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挿話: 《ヒモダンス・タイガー》
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栞さんと士王ちゃんが日本へ帰って来た!
また一緒にいろいろ出来るんだ!
斬さんがとっても嬉しそうだった。
今日はずっと笑っていた気がする。
宴会で蓮花さんがまた驚くようなステージを見せてくれた。
だから私たちも「ヒモダンス」を頑張った。
みんなで練習し、いままでにないパフォーマンスを見せた。
空中に飛び上がり、ウェーブやスネークを摂り入れた。
みんなに喜んでもらった!
今までにない、最高の「ヒモダンス」になった。
一江さんと大森さんが漫才をやり、六花さんが歌った。
六花さんの歌は随分と上手くなっていて驚いた。
ルーとハーが石神家本家の剣技を披露し、後鬼さん、羅刹さんが大興奮だった。
明日、是非また見せて欲しいと二人に言われた。
斬さんも興奮していた。
そしてタカさんのギターが最高にカッコ良かった!
楽しい宴会が終わり、みんなでお風呂に入った。
もう少し栞さんたちと話したかったが、今日はしょうがない。
私たちはみんなで一緒の部屋で寝た。
ロボが柳さんと一緒のベッドに入った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あれ?」
どこだろう。
地平まで拡がる荒野の中に立っていた。
岩がゴロゴロと転がっている、何も無い場所だ。
「ここは?」
記憶が無い。
でも、自分ではそんなに不安も無い。
なんだろう?
しばらく周囲の景色を見ていたが、地平線の彼方から何かが近付いて来た。
「なんだ?」
巨大なもののようだが、私は不思議と恐れることもなかった。
ソレに、何か親しいものを感じている自分がいた。
近づいてくると、ソレの姿が分かった。
巨大な虎だ!
ただ、普通の虎と違って赤と黒の縞模様だった。
ソレは私の目の前に降り立った。
身体の大きさは大体100メートル。
大きな顔は精悍で、それと同時に高い知性と優しさを感じた。
私を綺麗な瞳で見詰めている。
「あなたは誰ですか?」
自然に問うていた。
「我は《ヒモダンス・タイガー》」
「えぇ!」
「お前たちの「ヒモダンス」によって導かれた至高の虎だ」
「そうなんですか!」
なんとなく、それが本当のことだと分かった。
なんでだかは分からない。
「私たちの「ヒモダンス」で生まれたのですか?」
「その通りだ。お前たちの「ヒモダンス」は最高だからな」
「ありがとうございます!」
やっぱりタカさんが創った「ヒモダンス」は最高だったんだ!
私もずっと、あのダンスには何かがあるんじゃないかと思っていた。
踊ると楽しいし。
「我は強い」
「そうですよね!」
本当に途轍もなく強そうだ。
一目見ただけで、私などは相手にもならないことが分かった。
「我はお前たちの味方だ」
「そうなんですか!」
「何でも望みを言え」
「え! じゃ、じゃあ、「業」を斃して欲しいとか?」
「容易いことだ」
「えぇ!」
本当か!
もしもそうならば、タカさんはどんなに喜ぶだろう!
「お願いします!」
「承知」
《ヒモダンス・タイガー》さんは、私に背中に乗るように言った。
私は飛び跳ねて、大きな首の上に乗った。
フサフサの毛に掴まる。
「行くぞ」
「はい!」
《ヒモダンス・タイガー》さんが空中に上がり、猛スピードで飛んだ。
《ヒモダンス・タイガー》さんの毛に包まれて温かい。
それに、なんだかいい匂いがする。
「あったかくていい匂いです!」
「そうか!」
《ヒモダンス・タイガー》さんが喜んだ。
下の景色が物凄いスピードで飛んで行く。
数分後、どこかの森の上空に来た。
多分、ロシアのどこかだと思う。
下に何かの構築物がある。
でも人工のものには見えなかった。
巨大な蟻塚のようなものだ。
高さは数百メートル、一番下の地面の部分は直径2キロくらいか。
もちろん自然のものであるはずもない。
「ここだ」
「そうなんですか!」
《ヒモダンス・タイガー》さんは、「業」のいる拠点が分かっていたようだ。
流石です!
蟻塚のようなものから、無数の妖魔が出て来た。
もう発見されたかぁ!
上空から見下ろしているが、数億はいるのではないか!
「大丈夫ですか!」
「他愛無し」
《ヒモダンス・タイガー》さんが右の前足を一閃させた。
何か巨大なエネルギーが走り、地上の妖魔が全て一瞬で消えた。
そのままどんどん湧いてくる無数の妖魔を掻き消して行った。
「スゴイですね!」
「フフフ」
強そうな妖魔が出て来た。
また数億いそうだ。
「あ! あれは《地獄の悪魔》ですよ!」
「他愛無し」
今度は左の前足を一閃させる。
《地獄の悪魔》が全部消えた。
今度は《神》が出て来た!
数百はいるぞ!
「《神》まで来ましたよ!」
「ふん、片腹痛し」
《ヒモダンス・タイガー》さんがロボの「ばーん」みたいに口から何かを吐いた。
巨大な光芒が《神》たちに降り注がれる。
一瞬で消えた。
うわぁぁぁーー!
「「神殺し」の呪いは大丈夫ですか!」
「問題無し」
全然平気そうだ。
凄すぎです、《ヒモダンス・タイガー》さん!
蟻塚のようなものから、何か巨大なモノが出て来た。
全身から黒い霧を発している。
大きさは数百キロ!
あれは!
「《ヒモダンス・タイガー》さん! 「業」が出ましたよ!」
「他愛無し」
また《ヒモダンス・タイガー》さんの口から、さっきよりも大きな光芒が「業」に向かった。
「業」の身体は、光芒が当たった場所から爆散していき、どんどん小さくなる。
「がんばれ、《ヒモダンス・タイガー》さん!」
「ガハハハハハハハ!」
「業」が小さくなって行き、普通の人間の大きさになった。
「分かった! もう降参だ!」
「《ヒモダンス・タイガー》さん、ダメですよ!」
「もう悪いことはしない!」
「騙されないでぇ!」
「片腹痛し」
右前足で一閃する。
ペチ
「業」の身体が潰れて動かなくなった。
「やったぁー!」
「ふふふ、他愛無し」
「これで戦いは終わりだぁ!」
「良かったな」
「ありがとうございましたぁ!」
地上に降りて、私はお礼に渾身の「ヒモダンス」を踊った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「亜紀ちゃん! うるさいよ!」
「もう! なんなのよ!」
ルーとハーに頭をペチペチされた。
「ほら、起きてよ!」
「うーん……」
「亜紀ちゃん!」
「!」
「起きた?」
「もう戦いは終わったよ!」
「「え?」」
「《ヒモダンス・タイガー》さんが「業」を斃してくれたから!」
頭に衝撃が走った。
二人に頭をはたかれた。
「寝ぼけないで!」
「ちゃんと起きてよ!」
辺りを見回すと、柳さんも皇紀も起きて私を見てた。
ロボが不機嫌そうに睨んでいる。
「ん?」
「ほんとに起きた?」
「もう、夜中に騒いで!」
「あれ?」
「何の夢よ!」
「え、《ヒモダンス・タイガー》さんの……」
「なにそれ!」
「えーと」
「もう!」
「ごめんなさい」
みんなに謝った。
なんだ、夢かー……
翌朝、タカさんに夢の話をした。
多分だけど、重要なことが夢で示されたのではないか!
「それで《ヒモダンス・タイガー》さんがですね」
「なんだ?」
「「業」を斃してくれたんですよ!」
「あ、そう」
「そうです!」
タカさんは呆れた顔で士王ちゃんと吹雪ちゃんを抱いて食堂を出て行った。
「……」
私は、「ヒモダンス」を徹底的に極めることにした。
いつか、本物の《ヒモダンス・タイガー》さんが来てくれるかもしれないもん!
がんばるぞー!
また一緒にいろいろ出来るんだ!
斬さんがとっても嬉しそうだった。
今日はずっと笑っていた気がする。
宴会で蓮花さんがまた驚くようなステージを見せてくれた。
だから私たちも「ヒモダンス」を頑張った。
みんなで練習し、いままでにないパフォーマンスを見せた。
空中に飛び上がり、ウェーブやスネークを摂り入れた。
みんなに喜んでもらった!
今までにない、最高の「ヒモダンス」になった。
一江さんと大森さんが漫才をやり、六花さんが歌った。
六花さんの歌は随分と上手くなっていて驚いた。
ルーとハーが石神家本家の剣技を披露し、後鬼さん、羅刹さんが大興奮だった。
明日、是非また見せて欲しいと二人に言われた。
斬さんも興奮していた。
そしてタカさんのギターが最高にカッコ良かった!
楽しい宴会が終わり、みんなでお風呂に入った。
もう少し栞さんたちと話したかったが、今日はしょうがない。
私たちはみんなで一緒の部屋で寝た。
ロボが柳さんと一緒のベッドに入った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あれ?」
どこだろう。
地平まで拡がる荒野の中に立っていた。
岩がゴロゴロと転がっている、何も無い場所だ。
「ここは?」
記憶が無い。
でも、自分ではそんなに不安も無い。
なんだろう?
しばらく周囲の景色を見ていたが、地平線の彼方から何かが近付いて来た。
「なんだ?」
巨大なもののようだが、私は不思議と恐れることもなかった。
ソレに、何か親しいものを感じている自分がいた。
近づいてくると、ソレの姿が分かった。
巨大な虎だ!
ただ、普通の虎と違って赤と黒の縞模様だった。
ソレは私の目の前に降り立った。
身体の大きさは大体100メートル。
大きな顔は精悍で、それと同時に高い知性と優しさを感じた。
私を綺麗な瞳で見詰めている。
「あなたは誰ですか?」
自然に問うていた。
「我は《ヒモダンス・タイガー》」
「えぇ!」
「お前たちの「ヒモダンス」によって導かれた至高の虎だ」
「そうなんですか!」
なんとなく、それが本当のことだと分かった。
なんでだかは分からない。
「私たちの「ヒモダンス」で生まれたのですか?」
「その通りだ。お前たちの「ヒモダンス」は最高だからな」
「ありがとうございます!」
やっぱりタカさんが創った「ヒモダンス」は最高だったんだ!
私もずっと、あのダンスには何かがあるんじゃないかと思っていた。
踊ると楽しいし。
「我は強い」
「そうですよね!」
本当に途轍もなく強そうだ。
一目見ただけで、私などは相手にもならないことが分かった。
「我はお前たちの味方だ」
「そうなんですか!」
「何でも望みを言え」
「え! じゃ、じゃあ、「業」を斃して欲しいとか?」
「容易いことだ」
「えぇ!」
本当か!
もしもそうならば、タカさんはどんなに喜ぶだろう!
「お願いします!」
「承知」
《ヒモダンス・タイガー》さんは、私に背中に乗るように言った。
私は飛び跳ねて、大きな首の上に乗った。
フサフサの毛に掴まる。
「行くぞ」
「はい!」
《ヒモダンス・タイガー》さんが空中に上がり、猛スピードで飛んだ。
《ヒモダンス・タイガー》さんの毛に包まれて温かい。
それに、なんだかいい匂いがする。
「あったかくていい匂いです!」
「そうか!」
《ヒモダンス・タイガー》さんが喜んだ。
下の景色が物凄いスピードで飛んで行く。
数分後、どこかの森の上空に来た。
多分、ロシアのどこかだと思う。
下に何かの構築物がある。
でも人工のものには見えなかった。
巨大な蟻塚のようなものだ。
高さは数百メートル、一番下の地面の部分は直径2キロくらいか。
もちろん自然のものであるはずもない。
「ここだ」
「そうなんですか!」
《ヒモダンス・タイガー》さんは、「業」のいる拠点が分かっていたようだ。
流石です!
蟻塚のようなものから、無数の妖魔が出て来た。
もう発見されたかぁ!
上空から見下ろしているが、数億はいるのではないか!
「大丈夫ですか!」
「他愛無し」
《ヒモダンス・タイガー》さんが右の前足を一閃させた。
何か巨大なエネルギーが走り、地上の妖魔が全て一瞬で消えた。
そのままどんどん湧いてくる無数の妖魔を掻き消して行った。
「スゴイですね!」
「フフフ」
強そうな妖魔が出て来た。
また数億いそうだ。
「あ! あれは《地獄の悪魔》ですよ!」
「他愛無し」
今度は左の前足を一閃させる。
《地獄の悪魔》が全部消えた。
今度は《神》が出て来た!
数百はいるぞ!
「《神》まで来ましたよ!」
「ふん、片腹痛し」
《ヒモダンス・タイガー》さんがロボの「ばーん」みたいに口から何かを吐いた。
巨大な光芒が《神》たちに降り注がれる。
一瞬で消えた。
うわぁぁぁーー!
「「神殺し」の呪いは大丈夫ですか!」
「問題無し」
全然平気そうだ。
凄すぎです、《ヒモダンス・タイガー》さん!
蟻塚のようなものから、何か巨大なモノが出て来た。
全身から黒い霧を発している。
大きさは数百キロ!
あれは!
「《ヒモダンス・タイガー》さん! 「業」が出ましたよ!」
「他愛無し」
また《ヒモダンス・タイガー》さんの口から、さっきよりも大きな光芒が「業」に向かった。
「業」の身体は、光芒が当たった場所から爆散していき、どんどん小さくなる。
「がんばれ、《ヒモダンス・タイガー》さん!」
「ガハハハハハハハ!」
「業」が小さくなって行き、普通の人間の大きさになった。
「分かった! もう降参だ!」
「《ヒモダンス・タイガー》さん、ダメですよ!」
「もう悪いことはしない!」
「騙されないでぇ!」
「片腹痛し」
右前足で一閃する。
ペチ
「業」の身体が潰れて動かなくなった。
「やったぁー!」
「ふふふ、他愛無し」
「これで戦いは終わりだぁ!」
「良かったな」
「ありがとうございましたぁ!」
地上に降りて、私はお礼に渾身の「ヒモダンス」を踊った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「亜紀ちゃん! うるさいよ!」
「もう! なんなのよ!」
ルーとハーに頭をペチペチされた。
「ほら、起きてよ!」
「うーん……」
「亜紀ちゃん!」
「!」
「起きた?」
「もう戦いは終わったよ!」
「「え?」」
「《ヒモダンス・タイガー》さんが「業」を斃してくれたから!」
頭に衝撃が走った。
二人に頭をはたかれた。
「寝ぼけないで!」
「ちゃんと起きてよ!」
辺りを見回すと、柳さんも皇紀も起きて私を見てた。
ロボが不機嫌そうに睨んでいる。
「ん?」
「ほんとに起きた?」
「もう、夜中に騒いで!」
「あれ?」
「何の夢よ!」
「え、《ヒモダンス・タイガー》さんの……」
「なにそれ!」
「えーと」
「もう!」
「ごめんなさい」
みんなに謝った。
なんだ、夢かー……
翌朝、タカさんに夢の話をした。
多分だけど、重要なことが夢で示されたのではないか!
「それで《ヒモダンス・タイガー》さんがですね」
「なんだ?」
「「業」を斃してくれたんですよ!」
「あ、そう」
「そうです!」
タカさんは呆れた顔で士王ちゃんと吹雪ちゃんを抱いて食堂を出て行った。
「……」
私は、「ヒモダンス」を徹底的に極めることにした。
いつか、本物の《ヒモダンス・タイガー》さんが来てくれるかもしれないもん!
がんばるぞー!
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