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天狼に「小柱」
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7月最初の土曜日。
俺は京都に行くことにした。
亜紀ちゃんが心配し、一緒に行くと言う。
「タカさん、寝てた方が」
「もう大丈夫だよ。あっちにも顔を出して置かないとな」
「車ですか?」
「ああ。「飛行」なら早いんだけどな。あそこはどうも不味いみたいなんだ」
「結界とかいろいろ複雑だそうですからね」
「まあな。要は攻撃的な接近になっちまうらしいよ」
「じゃあ、私も一緒に行きますね!」
「そうだなぁ。念のために頼むか」
「はい!」
そういうことになった。
ロールスロイスで行くことにした。
旅行で使うような車ではないのだが、万一俺がまた引っ繰り返った場合、後ろのシートで楽になれる。
亜紀ちゃんにも運転させる。
「うわー! 凄い運転しやすいですね!」
「まあ、普段あんなバカみたいな車に乗ってる奴にはな」
「タカさんが勧めたんじゃないですかぁ!」
「ワハハハハハ!」
高速は空いていた。
「早乙女さんからのお祝いも預かりましたね」
「あいつも律儀だよなぁ。黙ってて悪かったよな」
「そうですね。まあ、吹雪ちゃんとはちょっと事情が違いますからね」
「そうだけどな。でも、「アドヴェロス」も今後は道間家と一緒にやることもあるだろうしな」
途中のサービスエリアで休憩した。
二人でコーヒーを飲む。
亜紀ちゃんは焼肉丼も食べる。
「このまま運転出来ますよ?」
「いいよ、交代で行こう」
「はい」
車に戻り、出発しようとした。
「そろそろ一江の顔面を用意しとくか!」
「アハハハハハ!」
トランクを開けて、タブレットを出そうとした。
早乙女が用意したでかいクマのぬいぐるみの下になったようだ。
俺が一旦どけて、タブレットを取り出した。
「あ、リボンが解けてますよ」
「ああ」
俺は立ててリボンを結び直そうとした。
何かが飛び出た。
「ん?」
「タカさん!」
「小柱」が飛んでた。
「「……」」
「小柱」が俺に向かって飛んで来た。
《すぽ》
「おい!」
「タカさん!」
また俺の胸に埋まった。
「こいつ!」
シャツのボタンを外すと、下着を通り抜けて身体に直接埋まっている。
「出ろ! このやろう!」
「タカさん、無理ですよ。こないだも取れなかったじゃないですか」
「そうは行くかぁ!」
「どうします? 帰りますか?」
「ここまで来てかよ」
「でも」
「うーん」
とにかく、早乙女に電話をした。
「ああ! 今朝から見えなくて心配してたんだ!」
「お前! しっかり保管しとけぇ!」
「そうは言ってもさ」
「冗談じゃねぇ! どうすんだ、こいつ!」
「連れてってくれよ」
「なんだと!」
「だって、しょうがないじゃないか」
「お前ぇー!」
まあ、早乙女に怒鳴ってもしょうがない。
俺は道間家にこのまま行くことにした。
「タカさん、平気ですか?」
「うーん、ちょっとも違和感がねぇんだよな」
「不思議ですよね」
二人で唸る。
「こないだ早乙女の家でさ」
「はい」
「でか「柱」にみんな触れなかったろ?」
「ああ! そうでしたよね!」
「こいつ、胸に突き刺さってるんだけど、実体はねぇんだよな、きっと」
「どういうことですかねー」
「分かるかよ!」
「アハハハハ!」
京都市内に入り、道間家に向かった。
「あ! 一江さん出してませんよ!」
「そうだ! 大変だぁ!」
「タカさん、平気ですよね?」
「ん?」
そう言えばそうだった。
俺には一江顔面が絶対に必要だったのに。
「「小柱」ちゃんのお陰ですかね」
「いらねぇ」
「アハハハハハ!」
大丈夫なのに一江の顔面を出す気は無かった。
俺が運転し、亜紀ちゃんが麗星に電話した。
道間家の門の前で五平所が待っていた。
車を停めて、一旦外へ出て挨拶する。
「石神さ……ぷぷぷぷぷ」
「おい!」
道間家の発作が出ていた。
亜紀ちゃんが後ろのシートに麗星と五平所を押し込めて玄関へ向かった。
「あなたさまー……ぷぷぷぷぷ」
「「……」」
ダメだった。
一応玄関まで来て、二人を降ろす。
「亜紀ちゃん、帰るか」
「そうですね」
麗星が必死の形相で俺の肩に手を置いて叩いた。
そのまま奥に消えた。
しばらく待っていると、でかい札を手に戻って来た。
「ぷぷぷぷぷ」
言いながら札を俺の胸に貼りつけた。
ちょっと俺から離れて息を整える。
「はぁはぁはぁ」
「大丈夫ですか?」
「な、なんとか。あなたさまは、毎回とんでもないものを……」
「まあ、すみません」
「あとでもっと強力なものを用意します」
「お、お願いします」
亜紀ちゃんと中へ入った。
ロールスロイスは目覚めた五平所が荷物を下ろしてから駐車場へ移動させた。
「これはどういうことなんですの?」
俺は事情を話した。
少し長い話になったが、石神家本家でのことや、帰ってから身体を癒している中で早乙女家の「小柱」が俺の胸に埋まったことなど。
「そうしたら、どうしようもなく痛んでいた身体がすっかり良くなったんですよ。傷も全部塞がって」
「そうですか。まあ、悪い物では決してありませんが、何しろ波動が強烈すぎて」
「そうなんですか?」
「石神様だからです。人間には決して」
「俺は人間ですよ!」
「オーホホホホホ!」
笑い飛ばされてしまった。
「それは抜けませんの?」
「それがすっかり埋まってしまって。こないだは「柱」が叩いて取り出したんですけどね」
「そうですか。一度見せて頂いても?」
「もちろん」
俺はシャツを脱ぎ、下着をめくった。
「相変わらず逞しい……おほん……まあ、本当でございますわね」
「抜けませんか?」
「人間にはとても」
「おい!」
「オホホホホホホ」
麗星が俺の腹筋を撫でながら笑った。
一服してから、天狼を見ることにした。
亜紀ちゃんが大喜びだ。
長い廊下を進み、天狼のために用意されたと言う部屋へ案内された。
俺は以前に見ているが、強力な結界が貼られている。
俺と雖も、麗星やしかるべき人間の同行が無ければ中へ入れない。
というか、俺が入ろうとすると結界が破壊されるので、勝手にするなと言われた。
「さあ、どうぞ」
麗星が俺たちを中へ入れた。
「カ、カワイイ!」
亜紀ちゃんが大興奮で天狼を見た。
「あなたさま、抱いてあげて下さい」
「おう」
俺が産着の天狼を抱き上げた。
途端に、俺の胸から「小柱」が飛び出した。
《すぽ》
「小柱」が天狼のお腹に埋まった。
「ギャァァァァァァァァーーーー!」
麗星が途轍もない悲鳴を挙げた。
俺は京都に行くことにした。
亜紀ちゃんが心配し、一緒に行くと言う。
「タカさん、寝てた方が」
「もう大丈夫だよ。あっちにも顔を出して置かないとな」
「車ですか?」
「ああ。「飛行」なら早いんだけどな。あそこはどうも不味いみたいなんだ」
「結界とかいろいろ複雑だそうですからね」
「まあな。要は攻撃的な接近になっちまうらしいよ」
「じゃあ、私も一緒に行きますね!」
「そうだなぁ。念のために頼むか」
「はい!」
そういうことになった。
ロールスロイスで行くことにした。
旅行で使うような車ではないのだが、万一俺がまた引っ繰り返った場合、後ろのシートで楽になれる。
亜紀ちゃんにも運転させる。
「うわー! 凄い運転しやすいですね!」
「まあ、普段あんなバカみたいな車に乗ってる奴にはな」
「タカさんが勧めたんじゃないですかぁ!」
「ワハハハハハ!」
高速は空いていた。
「早乙女さんからのお祝いも預かりましたね」
「あいつも律儀だよなぁ。黙ってて悪かったよな」
「そうですね。まあ、吹雪ちゃんとはちょっと事情が違いますからね」
「そうだけどな。でも、「アドヴェロス」も今後は道間家と一緒にやることもあるだろうしな」
途中のサービスエリアで休憩した。
二人でコーヒーを飲む。
亜紀ちゃんは焼肉丼も食べる。
「このまま運転出来ますよ?」
「いいよ、交代で行こう」
「はい」
車に戻り、出発しようとした。
「そろそろ一江の顔面を用意しとくか!」
「アハハハハハ!」
トランクを開けて、タブレットを出そうとした。
早乙女が用意したでかいクマのぬいぐるみの下になったようだ。
俺が一旦どけて、タブレットを取り出した。
「あ、リボンが解けてますよ」
「ああ」
俺は立ててリボンを結び直そうとした。
何かが飛び出た。
「ん?」
「タカさん!」
「小柱」が飛んでた。
「「……」」
「小柱」が俺に向かって飛んで来た。
《すぽ》
「おい!」
「タカさん!」
また俺の胸に埋まった。
「こいつ!」
シャツのボタンを外すと、下着を通り抜けて身体に直接埋まっている。
「出ろ! このやろう!」
「タカさん、無理ですよ。こないだも取れなかったじゃないですか」
「そうは行くかぁ!」
「どうします? 帰りますか?」
「ここまで来てかよ」
「でも」
「うーん」
とにかく、早乙女に電話をした。
「ああ! 今朝から見えなくて心配してたんだ!」
「お前! しっかり保管しとけぇ!」
「そうは言ってもさ」
「冗談じゃねぇ! どうすんだ、こいつ!」
「連れてってくれよ」
「なんだと!」
「だって、しょうがないじゃないか」
「お前ぇー!」
まあ、早乙女に怒鳴ってもしょうがない。
俺は道間家にこのまま行くことにした。
「タカさん、平気ですか?」
「うーん、ちょっとも違和感がねぇんだよな」
「不思議ですよね」
二人で唸る。
「こないだ早乙女の家でさ」
「はい」
「でか「柱」にみんな触れなかったろ?」
「ああ! そうでしたよね!」
「こいつ、胸に突き刺さってるんだけど、実体はねぇんだよな、きっと」
「どういうことですかねー」
「分かるかよ!」
「アハハハハ!」
京都市内に入り、道間家に向かった。
「あ! 一江さん出してませんよ!」
「そうだ! 大変だぁ!」
「タカさん、平気ですよね?」
「ん?」
そう言えばそうだった。
俺には一江顔面が絶対に必要だったのに。
「「小柱」ちゃんのお陰ですかね」
「いらねぇ」
「アハハハハハ!」
大丈夫なのに一江の顔面を出す気は無かった。
俺が運転し、亜紀ちゃんが麗星に電話した。
道間家の門の前で五平所が待っていた。
車を停めて、一旦外へ出て挨拶する。
「石神さ……ぷぷぷぷぷ」
「おい!」
道間家の発作が出ていた。
亜紀ちゃんが後ろのシートに麗星と五平所を押し込めて玄関へ向かった。
「あなたさまー……ぷぷぷぷぷ」
「「……」」
ダメだった。
一応玄関まで来て、二人を降ろす。
「亜紀ちゃん、帰るか」
「そうですね」
麗星が必死の形相で俺の肩に手を置いて叩いた。
そのまま奥に消えた。
しばらく待っていると、でかい札を手に戻って来た。
「ぷぷぷぷぷ」
言いながら札を俺の胸に貼りつけた。
ちょっと俺から離れて息を整える。
「はぁはぁはぁ」
「大丈夫ですか?」
「な、なんとか。あなたさまは、毎回とんでもないものを……」
「まあ、すみません」
「あとでもっと強力なものを用意します」
「お、お願いします」
亜紀ちゃんと中へ入った。
ロールスロイスは目覚めた五平所が荷物を下ろしてから駐車場へ移動させた。
「これはどういうことなんですの?」
俺は事情を話した。
少し長い話になったが、石神家本家でのことや、帰ってから身体を癒している中で早乙女家の「小柱」が俺の胸に埋まったことなど。
「そうしたら、どうしようもなく痛んでいた身体がすっかり良くなったんですよ。傷も全部塞がって」
「そうですか。まあ、悪い物では決してありませんが、何しろ波動が強烈すぎて」
「そうなんですか?」
「石神様だからです。人間には決して」
「俺は人間ですよ!」
「オーホホホホホ!」
笑い飛ばされてしまった。
「それは抜けませんの?」
「それがすっかり埋まってしまって。こないだは「柱」が叩いて取り出したんですけどね」
「そうですか。一度見せて頂いても?」
「もちろん」
俺はシャツを脱ぎ、下着をめくった。
「相変わらず逞しい……おほん……まあ、本当でございますわね」
「抜けませんか?」
「人間にはとても」
「おい!」
「オホホホホホホ」
麗星が俺の腹筋を撫でながら笑った。
一服してから、天狼を見ることにした。
亜紀ちゃんが大喜びだ。
長い廊下を進み、天狼のために用意されたと言う部屋へ案内された。
俺は以前に見ているが、強力な結界が貼られている。
俺と雖も、麗星やしかるべき人間の同行が無ければ中へ入れない。
というか、俺が入ろうとすると結界が破壊されるので、勝手にするなと言われた。
「さあ、どうぞ」
麗星が俺たちを中へ入れた。
「カ、カワイイ!」
亜紀ちゃんが大興奮で天狼を見た。
「あなたさま、抱いてあげて下さい」
「おう」
俺が産着の天狼を抱き上げた。
途端に、俺の胸から「小柱」が飛び出した。
《すぽ》
「小柱」が天狼のお腹に埋まった。
「ギャァァァァァァァァーーーー!」
麗星が途轍もない悲鳴を挙げた。
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