142 / 3,215
紅六花、宴。
しおりを挟む
「どうぞ」
水ではなく、ビールが置かれた。
ハイネケンだ。
俺に注ごうとするので、運転があるからと断った。
タケは、水を持ってきて、俺の前に置く。
そして六花にハイネケンを注ぎ、自分もコップに注いだ。
「おい、タケ!」
「オス」
「この方はあたしのマブだと言っただろう!」
タケは椅子から飛びのき、また90度になる。
「この店で一番いいジュースをお出ししろ!」
「オス! 大変失礼しました!」
ジンジャーエールが置かれた。
「……」
「総長!」
「なんだ」
「召集をかけてもよろしいでしょうか!」
六花が、俺を見た。
「石神先生、ちょっと昔のダチが集まりたいと言っているのですが、お邪魔でしょうか」
俺に聞くということは、自分は会いたいのだろう。
「俺のことは気にするなよ。久し振りに元気な顔を見せてやれと言ったじゃないか」
「ありがとうございます」
六花がうなずき、タケはスマホで連絡を始めた。
「オス! 昔のようには行きませんが、50人くらいはすぐに飛んできます!」
「悪いな、あたしのために」
「いえ、とんでもありません。みんな総長にお会いしたいので!」
三分もすると、最初の集団が来た。
勢い良く5人の女性が店に入ってくる。
「総長!」
みんな泣いてる。
俺はカウンターへ移動した。
料理をしていた男性が何か作りながら言う。
「もう少々お待ちください」
まだ何も注文してねぇんだが。
15分で50人近く集まり、30分で全員揃ったようだ。
六花はもみくちゃにされ、全員が涙を流していた。
タケの誘導で全員がテーブルにつく。
80人くらいが集まって、ほぼ満員だ。
タケがでかい声で言った。
「「紅六花」、総長のご帰還だぁー!」
全員が立ち、盛大な拍手が起こる。
「紅六花」というのが、六花のチームの名前なのだろう。
「では総長! 一言いただけますか!」
六花は集まってくれた礼を言い、今もチームが誇りだと言った。
そしてカウンターで焼きそばを食っていた俺を紹介した。
「あの方こそ、あたしが惚れに惚れて、女にしてくださった、石神高虎様だぁー!」
盛大な拍手と「ウォー!」という叫び。
「あたしが身も心も全部捧げるお方だ! お前らもよろしく頼むぅ!」
いや、ほっといてくれよ。
それに紹介が、お前。
俺は口に青海苔を付けたまま、手を振った。
俺は紅六花の全員に囲まれた。
「カッケェー!」
「なんてガタイだよ、すげぇぞ!」
「表のフェラーリって、あなた様のものですか!」
「時計、光ってるぞ!」
「服もゲソもチョーすげぇ!」
「おい、六花! 何とかしろ!」
「てめぇら! あたしの「命」に軽々しく近づくんじゃねぇ!」
「「「「オス!」」」」
数十人が一斉に叫ぶ。
みんな、六花のところへ戻った。
まあ、気のいい連中のようだが。
料理を作っていた男性とタケ、それに何人かが手伝って、次々と大皿が運ばれる。
小皿が配られ、宴会が始まった。
六花の周囲は常に人垣があり、みんなが笑い、泣きしている。
俺が焼きそばを食い終えると、数人が別な食い物を小皿に乗せて来る。
ありがたいが、もう食いたくない。
俺は暇なので、厨房にお邪魔した。
「客人、困ります!」
「いや、暇だから手伝わせてくれよ」
「俺が殺されますから!」
「まあまあ」
俺は無理矢理一隅でチャーハンを作った。
中華鍋を回し、盛大な炎が舞う。
「おい、小鉄! 総長のマブ様に何させてんだぁ!」
「ヤキだ、ヤキ!」
女たちが殺到した。
「悪い、俺が無理言って入ったんだ。六花を慕ってくれるみんなに喰って欲しくて」
「「「「!」」」」
「総長! 最高の旦那、おめでとうございます!」
「「「「おめでとうございます!」」」」
いや、お前らテンションおかしいだろう!
俺のチャーハンは、神のごとく褒め称えられた。
「ウメェ!」「なにこれ、死ぬぞ!」「マジクソ!」
たちまち無くなり、最後の方は後輩たちだろうが、飯粒を分け合っていた。
宴は続き、俺はついに抜け出す口実ができず、6時間を経てしまった。
「総長! 今日はうちのホテルへお泊りください!」
「石神先生、どうしましょうか」
お前、今更どうしろって言うんだ!
「まあ、こうなってはしょうがねぇ。ご好意に甘えるか」
「じゃあ、よしこ、世話になる」
「ありがとうございます!」
俺たちは、よしこの車に先導され、ホテルに着いた。
でかい、ラブホテルだった。
水ではなく、ビールが置かれた。
ハイネケンだ。
俺に注ごうとするので、運転があるからと断った。
タケは、水を持ってきて、俺の前に置く。
そして六花にハイネケンを注ぎ、自分もコップに注いだ。
「おい、タケ!」
「オス」
「この方はあたしのマブだと言っただろう!」
タケは椅子から飛びのき、また90度になる。
「この店で一番いいジュースをお出ししろ!」
「オス! 大変失礼しました!」
ジンジャーエールが置かれた。
「……」
「総長!」
「なんだ」
「召集をかけてもよろしいでしょうか!」
六花が、俺を見た。
「石神先生、ちょっと昔のダチが集まりたいと言っているのですが、お邪魔でしょうか」
俺に聞くということは、自分は会いたいのだろう。
「俺のことは気にするなよ。久し振りに元気な顔を見せてやれと言ったじゃないか」
「ありがとうございます」
六花がうなずき、タケはスマホで連絡を始めた。
「オス! 昔のようには行きませんが、50人くらいはすぐに飛んできます!」
「悪いな、あたしのために」
「いえ、とんでもありません。みんな総長にお会いしたいので!」
三分もすると、最初の集団が来た。
勢い良く5人の女性が店に入ってくる。
「総長!」
みんな泣いてる。
俺はカウンターへ移動した。
料理をしていた男性が何か作りながら言う。
「もう少々お待ちください」
まだ何も注文してねぇんだが。
15分で50人近く集まり、30分で全員揃ったようだ。
六花はもみくちゃにされ、全員が涙を流していた。
タケの誘導で全員がテーブルにつく。
80人くらいが集まって、ほぼ満員だ。
タケがでかい声で言った。
「「紅六花」、総長のご帰還だぁー!」
全員が立ち、盛大な拍手が起こる。
「紅六花」というのが、六花のチームの名前なのだろう。
「では総長! 一言いただけますか!」
六花は集まってくれた礼を言い、今もチームが誇りだと言った。
そしてカウンターで焼きそばを食っていた俺を紹介した。
「あの方こそ、あたしが惚れに惚れて、女にしてくださった、石神高虎様だぁー!」
盛大な拍手と「ウォー!」という叫び。
「あたしが身も心も全部捧げるお方だ! お前らもよろしく頼むぅ!」
いや、ほっといてくれよ。
それに紹介が、お前。
俺は口に青海苔を付けたまま、手を振った。
俺は紅六花の全員に囲まれた。
「カッケェー!」
「なんてガタイだよ、すげぇぞ!」
「表のフェラーリって、あなた様のものですか!」
「時計、光ってるぞ!」
「服もゲソもチョーすげぇ!」
「おい、六花! 何とかしろ!」
「てめぇら! あたしの「命」に軽々しく近づくんじゃねぇ!」
「「「「オス!」」」」
数十人が一斉に叫ぶ。
みんな、六花のところへ戻った。
まあ、気のいい連中のようだが。
料理を作っていた男性とタケ、それに何人かが手伝って、次々と大皿が運ばれる。
小皿が配られ、宴会が始まった。
六花の周囲は常に人垣があり、みんなが笑い、泣きしている。
俺が焼きそばを食い終えると、数人が別な食い物を小皿に乗せて来る。
ありがたいが、もう食いたくない。
俺は暇なので、厨房にお邪魔した。
「客人、困ります!」
「いや、暇だから手伝わせてくれよ」
「俺が殺されますから!」
「まあまあ」
俺は無理矢理一隅でチャーハンを作った。
中華鍋を回し、盛大な炎が舞う。
「おい、小鉄! 総長のマブ様に何させてんだぁ!」
「ヤキだ、ヤキ!」
女たちが殺到した。
「悪い、俺が無理言って入ったんだ。六花を慕ってくれるみんなに喰って欲しくて」
「「「「!」」」」
「総長! 最高の旦那、おめでとうございます!」
「「「「おめでとうございます!」」」」
いや、お前らテンションおかしいだろう!
俺のチャーハンは、神のごとく褒め称えられた。
「ウメェ!」「なにこれ、死ぬぞ!」「マジクソ!」
たちまち無くなり、最後の方は後輩たちだろうが、飯粒を分け合っていた。
宴は続き、俺はついに抜け出す口実ができず、6時間を経てしまった。
「総長! 今日はうちのホテルへお泊りください!」
「石神先生、どうしましょうか」
お前、今更どうしろって言うんだ!
「まあ、こうなってはしょうがねぇ。ご好意に甘えるか」
「じゃあ、よしこ、世話になる」
「ありがとうございます!」
俺たちは、よしこの車に先導され、ホテルに着いた。
でかい、ラブホテルだった。
3
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる