富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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《虎星》: ロボと鍛錬! Ⅳ

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 「タカさん! じゃあ、もう「魔法陣」は私たちの技に使えるんですか!」

 亜紀ちゃんが真っ先に興奮して聞いて来た。

 「まあな。但し、この技術は俺たちの最後の切り札になると思う。だからまだ多くは公開出来ないんだ」
 「分かりました! タカさんに全てお任せします!」

 全員が納得してくれるが、逆に双子が聞いて来た。

 「タカさん、石神家本家には公開しても良かったの?」
 「まあな。あの人たちは本当に信頼出来るからな。それとあれは実は俺が確認した中でも比較的軽度のものなんだ」
 「「エッェェェェェーーー!」」

 双子が驚く。
 
 「あれって、凄まじい技だよね!」
 「だって、《地獄の悪魔》も《神》も殺せるんだよね!」
 「そうだ。だけど、俺たちはそれだけじゃ不足なんだ」
 「「そんなぁー!」」

 まだ子どもたちには話せないことがあった。
 この宇宙の一角で、星系規模の「業」が出現したことを。
 対抗する何かが現われたようだが、どういうものなのかまだ分からない。
 だから最悪の場合、俺たちが《ミラー星系》に現われたものと戦わなければならないかもしれないのだ。
 現段階で俺が全てを話せるのは聖と蓮花だけだと考えていた。
 それ以外は子どもたちといえどもまだ話せない。
 信頼していないとかという問題ではない。
 余りにも次元の異なる力なのだ。
 宇宙の銀河星団を吹っ飛ばすほどの威力の技。
 俺はそういう力を目指していた。
 もちろん、まだ確立したわけではない。
 自分がそこへ到達出来るのかさえ分からない。
 ロボとの鍛錬はまだまだ続きそうだ。

 亜紀ちゃんが俺の背中に回って、後ろから抱き締めて来た。

 「タカさんはいつもそうですよね」
 「なんだ?」
 「私たちの知らない所で一生懸命に。私たちを守るためにいつも。ずっとそうして来たんですよね」
 
 俺は笑って亜紀ちゃんの腕を握った。

 「そんなこと、当たり前だろう」
 「「「タカさーん!」」」
 「石神さーん!」

 みんなが俺の周りに集まって抱き着いて来る。

 「なんだよ」
 「だってぇ! タカさーん!」
 「石神さん! 私も一緒にやりますからぁー!」
 「柳は十分にやってるよ。毎日毎日、真面目に頑張ってくれてるじゃないか」
 「でも、全然石神さんには届きませんよ!」
 「そんなことはない。俺はお前に妖魔を斃す技を任せて良かったと思ってるぞ」
 
 柳が泣き出す。

 「私なんかより、亜紀ちゃんやルーちゃんとかハーちゃんの方がぁ!」
 「そうじゃないよ。お前が必要なんだ。なあ、お前らもそう思うだろ?」
 「そうですよ! 柳さんがゼロから何かを生み出してくれるんで、私たちも真似が出来るんです!」
 「柳ちゃん、スゴイよ!」
 「うん、柳ちゃんじゃなきゃ出来ないよ!」

 まったくその通りだ。
 解析し、それを辿って身に着けることは誰でも出来る。
 柳は無から生み出しているのだ。
 それは真面目で一途で「絶対」と思っている人間にしか出来ない。
 そういう人間ですら到達出来ずに終わることだって多いのだ。
 柳はやった。
 
 「あの無人島だってそうじゃないですか! 柳さんの「オロチストライク」が無ければ私たち全滅でしたよ!」
 「そうだよ! 柳ちゃんが私たちを救ったんだよ!」
 「柳ちゃん、ありがとー!」

 柳は大泣きだ。
 話が大分逸れたのだが、そういう雰囲気じゃなくなった。
 ロボが柳を「サウザンド・トルネードキック」でぶっ飛ばした。

 「なんでぇー!」

 今日は双子が受け止めてやる。
 ロボが俺の膝の上に登って来た。
 自分の話をされていたのだ、という感じだ。

 「まあ、本当にロボのお陰で進んでいるんだよ。な、ロボ?」
 「にゃー!」
 「お前は最高だよなー」
 「にゃ」

 ロボが俺の顔をペロペロする。

 「……」

 柳が俺たちを見ていた。

 「タカさん、私たちも「魔法陣」の一部は教えて頂けますか?」
 「ああ。石神家に明かしたレベルのことは、もうお前たちも覚えていいだろう」
 「ヤッタァー!」
 「今度、みんなで《虎星》へ行くか」
 「ほんとですか!」
 「絶対行きたい!」
 「スゴイよね!」
 「石神さん! 私も是非!」
 
 「当然だ、柳」
 「嬉しいぃ!」
 「ああ、皇紀も連れて行くぞ」
 「「うん!」」

 子どもたちが《虎星》について聞いてくる。
 俺は《アイオーン》に納めた《虎星》の映像を子どもたちに見せた。
 グランマザー自らが撮影、編集したものだ。
 あいつ、随分とノリノリでこの映像を作っていた。
 俺とロボが二人で検証をしている間、グランマザーはあちこちを飛び回って映像素材を集めていたのだ。
 もう今日は終わりにすると言うと、ちょっと不満げな顔で戻って来た。
 なんなんだ、あいつ。
 たくさんの映像がテーマ別に制作されているので、今日はダイジェスト版「《虎星》観光案内」を子どもたちに見せた。
 みんなが夢中になって画面に食い入るように観ている。

 「これよ」

 「スゴイ綺麗ですね!」
 「あ、クジラみたいのがいるよ!」
 「きれーい!」
 「あ、ペンギンみたいのだぁ!」
 「カワイイー!」

 「あのよ」

 「夕焼け! 綺麗ですよ!」
 「星が綺麗だなー」
 「キラキラしてる山! 行ってみたいよー!」
 「クマだぁぁぁぁぁぁーーーーー!」

 「おい、聞けよ!」
 「「「「なんですかぁー!」」」」

 本当に夢中なので俺を睨んで文句を言う。

 「これ、130時間あるからよ」
 「「「「!」」」」
 「ゆっくり、暇な時に見ろ」
 「「「「……」」」」
 
 「これはダイジェスト版で、本編は12000時間以上あるんだ。他に「動物篇」「植物篇」「自然篇」「四季めぐり」「極寒の土地」「灼熱の土地」「いろいろ動物エッチ画像集」、その他8万2千以上の仕分けがあってな」
 「「「「……」」」」
 「全部で124万年分の長さがあるんだってさ」 
 「「「「……」」」」

 あいつ、頑張ったからなー。
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