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あの日あの時:鬼愚奈巣壊滅
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話し終えると、子どもたちは俺をじっとみていた。
亜紀ちゃんがまた泣いている。
栞は隣で俺の手を握った。
「俺はろくなもんじゃないっていつも言ってるけど、ほんとうにこの通りなんだよ。いつだって誰かを傷つけ、泣かせ、死なせたこともあるろくでなしだ」
「そんなことありません!」
亜紀ちゃんが言った。
「タカさんはいつも最高です」
皇紀が続く。
双子までが泣いて抗議する。
「人に恨まれてばかりだ。当たり前だけどな」
子どもたちは尚も何か言ってくれるが、俺が遮った。
「お前たちに分かって欲しいのは、生きていれば誰かに恨まれることもあるということだ。でも、それは俺の身体を見れば分かる通り、辛いこともある。そういうことだ」
「敵チームとはどうなったんですか?」
皇紀が聞いてきた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
井上さんは幹部の8人を集めた。
特攻隊長となった俺も加わる。
「鬼愚奈巣(キグナス)は総勢200人近い。俺たちは80名ほどだ。トラ、お前はこの差を埋める案はあるか?」
井上さんが言った。
数の差は、当然全員が分かっていた。
だから、これまでは抗争にならないよう、複数での行動を指示していたのだ。
「関係ありませんね。何百人だろうと、20人で10人ずつやればいいだけです」
『オオッ!』
みんなが賛同してくれた。
「トラ、お前はやっぱ頭がいいな!」
井上さんが喜んでいた。
「半分ほど減らせば、あとは全面抗争です。こっちは勢いが上がってますから、まず負けることはない」
「うん」
「足の速い奴に囮をやらせます。当然、俺も出ます。喰いついた連中を俺たちが集まってる場所に引き込めばいいだけです」
「なるほど! 田村! お前は待ち伏せの場所を考えろ。武藤! お前は攻撃部隊の人員を集めろ。星野! お前は足が速い奴を俺に報告だ! 急げ!」
『オス!』
「攻撃は俺の特攻隊を入れて下さい。俺は囮と攻撃の両方に入ります」
「分かった!」
俺たちはすぐさま準備し、同時並行で俺は別な作戦を実行する。
相手の幹部メンバーの拉致だ。
数日後、俺は鬼愚奈巣の幹部の一人を捕まえた。
三人で飯を喰っている所へ、カチ込みをかけた。
俺一人だ。
表に引きずり出し、全員を数秒で戦闘不能にする。
肋骨や手足がへし折れている。
うちのチームの四輪を呼び、三人を乗せてアジトへ運んだ。
裸にして縛った。
「お前ら、俺の言うことに正直に答えなければ山に埋めるからな」
三人は脅え、首を縦に振り続ける。
股間のものは縮こまっていた。
俺はメンバーの名前、家、学校、たむろする場所を聞き出していった。
田村さんがそれを書き留めていく。
釘を真っ赤に焼き、もう一度繰り返させた。
先の答えと違えば、遠慮なく太ももに突き刺す。
「隠してれば、目玉をえぐる」
俺がそう言うと、三人が争って喋った。
全員ではないが、多くの情報が得られた。
俺たちはその情報を元に、計画し実行した。
ほとんどの攻撃は俺がやった。
鬼愚奈巣の連中の中で、俺の相手ができる奴はいなかった。
三十人が追って来たこともあった。
しかし、何のこともなかった。
その時は、特攻隊も大いに活躍した。
半殺しにした連中はアジトへ運んで裸にし、泣いて謝る様を写真に撮った。
一人ずつ、鬼愚奈巣の旗を踏んでいる写真も撮った。
バイクは全て燃やしたが、俺が一台だけ残した。
ヤマハのRZだ。
俺はそのバイクを譲り受けた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「タカさん」
ハーが手を挙げた。
「あんだよ」
「譲り受けたって、ウソですよね」
「なんでだよ」
「絶対奪っただけですよね?」
「石神くん」
栞が言う。
「なーに?」
「カワイく言ってもダメよ! 名義変更とか自賠責とかどうしたの!」
「え? まあ子どもはあんまり関係ないじゃない」
「そんなことあるかぁ!」
「う、うるせぇ! あいつが「あなたに差し上げます」って言ったんだぁ!」
「「「「「……」」」」」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
鬼愚奈巣も、いい加減に気付く。
俺は作戦を変え、登下校や入り浸っている場所へカチ込みをかけた。
特攻隊を引き連れ、逃げ場を押さえながら一人や数人ずつを的にかけた。
そいつらからも、情報を得ていった。
十日で100人ほどを潰した。
「井上さん、そろそろですね」
「そうだな」
「恐らく逃げた連中もいますから、数はこっちが上になってるでしょう」
「おう、トラ、ご苦労だったな」
「いえ」
俺たちは鬼愚奈巣に時間と場所を送った。
総力戦だ。
相模原の米軍基地跡を指定した。
俺たちは先に着いていた。
間もなく、鬼愚奈巣の連中の派手な排気音が近づいて来る。
「おい、ちょっと多いんじゃねぇか?」
井上さんが俺に言った。
150名ほどを引き連れていた。
でかいチームだけあって、伝手で搔き集めて来たのだろう。
急場の安い連中だ。
「問題ありませんよ。ほとんどは途中で逃げます」
「そ、そうか」
敷地内に入った瞬間に、俺が飛び出した。
特攻隊が続く。
突っ込んでくる二輪のタイヤに、特攻隊が次々と鉄パイプを突っ込んでいく。
面白いように人間が飛び、数人でフクロにする。
ほとんどまっすぐにしか走れない二輪は、俺たちの攻撃をかわしようがない。
四輪が俺に突っ込んできた。
俺は転がっているバイクをフロントガラスに放り投げた。
運転している奴が驚いて絶叫した。
フロントガラスが粉砕される。
止まった運転席の窓から腕を突っ込み、右の眼窩に指を入れて引きずり出した。
鬼愚奈巣の連中も全員が降りて向かってくる。
俺は先頭集団に襲い掛かり、十人ほどが10秒で沈んだ。
俺に攻撃してくる連中が、徐々に減って行った。
遠巻きに離れて見ている。
そいつらに襲い掛かると、ほとんどが逃げて行った。
「おい! お前らのヘッドとタイマンだ!」
鬼愚奈巣のヘッドの安達が叫んだ。
170センチで横幅が大きい。
空手をやっているという噂だった。
俺は無視して襲い掛かり、肝臓に蹴りを入れ、顔面を膝で潰し、股間を蹴り上げて潰した。
数秒で血まみれの肉の塊になる。
鬼愚奈巣の半数以上が逃げ出した。
残った連中は多くが俺に倒され、他のチームのメンバーも勝利していた。
20人ほどがそのまま降参した。
俺の指示で、全員の免許証が集められ、幹部10人を連れてアジトへ戻った。
「トラ! やったな!」
井上さんが嬉しそうにそう言った。
最高に喜んでいた。
他の幹部の先輩たちにも、俺の活躍を褒め称えられた。
こちらは二人だけが病院送りだったが、大したことはない。
「おい、117クーペの奴がいなかったな」
俺は幹部連中に聞いた。
ヘッドの安達はまだ意識がない。
「加藤は昨日自首した」
特攻隊の一人が、口の利き方に気を付けろと殴った。
「すいません! おたくの一人を殺した加藤は、自首してます!」
「加藤も、あんなことになるなんて思ってなかったんです。本当にすいません!」
「なんてこった」
井上さんが言った。
「トラ、どうする?」
「おい! じゃあお前らの誰が代わりに死ぬんだ?」
全員が脅えた。
どうしようもなかった。
鬼愚奈巣は俺たちの傘下に入った。
多くがチームを辞め、傘下には50人ほどが残った。
俺たちは全員で佐藤の墓に参った。
墓が花で埋もれた。
俺たちには、そんなことしか出来なかった。
亜紀ちゃんがまた泣いている。
栞は隣で俺の手を握った。
「俺はろくなもんじゃないっていつも言ってるけど、ほんとうにこの通りなんだよ。いつだって誰かを傷つけ、泣かせ、死なせたこともあるろくでなしだ」
「そんなことありません!」
亜紀ちゃんが言った。
「タカさんはいつも最高です」
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双子までが泣いて抗議する。
「人に恨まれてばかりだ。当たり前だけどな」
子どもたちは尚も何か言ってくれるが、俺が遮った。
「お前たちに分かって欲しいのは、生きていれば誰かに恨まれることもあるということだ。でも、それは俺の身体を見れば分かる通り、辛いこともある。そういうことだ」
「敵チームとはどうなったんですか?」
皇紀が聞いてきた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
井上さんは幹部の8人を集めた。
特攻隊長となった俺も加わる。
「鬼愚奈巣(キグナス)は総勢200人近い。俺たちは80名ほどだ。トラ、お前はこの差を埋める案はあるか?」
井上さんが言った。
数の差は、当然全員が分かっていた。
だから、これまでは抗争にならないよう、複数での行動を指示していたのだ。
「関係ありませんね。何百人だろうと、20人で10人ずつやればいいだけです」
『オオッ!』
みんなが賛同してくれた。
「トラ、お前はやっぱ頭がいいな!」
井上さんが喜んでいた。
「半分ほど減らせば、あとは全面抗争です。こっちは勢いが上がってますから、まず負けることはない」
「うん」
「足の速い奴に囮をやらせます。当然、俺も出ます。喰いついた連中を俺たちが集まってる場所に引き込めばいいだけです」
「なるほど! 田村! お前は待ち伏せの場所を考えろ。武藤! お前は攻撃部隊の人員を集めろ。星野! お前は足が速い奴を俺に報告だ! 急げ!」
『オス!』
「攻撃は俺の特攻隊を入れて下さい。俺は囮と攻撃の両方に入ります」
「分かった!」
俺たちはすぐさま準備し、同時並行で俺は別な作戦を実行する。
相手の幹部メンバーの拉致だ。
数日後、俺は鬼愚奈巣の幹部の一人を捕まえた。
三人で飯を喰っている所へ、カチ込みをかけた。
俺一人だ。
表に引きずり出し、全員を数秒で戦闘不能にする。
肋骨や手足がへし折れている。
うちのチームの四輪を呼び、三人を乗せてアジトへ運んだ。
裸にして縛った。
「お前ら、俺の言うことに正直に答えなければ山に埋めるからな」
三人は脅え、首を縦に振り続ける。
股間のものは縮こまっていた。
俺はメンバーの名前、家、学校、たむろする場所を聞き出していった。
田村さんがそれを書き留めていく。
釘を真っ赤に焼き、もう一度繰り返させた。
先の答えと違えば、遠慮なく太ももに突き刺す。
「隠してれば、目玉をえぐる」
俺がそう言うと、三人が争って喋った。
全員ではないが、多くの情報が得られた。
俺たちはその情報を元に、計画し実行した。
ほとんどの攻撃は俺がやった。
鬼愚奈巣の連中の中で、俺の相手ができる奴はいなかった。
三十人が追って来たこともあった。
しかし、何のこともなかった。
その時は、特攻隊も大いに活躍した。
半殺しにした連中はアジトへ運んで裸にし、泣いて謝る様を写真に撮った。
一人ずつ、鬼愚奈巣の旗を踏んでいる写真も撮った。
バイクは全て燃やしたが、俺が一台だけ残した。
ヤマハのRZだ。
俺はそのバイクを譲り受けた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「タカさん」
ハーが手を挙げた。
「あんだよ」
「譲り受けたって、ウソですよね」
「なんでだよ」
「絶対奪っただけですよね?」
「石神くん」
栞が言う。
「なーに?」
「カワイく言ってもダメよ! 名義変更とか自賠責とかどうしたの!」
「え? まあ子どもはあんまり関係ないじゃない」
「そんなことあるかぁ!」
「う、うるせぇ! あいつが「あなたに差し上げます」って言ったんだぁ!」
「「「「「……」」」」」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
鬼愚奈巣も、いい加減に気付く。
俺は作戦を変え、登下校や入り浸っている場所へカチ込みをかけた。
特攻隊を引き連れ、逃げ場を押さえながら一人や数人ずつを的にかけた。
そいつらからも、情報を得ていった。
十日で100人ほどを潰した。
「井上さん、そろそろですね」
「そうだな」
「恐らく逃げた連中もいますから、数はこっちが上になってるでしょう」
「おう、トラ、ご苦労だったな」
「いえ」
俺たちは鬼愚奈巣に時間と場所を送った。
総力戦だ。
相模原の米軍基地跡を指定した。
俺たちは先に着いていた。
間もなく、鬼愚奈巣の連中の派手な排気音が近づいて来る。
「おい、ちょっと多いんじゃねぇか?」
井上さんが俺に言った。
150名ほどを引き連れていた。
でかいチームだけあって、伝手で搔き集めて来たのだろう。
急場の安い連中だ。
「問題ありませんよ。ほとんどは途中で逃げます」
「そ、そうか」
敷地内に入った瞬間に、俺が飛び出した。
特攻隊が続く。
突っ込んでくる二輪のタイヤに、特攻隊が次々と鉄パイプを突っ込んでいく。
面白いように人間が飛び、数人でフクロにする。
ほとんどまっすぐにしか走れない二輪は、俺たちの攻撃をかわしようがない。
四輪が俺に突っ込んできた。
俺は転がっているバイクをフロントガラスに放り投げた。
運転している奴が驚いて絶叫した。
フロントガラスが粉砕される。
止まった運転席の窓から腕を突っ込み、右の眼窩に指を入れて引きずり出した。
鬼愚奈巣の連中も全員が降りて向かってくる。
俺は先頭集団に襲い掛かり、十人ほどが10秒で沈んだ。
俺に攻撃してくる連中が、徐々に減って行った。
遠巻きに離れて見ている。
そいつらに襲い掛かると、ほとんどが逃げて行った。
「おい! お前らのヘッドとタイマンだ!」
鬼愚奈巣のヘッドの安達が叫んだ。
170センチで横幅が大きい。
空手をやっているという噂だった。
俺は無視して襲い掛かり、肝臓に蹴りを入れ、顔面を膝で潰し、股間を蹴り上げて潰した。
数秒で血まみれの肉の塊になる。
鬼愚奈巣の半数以上が逃げ出した。
残った連中は多くが俺に倒され、他のチームのメンバーも勝利していた。
20人ほどがそのまま降参した。
俺の指示で、全員の免許証が集められ、幹部10人を連れてアジトへ戻った。
「トラ! やったな!」
井上さんが嬉しそうにそう言った。
最高に喜んでいた。
他の幹部の先輩たちにも、俺の活躍を褒め称えられた。
こちらは二人だけが病院送りだったが、大したことはない。
「おい、117クーペの奴がいなかったな」
俺は幹部連中に聞いた。
ヘッドの安達はまだ意識がない。
「加藤は昨日自首した」
特攻隊の一人が、口の利き方に気を付けろと殴った。
「すいません! おたくの一人を殺した加藤は、自首してます!」
「加藤も、あんなことになるなんて思ってなかったんです。本当にすいません!」
「なんてこった」
井上さんが言った。
「トラ、どうする?」
「おい! じゃあお前らの誰が代わりに死ぬんだ?」
全員が脅えた。
どうしようもなかった。
鬼愚奈巣は俺たちの傘下に入った。
多くがチームを辞め、傘下には50人ほどが残った。
俺たちは全員で佐藤の墓に参った。
墓が花で埋もれた。
俺たちには、そんなことしか出来なかった。
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