3,110 / 3,215
《オペレーション・ラストソング》 Ⅱ
しおりを挟む
「石神先生、お願いがあります」
《オペレーション・チャイナドール》が終了した数日後、鷹が俺の部屋に来て言った。
鷹は毎日のようにロシア上空を偵察し、詳細な報告を上げている。
《ブレイド・ハート》を率いて、少しでも多くの情報を集めようとしてくれていた。
それは作戦上の必要性でもあったが、何よりも鷹はロシアで生き残っている人々を何とか救いたいと考えていたことを俺は知っていた。
鷹は以前から偵察の合間に生きている人間を見つけると、毎回本部に救助の許可を求めて来た。
本部も状況を確認しながら、救援部隊を送り、または鷹たちが直接救出した。
そうした救出者は数千人にも上る。
本来は偵察活動の中での救出は非常に危険であり、俺としては許可したくはない。
当然、許可しなかったこともある。
しかし、鷹が必死に頼んで来る。
目の前に救える人間がいるとなると、鷹は毎回救助の許可を求めて来た。
何度も敵の攻撃を受けたこともある。
ロシア上空を鷹たちが飛んでいるのは敵ももう分かっていたので、攻撃のチャンスは逃さなかった。
敵の攻撃に対抗する戦力を送るのは、それだけ損耗の可能性もあり、それは鷹も承知していたが、それでも、だった。
俺もみんなも鷹の思いは分かっていたし、俺たちも、出来ることなら救いたい。
だから出来るだけ協力していた。
鷹は感謝し、その分ますます偵察に熱心に励んでいた。
まあ、《ブレイド・ハート》は離脱スピードが「虎」の軍の中では最高だ。
そのために結構な襲撃に遭っても鷹たちであれば逃げ出すことが出来た。
しかし救助のために、自分たちが囮になって攻撃を引き付けることさえあった。
俺は何度も鷹に注意したが、鷹は救出者を優先した。
その心はもちろん分かっていたので、俺も強くは言えなかったのだ。
そんな中で《オペレーション・チャイナドール》を決行した。
中国全土で生存者を救出しながら侵攻する浄化作戦だった。
中国がロシア同様に一切の通信が途絶えたからこその作戦決行だった。
俺は10億もいた中国の人口から、生存者も膨大にいるだろうと考えていたのだが、実際には違った。
中国は既に「業」により壊滅していたのだ。
生存者は予想を遙かに下回り、1万人もいなかった。
その結果に鷹もショックを受けていた。
それに「虎」の軍にも多くの死傷者が出た。
特に北京の大空洞でのものだったが、俺たちが知らぬ間にああいう仕掛けが既に構築されていることが脅威だった。
だから、俺はロシアを壊滅させる作戦を決意した。
もうこれ以上生存者を探している時間も無いし、危険も冒せない。
まだロシア国内に生存者がいるだろうことは予測していたが、「業」の侵攻を止めなければならない段階に来ていたのだ。
《ニルヴァーナ》は世界中のあちこちで常に感染者が絶えず、何度かパンデミックの危機もあった。
それに「ゲート」による《百鬼夜行》も度々起こり、いくら俺たちがソルジャーやデュールゲリエを配備しても必ず死傷者が出た。
しかも最近では人間による「虐殺部隊」が横行し始めている。
「虎」の軍は常に迎撃し鎮圧しているが、それでも毎回死者や負傷者が出続けている。
鷹は「ロシア浄化作戦」の実行に反対こそしながったが、最後に徹底的に生き残った人間を探し出して救出したいと申し出て来たのだ。
俺としては、もうロシア人の救出は限界だろうと考えていた。
生存者は少ないだろうし、反対に救出に伴う危険性は高まっている。
特に《ディラック・クラウド》が拡がりつつあり、もうロシアにほとんど「人間」はいないだろうと考えられていた。
しかし、鷹は必死に偵察任務の間に生存者の可能性を探し出し、まだ生き残った人間たちがシベリアの山中などにいることを突き止めて来た。
「鷹、それは分かったが、もうこれ以上の救出作戦は難しいぞ」
「はい。それは分かっています。でも、何とか救い出したいのです!」
「……」
「業」はロシアを完全掌握し、国土は魔界と化しつつあった。
それが日々色濃くなって行った。
「ゲート」をロシア国内の至る場所に瞬時に展開し、いつでも膨大な数の妖魔を輩出出来ると分かっていく。
つい先日も鷹の「ブレイド・ハート」が数十京の膨大な妖魔に襲われそうになったが、超高速での退避でなんとか免れた。
「ブレイド・ハート」はマッハ数百で移動するためだ。
しかし、もうこれ以上の偵察も難しいと俺は判断した。
また、地雷的な妖魔の噴出場所をいくつも展開し、俺たちが近づけば突然の襲撃に晒されることも判明していた。
あの中国北京での「大空洞」の小規模なものだ。
だからこそ、俺はロシア全土の壊滅作戦を決定したのだ。
最も危険なのは《ディラック・クラウド》であり、それが《ニルヴァーナ》の空気感染型であることが判明した。
救出の最中に《ディラック・クラウド》に覆われれば、生存者はもちろん、完全密封の気密服ですらどうなるのか分からなかった。
鷹の率いる「ブレイド・ハート」の情報統括部門の長官アザーロフ・ドミトリーと副官のマルセル・イーストも鷹の主張する救出作戦には反対だった。
俺も鷹を説得したが、鷹は尚も涙を流し俺に救出作戦を懇願して来た。
俺は断り続け、鷹は俺に頼みに来続ける。
しかし柳が「オロチ・ストーム」を編み出し、双子が《ディラック・クラウド》はもちろん、「ゲート」内部の無力化の効果も高いことを証明した。
双子が鷹の願いを何とかしたいと考えていたのだ。
「オロチ・ストーム」に最も喜んだのは鷹だった。
まあ、最初は大笑いして習得出来なかったのだが、その時にはまだ「オロチ・ストーム」の効果が分かっていなかったせいもあるだろう。
俺が「オロチ・ストーム」の完成記念パーティ(習得懇願パーティ)を開いたのだが、鷹はそれとは別に柳に感謝し、何度か《キャッスル・ドラゴン》に赴いて柳たちに渾身の料理を振る舞って感謝した。
柳が子どもたちが大感激していた。
「オロチ・ストーム」のお陰で、救出作戦が具体的な現実味を帯びて行った。
鷹は茜と葵の《トラキリー》にも協力を要請し、茜たちももちろん全面的に同意して俺に嘆願に来た。
また救援活動に熱心な六花と「紅六花」にも話し、六花たちも俺に頼み込んで来た。
そうして最後の救出作戦《オペレーション・ラストソング》が決定された。
俺が鷹たちの熱意に折れたのだ。
鷹が涙を流して俺に感謝した。
《オペレーション・ラストソング》の具体的な内容は、鷹の《ブレイド・ハート》が探し出した生存者の位置情報を元に、救出部隊が向かう、というものだ。
この作戦の危険性は、鷹も十分に承知していた。
だからこそ、詳細な生存者の位置を突き止めて行ったのだ。
中でも危険性の高い場所には「紅六花」たちが向かい、シベリア山中の散開して生存している広域の生存者たちを「トラキリー」が救出する。
その間も鷹の「ブレイド・ハート」が偵察しながら、他の場所の生存者も捜索し続ける。
《轟霊号》をシベリア東端に接岸し、救出者の収容と支援部隊の待機場所とした。
鷹の「ブレイド・ハート」がデュールゲリエたちを含めて500、「トラキリー」は同じく8000、「紅六花」は30000もの部隊になる。
余談だが、「トラキリー」には発足以来、転属の希望者が殺到した。
それは茜と葵たちに戦場で救われた者たちだった。
彼女らに感謝し、自分も是非入隊したいとの希望だった。
俺は「トラキリー」はそれほど大規模な部隊にするつもりも無かったのだが、自然と8000もの大所帯に膨らんだ。
それに更に俺は迎撃要員として亜紀ちゃんと真夜、真昼、柳、それに羽入と紅を任命した。
それと虎蘭。
虎蘭はこの後の《オペレーション・ゴルディアス》に参加してもらうつもりだった。
俺以外で《オペレーション・ゴルディアス》の参加者はこの《オペレーション・ラストソング》には加えないつもりだった。
しかし虎蘭だけは特別に加えた。
ある懸念があったためだ。
強力な戦力を持つ者が必要だった。
もちろん俺も同行する。
鷹が本当に喜んでいた。
あの日、俺に必死に頼んで来た鷹が、嬉しそうにしている。
《オペレーション・チャイナドール》が終了した数日後、鷹が俺の部屋に来て言った。
鷹は毎日のようにロシア上空を偵察し、詳細な報告を上げている。
《ブレイド・ハート》を率いて、少しでも多くの情報を集めようとしてくれていた。
それは作戦上の必要性でもあったが、何よりも鷹はロシアで生き残っている人々を何とか救いたいと考えていたことを俺は知っていた。
鷹は以前から偵察の合間に生きている人間を見つけると、毎回本部に救助の許可を求めて来た。
本部も状況を確認しながら、救援部隊を送り、または鷹たちが直接救出した。
そうした救出者は数千人にも上る。
本来は偵察活動の中での救出は非常に危険であり、俺としては許可したくはない。
当然、許可しなかったこともある。
しかし、鷹が必死に頼んで来る。
目の前に救える人間がいるとなると、鷹は毎回救助の許可を求めて来た。
何度も敵の攻撃を受けたこともある。
ロシア上空を鷹たちが飛んでいるのは敵ももう分かっていたので、攻撃のチャンスは逃さなかった。
敵の攻撃に対抗する戦力を送るのは、それだけ損耗の可能性もあり、それは鷹も承知していたが、それでも、だった。
俺もみんなも鷹の思いは分かっていたし、俺たちも、出来ることなら救いたい。
だから出来るだけ協力していた。
鷹は感謝し、その分ますます偵察に熱心に励んでいた。
まあ、《ブレイド・ハート》は離脱スピードが「虎」の軍の中では最高だ。
そのために結構な襲撃に遭っても鷹たちであれば逃げ出すことが出来た。
しかし救助のために、自分たちが囮になって攻撃を引き付けることさえあった。
俺は何度も鷹に注意したが、鷹は救出者を優先した。
その心はもちろん分かっていたので、俺も強くは言えなかったのだ。
そんな中で《オペレーション・チャイナドール》を決行した。
中国全土で生存者を救出しながら侵攻する浄化作戦だった。
中国がロシア同様に一切の通信が途絶えたからこその作戦決行だった。
俺は10億もいた中国の人口から、生存者も膨大にいるだろうと考えていたのだが、実際には違った。
中国は既に「業」により壊滅していたのだ。
生存者は予想を遙かに下回り、1万人もいなかった。
その結果に鷹もショックを受けていた。
それに「虎」の軍にも多くの死傷者が出た。
特に北京の大空洞でのものだったが、俺たちが知らぬ間にああいう仕掛けが既に構築されていることが脅威だった。
だから、俺はロシアを壊滅させる作戦を決意した。
もうこれ以上生存者を探している時間も無いし、危険も冒せない。
まだロシア国内に生存者がいるだろうことは予測していたが、「業」の侵攻を止めなければならない段階に来ていたのだ。
《ニルヴァーナ》は世界中のあちこちで常に感染者が絶えず、何度かパンデミックの危機もあった。
それに「ゲート」による《百鬼夜行》も度々起こり、いくら俺たちがソルジャーやデュールゲリエを配備しても必ず死傷者が出た。
しかも最近では人間による「虐殺部隊」が横行し始めている。
「虎」の軍は常に迎撃し鎮圧しているが、それでも毎回死者や負傷者が出続けている。
鷹は「ロシア浄化作戦」の実行に反対こそしながったが、最後に徹底的に生き残った人間を探し出して救出したいと申し出て来たのだ。
俺としては、もうロシア人の救出は限界だろうと考えていた。
生存者は少ないだろうし、反対に救出に伴う危険性は高まっている。
特に《ディラック・クラウド》が拡がりつつあり、もうロシアにほとんど「人間」はいないだろうと考えられていた。
しかし、鷹は必死に偵察任務の間に生存者の可能性を探し出し、まだ生き残った人間たちがシベリアの山中などにいることを突き止めて来た。
「鷹、それは分かったが、もうこれ以上の救出作戦は難しいぞ」
「はい。それは分かっています。でも、何とか救い出したいのです!」
「……」
「業」はロシアを完全掌握し、国土は魔界と化しつつあった。
それが日々色濃くなって行った。
「ゲート」をロシア国内の至る場所に瞬時に展開し、いつでも膨大な数の妖魔を輩出出来ると分かっていく。
つい先日も鷹の「ブレイド・ハート」が数十京の膨大な妖魔に襲われそうになったが、超高速での退避でなんとか免れた。
「ブレイド・ハート」はマッハ数百で移動するためだ。
しかし、もうこれ以上の偵察も難しいと俺は判断した。
また、地雷的な妖魔の噴出場所をいくつも展開し、俺たちが近づけば突然の襲撃に晒されることも判明していた。
あの中国北京での「大空洞」の小規模なものだ。
だからこそ、俺はロシア全土の壊滅作戦を決定したのだ。
最も危険なのは《ディラック・クラウド》であり、それが《ニルヴァーナ》の空気感染型であることが判明した。
救出の最中に《ディラック・クラウド》に覆われれば、生存者はもちろん、完全密封の気密服ですらどうなるのか分からなかった。
鷹の率いる「ブレイド・ハート」の情報統括部門の長官アザーロフ・ドミトリーと副官のマルセル・イーストも鷹の主張する救出作戦には反対だった。
俺も鷹を説得したが、鷹は尚も涙を流し俺に救出作戦を懇願して来た。
俺は断り続け、鷹は俺に頼みに来続ける。
しかし柳が「オロチ・ストーム」を編み出し、双子が《ディラック・クラウド》はもちろん、「ゲート」内部の無力化の効果も高いことを証明した。
双子が鷹の願いを何とかしたいと考えていたのだ。
「オロチ・ストーム」に最も喜んだのは鷹だった。
まあ、最初は大笑いして習得出来なかったのだが、その時にはまだ「オロチ・ストーム」の効果が分かっていなかったせいもあるだろう。
俺が「オロチ・ストーム」の完成記念パーティ(習得懇願パーティ)を開いたのだが、鷹はそれとは別に柳に感謝し、何度か《キャッスル・ドラゴン》に赴いて柳たちに渾身の料理を振る舞って感謝した。
柳が子どもたちが大感激していた。
「オロチ・ストーム」のお陰で、救出作戦が具体的な現実味を帯びて行った。
鷹は茜と葵の《トラキリー》にも協力を要請し、茜たちももちろん全面的に同意して俺に嘆願に来た。
また救援活動に熱心な六花と「紅六花」にも話し、六花たちも俺に頼み込んで来た。
そうして最後の救出作戦《オペレーション・ラストソング》が決定された。
俺が鷹たちの熱意に折れたのだ。
鷹が涙を流して俺に感謝した。
《オペレーション・ラストソング》の具体的な内容は、鷹の《ブレイド・ハート》が探し出した生存者の位置情報を元に、救出部隊が向かう、というものだ。
この作戦の危険性は、鷹も十分に承知していた。
だからこそ、詳細な生存者の位置を突き止めて行ったのだ。
中でも危険性の高い場所には「紅六花」たちが向かい、シベリア山中の散開して生存している広域の生存者たちを「トラキリー」が救出する。
その間も鷹の「ブレイド・ハート」が偵察しながら、他の場所の生存者も捜索し続ける。
《轟霊号》をシベリア東端に接岸し、救出者の収容と支援部隊の待機場所とした。
鷹の「ブレイド・ハート」がデュールゲリエたちを含めて500、「トラキリー」は同じく8000、「紅六花」は30000もの部隊になる。
余談だが、「トラキリー」には発足以来、転属の希望者が殺到した。
それは茜と葵たちに戦場で救われた者たちだった。
彼女らに感謝し、自分も是非入隊したいとの希望だった。
俺は「トラキリー」はそれほど大規模な部隊にするつもりも無かったのだが、自然と8000もの大所帯に膨らんだ。
それに更に俺は迎撃要員として亜紀ちゃんと真夜、真昼、柳、それに羽入と紅を任命した。
それと虎蘭。
虎蘭はこの後の《オペレーション・ゴルディアス》に参加してもらうつもりだった。
俺以外で《オペレーション・ゴルディアス》の参加者はこの《オペレーション・ラストソング》には加えないつもりだった。
しかし虎蘭だけは特別に加えた。
ある懸念があったためだ。
強力な戦力を持つ者が必要だった。
もちろん俺も同行する。
鷹が本当に喜んでいた。
あの日、俺に必死に頼んで来た鷹が、嬉しそうにしている。
2
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる