2,430 / 3,215
《虎星》: ロボと鍛錬! Ⅳ
しおりを挟む
「タカさん! じゃあ、もう「魔法陣」は私たちの技に使えるんですか!」
亜紀ちゃんが真っ先に興奮して聞いて来た。
「まあな。但し、この技術は俺たちの最後の切り札になると思う。だからまだ多くは公開出来ないんだ」
「分かりました! タカさんに全てお任せします!」
全員が納得してくれるが、逆に双子が聞いて来た。
「タカさん、石神家本家には公開しても良かったの?」
「まあな。あの人たちは本当に信頼出来るからな。それとあれは実は俺が確認した中でも比較的軽度のものなんだ」
「「エッェェェェェーーー!」」
双子が驚く。
「あれって、凄まじい技だよね!」
「だって、《地獄の悪魔》も《神》も殺せるんだよね!」
「そうだ。だけど、俺たちはそれだけじゃ不足なんだ」
「「そんなぁー!」」
まだ子どもたちには話せないことがあった。
この宇宙の一角で、星系規模の「業」が出現したことを。
対抗する何かが現われたようだが、どういうものなのかまだ分からない。
だから最悪の場合、俺たちが《ミラー星系》に現われたものと戦わなければならないかもしれないのだ。
現段階で俺が全てを話せるのは聖と蓮花だけだと考えていた。
それ以外は子どもたちといえどもまだ話せない。
信頼していないとかという問題ではない。
余りにも次元の異なる力なのだ。
宇宙の銀河星団を吹っ飛ばすほどの威力の技。
俺はそういう力を目指していた。
もちろん、まだ確立したわけではない。
自分がそこへ到達出来るのかさえ分からない。
ロボとの鍛錬はまだまだ続きそうだ。
亜紀ちゃんが俺の背中に回って、後ろから抱き締めて来た。
「タカさんはいつもそうですよね」
「なんだ?」
「私たちの知らない所で一生懸命に。私たちを守るためにいつも。ずっとそうして来たんですよね」
俺は笑って亜紀ちゃんの腕を握った。
「そんなこと、当たり前だろう」
「「「タカさーん!」」」
「石神さーん!」
みんなが俺の周りに集まって抱き着いて来る。
「なんだよ」
「だってぇ! タカさーん!」
「石神さん! 私も一緒にやりますからぁー!」
「柳は十分にやってるよ。毎日毎日、真面目に頑張ってくれてるじゃないか」
「でも、全然石神さんには届きませんよ!」
「そんなことはない。俺はお前に妖魔を斃す技を任せて良かったと思ってるぞ」
柳が泣き出す。
「私なんかより、亜紀ちゃんやルーちゃんとかハーちゃんの方がぁ!」
「そうじゃないよ。お前が必要なんだ。なあ、お前らもそう思うだろ?」
「そうですよ! 柳さんがゼロから何かを生み出してくれるんで、私たちも真似が出来るんです!」
「柳ちゃん、スゴイよ!」
「うん、柳ちゃんじゃなきゃ出来ないよ!」
まったくその通りだ。
解析し、それを辿って身に着けることは誰でも出来る。
柳は無から生み出しているのだ。
それは真面目で一途で「絶対」と思っている人間にしか出来ない。
そういう人間ですら到達出来ずに終わることだって多いのだ。
柳はやった。
「あの無人島だってそうじゃないですか! 柳さんの「オロチストライク」が無ければ私たち全滅でしたよ!」
「そうだよ! 柳ちゃんが私たちを救ったんだよ!」
「柳ちゃん、ありがとー!」
柳は大泣きだ。
話が大分逸れたのだが、そういう雰囲気じゃなくなった。
ロボが柳を「サウザンド・トルネードキック」でぶっ飛ばした。
「なんでぇー!」
今日は双子が受け止めてやる。
ロボが俺の膝の上に登って来た。
自分の話をされていたのだ、という感じだ。
「まあ、本当にロボのお陰で進んでいるんだよ。な、ロボ?」
「にゃー!」
「お前は最高だよなー」
「にゃ」
ロボが俺の顔をペロペロする。
「……」
柳が俺たちを見ていた。
「タカさん、私たちも「魔法陣」の一部は教えて頂けますか?」
「ああ。石神家に明かしたレベルのことは、もうお前たちも覚えていいだろう」
「ヤッタァー!」
「今度、みんなで《虎星》へ行くか」
「ほんとですか!」
「絶対行きたい!」
「スゴイよね!」
「石神さん! 私も是非!」
「当然だ、柳」
「嬉しいぃ!」
「ああ、皇紀も連れて行くぞ」
「「うん!」」
子どもたちが《虎星》について聞いてくる。
俺は《アイオーン》に納めた《虎星》の映像を子どもたちに見せた。
グランマザー自らが撮影、編集したものだ。
あいつ、随分とノリノリでこの映像を作っていた。
俺とロボが二人で検証をしている間、グランマザーはあちこちを飛び回って映像素材を集めていたのだ。
もう今日は終わりにすると言うと、ちょっと不満げな顔で戻って来た。
なんなんだ、あいつ。
たくさんの映像がテーマ別に制作されているので、今日はダイジェスト版「《虎星》観光案内」を子どもたちに見せた。
みんなが夢中になって画面に食い入るように観ている。
「これよ」
「スゴイ綺麗ですね!」
「あ、クジラみたいのがいるよ!」
「きれーい!」
「あ、ペンギンみたいのだぁ!」
「カワイイー!」
「あのよ」
「夕焼け! 綺麗ですよ!」
「星が綺麗だなー」
「キラキラしてる山! 行ってみたいよー!」
「クマだぁぁぁぁぁぁーーーーー!」
「おい、聞けよ!」
「「「「なんですかぁー!」」」」
本当に夢中なので俺を睨んで文句を言う。
「これ、130時間あるからよ」
「「「「!」」」」
「ゆっくり、暇な時に見ろ」
「「「「……」」」」
「これはダイジェスト版で、本編は12000時間以上あるんだ。他に「動物篇」「植物篇」「自然篇」「四季めぐり」「極寒の土地」「灼熱の土地」「いろいろ動物エッチ画像集」、その他8万2千以上の仕分けがあってな」
「「「「……」」」」
「全部で124万年分の長さがあるんだってさ」
「「「「……」」」」
あいつ、頑張ったからなー。
亜紀ちゃんが真っ先に興奮して聞いて来た。
「まあな。但し、この技術は俺たちの最後の切り札になると思う。だからまだ多くは公開出来ないんだ」
「分かりました! タカさんに全てお任せします!」
全員が納得してくれるが、逆に双子が聞いて来た。
「タカさん、石神家本家には公開しても良かったの?」
「まあな。あの人たちは本当に信頼出来るからな。それとあれは実は俺が確認した中でも比較的軽度のものなんだ」
「「エッェェェェェーーー!」」
双子が驚く。
「あれって、凄まじい技だよね!」
「だって、《地獄の悪魔》も《神》も殺せるんだよね!」
「そうだ。だけど、俺たちはそれだけじゃ不足なんだ」
「「そんなぁー!」」
まだ子どもたちには話せないことがあった。
この宇宙の一角で、星系規模の「業」が出現したことを。
対抗する何かが現われたようだが、どういうものなのかまだ分からない。
だから最悪の場合、俺たちが《ミラー星系》に現われたものと戦わなければならないかもしれないのだ。
現段階で俺が全てを話せるのは聖と蓮花だけだと考えていた。
それ以外は子どもたちといえどもまだ話せない。
信頼していないとかという問題ではない。
余りにも次元の異なる力なのだ。
宇宙の銀河星団を吹っ飛ばすほどの威力の技。
俺はそういう力を目指していた。
もちろん、まだ確立したわけではない。
自分がそこへ到達出来るのかさえ分からない。
ロボとの鍛錬はまだまだ続きそうだ。
亜紀ちゃんが俺の背中に回って、後ろから抱き締めて来た。
「タカさんはいつもそうですよね」
「なんだ?」
「私たちの知らない所で一生懸命に。私たちを守るためにいつも。ずっとそうして来たんですよね」
俺は笑って亜紀ちゃんの腕を握った。
「そんなこと、当たり前だろう」
「「「タカさーん!」」」
「石神さーん!」
みんなが俺の周りに集まって抱き着いて来る。
「なんだよ」
「だってぇ! タカさーん!」
「石神さん! 私も一緒にやりますからぁー!」
「柳は十分にやってるよ。毎日毎日、真面目に頑張ってくれてるじゃないか」
「でも、全然石神さんには届きませんよ!」
「そんなことはない。俺はお前に妖魔を斃す技を任せて良かったと思ってるぞ」
柳が泣き出す。
「私なんかより、亜紀ちゃんやルーちゃんとかハーちゃんの方がぁ!」
「そうじゃないよ。お前が必要なんだ。なあ、お前らもそう思うだろ?」
「そうですよ! 柳さんがゼロから何かを生み出してくれるんで、私たちも真似が出来るんです!」
「柳ちゃん、スゴイよ!」
「うん、柳ちゃんじゃなきゃ出来ないよ!」
まったくその通りだ。
解析し、それを辿って身に着けることは誰でも出来る。
柳は無から生み出しているのだ。
それは真面目で一途で「絶対」と思っている人間にしか出来ない。
そういう人間ですら到達出来ずに終わることだって多いのだ。
柳はやった。
「あの無人島だってそうじゃないですか! 柳さんの「オロチストライク」が無ければ私たち全滅でしたよ!」
「そうだよ! 柳ちゃんが私たちを救ったんだよ!」
「柳ちゃん、ありがとー!」
柳は大泣きだ。
話が大分逸れたのだが、そういう雰囲気じゃなくなった。
ロボが柳を「サウザンド・トルネードキック」でぶっ飛ばした。
「なんでぇー!」
今日は双子が受け止めてやる。
ロボが俺の膝の上に登って来た。
自分の話をされていたのだ、という感じだ。
「まあ、本当にロボのお陰で進んでいるんだよ。な、ロボ?」
「にゃー!」
「お前は最高だよなー」
「にゃ」
ロボが俺の顔をペロペロする。
「……」
柳が俺たちを見ていた。
「タカさん、私たちも「魔法陣」の一部は教えて頂けますか?」
「ああ。石神家に明かしたレベルのことは、もうお前たちも覚えていいだろう」
「ヤッタァー!」
「今度、みんなで《虎星》へ行くか」
「ほんとですか!」
「絶対行きたい!」
「スゴイよね!」
「石神さん! 私も是非!」
「当然だ、柳」
「嬉しいぃ!」
「ああ、皇紀も連れて行くぞ」
「「うん!」」
子どもたちが《虎星》について聞いてくる。
俺は《アイオーン》に納めた《虎星》の映像を子どもたちに見せた。
グランマザー自らが撮影、編集したものだ。
あいつ、随分とノリノリでこの映像を作っていた。
俺とロボが二人で検証をしている間、グランマザーはあちこちを飛び回って映像素材を集めていたのだ。
もう今日は終わりにすると言うと、ちょっと不満げな顔で戻って来た。
なんなんだ、あいつ。
たくさんの映像がテーマ別に制作されているので、今日はダイジェスト版「《虎星》観光案内」を子どもたちに見せた。
みんなが夢中になって画面に食い入るように観ている。
「これよ」
「スゴイ綺麗ですね!」
「あ、クジラみたいのがいるよ!」
「きれーい!」
「あ、ペンギンみたいのだぁ!」
「カワイイー!」
「あのよ」
「夕焼け! 綺麗ですよ!」
「星が綺麗だなー」
「キラキラしてる山! 行ってみたいよー!」
「クマだぁぁぁぁぁぁーーーーー!」
「おい、聞けよ!」
「「「「なんですかぁー!」」」」
本当に夢中なので俺を睨んで文句を言う。
「これ、130時間あるからよ」
「「「「!」」」」
「ゆっくり、暇な時に見ろ」
「「「「……」」」」
「これはダイジェスト版で、本編は12000時間以上あるんだ。他に「動物篇」「植物篇」「自然篇」「四季めぐり」「極寒の土地」「灼熱の土地」「いろいろ動物エッチ画像集」、その他8万2千以上の仕分けがあってな」
「「「「……」」」」
「全部で124万年分の長さがあるんだってさ」
「「「「……」」」」
あいつ、頑張ったからなー。
1
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる