2,118 / 3,215
早乙女家 《久留守》
しおりを挟む
早乙女から電話が来た。
俺はまだ病院にいて、丁度オペが終わって一休みしていた。
「さっき無事に生まれたよ!」
「そうか! おめでとう!」
早乙女が嬉しそうな声で話していた。
「3200gで元気な男の子だ」
「そうか、じゃあ健康だな!」
「うん! あ、でも多指症というものらしい」
「指が多いのか?」
「ああ、両手とも6本なんだ。足は5本なんだけどね」
「そうか、全然心配いらないよ。むしろ多指症は神聖な生まれと言われる地域も多いしな」
「そうなのか!」
話はそこまでにした。
早乙女にはそう言ったが、多指症の場合切断した方が良い場合が多い。
筋肉や腱が上手く形成されず、手全体の動きに支障を来すことがある。
だから運動神経の整い始める1歳までに切断することがほとんどだ。
まあ、それは今後に決めればいい。
切断の手術は難しくは無い。
今話して不安になるよりも、今後ゆっくりと相談すればいい。
担当の医師も詳しいことはまだ話していないようだ。
俺から、それとなく状況を聞いてみよう。
「じゃあ、夕方にでも顔を出すよ。怜花も連れて行っていいか?」
「ああ、頼む。忙しいのに申し訳ないな」
「そんなことは全然ないよ。俺も楽しみだ」
「そうか! ああ、それでな」
「うるせぇ!」
電話を切った。
あいつ、また名付けを俺に頼みたいのだろう。
前から言われていたが、断固断っていた。
怜花の時には断り切れなかったが、子どもの名前は夫婦で決めるべきだ。
怜花のことだって、今でも後悔という程ではないが、やはり夫婦でとも思っている。
一江や部下たちに、早乙女に男児が生まれたと話した。
知っている人間なので、みんな喜んだ。
一江が俺に近づいて言った。
「早乙女家、ペース早いですよね?」
「そうだよなー」
「雪野さん、お綺麗ですもんね!」
「お前、下品なことを言うなよ」
「でも、そうだからでしょう!」
「間違いねぇけどな!」
「「ワハハハハハハ!」」
まあ、そういうことだ。
「前にガードにつけたモハメドに聞いたらよ、毎日やってるらしいぞ」
「大変ですね!」
「体位も聞いた」
「どんなのですか!」
「話せるか!」
「だって、部長は聞いたんですよね!」
「ああ、聞いちゃった!」
「「ワハハハハハハ!」」
一江の頭をはたいて仕事へ戻れと言った。
俺はオペも終わったので、早めに帰ることにした。
部下たちが、お祝いを用意すると言ったので、仰々しくするなと言っておいた。
家に戻ると、亜紀ちゃんたちも早乙女から電話をもらって知っていた。
「タカさん! 楮紙と墨を用意しました!」
「ばかやろう!」
「でも、名付けするんですよね?」
「しねぇよ!」
「早乙女さん、楽しみにしてましたよ?」
「あのバカぁ!」
亜紀ちゃんたちも行きたいと言ったが、大勢で行けば出産を済ませた雪野さんの負担になると言った。
「ちょっと落ち着いたら行けよ」
「そうですかー。分かりました!」
俺は怜花を抱いて、ベンツに乗せた。
チャイルドシートを亜紀ちゃんが装着してくれる。
「じゃあ行って来るな」
「おめでとうございますって伝えて下さい!」
「ああ、分かったよ」
病院は近い。
怜花はご機嫌で俺を触りたがった。
「お前もお姉ちゃんになったな!」
「うん!」
よくは分かっていないだろうが、怜花は嬉しそうに笑った。
病院の駐車場で怜花を抱き上げて、病室へ向かった。
病室で、早乙女が雪野さんと話していた。
「よう、来たぞ!」
「石神!」
「石神さん!」
雪野さんも元気そうだ。
二人目だからか、前回よりもやつれは少ない。
「雪野さんも元気そうで良かった」
「はい、ありがとうございます」
怜花を早乙女に抱かせた。
「早速だけど、子どもを観てくれよ」
「ああ」
怜花を抱いた早乙女と一緒に、新生児室へ行った。
数人の赤ん坊がベッドで眠っている。
「あの子だよ!」
左端のベッドを早乙女が指さした。
「もう少しで、一度連れて来るから。ちょっと待っててくれないか?」
「ああ、分かったよ」
授乳の時間なのだろう。
離れてはいるが、元気そうな赤ん坊で安心した。
病室へ戻って、雪野さんと少し話をした。
「夕べなんですけど、不思議な夢を視まして」
「ほう、どんなです?」
眠っているベッドの天井に、明るく輝く雲が見えたそうだ。
そして、段々光が強くなり、いつの間にか空に自分が浮かんでいたと言う。
「そして、目の前に銀色の大きな十字架が見えたんです」
「そうですか」
「その十字架がまたさらに光って、もう目が開けていられないくらいに」
「……」
そこで目が覚めたようだ。
俺は平静を装っていたが、戸惑っていた。
十字架はスペイン語で「クルス」だったからだ。
一瞬で俺はルイーサとの会話を思い出していた。
「石神、雪野さんの夢って、何か意味があるのかな?」
「俺に分かるわけないだろう!」
「そうか。お前なら何か説明がつくんじゃないかと思ってた」
「お前、俺のことを何だと思ってるんだよ」
「凄い奴」
「……」
雪野さんが笑っていた。
赤ん坊が看護師に連れられて来た。
雪野さんはまだ母乳が出ないので、哺乳瓶で授乳させる。
赤ん坊が懸命に哺乳瓶を吸っていた。
「おう、本当に元気な赤ちゃんだな」
「そうだろう!」
早乙女が喜んだ。
授乳が終わり、雪野さんが俺に赤ん坊を抱いて欲しいと言った。
引き受けてそっと抱き上げる。
赤ん坊はまだ目が開いていないが、俺に手を伸ばして来る。
俺は小さな手を指で突いてやった。
俺の人差し指を握りしめた。
その感覚を早乙女達に気付かれないように観察した。
6本の指。
それが均等に俺の人差し指を握っている。
これは、多指症だが全ての指が正常に動くことを表わしていた。
経過観察とレントゲンの詳細な診察が必要だが、もしかすると切断の必要はないかもしれない。
俺も内心でホッとしていた。
その時、俺の頭の中で響いた。
《クルス、参りました》
「!」
「石神、どうかしたか?」
「あ、ああ」
咄嗟に驚きが顔に出てしまったらしい。
早乙女が不審がるので、雪野さんも俺を見ていた。
「ああ、何でもないよ。握る力が結構強いな」
「そうか!」
「本当に元気そうだ」
「そうか、良かったぁ!」
早乙女が喜び、雪野さんも安心して微笑んだ。
「石神、それで前にもお願いしたんだけど」
「ああ」
「石神さん、私からもどうか。この子の名前を付けていただけませんか?」
俺は少し考えた。
ここに来るまでは断固断ろうと思っていたことだ。
しかし……
「ちょっとした案だから、二人で考えて他の名前も用意してからさ。その上で決めてくれよ」
「石神! 本当に!」
「おい、ちゃんと自分たちでも考えてからだぞ! 俺のは単なる一案だ!」
「わ、分かった」
「今度は男の子だからな。早乙女家を継ぐ人間になるかもしれん」
「あ、ああ」
「だからお前の一字を付けて《久留守》という名前だ。久しい、留める、守る。久しく留め守る者という意味だ。ああ、スペイン語では十字架を意味するな」
「石神!」
「石神さん!」
二人が叫ぶ。
「ぴったりだ! 雪野さんの夢とも重なる名前だよな!」
「まあそうだな」
早乙女達が本当に喜んだ。
俺は小さな声で赤ん坊に話しかけた。
「お前は早乙女と雪野さんの子どもだ。俺のことなんか気にしないで、元気に育てよな」
赤ん坊が一層の力で俺の人差し指を握った。
まあ、結局は《久留守》という名前になった。
ルイーサにも経緯を話すと、喜んでいた。
後日、うちの子どもたちも久留守に会いに行き、大興奮だった。
本当に元気に育ってくれればそれでいい。
俺たちはまた守るべき人間が増えた。
本当に嬉しい。
俺はまだ病院にいて、丁度オペが終わって一休みしていた。
「さっき無事に生まれたよ!」
「そうか! おめでとう!」
早乙女が嬉しそうな声で話していた。
「3200gで元気な男の子だ」
「そうか、じゃあ健康だな!」
「うん! あ、でも多指症というものらしい」
「指が多いのか?」
「ああ、両手とも6本なんだ。足は5本なんだけどね」
「そうか、全然心配いらないよ。むしろ多指症は神聖な生まれと言われる地域も多いしな」
「そうなのか!」
話はそこまでにした。
早乙女にはそう言ったが、多指症の場合切断した方が良い場合が多い。
筋肉や腱が上手く形成されず、手全体の動きに支障を来すことがある。
だから運動神経の整い始める1歳までに切断することがほとんどだ。
まあ、それは今後に決めればいい。
切断の手術は難しくは無い。
今話して不安になるよりも、今後ゆっくりと相談すればいい。
担当の医師も詳しいことはまだ話していないようだ。
俺から、それとなく状況を聞いてみよう。
「じゃあ、夕方にでも顔を出すよ。怜花も連れて行っていいか?」
「ああ、頼む。忙しいのに申し訳ないな」
「そんなことは全然ないよ。俺も楽しみだ」
「そうか! ああ、それでな」
「うるせぇ!」
電話を切った。
あいつ、また名付けを俺に頼みたいのだろう。
前から言われていたが、断固断っていた。
怜花の時には断り切れなかったが、子どもの名前は夫婦で決めるべきだ。
怜花のことだって、今でも後悔という程ではないが、やはり夫婦でとも思っている。
一江や部下たちに、早乙女に男児が生まれたと話した。
知っている人間なので、みんな喜んだ。
一江が俺に近づいて言った。
「早乙女家、ペース早いですよね?」
「そうだよなー」
「雪野さん、お綺麗ですもんね!」
「お前、下品なことを言うなよ」
「でも、そうだからでしょう!」
「間違いねぇけどな!」
「「ワハハハハハハ!」」
まあ、そういうことだ。
「前にガードにつけたモハメドに聞いたらよ、毎日やってるらしいぞ」
「大変ですね!」
「体位も聞いた」
「どんなのですか!」
「話せるか!」
「だって、部長は聞いたんですよね!」
「ああ、聞いちゃった!」
「「ワハハハハハハ!」」
一江の頭をはたいて仕事へ戻れと言った。
俺はオペも終わったので、早めに帰ることにした。
部下たちが、お祝いを用意すると言ったので、仰々しくするなと言っておいた。
家に戻ると、亜紀ちゃんたちも早乙女から電話をもらって知っていた。
「タカさん! 楮紙と墨を用意しました!」
「ばかやろう!」
「でも、名付けするんですよね?」
「しねぇよ!」
「早乙女さん、楽しみにしてましたよ?」
「あのバカぁ!」
亜紀ちゃんたちも行きたいと言ったが、大勢で行けば出産を済ませた雪野さんの負担になると言った。
「ちょっと落ち着いたら行けよ」
「そうですかー。分かりました!」
俺は怜花を抱いて、ベンツに乗せた。
チャイルドシートを亜紀ちゃんが装着してくれる。
「じゃあ行って来るな」
「おめでとうございますって伝えて下さい!」
「ああ、分かったよ」
病院は近い。
怜花はご機嫌で俺を触りたがった。
「お前もお姉ちゃんになったな!」
「うん!」
よくは分かっていないだろうが、怜花は嬉しそうに笑った。
病院の駐車場で怜花を抱き上げて、病室へ向かった。
病室で、早乙女が雪野さんと話していた。
「よう、来たぞ!」
「石神!」
「石神さん!」
雪野さんも元気そうだ。
二人目だからか、前回よりもやつれは少ない。
「雪野さんも元気そうで良かった」
「はい、ありがとうございます」
怜花を早乙女に抱かせた。
「早速だけど、子どもを観てくれよ」
「ああ」
怜花を抱いた早乙女と一緒に、新生児室へ行った。
数人の赤ん坊がベッドで眠っている。
「あの子だよ!」
左端のベッドを早乙女が指さした。
「もう少しで、一度連れて来るから。ちょっと待っててくれないか?」
「ああ、分かったよ」
授乳の時間なのだろう。
離れてはいるが、元気そうな赤ん坊で安心した。
病室へ戻って、雪野さんと少し話をした。
「夕べなんですけど、不思議な夢を視まして」
「ほう、どんなです?」
眠っているベッドの天井に、明るく輝く雲が見えたそうだ。
そして、段々光が強くなり、いつの間にか空に自分が浮かんでいたと言う。
「そして、目の前に銀色の大きな十字架が見えたんです」
「そうですか」
「その十字架がまたさらに光って、もう目が開けていられないくらいに」
「……」
そこで目が覚めたようだ。
俺は平静を装っていたが、戸惑っていた。
十字架はスペイン語で「クルス」だったからだ。
一瞬で俺はルイーサとの会話を思い出していた。
「石神、雪野さんの夢って、何か意味があるのかな?」
「俺に分かるわけないだろう!」
「そうか。お前なら何か説明がつくんじゃないかと思ってた」
「お前、俺のことを何だと思ってるんだよ」
「凄い奴」
「……」
雪野さんが笑っていた。
赤ん坊が看護師に連れられて来た。
雪野さんはまだ母乳が出ないので、哺乳瓶で授乳させる。
赤ん坊が懸命に哺乳瓶を吸っていた。
「おう、本当に元気な赤ちゃんだな」
「そうだろう!」
早乙女が喜んだ。
授乳が終わり、雪野さんが俺に赤ん坊を抱いて欲しいと言った。
引き受けてそっと抱き上げる。
赤ん坊はまだ目が開いていないが、俺に手を伸ばして来る。
俺は小さな手を指で突いてやった。
俺の人差し指を握りしめた。
その感覚を早乙女達に気付かれないように観察した。
6本の指。
それが均等に俺の人差し指を握っている。
これは、多指症だが全ての指が正常に動くことを表わしていた。
経過観察とレントゲンの詳細な診察が必要だが、もしかすると切断の必要はないかもしれない。
俺も内心でホッとしていた。
その時、俺の頭の中で響いた。
《クルス、参りました》
「!」
「石神、どうかしたか?」
「あ、ああ」
咄嗟に驚きが顔に出てしまったらしい。
早乙女が不審がるので、雪野さんも俺を見ていた。
「ああ、何でもないよ。握る力が結構強いな」
「そうか!」
「本当に元気そうだ」
「そうか、良かったぁ!」
早乙女が喜び、雪野さんも安心して微笑んだ。
「石神、それで前にもお願いしたんだけど」
「ああ」
「石神さん、私からもどうか。この子の名前を付けていただけませんか?」
俺は少し考えた。
ここに来るまでは断固断ろうと思っていたことだ。
しかし……
「ちょっとした案だから、二人で考えて他の名前も用意してからさ。その上で決めてくれよ」
「石神! 本当に!」
「おい、ちゃんと自分たちでも考えてからだぞ! 俺のは単なる一案だ!」
「わ、分かった」
「今度は男の子だからな。早乙女家を継ぐ人間になるかもしれん」
「あ、ああ」
「だからお前の一字を付けて《久留守》という名前だ。久しい、留める、守る。久しく留め守る者という意味だ。ああ、スペイン語では十字架を意味するな」
「石神!」
「石神さん!」
二人が叫ぶ。
「ぴったりだ! 雪野さんの夢とも重なる名前だよな!」
「まあそうだな」
早乙女達が本当に喜んだ。
俺は小さな声で赤ん坊に話しかけた。
「お前は早乙女と雪野さんの子どもだ。俺のことなんか気にしないで、元気に育てよな」
赤ん坊が一層の力で俺の人差し指を握った。
まあ、結局は《久留守》という名前になった。
ルイーサにも経緯を話すと、喜んでいた。
後日、うちの子どもたちも久留守に会いに行き、大興奮だった。
本当に元気に育ってくれればそれでいい。
俺たちはまた守るべき人間が増えた。
本当に嬉しい。
1
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる