2,149 / 3,215
真冬の別荘 Gathering-Memory Ⅵ
しおりを挟む
12月30日。
昼食の後で、みんなでスーパーへ買い物に行った。
皇紀は仕事があるので、ロボと留守番だ。
多分「手仕事」もある。
六花と吹雪も今日は残る。
鷹から連絡があり、蓮花が思い立っておせち料理を作るので手伝いに行くと聞いた。
蓮花も忙しいはずだが、ブランたちや研究所の仲間のために何かやりたいのだろう。
スーパーに着くと、店長さんが感激して出迎えてくれた。
「まさか今日もいらして頂けるとは!」
「すいませんね。ちょっと買い足しておこうかと思いまして」
「それは! どうぞどうぞ!」
スーパーは三が日は休むそうで、年内最後の追い込みで賑わっていた。
生鮮食品は軒並み値下げをし、多分明日の大晦日はもっと値を下げるのだろう。
昨日もそうだったが、品目は正月料理が多くなっている。
「タカさん! 数の子!」
亜紀ちゃんが飛びついた。
「おお、いいな。何か食べたいものがあったらどんどん買えよ」
「昆布巻き食べたい!」
「タカさん! 栗きんとん!」
「お、海老芋か。買っとくか」
「石神さん、黒豆ちょっといいですか?」
みんなで普段食べないものを選んで買って行った。
亜紀ちゃんが念のためとまた肉を20キロ買い足した。
まあ、幾らでも消費する。
野菜コーナーで松茸が売っていた。
昨日も気になっていた。
売り場の一角に箱の山が出来ている。
高いものなので、みんなあまり手を出さない感じだ。
店長さんが俺たちの満杯のカートを引き取りに来たので聞いてみた。
「松茸、結構ありますね」
「ええ、ちょっと他の店舗が仕入れで失敗しましてね」
売上絶好調のこのスーパーで引き受けることになったようだ。
「じゃあ、うちで引き取りましょうか?」
「え!」
「これで全部ですか?」
「いえ、あの、この倍がありますが」
全部で200箱あるようだ。
「じゃあ、それ全部」
「よろしいのですか!」
「はい。今まで子どもたちには高級食材を食い荒らさないように躾けて来たんですが、たまにはいいでしょう」
「助かります!」
「いいえ、こちらこそ」
店長さんが店員に急いでまとめるように言った。
「じゃあ、先ほどのお買い物と一緒にまたお届けします!」
「すいませんね。今日は車に積んで帰るつもりだったんですが」
「とんでもない! ありがとうございます!」
会計をすると、随分と割り引いてくれたようだ。
まあ、財布の紐が緩む年末に売れないと大変なことになる。
俺たちは新館をブラつき、イタリアンレストランで軽くピザを食べた。
またみんなで子ども広場でブレイクダンスを披露し、大勢の子どもたちを喜ばせた。
3時に家に帰ると、皇紀がスーパーの荷物を受け取っていた。
店長さんが来てくれていて、また焼き芋とタイ焼きを頂いてしまった。
さて、大量の松茸をどうするか。
今晩はカレーの予定なので、明日の晩に食べることにする。
その前に、少し食べておくか。
天ぷら、フライ、コロッケ、それに雪野松茸を作ることにした。
響子が起きて来て、お茶にした。
紅茶とパンプキンプリンだ。
子どもたちと六花は焼き芋とタイ焼きも食べる。
「皇紀ちゃん、ちゃんと手を洗ってね!」
「うん」
皇紀が手を洗った。
「……」
みんなでワイワイと話しながらお茶を楽しむ。
「そう言えば蓮花がおせち料理を作るんで、鷹を呼んだらしいぞ」
「えー! 私も食べたいー!」
「お前らが行ったらみんな喰えなくなるだろう!」
「えーん」
鷹と蓮花が作るのなら絶対に美味しいとみんなが言っていた。
「うちはすっかり作らなくなったな」
「そうですね。でもみんなそれほど好きなものでもありませんし」
「そうか」
俺がそうだからなのだが、山中家では奥さんが毎年作っていたと聞いている。
俺のワガママで、その思い出を遠ざけてしまったかもしれない。
「今年はちょっとだけ作るか」
「え、やりますか?」
「たまにはいいんじゃないか?」
「でも、さっき結構買いましたよ」
「そうかー」
まあ、今年はスーパーのものでいいか。
来年は考えよう。
「石神家のお正月は「肉」ですから!」
「ワハハハハハハ!」
仕方ねぇ。
もしかしたら亜紀ちゃんが察して気を遣ったのかもしれない。
子どもたちが来てからのことを、俺は思い出していた。
「タカトラ、遠い目をしてるよ?」
響子がそう言い、亜紀ちゃんが駆け寄って来た。
「思い出ですか!」
「ちげぇよ!」
響子の顔を両手で挟み、キスをした。
響子が喜ぶ。
「俺はお前のことしか見てないからな!」
「うん!」
亜紀ちゃんが呆れて離れて行った。
めんどくせー。
最初に亜紀ちゃんたちをここへ連れて来た時。
まだみんな突然両親を失ったことで戸惑っていた。
俺に引き取られたことで安心はしていたが、その喪失感はどうしようもない。
今だって、きっとまだ山中たちのことを思い出しているだろう。
だから俺は懸命に美味い食事を作ろうとし、いろいろな話をして慰めようとした。
いつの間にか、子どもたちは元気になり、俺も一安心した。
こいつらはどうやって、あの大きな悲しみを乗り越えて来たのか。
一番上の亜紀ちゃんだって、まだ中学2年生だった。
皇紀と双子のために懸命に働こうとしていた。
皇紀は姉と妹たちのことを最優先で考える奴だった。
大人しいと見えるが、それは自分よりも兄弟を優先するからだ。
双子は逸早く独立した。
無邪気な性格で、真っ先に俺に逆らうようになった。
でもそれは、俺への深い愛情故だった。
なんだ、そうか。
こいつらはずっと俺のために何かをやろうとして、あの大きな悲しみを乗り越えて来たのか。
俺は一度も可愛そうだと言うことも無かった。
そんな言葉はこいつらには必要なかっただろう。
可愛そうに決まっている。
だから言葉にはしなかった。
「タカさーん。なんで笑ってるの?」
ルーが俺に言った。
「え?」
「なんか嬉しそうだよ?」
「そうか?」
みんなが俺を見ていた。
ニコニコしている。
「響子が傍にいるからな!」
「そうだよね!」
「俺たちはラブラブだからな!」
「そうだぞー!」
みんなが笑った。
「じゃあ、パンツ脱がすかー」
「なんでよ!」
「いいじゃんか。俺は響子のパンツが大好きだからな!」
「やめてよ!」
みんなに、寝ている間にパンツを脱ぐ癖があるのだと言った。
「そんなことないよー!」
「だって脱いでるじゃん」
「タカトラが脱がしてるんでしょ!」
「六花、響子がいつも自分で脱いでるよな?」
「はい。困ったものです」
「ウソだよー!」
むくれた響子に双子が言った。
「私たちもよくタカさんに脱がされるよ?」
「でも、自分たちでも脱いでくよ?」
「顔を挟んでジョリジョリすると喜ぶよねー」
「タカトラ!」
「そう言えば私もよく脱がされます」
六花が言った。
「お前ぇ!」
「「ギャハハハハハハ!」」
双子が大笑いした。
「アキたちは?」
「うーん、私と柳さんはよく一緒にお風呂に入るし」
「最近慣れたね」
「てめぇら!」
俺の美しい思い出はどこへ行った?
まあ、こういうのでいいのだが。
昼食の後で、みんなでスーパーへ買い物に行った。
皇紀は仕事があるので、ロボと留守番だ。
多分「手仕事」もある。
六花と吹雪も今日は残る。
鷹から連絡があり、蓮花が思い立っておせち料理を作るので手伝いに行くと聞いた。
蓮花も忙しいはずだが、ブランたちや研究所の仲間のために何かやりたいのだろう。
スーパーに着くと、店長さんが感激して出迎えてくれた。
「まさか今日もいらして頂けるとは!」
「すいませんね。ちょっと買い足しておこうかと思いまして」
「それは! どうぞどうぞ!」
スーパーは三が日は休むそうで、年内最後の追い込みで賑わっていた。
生鮮食品は軒並み値下げをし、多分明日の大晦日はもっと値を下げるのだろう。
昨日もそうだったが、品目は正月料理が多くなっている。
「タカさん! 数の子!」
亜紀ちゃんが飛びついた。
「おお、いいな。何か食べたいものがあったらどんどん買えよ」
「昆布巻き食べたい!」
「タカさん! 栗きんとん!」
「お、海老芋か。買っとくか」
「石神さん、黒豆ちょっといいですか?」
みんなで普段食べないものを選んで買って行った。
亜紀ちゃんが念のためとまた肉を20キロ買い足した。
まあ、幾らでも消費する。
野菜コーナーで松茸が売っていた。
昨日も気になっていた。
売り場の一角に箱の山が出来ている。
高いものなので、みんなあまり手を出さない感じだ。
店長さんが俺たちの満杯のカートを引き取りに来たので聞いてみた。
「松茸、結構ありますね」
「ええ、ちょっと他の店舗が仕入れで失敗しましてね」
売上絶好調のこのスーパーで引き受けることになったようだ。
「じゃあ、うちで引き取りましょうか?」
「え!」
「これで全部ですか?」
「いえ、あの、この倍がありますが」
全部で200箱あるようだ。
「じゃあ、それ全部」
「よろしいのですか!」
「はい。今まで子どもたちには高級食材を食い荒らさないように躾けて来たんですが、たまにはいいでしょう」
「助かります!」
「いいえ、こちらこそ」
店長さんが店員に急いでまとめるように言った。
「じゃあ、先ほどのお買い物と一緒にまたお届けします!」
「すいませんね。今日は車に積んで帰るつもりだったんですが」
「とんでもない! ありがとうございます!」
会計をすると、随分と割り引いてくれたようだ。
まあ、財布の紐が緩む年末に売れないと大変なことになる。
俺たちは新館をブラつき、イタリアンレストランで軽くピザを食べた。
またみんなで子ども広場でブレイクダンスを披露し、大勢の子どもたちを喜ばせた。
3時に家に帰ると、皇紀がスーパーの荷物を受け取っていた。
店長さんが来てくれていて、また焼き芋とタイ焼きを頂いてしまった。
さて、大量の松茸をどうするか。
今晩はカレーの予定なので、明日の晩に食べることにする。
その前に、少し食べておくか。
天ぷら、フライ、コロッケ、それに雪野松茸を作ることにした。
響子が起きて来て、お茶にした。
紅茶とパンプキンプリンだ。
子どもたちと六花は焼き芋とタイ焼きも食べる。
「皇紀ちゃん、ちゃんと手を洗ってね!」
「うん」
皇紀が手を洗った。
「……」
みんなでワイワイと話しながらお茶を楽しむ。
「そう言えば蓮花がおせち料理を作るんで、鷹を呼んだらしいぞ」
「えー! 私も食べたいー!」
「お前らが行ったらみんな喰えなくなるだろう!」
「えーん」
鷹と蓮花が作るのなら絶対に美味しいとみんなが言っていた。
「うちはすっかり作らなくなったな」
「そうですね。でもみんなそれほど好きなものでもありませんし」
「そうか」
俺がそうだからなのだが、山中家では奥さんが毎年作っていたと聞いている。
俺のワガママで、その思い出を遠ざけてしまったかもしれない。
「今年はちょっとだけ作るか」
「え、やりますか?」
「たまにはいいんじゃないか?」
「でも、さっき結構買いましたよ」
「そうかー」
まあ、今年はスーパーのものでいいか。
来年は考えよう。
「石神家のお正月は「肉」ですから!」
「ワハハハハハハ!」
仕方ねぇ。
もしかしたら亜紀ちゃんが察して気を遣ったのかもしれない。
子どもたちが来てからのことを、俺は思い出していた。
「タカトラ、遠い目をしてるよ?」
響子がそう言い、亜紀ちゃんが駆け寄って来た。
「思い出ですか!」
「ちげぇよ!」
響子の顔を両手で挟み、キスをした。
響子が喜ぶ。
「俺はお前のことしか見てないからな!」
「うん!」
亜紀ちゃんが呆れて離れて行った。
めんどくせー。
最初に亜紀ちゃんたちをここへ連れて来た時。
まだみんな突然両親を失ったことで戸惑っていた。
俺に引き取られたことで安心はしていたが、その喪失感はどうしようもない。
今だって、きっとまだ山中たちのことを思い出しているだろう。
だから俺は懸命に美味い食事を作ろうとし、いろいろな話をして慰めようとした。
いつの間にか、子どもたちは元気になり、俺も一安心した。
こいつらはどうやって、あの大きな悲しみを乗り越えて来たのか。
一番上の亜紀ちゃんだって、まだ中学2年生だった。
皇紀と双子のために懸命に働こうとしていた。
皇紀は姉と妹たちのことを最優先で考える奴だった。
大人しいと見えるが、それは自分よりも兄弟を優先するからだ。
双子は逸早く独立した。
無邪気な性格で、真っ先に俺に逆らうようになった。
でもそれは、俺への深い愛情故だった。
なんだ、そうか。
こいつらはずっと俺のために何かをやろうとして、あの大きな悲しみを乗り越えて来たのか。
俺は一度も可愛そうだと言うことも無かった。
そんな言葉はこいつらには必要なかっただろう。
可愛そうに決まっている。
だから言葉にはしなかった。
「タカさーん。なんで笑ってるの?」
ルーが俺に言った。
「え?」
「なんか嬉しそうだよ?」
「そうか?」
みんなが俺を見ていた。
ニコニコしている。
「響子が傍にいるからな!」
「そうだよね!」
「俺たちはラブラブだからな!」
「そうだぞー!」
みんなが笑った。
「じゃあ、パンツ脱がすかー」
「なんでよ!」
「いいじゃんか。俺は響子のパンツが大好きだからな!」
「やめてよ!」
みんなに、寝ている間にパンツを脱ぐ癖があるのだと言った。
「そんなことないよー!」
「だって脱いでるじゃん」
「タカトラが脱がしてるんでしょ!」
「六花、響子がいつも自分で脱いでるよな?」
「はい。困ったものです」
「ウソだよー!」
むくれた響子に双子が言った。
「私たちもよくタカさんに脱がされるよ?」
「でも、自分たちでも脱いでくよ?」
「顔を挟んでジョリジョリすると喜ぶよねー」
「タカトラ!」
「そう言えば私もよく脱がされます」
六花が言った。
「お前ぇ!」
「「ギャハハハハハハ!」」
双子が大笑いした。
「アキたちは?」
「うーん、私と柳さんはよく一緒にお風呂に入るし」
「最近慣れたね」
「てめぇら!」
俺の美しい思い出はどこへ行った?
まあ、こういうのでいいのだが。
1
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる