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100日じゃ多分死なないワニ Ⅲ
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「虎温泉」から上がり、みんなでリヴィングに集合した。
本当は酒でも飲むつもりだったのだが、仕方が無い。
「えー。ワニが来ました」
みんな笑いそうな顔をしている。
「ちょっとした事故で死に掛けたので、蓮花研究所で「Ω」「オロチ」、そして俺の血液を200CC打ちました」
もちろんみんな「事故」の事情は分かっている。
六花の「槍雷」だ。
「助かりました」
みんなが笑顔で拍手をする。
特に六花と亜紀ちゃんが抱き合って喜ぶ。
「現在体長38メートル、体重は凡そ50トンになってます」
「「「「「「!」」」」」」
全員が騒ぎ出す。
俺の血液を研究していた双子はもう高速思考で互いと話し合っていた。
「問題が幾つかあります」
「アリちゃんは殺さないで下さい!」
亜紀ちゃんが涙目で訴える。
「そう、ワニをどうするか。殺処分はしないとして、じゃあどこでどうやって世話をするのか」
「ここじゃダメですか?」
「38メートルだと言っただろう!」
「ああ」
亜紀ちゃんをぶん殴りたかった。
「野生に戻すこともあり得るけどなぁ。でも、あんな怪獣を他の連中が放っておくわけもねぇ。飼おうなんて奴はほとんどいねぇから、まず殺されるな」
「アリちゃんは殺さないで下さい!」
「それに、あのガタイでの食事だ。間違いなく生態系が崩れる。誰にも見つからなかったとしても、いずれ餌がいなくなるだろうな」
「アリちゃん!」
いちいちうるせぇ。
ワニは生態系の頂点だ。
あいつが喰われることは絶対に無いので、喰い放題でその周辺がどうなるのか。
「同じ理由で、俺たちが世話するとしても、膨大な餌が必要になる。野生のワニは満腹すると1か月以上食事は不要だと言われているが、あいつがどうなのかは分からん。それに満腹させるには恐らく20トン以上は肉を喰うだろうよ」
「うち以上ですね!」
「当たり前だ!」
肉バカたちでも平均すれば一日10キロだろう。
5年分という感じか。
「まあ、用意出来ないわけではないが、流通を歪める量だな」
「アリちゃんのためですよ!」
「それと、水場も必要だ。少なくとも300メートル角のプールがいるな」
「がんばります!」
「要は、カワイイからペットとして飼うということは出来ないということだ!」
「タカさん!」
亜紀ちゃんが半泣きだ。
「まあ、そうは言ってもだ。またまた俺がやっちまったことだから、じゃあ殺そうということではない」
「ありがとうございます!」
亜紀ちゃんがニコニコする。
六花が流石に責任を感じて暗くなっている。
「言葉を話すそうだ」
「え!」
「だから役に立たないこともないだろう。扱いはどこまで出来るのかはまだ不明だが、俺は出来るだけのことはしてやりたいと思っている」
「タカさん!」
「蓮花の研究所は渡良瀬川にも近い。水を引いてプールくらいはそれほど難しくはないだろう。それに土地は幾らでも調達出来るしな。今所有している山林に高い塀で囲って住まわせることも出来ると思う」
「はい!」
「何にしても、お前らの協力が必要になるだろう。明日俺が行って来るが、何か頼むことになる。よろしくな!」
「私も行きますよ!」
「そうか」
「「私たちも!」」
「私も行きます!」
子どもたちが全員名乗り出た。
まあ、現物を観ることも必要だろう。
「六花と鷹はこっちにいてくれな」
「トラ、私も行きます」
「六花は別に責任を感じる必要はないぞ。あの状況ならしょうがない。まあ、本気でやってくれれば良かったかもな」
「タカさん!」
「冗談だよ!」
でも、完全に殺していれば面倒は無かったのは本当だ。
可愛そうなことをしたと悲しんだだろうが。
まあ、何にしても後先を考えずに俺が血液を与えたことが最大の原因だ。
俺のせいだ。
「会議は以上だ! じゃあ飲むぞ!」
「「「「「「はーい!」」」」」」
「にゃー」
あ、ロボも連れてかなきゃ。
鷹が雰囲気を変えるために、また頑張って美味いつまみを作ってくれた。
みんなで「幻想空間」で飲んだ。
翌朝、俺たちは7時に出発した。
鷹と六花たちはゆっくり起きて帰ってくれと言ったが、やはり早くに起きて帰って行った。
「飛行」でも良かったのだが、ハマーで向かった。
一江には夕べのうちに事情を話し、月曜日も休むことにしている。
「相変わらずデタラメ人生ですね」
「うるせぇ!」
一江が笑っていた。
亜紀ちゃんが運転し、柳が助手席だ。
鷹が気を遣っておにぎりを大量に作ってくれていた。
六花が唐揚げを揚げてくれた。
滅多にないことだが、やはり気にしていたのだろう。
まあ、今日はゆっくりして欲しい。
「おい、俺は十分喰ったから交代しよう」
「ありがとうございます!」
俺が運転し、亜紀ちゃんと柳が後ろに座った。
おにぎりを頬張って行く。
ロボは大好きなササミで満腹している。
「鷹さんはやっぱり最高ですね!」
「六花さんの唐揚げも美味しいですよ!」
途中でサービスエリアに寄らずに、まっすぐにぶっ飛ばした。
10時前に蓮花の研究所に着いた。
いつものように玄関で蓮花、ミユキ、前鬼、後鬼が出迎えてくれる。
「よう、また迷惑を掛けたなぁ」
「とんでもございません」
「早速見に行くか」
「はい、お願い致します」
敷地を回って、仮囲いの場所へ着いた。
鉄パイプを組んで、防護布を回している。
ミユキが入り口を開ける。
「あなたさまー!」
「なんだ!」
やけに色っぽい声が聞こえた。
本当は酒でも飲むつもりだったのだが、仕方が無い。
「えー。ワニが来ました」
みんな笑いそうな顔をしている。
「ちょっとした事故で死に掛けたので、蓮花研究所で「Ω」「オロチ」、そして俺の血液を200CC打ちました」
もちろんみんな「事故」の事情は分かっている。
六花の「槍雷」だ。
「助かりました」
みんなが笑顔で拍手をする。
特に六花と亜紀ちゃんが抱き合って喜ぶ。
「現在体長38メートル、体重は凡そ50トンになってます」
「「「「「「!」」」」」」
全員が騒ぎ出す。
俺の血液を研究していた双子はもう高速思考で互いと話し合っていた。
「問題が幾つかあります」
「アリちゃんは殺さないで下さい!」
亜紀ちゃんが涙目で訴える。
「そう、ワニをどうするか。殺処分はしないとして、じゃあどこでどうやって世話をするのか」
「ここじゃダメですか?」
「38メートルだと言っただろう!」
「ああ」
亜紀ちゃんをぶん殴りたかった。
「野生に戻すこともあり得るけどなぁ。でも、あんな怪獣を他の連中が放っておくわけもねぇ。飼おうなんて奴はほとんどいねぇから、まず殺されるな」
「アリちゃんは殺さないで下さい!」
「それに、あのガタイでの食事だ。間違いなく生態系が崩れる。誰にも見つからなかったとしても、いずれ餌がいなくなるだろうな」
「アリちゃん!」
いちいちうるせぇ。
ワニは生態系の頂点だ。
あいつが喰われることは絶対に無いので、喰い放題でその周辺がどうなるのか。
「同じ理由で、俺たちが世話するとしても、膨大な餌が必要になる。野生のワニは満腹すると1か月以上食事は不要だと言われているが、あいつがどうなのかは分からん。それに満腹させるには恐らく20トン以上は肉を喰うだろうよ」
「うち以上ですね!」
「当たり前だ!」
肉バカたちでも平均すれば一日10キロだろう。
5年分という感じか。
「まあ、用意出来ないわけではないが、流通を歪める量だな」
「アリちゃんのためですよ!」
「それと、水場も必要だ。少なくとも300メートル角のプールがいるな」
「がんばります!」
「要は、カワイイからペットとして飼うということは出来ないということだ!」
「タカさん!」
亜紀ちゃんが半泣きだ。
「まあ、そうは言ってもだ。またまた俺がやっちまったことだから、じゃあ殺そうということではない」
「ありがとうございます!」
亜紀ちゃんがニコニコする。
六花が流石に責任を感じて暗くなっている。
「言葉を話すそうだ」
「え!」
「だから役に立たないこともないだろう。扱いはどこまで出来るのかはまだ不明だが、俺は出来るだけのことはしてやりたいと思っている」
「タカさん!」
「蓮花の研究所は渡良瀬川にも近い。水を引いてプールくらいはそれほど難しくはないだろう。それに土地は幾らでも調達出来るしな。今所有している山林に高い塀で囲って住まわせることも出来ると思う」
「はい!」
「何にしても、お前らの協力が必要になるだろう。明日俺が行って来るが、何か頼むことになる。よろしくな!」
「私も行きますよ!」
「そうか」
「「私たちも!」」
「私も行きます!」
子どもたちが全員名乗り出た。
まあ、現物を観ることも必要だろう。
「六花と鷹はこっちにいてくれな」
「トラ、私も行きます」
「六花は別に責任を感じる必要はないぞ。あの状況ならしょうがない。まあ、本気でやってくれれば良かったかもな」
「タカさん!」
「冗談だよ!」
でも、完全に殺していれば面倒は無かったのは本当だ。
可愛そうなことをしたと悲しんだだろうが。
まあ、何にしても後先を考えずに俺が血液を与えたことが最大の原因だ。
俺のせいだ。
「会議は以上だ! じゃあ飲むぞ!」
「「「「「「はーい!」」」」」」
「にゃー」
あ、ロボも連れてかなきゃ。
鷹が雰囲気を変えるために、また頑張って美味いつまみを作ってくれた。
みんなで「幻想空間」で飲んだ。
翌朝、俺たちは7時に出発した。
鷹と六花たちはゆっくり起きて帰ってくれと言ったが、やはり早くに起きて帰って行った。
「飛行」でも良かったのだが、ハマーで向かった。
一江には夕べのうちに事情を話し、月曜日も休むことにしている。
「相変わらずデタラメ人生ですね」
「うるせぇ!」
一江が笑っていた。
亜紀ちゃんが運転し、柳が助手席だ。
鷹が気を遣っておにぎりを大量に作ってくれていた。
六花が唐揚げを揚げてくれた。
滅多にないことだが、やはり気にしていたのだろう。
まあ、今日はゆっくりして欲しい。
「おい、俺は十分喰ったから交代しよう」
「ありがとうございます!」
俺が運転し、亜紀ちゃんと柳が後ろに座った。
おにぎりを頬張って行く。
ロボは大好きなササミで満腹している。
「鷹さんはやっぱり最高ですね!」
「六花さんの唐揚げも美味しいですよ!」
途中でサービスエリアに寄らずに、まっすぐにぶっ飛ばした。
10時前に蓮花の研究所に着いた。
いつものように玄関で蓮花、ミユキ、前鬼、後鬼が出迎えてくれる。
「よう、また迷惑を掛けたなぁ」
「とんでもございません」
「早速見に行くか」
「はい、お願い致します」
敷地を回って、仮囲いの場所へ着いた。
鉄パイプを組んで、防護布を回している。
ミユキが入り口を開ける。
「あなたさまー!」
「なんだ!」
やけに色っぽい声が聞こえた。
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