前より近い。
(……この距離。もう“上司と部下”って感じじゃない)
⸻
夜。
残業フロアに二人きり。
「進捗、だいぶ早いな」
「課長――あ、えっと、柊さんがいると安心するから、かも」
「……課長でいい」
「え?」
「俺はもう“肩書き”にこだわってない」
一瞬、空気が止まる。
「……じゃあ、課長で」
「そのほうが落ち着く」
「私も、です」
視線が交わる。
その間に、言葉より強い何かが流れた。
「……このチーム、成功させよう」
「はい。絶対に」
⸻
翌朝。
出社すると、社内チャットがざわついていた。
《@WORK_LIFE_BALANCE:
“再出発は、同じ道をもう一度歩くことじゃない。
隣を歩く人が、変わらないことだ。”》
「……また投稿してる」
そのコメント欄には、
“おかえりなさい”のメッセージが並んでいた。
(みんな、待ってたんだ)
スマホを見つめながら、
真由はそっと笑った。
その時、隣から声。
「藤原」
「はい?」
「コーヒー、ブラックでいいか」
「……覚えてたんですか」
「当たり前だ」
(もう、この人の隣が“日常”なんだ)
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