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愛する者の帰還 Ⅴ
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食事も大分進み、そのまま宴会に突入した。
酒を飲む人間は少ないのだが、各々楽しそうに歓談している。
この研究所は本当に全員の仲が良い。
蓮花が中心にいるからだ。
蓮花ほど研究に熱心に取り組んでいる人間はいない。
蓮花ほど、各々の研究員に心を傾けている人間はいない。
だからみんなが蓮花を尊敬し、感謝している。
蓮花が崇拝しているから、俺のことも大事に思ってくれているのだ。
全て蓮花のお陰だ。
食材は残っているので、自分たちが好きなものを焼いていく。
ソフトドリンクも豊富だし、デザートのフルーツやスイーツなども出て来た。
もう蓮花の姿が無い。
またやるつもりなのだ。
俺のテーブルに座っている連中のほとんどはまだ蓮花の『赤道小町ドキッ』を見たことが無い。
響子と六花は観ているが。
「おい、蓮花が十八番の宴会芸を見せてくれるぞ」
栞に話した。
「え! 蓮花がやるの!」
「おお。OL時代に大ウケだったんだと」
「ウソでしょう!」
「ほんとだって。俺もこないだ見せてもらって大爆笑だった」
「ほんとに!」
聞いていた一江や大森たちも驚く。
まさかあの真面目な蓮花が宴会芸をするとは想像もしてないだろう。
響子と六花はニコニコしている。
ミユキが俺の所へ来た。
「そろそろ始めます」
「そうか!」
ミユキが戻り、照明が暗くなった。
ミユキが照明係らしい。
全員が拍手をし、歓声を送った。
栞たちが驚いている。
「あなた!」
「な、大人気だろ?」
鈴の音が聞こえた。
今日は頭上からだ。
ライトが天井へ向けられる。
2メートルものでかい羽を背中に生やした白い衣装の蓮花が見えた。
みんな拍手し、大声援を送っている。
もう大笑いが始まった。
蓮花の背中に白い布を被った奴がいる。
ブランの誰かが「飛行」で蓮花を運んでいるのだ。
蓮花は9メートル上の天井を周回しながら、ゆっくりと下降してきた。
そしてステージの上に来ると、そのまま真直ぐに降りて来る。
後ろで蓮花を抱えていた奴がはける。
蓮花はキラキラの白の衣装を着た天使になっていた。
髪も金髪の長いウィッグだ。
音楽が始まった。
♪ ドキッ! ドキッ! ドキッ! ドキ! ♪
蓮花が歌い出す。
全員が手拍子と共に一緒に歌う。
♪ 赤いお陽様が ジリジリ焦げてる ♪
蓮花が踊るたびに、背中の羽根が羽ばたく。
全員大爆笑だ。
俺も大笑いし、栞と士王も爆笑していた。
響子は腹を抱えて苦しそうに爆笑している六花に抱き着いていた。
♪ 君は赤道小町 恋はアツアツ亜熱帯 ♪
蓮花のステージが終わり、全員が立ち上がって拍手し、あちこちで声援が挙がった。
今日も大ウケだ。
「あなた! 蓮花、スゴイわ!」
「そうだろう?」
あの斬までが士王と吹雪を両手で抱えて大笑いしていた。
こいつを笑わせるなど、蓮花も大したものだ。
蓮花がステージで四つん這いになっていた。
俺が駆け寄ると荒い息で言った。
「申し訳ありません。羽を外していただけますか?」
「おい、大丈夫か」
「あの、羽が重くて」
「あ?」
ミユキたちが笑って駆け寄って来て、蓮花の羽を外した。
20キロもあるらしい。
鍛えていない蓮花には相当な負荷だっただろう。
「今日も最高だったぞ!」
「ありがとうございます!」
蓮花が明るく笑った。
俺が手を引いてテーブルまで蓮花を連れて来た。
テーブルで、栞たちがまた拍手をする。
「蓮花! 凄かったわ!」
「はい!」
「おい、斬も笑ってたぞ」
「さようでございますか!」
斬がまた笑った。
「楽しかった」
「ほんとに!」
斬がそんなことを言うのは滅多にない。
蓮花が喜んだ。
栞が席をズレ、俺の隣に蓮花の席を空けた。
蓮花に飲み物を渡す。
「今日の天使バージョンって、前にもやったのか?」
「もちろんでございます!」
「OL時代にかよ!」
「はい! わたくしの宴会芸が皆様に認められて、天使が空中から降りて来るステージをやりたいと上司に申し上げました」
「それで?」
「天井の高い会場を借りて下さいまして、その天井に鉄骨を組んでもらいました。ウインチでステージに降りましたの」
「スゲェな!」
「オーホホホホホホ!」
蓮花の芸が相当みんなにウケていたということか。
まあ、真面目な蓮花のことだ。
勤め先でもみんなから愛されていたのだろう。
「でもですね、上から降りるのがとても怖くて」
「ああ」
「1時間くらい、皆様をお待たせしました」
「ワハハハハハハハハ!」
でもやったのか。
研究所のみんなが次々にテーブルに来て、蓮花のステージを褒め称えて行った。
その後、俺がギターを弾いて歌い、子どもたちが恒例の「ヒモダンス」を踊った。
「ヒモダンス」が異常に高度なパフォーマンスになっていて、みんなが爆笑していた。
「斬、お前も何かやるか?」
「おお、それではお前にも見せていない新技を披露するか」
「やめろ!」
絶対にヤバい奴だ。
宴会が終わり、栞と一緒に風呂に入った。
「今日は楽しかった」
「そうか」
「この研究所もいい雰囲気ね」
「蓮花やジェシカたちが頑張ってるからな」
「うん。みんな蓮花のことが大好きね」
「そうだな」
アラスカでは栞たちは居住区でほとんどを過ごした。
後からソルジャーたちの訓練指導にも参加したが、ここのように大勢と一緒に過ごすことは無かった。
「栞には随分と寂しい思いをさせてしまったな」
「うん、そうだよ」
「悪かった」
栞が微笑んで俺に抱き着いて来た。
「ううん、そんなことはないよ」
「え?」
「あなたは私と士王のことを第一に考えてくれてたもん。いつも感謝してた」
「おい……」
「本当だよ。そりゃ寂しいこともあったけど、いつだってあなたの愛を疑ったことはないわ」
「そうか……」
唇を重ねられる。
栞の温かな舌が俺の口腔に入って来た。
舌を絡め合い、長いキスをした。
「でも、護られるだけじゃない」
「ああ」
「私と士王も、あなたのために戦うわ」
「ありがとう」
また長いキスをした。
栞がようやく日本に帰って来た。
士王も一緒に日本で暮らすのだ。
激甚な戦いが始まるが、俺は幸せの中にいた。
俺たちは一緒なのだ。
それが俺の幸せだ。
酒を飲む人間は少ないのだが、各々楽しそうに歓談している。
この研究所は本当に全員の仲が良い。
蓮花が中心にいるからだ。
蓮花ほど研究に熱心に取り組んでいる人間はいない。
蓮花ほど、各々の研究員に心を傾けている人間はいない。
だからみんなが蓮花を尊敬し、感謝している。
蓮花が崇拝しているから、俺のことも大事に思ってくれているのだ。
全て蓮花のお陰だ。
食材は残っているので、自分たちが好きなものを焼いていく。
ソフトドリンクも豊富だし、デザートのフルーツやスイーツなども出て来た。
もう蓮花の姿が無い。
またやるつもりなのだ。
俺のテーブルに座っている連中のほとんどはまだ蓮花の『赤道小町ドキッ』を見たことが無い。
響子と六花は観ているが。
「おい、蓮花が十八番の宴会芸を見せてくれるぞ」
栞に話した。
「え! 蓮花がやるの!」
「おお。OL時代に大ウケだったんだと」
「ウソでしょう!」
「ほんとだって。俺もこないだ見せてもらって大爆笑だった」
「ほんとに!」
聞いていた一江や大森たちも驚く。
まさかあの真面目な蓮花が宴会芸をするとは想像もしてないだろう。
響子と六花はニコニコしている。
ミユキが俺の所へ来た。
「そろそろ始めます」
「そうか!」
ミユキが戻り、照明が暗くなった。
ミユキが照明係らしい。
全員が拍手をし、歓声を送った。
栞たちが驚いている。
「あなた!」
「な、大人気だろ?」
鈴の音が聞こえた。
今日は頭上からだ。
ライトが天井へ向けられる。
2メートルものでかい羽を背中に生やした白い衣装の蓮花が見えた。
みんな拍手し、大声援を送っている。
もう大笑いが始まった。
蓮花の背中に白い布を被った奴がいる。
ブランの誰かが「飛行」で蓮花を運んでいるのだ。
蓮花は9メートル上の天井を周回しながら、ゆっくりと下降してきた。
そしてステージの上に来ると、そのまま真直ぐに降りて来る。
後ろで蓮花を抱えていた奴がはける。
蓮花はキラキラの白の衣装を着た天使になっていた。
髪も金髪の長いウィッグだ。
音楽が始まった。
♪ ドキッ! ドキッ! ドキッ! ドキ! ♪
蓮花が歌い出す。
全員が手拍子と共に一緒に歌う。
♪ 赤いお陽様が ジリジリ焦げてる ♪
蓮花が踊るたびに、背中の羽根が羽ばたく。
全員大爆笑だ。
俺も大笑いし、栞と士王も爆笑していた。
響子は腹を抱えて苦しそうに爆笑している六花に抱き着いていた。
♪ 君は赤道小町 恋はアツアツ亜熱帯 ♪
蓮花のステージが終わり、全員が立ち上がって拍手し、あちこちで声援が挙がった。
今日も大ウケだ。
「あなた! 蓮花、スゴイわ!」
「そうだろう?」
あの斬までが士王と吹雪を両手で抱えて大笑いしていた。
こいつを笑わせるなど、蓮花も大したものだ。
蓮花がステージで四つん這いになっていた。
俺が駆け寄ると荒い息で言った。
「申し訳ありません。羽を外していただけますか?」
「おい、大丈夫か」
「あの、羽が重くて」
「あ?」
ミユキたちが笑って駆け寄って来て、蓮花の羽を外した。
20キロもあるらしい。
鍛えていない蓮花には相当な負荷だっただろう。
「今日も最高だったぞ!」
「ありがとうございます!」
蓮花が明るく笑った。
俺が手を引いてテーブルまで蓮花を連れて来た。
テーブルで、栞たちがまた拍手をする。
「蓮花! 凄かったわ!」
「はい!」
「おい、斬も笑ってたぞ」
「さようでございますか!」
斬がまた笑った。
「楽しかった」
「ほんとに!」
斬がそんなことを言うのは滅多にない。
蓮花が喜んだ。
栞が席をズレ、俺の隣に蓮花の席を空けた。
蓮花に飲み物を渡す。
「今日の天使バージョンって、前にもやったのか?」
「もちろんでございます!」
「OL時代にかよ!」
「はい! わたくしの宴会芸が皆様に認められて、天使が空中から降りて来るステージをやりたいと上司に申し上げました」
「それで?」
「天井の高い会場を借りて下さいまして、その天井に鉄骨を組んでもらいました。ウインチでステージに降りましたの」
「スゲェな!」
「オーホホホホホホ!」
蓮花の芸が相当みんなにウケていたということか。
まあ、真面目な蓮花のことだ。
勤め先でもみんなから愛されていたのだろう。
「でもですね、上から降りるのがとても怖くて」
「ああ」
「1時間くらい、皆様をお待たせしました」
「ワハハハハハハハハ!」
でもやったのか。
研究所のみんなが次々にテーブルに来て、蓮花のステージを褒め称えて行った。
その後、俺がギターを弾いて歌い、子どもたちが恒例の「ヒモダンス」を踊った。
「ヒモダンス」が異常に高度なパフォーマンスになっていて、みんなが爆笑していた。
「斬、お前も何かやるか?」
「おお、それではお前にも見せていない新技を披露するか」
「やめろ!」
絶対にヤバい奴だ。
宴会が終わり、栞と一緒に風呂に入った。
「今日は楽しかった」
「そうか」
「この研究所もいい雰囲気ね」
「蓮花やジェシカたちが頑張ってるからな」
「うん。みんな蓮花のことが大好きね」
「そうだな」
アラスカでは栞たちは居住区でほとんどを過ごした。
後からソルジャーたちの訓練指導にも参加したが、ここのように大勢と一緒に過ごすことは無かった。
「栞には随分と寂しい思いをさせてしまったな」
「うん、そうだよ」
「悪かった」
栞が微笑んで俺に抱き着いて来た。
「ううん、そんなことはないよ」
「え?」
「あなたは私と士王のことを第一に考えてくれてたもん。いつも感謝してた」
「おい……」
「本当だよ。そりゃ寂しいこともあったけど、いつだってあなたの愛を疑ったことはないわ」
「そうか……」
唇を重ねられる。
栞の温かな舌が俺の口腔に入って来た。
舌を絡め合い、長いキスをした。
「でも、護られるだけじゃない」
「ああ」
「私と士王も、あなたのために戦うわ」
「ありがとう」
また長いキスをした。
栞がようやく日本に帰って来た。
士王も一緒に日本で暮らすのだ。
激甚な戦いが始まるが、俺は幸せの中にいた。
俺たちは一緒なのだ。
それが俺の幸せだ。
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