884 / 3,215
五度目の別荘 Ⅶ
しおりを挟む
別荘に戻ると、亜紀ちゃんが飛んで来た。
「ハー!」
「大丈夫だよ。もう血も止まったし」
「攻撃なの!」
「違うって!」
「またちょっと死んだよなー」
「死んでないもん!」
亜紀ちゃんが風呂場へ連れて行った。
戻って来た亜紀ちゃんに、柳が謝る。
「ごめんなさい。私の投げ方が悪くて」
亜紀ちゃんは笑って、全然大丈夫だと言った。
ルーとハーは着替えてみんなの食事の準備に加わった。
響子と六花は、またリヴィングでアニメを見ている。
『ベクシル 2077日本鎖国』だ。
日本人全員が機械化人となり、鎖国しているというぶっ飛んだストーリの作品だった。
なんだか、こいつらが別荘で観る映画が気になる。
昼食はパスタだったので、鷹はキッチンには入っていない。
栞と一緒にロボと遊んでいた。
パスタはナスと隠元とひき肉、そして盛った上にハモンセラーノの薄切りを乗せる。
トマトソースだ。
猛獣たちは、それにハンバーグも付けている。
六花が珍しくキッチンに入った。
俺に山芋の摺り下ろしを持って来た。
「……」
目の前に置いて、ニコニコして去った。
昼食の後、俺は六花と「訓練」に出掛けようとした。
「ちょっと六花と「訓練」に行って来るな!」
「あ! 石神さん、私も是非!」
柳が手を挙げて言った。
「しばらく休んでしまいましたので、是非ご一緒に私も」
柳が言うと、ルーとハーが止めた。
「柳ちゃん! 私たちと一緒にやろ?」
「そうそう。二人の邪魔しちゃダメだよ?」
「へ?」
「ほら、よく見て。六花ちゃんはジャージでしょ!」
「うん。運動着だよね?」
「ちがーう! 私たちの訓練はいつもコンバットスーツじゃん!」
「あ、そうだよね?」
「もーう!」
よく分からないまま、柳は双子とやると言った。
「私は別に柳さんと一緒でも」
六花の頭を引っぱたいた。
俺たちの「訓練」は、いつも以上に激しかった。
また六花を背負って帰った。
「お、おかえりなさい」
柳が真っ赤な顔で迎えた。
聞いたのかー。
六花とシャワーを浴び、響子の隣に寝かせた。
俺はリヴィングに降り、コーヒーを飲んだ。
「柳! 「訓練」に行こうか!」
「い、い、いえ、またこんど」
「そうか!」
「「ギャハハハハハハ!」」
双子が笑った。
三時になり、俺は響子を起こしてみんなでお茶にした。
作っておいたプリンを食べる。
「六花のも残しておけよー!」
亜紀ちゃんが、橘弥生が来て俺のCDが出るのだと話した。
誰にも話していなかったので、みんなが驚く。
俺は隣の亜紀ちゃんの頭を殴った。
「いつ出るの!」
栞が叫んだ。
「まだ分からないんです。ジャケットも決まってなくて」
「石神くんでいいじゃない!」
「おい、やめてくれよ。顔なんて出せないよ」
「名前も「TORA」ですもんね」
「えー! なんでよ。本名でいいじゃない」
「冗談じゃねぇ。俺はギターで売り出すつもりはねぇからな!」
みんなデワイワイと騒いだ。
「私、100枚買うね!」
響子が嬉しそうに言う。
「私も!」
栞が言い、隣で鷹も手を挙げた。
「いや、俺が全部買い占めるからな!」
みんなに文句を言われた。
「おい、まさか俺の昔の知り合いに連絡取ってねぇだろうなぁ!」
心配になって亜紀ちゃんに確認した。
「タカさんは、止められてやめるようなのはダメだと言ってました」
「てめぇ!」
亜紀ちゃんは笑って冗談だと言った。
「じゃあしませんから、またいろいろお話しして下さいね」
「お前らに話すのはもうなぁ」
「城戸さーん!」
「絶対やめろ!」
みんなが笑った。
俺と鷹で、夕飯の準備を始めた。
栞も手伝いたいと、キッチンに入って来る。
今晩は和食だ。
ウニ乗せ豆腐。
茹でたズワイガニの枝豆ソース掛け。
ゆり根の山椒焼き。
マグロ、ヒラメ、ブリの御造り。
鴨肉のロースト卵餡かけ。
ソボロ大根とソラマメの炊き込み。
里芋のしぐれ煮。
トラフグの唐揚げ、抹茶塩。
アワビの旨煮。
蓮の甘煮キンピラ。
白身魚と車エビの煮物。
シャトーブリアンの焼き物。
3種の貝の握り。
それに松茸ご飯と、椀は鱧だ。
結構な手間だが、鷹の指示でどんどん進んだ。
途中で柳が覚えたいと言うので入れたが、結局洗い物がメインになった。
子どもたちは響子にオセロで挑戦していた。
やっぱり誰も敵わなかった。
「ロボ! そろそろ六花を起こして来い!」
ロボが走って行く。
亜紀ちゃんが面白がって見に行くと、何度も顔にボディ・プレスをかましていたそうだ。
6時頃に全部が仕上がり、みんな驚いていた。
ランチョンマットが敷かれ、数々の器が並んでいく。
みんなが鷹を褒め称え、また食べ始めて更に褒め称えた。
響子も嬉しそうに食べた。
全部に口を付け、ほとんどを食べた。
もちろん、響子の器は量も少ない。
松茸ご飯はすぐに無くなった。
30合も炊いたのだが。
風呂に入り、屋上の準備をする。
今日は好きな飲み物を飲む。
栞がバナナジュースを飲むので鷹も同じものと言った。
「俺と日本酒にしよう」
鷹が嬉しそうに笑い、それにすると言った。
亜紀ちゃんも切子のグラスを持って来た。
六花はハイネケンで、響子はメロンジュース。
皇紀と双子はクリームメロンソーダだ。
酒のつまみにチーズを何種か切り、子どもたちは村上開進堂のクッキーを持った。
「タカさん」
亜紀ちゃんが言う。
「タカさんは城戸さんのお店では絶対に暴れなかったんですよね?」
「俺はどこでだって大人しいよ」
みんなが笑う。
「我慢できなかったことはないんですか?」
「ないな。大人しい人間だからな」
「もう、それはいいですから!」
俺は笑って話し出した。
「ハー!」
「大丈夫だよ。もう血も止まったし」
「攻撃なの!」
「違うって!」
「またちょっと死んだよなー」
「死んでないもん!」
亜紀ちゃんが風呂場へ連れて行った。
戻って来た亜紀ちゃんに、柳が謝る。
「ごめんなさい。私の投げ方が悪くて」
亜紀ちゃんは笑って、全然大丈夫だと言った。
ルーとハーは着替えてみんなの食事の準備に加わった。
響子と六花は、またリヴィングでアニメを見ている。
『ベクシル 2077日本鎖国』だ。
日本人全員が機械化人となり、鎖国しているというぶっ飛んだストーリの作品だった。
なんだか、こいつらが別荘で観る映画が気になる。
昼食はパスタだったので、鷹はキッチンには入っていない。
栞と一緒にロボと遊んでいた。
パスタはナスと隠元とひき肉、そして盛った上にハモンセラーノの薄切りを乗せる。
トマトソースだ。
猛獣たちは、それにハンバーグも付けている。
六花が珍しくキッチンに入った。
俺に山芋の摺り下ろしを持って来た。
「……」
目の前に置いて、ニコニコして去った。
昼食の後、俺は六花と「訓練」に出掛けようとした。
「ちょっと六花と「訓練」に行って来るな!」
「あ! 石神さん、私も是非!」
柳が手を挙げて言った。
「しばらく休んでしまいましたので、是非ご一緒に私も」
柳が言うと、ルーとハーが止めた。
「柳ちゃん! 私たちと一緒にやろ?」
「そうそう。二人の邪魔しちゃダメだよ?」
「へ?」
「ほら、よく見て。六花ちゃんはジャージでしょ!」
「うん。運動着だよね?」
「ちがーう! 私たちの訓練はいつもコンバットスーツじゃん!」
「あ、そうだよね?」
「もーう!」
よく分からないまま、柳は双子とやると言った。
「私は別に柳さんと一緒でも」
六花の頭を引っぱたいた。
俺たちの「訓練」は、いつも以上に激しかった。
また六花を背負って帰った。
「お、おかえりなさい」
柳が真っ赤な顔で迎えた。
聞いたのかー。
六花とシャワーを浴び、響子の隣に寝かせた。
俺はリヴィングに降り、コーヒーを飲んだ。
「柳! 「訓練」に行こうか!」
「い、い、いえ、またこんど」
「そうか!」
「「ギャハハハハハハ!」」
双子が笑った。
三時になり、俺は響子を起こしてみんなでお茶にした。
作っておいたプリンを食べる。
「六花のも残しておけよー!」
亜紀ちゃんが、橘弥生が来て俺のCDが出るのだと話した。
誰にも話していなかったので、みんなが驚く。
俺は隣の亜紀ちゃんの頭を殴った。
「いつ出るの!」
栞が叫んだ。
「まだ分からないんです。ジャケットも決まってなくて」
「石神くんでいいじゃない!」
「おい、やめてくれよ。顔なんて出せないよ」
「名前も「TORA」ですもんね」
「えー! なんでよ。本名でいいじゃない」
「冗談じゃねぇ。俺はギターで売り出すつもりはねぇからな!」
みんなデワイワイと騒いだ。
「私、100枚買うね!」
響子が嬉しそうに言う。
「私も!」
栞が言い、隣で鷹も手を挙げた。
「いや、俺が全部買い占めるからな!」
みんなに文句を言われた。
「おい、まさか俺の昔の知り合いに連絡取ってねぇだろうなぁ!」
心配になって亜紀ちゃんに確認した。
「タカさんは、止められてやめるようなのはダメだと言ってました」
「てめぇ!」
亜紀ちゃんは笑って冗談だと言った。
「じゃあしませんから、またいろいろお話しして下さいね」
「お前らに話すのはもうなぁ」
「城戸さーん!」
「絶対やめろ!」
みんなが笑った。
俺と鷹で、夕飯の準備を始めた。
栞も手伝いたいと、キッチンに入って来る。
今晩は和食だ。
ウニ乗せ豆腐。
茹でたズワイガニの枝豆ソース掛け。
ゆり根の山椒焼き。
マグロ、ヒラメ、ブリの御造り。
鴨肉のロースト卵餡かけ。
ソボロ大根とソラマメの炊き込み。
里芋のしぐれ煮。
トラフグの唐揚げ、抹茶塩。
アワビの旨煮。
蓮の甘煮キンピラ。
白身魚と車エビの煮物。
シャトーブリアンの焼き物。
3種の貝の握り。
それに松茸ご飯と、椀は鱧だ。
結構な手間だが、鷹の指示でどんどん進んだ。
途中で柳が覚えたいと言うので入れたが、結局洗い物がメインになった。
子どもたちは響子にオセロで挑戦していた。
やっぱり誰も敵わなかった。
「ロボ! そろそろ六花を起こして来い!」
ロボが走って行く。
亜紀ちゃんが面白がって見に行くと、何度も顔にボディ・プレスをかましていたそうだ。
6時頃に全部が仕上がり、みんな驚いていた。
ランチョンマットが敷かれ、数々の器が並んでいく。
みんなが鷹を褒め称え、また食べ始めて更に褒め称えた。
響子も嬉しそうに食べた。
全部に口を付け、ほとんどを食べた。
もちろん、響子の器は量も少ない。
松茸ご飯はすぐに無くなった。
30合も炊いたのだが。
風呂に入り、屋上の準備をする。
今日は好きな飲み物を飲む。
栞がバナナジュースを飲むので鷹も同じものと言った。
「俺と日本酒にしよう」
鷹が嬉しそうに笑い、それにすると言った。
亜紀ちゃんも切子のグラスを持って来た。
六花はハイネケンで、響子はメロンジュース。
皇紀と双子はクリームメロンソーダだ。
酒のつまみにチーズを何種か切り、子どもたちは村上開進堂のクッキーを持った。
「タカさん」
亜紀ちゃんが言う。
「タカさんは城戸さんのお店では絶対に暴れなかったんですよね?」
「俺はどこでだって大人しいよ」
みんなが笑う。
「我慢できなかったことはないんですか?」
「ないな。大人しい人間だからな」
「もう、それはいいですから!」
俺は笑って話し出した。
2
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる