富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

文字の大きさ
1,687 / 3,215

大銀河連合「天下一ぶ Ⅲ

しおりを挟む
 ベスト4決定。
 いよいよ残り2試合。

 「もう、優勝ですね!」

 亜紀ちゃんが嬉しそうに言う。

 「まだ早い。今後は大技の応酬になる。喰らえば俺たちだって無事には済まないぞ」
 「皇紀がいますよ?」
 「皇紀も死んじゃうよ!」
 「いいよね?」

 亜紀ちゃんの頭を引っぱたいた。

 「2試合あるんだ! 皇紀が死んだ後はどうすんだよ!」
 「え、僕死ぬの?」
 
 俺は《グランマザー》に聞いた。

 「ルールで闘技場に足が付いていなければならないとか、高い位置からの攻撃はダメとかあるか?」
 「禁止されてはいませんが」
 
 「よし、これからは高機動で攻撃と回避だ。亜紀ちゃんはなるべく早く「最後の涙」をぶちかませ!」
 「はい!」
 「亜紀ちゃんがもたもたしてたら、他の奴が撃ってもいい」
 「え! 待ってて下さいよー!」
 「僕、死ぬんだ……」

 俺は皇紀を抱き寄せた。

 「お前は俺が抱えて飛ぶからな」
 「タカさん!」
 「拠点防衛タイプのお前は高機動は得意じゃねぇからなぁ」
 「ありがとうございます!」

 「サイヤ人は戦闘種族だっ!!!!なめるなよーーっ!!!!」
 「いや、柳。それ一番不味いって」

 


 第4試合。
 魔人ボウ星人。
 両手から大火力の火球を打ち出して来る。
 第3試合では、敵陣を高熱で包み込んで壊滅させていた。
 接近戦でも火球を撃って来るので、恐らく耐熱性能は高い。

 試合開始。

 俺たちは「飛行・鷹閃花」で高速機動で舞い上がった。

 「オォォォォォーーーー! なんということだぁ! 未だかつて、飛行アビリティでこの闘技場で戦った奴はいない!」
 「おい、それって「ア〇セル・ワールド」の……」
 「綺麗な翼だぁ! あれが本当の姿なのかぁ!」
 「いや、翼はねぇし。なんなんだ、こいつら」

 魔人ボウたちも驚いているが、すぐに陣形を組んで俺たちに火球を撃って来た。

 「俺が惹き付ける! 亜紀ちゃん! ぶちかませ!」
 「はい!」

 俺は皇紀を盾にして魔人ボウたちに近づいた。

 「タカさん! アチチチチチ!」

 皇紀の身体が火球を防いでくれる。
 俺は砲撃を誘導しつつ特大の「ブリューナク」をぶっ放した。

 魔人ボウたちが消し炭となって消えた。

 「「「「「……」」」」」

 「おお! 勝ったぞ!」

 地上に降りて、俺は宣言した。

 「タカさん! 私がやるんでしたよね!」
 「熱いよー」

 亜紀ちゃんが怒り、皇紀が泣いていた。

 「おとうさんを……いじめるなーっ!」
 「俺は絶対御堂をいじめねぇ!」

 柳の頭を引っぱたいた。

 俺たちの「飛行」が会場をずっと興奮させていた。
 そんなに特殊な能力なのか。



 
 控室に戻ると、《グランマザー》が俺たちを絶賛した。

 「まさか! 飛行を身に着けていらしたとは! 驚きました!」
 「空を飛べる知的生命体って無いのか?」
 「はい! どうしても軽量化のために脳の発達が出来ず。石神様たちは最初の飛行生命体です!」
 「いや、いつも飛んでるわけじゃねぇんだが」

 「タカさん! 次は絶対私がやるんですよー!」
 「分かったよ!」

 亜紀ちゃんが激オコだ。

 「あの、最後の決勝戦は6名での勝ち抜き戦となります」
 「なんだ、変わるのか?」
 「はい。最初の人間が斃されたら交代です」
 「最後まで残っていた方が勝ちということか」
 「その通りでございます」

 「はい! 私一番!」
 「じゃあ、それでいいよ」

 サル星人の試合を観戦した。
 5メートルの伸長で、全身がワイヤーのような強靭な筋肉のようなもので覆われている。
 相手は二本足で立つトカゲのような連中で、鋭い鉤爪で攻撃するが、全く効かなかった。
 俺はずっとサル星人の動きを見ていた。
 ワイヤーを捩ったような筋肉がそれほど膨れてはいない。
 しかし、サル星人たちの破壊力は絶大だ。
 繰り出す単純なブロウだけで、相手チームの身体が四散していく。
 
 「まだ全然全力じゃねぇな」
 
 動く度に、敵チームが破壊されて行く。
 一切の無駄が無いばかりか、動きがそのまま破壊になっている。

 「「機」を見ているのか」

 言い換えれば未来予測と言ってもいい。
 相手や状況の変化の兆しに反応して動いているのだ。
 見ている側にしてみれば、まるで相手が攻撃に吸い寄せられているように見える。

 「あれが、数百回のこの大会の常勝チームです」
 「おい、さっき俺たちが斃した連中は優勝候補だって言ってなかったか?」
 「ああ言えば観客が興奮するからです」
 「なんだよ、それ」

 《グランマザー》が微笑んだ。

 「今回は石神様たちが参戦なさいました。ようやく彼らの牙城も崩せるかと」
 「へぇー」

 確かに強い。
 聖と同等ではないかと思った。
 相手チームもそれなりに強かったが、まるで弄ばれるようにして全滅した。




 決勝戦前に、ちょっとしたイヴェントがあった。
 俺たちの感覚とは違うが、短いショーがあり、何かのキャラクターのようなものが闘技場を駆けまわる。

 「地球の文化を真似てみました。なかなか良いものですね」
 「なんか違うぞ?」
 「オホホホホ」

 俺たちはそれを眺めながら話していた。

 「先鋒は亜紀ちゃん」
 「はい!」
 「次鋒は俺だ」
 「え、タカさんは最後じゃないの?」
 「あいつらは強い。聖と同等と思っておけ」
 「そんなに!」

 「皇紀は怪我をしているしな」
 「それってタカさんのせいだよね?」
 「かわいそうに!」
 「いや、だからさ」

 「皇紀の仇を討つぞ!」
 「さっき討ったじゃん」
 
 うるさいルーとハーの口を塞いだ。

 「皇紀は大将な! お前の番まで回ったら棄権していいから」
 「いたいよー」



 いよいよ最後の戦いだ。
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

付喪神狩

やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。 容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。 自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

Lucia(ルシア)変容者たち

おまつり
恋愛
 人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。  それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。  カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。  二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。  誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。  愛が深まるほど、境界は曖昧になる。  身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。  一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。  彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。  これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、 それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。 ※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

処理中です...