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怒貪虎(ドドンコ)さん Ⅱ
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みんな小屋から刀を出して鍛錬の準備を始める。
以前に俺が城をぶっ壊したので、新たにでかい防衛システムの要塞を築いた。
その脇に、何故か木組みの小屋を虎白さんたちが建てた。
そこに鍛錬のための刀剣などを仕舞っている。
要塞内に部屋は幾らでもあったのだが。
何人かが椅子とテーブルを出して、怒貪虎さんを座らせ、でかいグラスに飲み物を出していた。
「虎白さん、なんなんですか、あの人」
俺は広場の隅に虎白さんを呼んで聞いた。
もちろん小声で話す。
「バカ! あの方はお耳もいいんだ! 気を付けろ!」
「だって、どう見ても人間じゃないじゃないですか!」
「あの方は仙人なんだよ」
「仙人?」
「そうだ。もう800年以上生きてんだ」
「なんですか、それ!」
「時々よ、呼んで鍛えてもらってんだよ」
「だって、あれどう見ても妖魔でしょう!」
「妖魔」の部分は思い切り小さく話した。
「バカ! ちゃんと人間だよ!」
「うそぉー!」
「俺にだって分からねぇよ! とにかくそういうことだからな!」
「今、酒飲んでるんですか?」
紫色の飲み物だ。
ワインだと思った。
「ファンタだよ! あの方の好物なんで、一杯持って来た」
「……」
ファンタグレープがお好きらしい。
それを背負子で持って来たのか。
「お前、ほんとにバカだから気を付けろよな」
「最初に教えてくださいよ!」
「ちゃんと話したろう!」
「カエルって言っちゃいけないなんて聞いて……」
脇腹に衝撃が来た。
虎白さんを巻き込んでぶっ飛んだ。
すぐに双子が来て、俺たちを介抱してくれた。
「高虎、終わるまで俺に近づくな」
「……」
虎白さんが怖い顔で俺を睨んでいた。
鍛錬は本当に地獄だった。
世界最高に強いはずの石神家の剣士が、木の葉のようにぶっ飛んで行く。
剣士たちは真剣で斬り掛かるが、怒貪虎さんはそれを手足で軽く捌きながらぶん殴って行く。
流石に重傷を負う人間はいない。
まあ、怒貪虎さんも手加減してくれているのだろう。
「カエル」と言わなければ、ちゃんとやってくれるようだ。
じゃあ、何でカエルの姿になってんだよ。
手加減はされても、物凄い衝撃で骨もバキバキ折れて行くこともある。
「高虎! 本気で行って大丈夫だからな!」
「はい!」
俺は虎徹で怒貪虎さんに斬り掛かる。
しかし、簡単にあしらわれてぶっ飛ばされる。
剣士相手の捌き方が尋常では無い。
刀の側面を正確に殴っているが、刃が当たっても無傷だった。
どういう理屈かは不明だが、確かに相当強いのが分かる。
虎白さんたちもガンガン奥義を出しているが、まったく通用していなかった。
「ケロケロ」
「?」
俺が斬り掛かると、左胸をぶっ飛ばされた。
「ケロケロ!」
「高虎! 言われた通りに動け!」
「だって! 分かんないですよ!」
「バカ!」
どうやら怒貪虎さんに怒られているらしいのだが、カエルの言葉は分からねぇ。
「ケロケロ」
「はい!」
喉に衝撃を受けた。
また呼吸が出来ない。
身体を折って何とか肺に空気を入れ、気道を拡げることが出来た。
虎白さんが俺に怒鳴る。
「今、怒貪虎さんが無数の突きを撃てと言っただろう!」
「すいませんでしたぁ!」
分かるかぁ!
「タカさん、がんばれー!」
双子がビーフジャーキーを齧りながら応援していた。
「おう!」
ひでぇ扱いだが、確かに怒貪虎さんは強くまた指導も優秀だった。
俺の剣技にも、何か指導をしてくれている。
その点では非常に有難い人(?)だった。
だから俺も必死に喰らいついて行った。
他の剣士もどんどん斬り掛かり、ボンボン吹っ飛ばされていた。
夕方まで全員が頑張り、やっと休憩に入った。
すぐに若い剣士たちが怒貪虎さんをテーブルに案内し、またでかいグラスと2リットルのファンタが置かれる。
横で大皿に、何か盛っている。
「なんですか、あれ?」
「カールだよ! 怒貪虎さんの大好きなものだ!」
「へ、へぇー」
ヘンなものばかり好きな奴だ。
怒貪虎さんが目を細めて美味そうに食べている。
俺も相当腹が減った。
夕飯は何かと待っていた。
みんなに袋が配られる。
「……」
カールだった。
双子の方を見た。
持って来たソーセージにかぶりついている。
目線が合った。
何も無かった。
まあ、あいつらが肉を他人に分けるわけがねぇ。
ポリポリ。
「おい、高虎!」
「はい!」
「お前が一番怒貪虎さんにお世話になったんだ。肩でもお揉みしろ!」
「はい!」
虎白さんに言われて、座っている怒貪虎さんの後ろに回った。
「怒貪虎さん、肩を揉みますねー!」
俺が揉み始めると、最初はニコニコしていた。
しかし、首筋に移ると何か穴があり、指が入ってしまった。
怒貪虎さんがへにゃへにゃになってテーブルに突っ伏した。
「あぁー! あいつ怒貪孔(ドドンコウ)を押しやがったぁー!」
「なんだとぉー!」
「はい?」
剣士が全員集まって来る。
「てめぇ! 俺が口を酸っぱくして注意しただろう!」
「え?」
「怒貪虎さんの首筋の穴だよ!」
「はい?」
全員が土下座して謝っている。
「ケロケロ!」
「は、はい!」
剣士の一人が日本刀を一振り持って来た。
「ど、どうぞ!」
「なんだ?」
「高虎! 覚悟しろ! 怒貪虎さんが剣を持ったぁ!」
「は、はい!」
「今夜何人か死ぬぞ。お前もだぁ!」
「え!」
「怒貪虎さんがお怒りだ! さっき以上に気合を入れろ!」
「分かりましたー!」
全然分かんねぇよー!
先ほどと違って、剣士たちが安易に斬り掛からない。
緊張している。
「キェェェェェイ!」
虎白さんが裂帛の気合で怒貪虎さんに斬り掛かった。
怒貪虎さんが日本刀を薙いだ。
全然緩い動きに見えた。
バキン
虎白さんの日本刀がへし折れ、両腕から血が噴き出した。
「!」
それから次々と剣士たちが怒貪虎さんに襲い掛かる。
血飛沫が周囲に舞い上がった。
誰も悲鳴は上げない。
「高虎! 行け!」
「はい!」
俺は上段に構えて突っ込もうとした。
粉々に斬られた。
そういう未来を見た。
ギリギリの間合いで止まった。
青眼に構えた。
両手両足が千切れ飛ぶ未来が見えた。
「連山」を使おうとした。
頭頂から真っ二つに割られる。
どういう攻撃を仕掛けても、俺が呆気なく死ぬのが分かった。
「ケロケロ」
怒貪虎さんが口角を上げて笑った。
言葉は分からんが、バカにされたことは分かる。
俺の中で何かが折れた。
「テッメェ! カエルの分際でぇ!」
「バカ! 高虎!」
俺は虎徹を投げて「ブリューナク」を怒貪虎さんに放った。
信じられないことに怒貪虎さんはそのまま左手で受けてレジストして見せた。
「!」
「高虎! やめろ!」
「冗談じゃねぇ! じゃあ、こいつはどうだぁ!」
俺は左手で魔法陣を描き、右手でその中心に「ブリューナク」をぶち込んだ。
目の前が白熱し、真っ白な光で周囲が見えなくなる。
俺は大笑いしてやった。
「ギャハハハハハハ!」
腹が抉られた。
内臓が地面に零れ落ちる。
「「タカさん!」」
双子がすぐに駆け寄り、腹ワタを戻して急いで縫合する。
「Ω」「オロチ」「手かざし(強)」。
俺の腹がシュワシュワになった。
「高虎!」
虎白さんも駆け寄って来る。
まったくダメージの見えない怒貪虎さんは、俺の魔法陣「ブリューナク」で開いた次元の裂け目を睨んでいた。
「ケロ!」
刀を空中に薙ぐと、巨大な光波が飛んで行き、はみ出して来たでかい鋏を粉砕し次元の裂け目が消えた。
倒れている俺の方へ近づいて来る。
何も喋れない俺に代わり、双子が話す。
「ケロケロ」
「はい! 大丈夫です!」
「ありがとうございました!」
「ケロケロ」
「はい、そうです! 今のはタカさんが悪いよ!」
双子が返事した。
なんでお前らまで会話してんの?
以前に俺が城をぶっ壊したので、新たにでかい防衛システムの要塞を築いた。
その脇に、何故か木組みの小屋を虎白さんたちが建てた。
そこに鍛錬のための刀剣などを仕舞っている。
要塞内に部屋は幾らでもあったのだが。
何人かが椅子とテーブルを出して、怒貪虎さんを座らせ、でかいグラスに飲み物を出していた。
「虎白さん、なんなんですか、あの人」
俺は広場の隅に虎白さんを呼んで聞いた。
もちろん小声で話す。
「バカ! あの方はお耳もいいんだ! 気を付けろ!」
「だって、どう見ても人間じゃないじゃないですか!」
「あの方は仙人なんだよ」
「仙人?」
「そうだ。もう800年以上生きてんだ」
「なんですか、それ!」
「時々よ、呼んで鍛えてもらってんだよ」
「だって、あれどう見ても妖魔でしょう!」
「妖魔」の部分は思い切り小さく話した。
「バカ! ちゃんと人間だよ!」
「うそぉー!」
「俺にだって分からねぇよ! とにかくそういうことだからな!」
「今、酒飲んでるんですか?」
紫色の飲み物だ。
ワインだと思った。
「ファンタだよ! あの方の好物なんで、一杯持って来た」
「……」
ファンタグレープがお好きらしい。
それを背負子で持って来たのか。
「お前、ほんとにバカだから気を付けろよな」
「最初に教えてくださいよ!」
「ちゃんと話したろう!」
「カエルって言っちゃいけないなんて聞いて……」
脇腹に衝撃が来た。
虎白さんを巻き込んでぶっ飛んだ。
すぐに双子が来て、俺たちを介抱してくれた。
「高虎、終わるまで俺に近づくな」
「……」
虎白さんが怖い顔で俺を睨んでいた。
鍛錬は本当に地獄だった。
世界最高に強いはずの石神家の剣士が、木の葉のようにぶっ飛んで行く。
剣士たちは真剣で斬り掛かるが、怒貪虎さんはそれを手足で軽く捌きながらぶん殴って行く。
流石に重傷を負う人間はいない。
まあ、怒貪虎さんも手加減してくれているのだろう。
「カエル」と言わなければ、ちゃんとやってくれるようだ。
じゃあ、何でカエルの姿になってんだよ。
手加減はされても、物凄い衝撃で骨もバキバキ折れて行くこともある。
「高虎! 本気で行って大丈夫だからな!」
「はい!」
俺は虎徹で怒貪虎さんに斬り掛かる。
しかし、簡単にあしらわれてぶっ飛ばされる。
剣士相手の捌き方が尋常では無い。
刀の側面を正確に殴っているが、刃が当たっても無傷だった。
どういう理屈かは不明だが、確かに相当強いのが分かる。
虎白さんたちもガンガン奥義を出しているが、まったく通用していなかった。
「ケロケロ」
「?」
俺が斬り掛かると、左胸をぶっ飛ばされた。
「ケロケロ!」
「高虎! 言われた通りに動け!」
「だって! 分かんないですよ!」
「バカ!」
どうやら怒貪虎さんに怒られているらしいのだが、カエルの言葉は分からねぇ。
「ケロケロ」
「はい!」
喉に衝撃を受けた。
また呼吸が出来ない。
身体を折って何とか肺に空気を入れ、気道を拡げることが出来た。
虎白さんが俺に怒鳴る。
「今、怒貪虎さんが無数の突きを撃てと言っただろう!」
「すいませんでしたぁ!」
分かるかぁ!
「タカさん、がんばれー!」
双子がビーフジャーキーを齧りながら応援していた。
「おう!」
ひでぇ扱いだが、確かに怒貪虎さんは強くまた指導も優秀だった。
俺の剣技にも、何か指導をしてくれている。
その点では非常に有難い人(?)だった。
だから俺も必死に喰らいついて行った。
他の剣士もどんどん斬り掛かり、ボンボン吹っ飛ばされていた。
夕方まで全員が頑張り、やっと休憩に入った。
すぐに若い剣士たちが怒貪虎さんをテーブルに案内し、またでかいグラスと2リットルのファンタが置かれる。
横で大皿に、何か盛っている。
「なんですか、あれ?」
「カールだよ! 怒貪虎さんの大好きなものだ!」
「へ、へぇー」
ヘンなものばかり好きな奴だ。
怒貪虎さんが目を細めて美味そうに食べている。
俺も相当腹が減った。
夕飯は何かと待っていた。
みんなに袋が配られる。
「……」
カールだった。
双子の方を見た。
持って来たソーセージにかぶりついている。
目線が合った。
何も無かった。
まあ、あいつらが肉を他人に分けるわけがねぇ。
ポリポリ。
「おい、高虎!」
「はい!」
「お前が一番怒貪虎さんにお世話になったんだ。肩でもお揉みしろ!」
「はい!」
虎白さんに言われて、座っている怒貪虎さんの後ろに回った。
「怒貪虎さん、肩を揉みますねー!」
俺が揉み始めると、最初はニコニコしていた。
しかし、首筋に移ると何か穴があり、指が入ってしまった。
怒貪虎さんがへにゃへにゃになってテーブルに突っ伏した。
「あぁー! あいつ怒貪孔(ドドンコウ)を押しやがったぁー!」
「なんだとぉー!」
「はい?」
剣士が全員集まって来る。
「てめぇ! 俺が口を酸っぱくして注意しただろう!」
「え?」
「怒貪虎さんの首筋の穴だよ!」
「はい?」
全員が土下座して謝っている。
「ケロケロ!」
「は、はい!」
剣士の一人が日本刀を一振り持って来た。
「ど、どうぞ!」
「なんだ?」
「高虎! 覚悟しろ! 怒貪虎さんが剣を持ったぁ!」
「は、はい!」
「今夜何人か死ぬぞ。お前もだぁ!」
「え!」
「怒貪虎さんがお怒りだ! さっき以上に気合を入れろ!」
「分かりましたー!」
全然分かんねぇよー!
先ほどと違って、剣士たちが安易に斬り掛からない。
緊張している。
「キェェェェェイ!」
虎白さんが裂帛の気合で怒貪虎さんに斬り掛かった。
怒貪虎さんが日本刀を薙いだ。
全然緩い動きに見えた。
バキン
虎白さんの日本刀がへし折れ、両腕から血が噴き出した。
「!」
それから次々と剣士たちが怒貪虎さんに襲い掛かる。
血飛沫が周囲に舞い上がった。
誰も悲鳴は上げない。
「高虎! 行け!」
「はい!」
俺は上段に構えて突っ込もうとした。
粉々に斬られた。
そういう未来を見た。
ギリギリの間合いで止まった。
青眼に構えた。
両手両足が千切れ飛ぶ未来が見えた。
「連山」を使おうとした。
頭頂から真っ二つに割られる。
どういう攻撃を仕掛けても、俺が呆気なく死ぬのが分かった。
「ケロケロ」
怒貪虎さんが口角を上げて笑った。
言葉は分からんが、バカにされたことは分かる。
俺の中で何かが折れた。
「テッメェ! カエルの分際でぇ!」
「バカ! 高虎!」
俺は虎徹を投げて「ブリューナク」を怒貪虎さんに放った。
信じられないことに怒貪虎さんはそのまま左手で受けてレジストして見せた。
「!」
「高虎! やめろ!」
「冗談じゃねぇ! じゃあ、こいつはどうだぁ!」
俺は左手で魔法陣を描き、右手でその中心に「ブリューナク」をぶち込んだ。
目の前が白熱し、真っ白な光で周囲が見えなくなる。
俺は大笑いしてやった。
「ギャハハハハハハ!」
腹が抉られた。
内臓が地面に零れ落ちる。
「「タカさん!」」
双子がすぐに駆け寄り、腹ワタを戻して急いで縫合する。
「Ω」「オロチ」「手かざし(強)」。
俺の腹がシュワシュワになった。
「高虎!」
虎白さんも駆け寄って来る。
まったくダメージの見えない怒貪虎さんは、俺の魔法陣「ブリューナク」で開いた次元の裂け目を睨んでいた。
「ケロ!」
刀を空中に薙ぐと、巨大な光波が飛んで行き、はみ出して来たでかい鋏を粉砕し次元の裂け目が消えた。
倒れている俺の方へ近づいて来る。
何も喋れない俺に代わり、双子が話す。
「ケロケロ」
「はい! 大丈夫です!」
「ありがとうございました!」
「ケロケロ」
「はい、そうです! 今のはタカさんが悪いよ!」
双子が返事した。
なんでお前らまで会話してんの?
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