1,738 / 3,215
石神さんのお出掛け
しおりを挟む
12月の第一週の金曜日の夜。
私は亜紀ちゃんと、石神さんにお酒を飲もうと誘った。
「ああ、悪いな。今日は出掛ける予定なんだ」
「そうなんですか!」
「タカさん! 六花さんのとこですね!」
「ちげぇよ!」
「じゃあ鷹さん!」
「そっちでもねぇ!」
「じゃあ、どこですか!」
「どこでもいいだろう!」
「新しい女ですかぁ!」
「いい加減にしろ!」
石神さんは怒鳴って出て行った。
スーツ姿だ。
時々、行き先を言わないで夜中に出て行くことがある。
六花さんや鷹さんの所なら、必ずそう言って出かける。
一応スマホは持って行くので、緊急の連絡は出来る。
「タカさん、出て行きましたよ!」
「そうだね」
「ねぇ、柳さん、どこだと思います!」
亜紀ちゃんがちょっとご機嫌斜めだ。
「うーん」
「本当に新しい女ですかね!」
「でも、そうだったら、石神さんはそう言うんじゃないかな」
「そうですかー」
亜紀ちゃんは納得していない。
二人でちょっと飲もうと言って、おつまみを一緒に作った。
鴨肉のソテー。
豚の生姜焼き。
燻製ソーセージ。
ジャコサラダ(和風ドレッシング)。
肉ばかりだが、亜紀ちゃんの機嫌を直すには仕方が無い。
「タカさーん! どこ行ったんですかー!」
亜紀ちゃんが叫ぶ。
仕方が無い。
「ねえ、このお話は今だけのことにしてくれる?」
「はい?」
「今日石神さんがどこへ行ったのかは知らないの」
「はぁ」
「でもね、前にこんなことがあったの」
亜紀ちゃんが私を見ている。
私は話し出した。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
8月の土曜日。
私は顕さんの家の掃除に行き、お墓も掃除してきた。
亜紀ちゃんとルーちゃん、ハーちゃんも手伝ってくれ、おうちはみんなに任せて私だけでお墓を綺麗にした。
夕方に家に帰り、夜になってから気付いた。
「あ! お財布が無い!」
どこで落としたかと考えて、すぐに思い出した。
今日の午後にお墓に行った時だ。
鞄はみんなのいる顕さんの家に置いて、お財布だけを持って行って花を買ったのだ。
お墓の掃除をしている間、そこにお財布を置いていた。
そのまま忘れて来たのだ。
「あー、誰か拾っちゃったかなー」
お金は諦めがつくが、大事なものが入っている。
お父さんと石神さんが一緒に写っている写真だ。
パウチ加工をして、大事に入れていた。
それと、石神さんが百家を訪ねた時におみやげでいただいたお守り。
本当に大切なものだった。
少し考えたが、車で行くことにした。
今は夜の11時。
随分と遅い時間だが、仕方が無い。
一応、石神さんに断って行こうと思った。
お部屋をノックしたが、返事が無い。
開くとロボちゃんだけがベッドに寝ていた。
私を起きて見ている。
「あれ? 石神さんは?」
「にゃー」
分かんない。
「ロボ、おやすみー」
「にゃー」
亜紀ちゃんの部屋に行った。
「あれ、柳さん?」
「亜紀ちゃん、あのね、奈津江さんのお墓にお財布を忘れて来たのに気付いたの」
「え!」
「だから、今から車で取りに行くから」
「私も一緒に行きますよ!」
「ううん、大丈夫。すぐに戻るから」
「ダメですよ!」
「いいから。お願い! 私のミスだから、亜紀ちゃんに迷惑は掛けたくないの」
「うーん、でもー」
「大丈夫よ。私だって強いんだから」
「そうですけどー」
亜紀ちゃんは寝間着で、当然お風呂にも入っている。
だから本当に申し訳ない。
自分のミスだからと強調して、独りで出掛けた。
夜中で道も空いており、40分程で奈津江さんのお墓に着いた。
お寺の前の駐車場に車を入れて、急いでお墓へ向かった。
どうかまだありますように。
お墓が見えて来ると、誰かがいた。
すぐに分かった。
石神さんだった。
お墓に向かって、一生懸命に話をしている。
楽しそうに話しかけている。
「今日は奈津江の命日だけどさ。おい、もう何年だよ?」
私は近づけないで、隠れてしまった。
そうか、今日は奈津江さんの御命日だったんだ。
「今日、柳が来てくれたろ? ああ、あいつ財布を忘れてったな。アハハハハハ!」
自分の財布があったことに喜んだ。
「優しくて真面目な奴なんだけどな。ちょっとおっちょこちょいなんだ。そこがカワイイって言えばそうなんだけどよ」
私のことを話してくれて嬉しい。
「あいつ、本当に綺麗にしてくれてるな。嬉しいよ。奈津江もそう思うだろ?」
「柳ともそろそろちゃんとしないといけないとは思うんだけどさ。ちょっとまだなぁ。好きなのは本当なんだけど、やっぱ小さい頃から見てるから、すぐに女としてだけ見るっていうのが出来ないんだよなぁ」
石神さん、酷いよ。
石神さんはずっと話していた。
誰かが来た。
「石神さん」
「ああ、すいません。いつもつい話し込んでしまいまして」
「良いのですよ。宜しければ、また後で参ります」
「いいえ! すぐに行きます」
どこへ行くのだろう?
私は「大闇月」を使い、完全に気配を消して二人の後をつけた。
本堂への階段を上がって行く。
本堂に入った。
私もすぐに追いかけた。
話し声が聞こえた。
「では、ごゆっくりと」
「毎回すみません。ではもうお休み下さい」
「ああ、最初の経だけは御一緒にさせてください」
「本当ですか!」
「こちらこそお願いします。これほど仏様を愛する方とご一緒させて頂けるのは有難いことです」
「そうですか! 是非!」
「それにしても、毎年一晩中経を上げる方などいらっしゃいませんよ」
「奈津江のお兄さんの顕さんから、奈津江の墓に来ていいといってもらえましたからね。そうなれば、もう遠慮なく!」
「アハハハハハ!」
やがて二人のお経を唱える声が聞こえた。
石神さんは、毎年こうやって奈津江さんの命日に、徹夜で一晩お経を上げていたのか。
涙が出て来た。
石神さんの、奈津江さんへの愛は今もずっと続いているのだ。
もう会えない人だからこそ、こうやってお経を捧げているのだ。
それしか出来ないから。
私は床に正座して、頭を下げて家に帰った。
翌朝。
石神さんは朝食前に私をお部屋に呼んで、私にお財布を渡してくれた。
「夕べ、ちょっと奈津江の墓へ行ったんだ。お前、財布を忘れてたろう?」
「はい! すみませんでした!」
「おい、お前、夕べ来たんじゃないのか?」
「え……」
「やっぱりそうか。何となく気配があったからな」
「あの、石神さん……」
「なんだ?」
「すみません! 気になっちゃって、本堂まで付いて行ってしまいまして」
「あー」
「一晩中、お経を上げていたんですよね?」
「しょうがねぇなぁ。おい、他の子どもたちには黙ってろよな」
「どうしてです?」
石神さんは笑って私の頭を撫でた。
「お前もだけどよ。あいつらも知ったら一緒に来たいって言うだろうよ。これは俺と奈津江の関係のことだからな。お前らまで一晩中なんてとんでもないよ」
「でも……」
「柳、お前はいつも奈津江の墓を綺麗にしてくれている。それだけで十分だ。それに、俺は本当に奈津江と一晩過ごしたいんだよ。奈津江のために祈りたいんだ。だからな」
「はい、分かりました」
「秘密で頼むな!」
「はい!」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「柳さん!」
亜紀ちゃんがボロボロ涙を零して泣いている。
「亜紀ちゃん!」
「じゃあ、今日も誰かの命日で!」
「それは分からないよ。でも、石神さんは大事な人が多いから。レイの命日にも一晩いなかった」
「え!」
「私は知っちゃったからね。石神さんが黙っていなくなる夜って、誰かの命日かなって思って。レイの命日には気付いたけど」
「柳さん!」
亜紀ちゃんがますます泣いてしまった。
「あのさ、本当に秘密にしてね。ああ、私も喋っちゃいけなかったんだけど。でも、亜紀ちゃんは知っておいた方がいいかなって」
「はい! ありがとうございます!」
亜紀ちゃんにお肉を食べさせた。
徐々に落ち着いて来た。
「柳さん、今日は誰ですかね?」
「うーん、分からないけど。でも石神さんって、本当に人を大事にするから」
「そうですよね」
「女の人の所かもしれないけどね!」
「アハハハハハ!」
亜紀ちゃんと散々飲んだ。
二人で酔いつぶれ、石神さんのベッドで寝た。
早朝に帰って来た石神さんに、ベッドがお酒臭いと怒られた。
ロボも凄く不機嫌だった。
二日酔いで辛かったが、亜紀ちゃんと笑いながらお布団を干した。
私は亜紀ちゃんと、石神さんにお酒を飲もうと誘った。
「ああ、悪いな。今日は出掛ける予定なんだ」
「そうなんですか!」
「タカさん! 六花さんのとこですね!」
「ちげぇよ!」
「じゃあ鷹さん!」
「そっちでもねぇ!」
「じゃあ、どこですか!」
「どこでもいいだろう!」
「新しい女ですかぁ!」
「いい加減にしろ!」
石神さんは怒鳴って出て行った。
スーツ姿だ。
時々、行き先を言わないで夜中に出て行くことがある。
六花さんや鷹さんの所なら、必ずそう言って出かける。
一応スマホは持って行くので、緊急の連絡は出来る。
「タカさん、出て行きましたよ!」
「そうだね」
「ねぇ、柳さん、どこだと思います!」
亜紀ちゃんがちょっとご機嫌斜めだ。
「うーん」
「本当に新しい女ですかね!」
「でも、そうだったら、石神さんはそう言うんじゃないかな」
「そうですかー」
亜紀ちゃんは納得していない。
二人でちょっと飲もうと言って、おつまみを一緒に作った。
鴨肉のソテー。
豚の生姜焼き。
燻製ソーセージ。
ジャコサラダ(和風ドレッシング)。
肉ばかりだが、亜紀ちゃんの機嫌を直すには仕方が無い。
「タカさーん! どこ行ったんですかー!」
亜紀ちゃんが叫ぶ。
仕方が無い。
「ねえ、このお話は今だけのことにしてくれる?」
「はい?」
「今日石神さんがどこへ行ったのかは知らないの」
「はぁ」
「でもね、前にこんなことがあったの」
亜紀ちゃんが私を見ている。
私は話し出した。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
8月の土曜日。
私は顕さんの家の掃除に行き、お墓も掃除してきた。
亜紀ちゃんとルーちゃん、ハーちゃんも手伝ってくれ、おうちはみんなに任せて私だけでお墓を綺麗にした。
夕方に家に帰り、夜になってから気付いた。
「あ! お財布が無い!」
どこで落としたかと考えて、すぐに思い出した。
今日の午後にお墓に行った時だ。
鞄はみんなのいる顕さんの家に置いて、お財布だけを持って行って花を買ったのだ。
お墓の掃除をしている間、そこにお財布を置いていた。
そのまま忘れて来たのだ。
「あー、誰か拾っちゃったかなー」
お金は諦めがつくが、大事なものが入っている。
お父さんと石神さんが一緒に写っている写真だ。
パウチ加工をして、大事に入れていた。
それと、石神さんが百家を訪ねた時におみやげでいただいたお守り。
本当に大切なものだった。
少し考えたが、車で行くことにした。
今は夜の11時。
随分と遅い時間だが、仕方が無い。
一応、石神さんに断って行こうと思った。
お部屋をノックしたが、返事が無い。
開くとロボちゃんだけがベッドに寝ていた。
私を起きて見ている。
「あれ? 石神さんは?」
「にゃー」
分かんない。
「ロボ、おやすみー」
「にゃー」
亜紀ちゃんの部屋に行った。
「あれ、柳さん?」
「亜紀ちゃん、あのね、奈津江さんのお墓にお財布を忘れて来たのに気付いたの」
「え!」
「だから、今から車で取りに行くから」
「私も一緒に行きますよ!」
「ううん、大丈夫。すぐに戻るから」
「ダメですよ!」
「いいから。お願い! 私のミスだから、亜紀ちゃんに迷惑は掛けたくないの」
「うーん、でもー」
「大丈夫よ。私だって強いんだから」
「そうですけどー」
亜紀ちゃんは寝間着で、当然お風呂にも入っている。
だから本当に申し訳ない。
自分のミスだからと強調して、独りで出掛けた。
夜中で道も空いており、40分程で奈津江さんのお墓に着いた。
お寺の前の駐車場に車を入れて、急いでお墓へ向かった。
どうかまだありますように。
お墓が見えて来ると、誰かがいた。
すぐに分かった。
石神さんだった。
お墓に向かって、一生懸命に話をしている。
楽しそうに話しかけている。
「今日は奈津江の命日だけどさ。おい、もう何年だよ?」
私は近づけないで、隠れてしまった。
そうか、今日は奈津江さんの御命日だったんだ。
「今日、柳が来てくれたろ? ああ、あいつ財布を忘れてったな。アハハハハハ!」
自分の財布があったことに喜んだ。
「優しくて真面目な奴なんだけどな。ちょっとおっちょこちょいなんだ。そこがカワイイって言えばそうなんだけどよ」
私のことを話してくれて嬉しい。
「あいつ、本当に綺麗にしてくれてるな。嬉しいよ。奈津江もそう思うだろ?」
「柳ともそろそろちゃんとしないといけないとは思うんだけどさ。ちょっとまだなぁ。好きなのは本当なんだけど、やっぱ小さい頃から見てるから、すぐに女としてだけ見るっていうのが出来ないんだよなぁ」
石神さん、酷いよ。
石神さんはずっと話していた。
誰かが来た。
「石神さん」
「ああ、すいません。いつもつい話し込んでしまいまして」
「良いのですよ。宜しければ、また後で参ります」
「いいえ! すぐに行きます」
どこへ行くのだろう?
私は「大闇月」を使い、完全に気配を消して二人の後をつけた。
本堂への階段を上がって行く。
本堂に入った。
私もすぐに追いかけた。
話し声が聞こえた。
「では、ごゆっくりと」
「毎回すみません。ではもうお休み下さい」
「ああ、最初の経だけは御一緒にさせてください」
「本当ですか!」
「こちらこそお願いします。これほど仏様を愛する方とご一緒させて頂けるのは有難いことです」
「そうですか! 是非!」
「それにしても、毎年一晩中経を上げる方などいらっしゃいませんよ」
「奈津江のお兄さんの顕さんから、奈津江の墓に来ていいといってもらえましたからね。そうなれば、もう遠慮なく!」
「アハハハハハ!」
やがて二人のお経を唱える声が聞こえた。
石神さんは、毎年こうやって奈津江さんの命日に、徹夜で一晩お経を上げていたのか。
涙が出て来た。
石神さんの、奈津江さんへの愛は今もずっと続いているのだ。
もう会えない人だからこそ、こうやってお経を捧げているのだ。
それしか出来ないから。
私は床に正座して、頭を下げて家に帰った。
翌朝。
石神さんは朝食前に私をお部屋に呼んで、私にお財布を渡してくれた。
「夕べ、ちょっと奈津江の墓へ行ったんだ。お前、財布を忘れてたろう?」
「はい! すみませんでした!」
「おい、お前、夕べ来たんじゃないのか?」
「え……」
「やっぱりそうか。何となく気配があったからな」
「あの、石神さん……」
「なんだ?」
「すみません! 気になっちゃって、本堂まで付いて行ってしまいまして」
「あー」
「一晩中、お経を上げていたんですよね?」
「しょうがねぇなぁ。おい、他の子どもたちには黙ってろよな」
「どうしてです?」
石神さんは笑って私の頭を撫でた。
「お前もだけどよ。あいつらも知ったら一緒に来たいって言うだろうよ。これは俺と奈津江の関係のことだからな。お前らまで一晩中なんてとんでもないよ」
「でも……」
「柳、お前はいつも奈津江の墓を綺麗にしてくれている。それだけで十分だ。それに、俺は本当に奈津江と一晩過ごしたいんだよ。奈津江のために祈りたいんだ。だからな」
「はい、分かりました」
「秘密で頼むな!」
「はい!」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「柳さん!」
亜紀ちゃんがボロボロ涙を零して泣いている。
「亜紀ちゃん!」
「じゃあ、今日も誰かの命日で!」
「それは分からないよ。でも、石神さんは大事な人が多いから。レイの命日にも一晩いなかった」
「え!」
「私は知っちゃったからね。石神さんが黙っていなくなる夜って、誰かの命日かなって思って。レイの命日には気付いたけど」
「柳さん!」
亜紀ちゃんがますます泣いてしまった。
「あのさ、本当に秘密にしてね。ああ、私も喋っちゃいけなかったんだけど。でも、亜紀ちゃんは知っておいた方がいいかなって」
「はい! ありがとうございます!」
亜紀ちゃんにお肉を食べさせた。
徐々に落ち着いて来た。
「柳さん、今日は誰ですかね?」
「うーん、分からないけど。でも石神さんって、本当に人を大事にするから」
「そうですよね」
「女の人の所かもしれないけどね!」
「アハハハハハ!」
亜紀ちゃんと散々飲んだ。
二人で酔いつぶれ、石神さんのベッドで寝た。
早朝に帰って来た石神さんに、ベッドがお酒臭いと怒られた。
ロボも凄く不機嫌だった。
二日酔いで辛かったが、亜紀ちゃんと笑いながらお布団を干した。
1
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる