富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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取調べ机

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 11月1日、佐野さんご夫婦の引っ越しが終わった。
 石神家みんなでお手伝いし、すぐに開梱、収納まで終わった。
 この日初めて佐野さんたちは新居をご覧になり、やっぱり驚いていた。
 まーなー。
 都心で敷地400坪の広い土地に、素敵な建物だった。
 ただし、13LDKであーる!
 元のタカさんのおうちと同じ部屋数だ。
 地上3階地下1階。
 お二人で住むのは広いかなー。

 佐野さんのお宅を建てるにあたって、タカさんは住宅デザイナーの人と散々打合せをしていた。
 外見はもちろん、内装もとことん拘った。
 住宅デザイナーの人もノリノリで、タカさんと一緒にいろんなアイデアを出してくれたそうだ。
 だから工事に時間が掛かったんだ。
 佐野さんに出来るだけのことをしたいという、タカさんの思いが詰まった住宅だった。
 そのお陰で、本当に素敵な住宅になった。

 玄関を入ると吹き抜けの空間に出て、左右にお部屋がある。
 左側は広いウッドデッキに続く広間だ。
 庭が見えて大きなはめ殺しのガラス窓の左右にガラス製の出入り口があって、気持ちの良い空間になっている。
 もちろん、タカさんが大きなソファセットを入れて、寛いだままお庭が眺められる。
 右側は多目的スペースというか、ちょっとしたジム器具も入れてある。
 剣道をやる佐野さんのために、天井は高い。
 引き戸を全部収納させると、1階は広大なスペースにもなるのだ!
 ウッドデッキも入れると、結構な人数でパーティも出来るぞ!
 他に用具入れ兼倉庫のお部屋で、デュールゲリエの控室もある。

 2階には生活スペースが揃い、キッチン、リヴィング、お風呂。
 それに、お二人の書斎とアクセサリー工房。
 3階は寝室と客室。
 3階は2階よりも小さくなり、2階の屋根部分が広いテラスになっている。
 お布団干せるぞー!

 各階にトイレと洗面所がある。
 それと、吹き抜けの一部を使った中2階が素敵で、階段を上がる途中にちょっとした8畳ほどの空間がある。
 ガラスブロックが壁面を覆って明るくなったスペースだ。
 リヴィングからも階段を数段降りて行き来出来る。
 ガラスブロックの中央に、あのプリズムガラスが埋め込まれている。
 西日が差すと、あの美しいスペクトルの帯が出来るのだろう。
 私も見てみたい。
 地下はうちと同じで、音響ルームと様々な機械装置が備わっている。
 「ヴォイド機関」も備えているので、電気代は無料だぁ!
 だから贅沢な装置や機器も多いのだぁー。
 1階の通路の奥にはでっかいレッドダイヤモンドぉー!(台はプラチナだよ!)
 佐野さん、これにも激怒してたよー!

 

 引っ越しのお祝いにみんなで「銀河宮殿」に行った。
 佐野さんと奥さんは初めてだったようで、驚かれていた。
 まあ、主に私たちの「喰い」にだけど。

 新居について佐野さんはタカさんにやり過ぎだと文句を言っていたけど、タカさんが案内していくうちに段々表情が和らいで行った。
 それは、タカさんが本気で佐野さんと奥さんのために考えて作ったことが分かって来たからだ。
 高価な家具や調度なども多いけど、佐野さんと奥さんに座ってもらったりすると、本当に気持ちのいい空間になっていることが分かってもらえた。
 きっと、タカさんも何度も考えて修正して行ったんだろう。
 露天風呂にはちょっと本気で怒ってたけど、実際にタカさんと一緒に入って、出てきた佐野さんがニコニコしてた。
 夜にはタカさんがバーテンダーになって、ウッドデッキでお酒を飲んだ。
 空調と床暖房と、大きなガラス壁のレールが回るようになっていて、夏冬も快適に過ごせるそうだ。
 その日は気温も寒くなく、床暖房を少し入れただけで吹き抜けの空間でみんなで星を眺めながら飲んだ。
 佐野さんと奥さんが幸せそうな顔をしてて、タカさんが喜んだ。

 夜遅くなってみんなで帰ったけど、翌朝に、佐野さんからタカさんに電話が来た。
 お礼を言われたようで、タカさんがまたすごく嬉しそうだった。






 今日は11月7日。
 佐野さんのお宅の引っ越し祝いをする予定だ。
 石神家が全員呼ばれたけど、タカさんが多くなると迷惑だろうと断った。
 タカさんは行くけど、あとは早乙女さんと雪野さんと成瀬さん、和久井元署長さん、それに私も一緒に連れて行ってもらえることになった。
 うれしーぞー!
 
 「亜紀ちゃんは来てくれよ」
 「いいんですか!」
 「ああ、料理とかちょっと手を借りたいからな」
 「はい! なんでもします!」
 
 タカさんがちょっとしたアイデアを考えていた。
 それを見せてもらった。
 すてきだぁぁぁーーー!

 ハマーに食材と「荷物」を積み込んで出かけた。






 午後3時に佐野さんのお宅へ着いて、食材を降ろし、大きな荷物を運んだ。
 佐野さんが大きな「荷物」に驚く。
 っていうか、物凄い不安そうな顔をする。
 そりゃね。

 「トラ、これはなんだ?」
 「ああ、ちょっとした余興ですよ、持ち帰るんでご心配なく」
 「そうか? おい、ヘンなことはすんなよな」
 「大丈夫ですって!」

 私が「荷物」を持った。
 私が持つと軽そうに見えるので、佐野さんもちょっと安心していた。
 玄関は親子ドアなので、大きな荷物も楽に入った。
 タカさんに言われ、中二階に上げる。
 段ボールにくるまれていて、四角い大きなものにしか見えない。
 やったね!

 ちょっとお茶を飲んだ。
 タカさんがロイヤルミルクティを淹れ、 叶匠壽庵の「あも」を私が切った。

 「おい、うちの祝いなのに悪いな」
 「やらせてくださいよ。今日は和久井さんも来るんでしょう?」
 「ああ、トラに会いたがってたよ」
 「俺もですよ!」

 そして和久井さんがいらした。
 高そうなシャンパンと花束を抱えている。
 タカさんが佐野さんに断って、花を花瓶に活けた。
 みんな驚いて感動してた。
 さすがタカさん!
 
 和久井さんと懐かしそうにタカさんが話している。
 本当に二人とも嬉しそうで、私もちょっと泣きそうになった。

 さあ!
 今日は頑張るぞー!
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