2,682 / 3,215
未来への希望 XⅢ
しおりを挟む
金曜日の全てのオペを終え、響子の部屋へ寄った。
また茜と葵がいる。
一緒に『虎は孤高に』を観ていたようだ。
今日は金曜日で放映日なので、そこまで一緒に観るらしい。
遅い時間になるので、俺が許可を出している。
六花がいた時にも、そうやって一緒に観ていたから、問題は無い。
「じゃあ俺はそろそろ帰るな」
「うん! 明日は宜しくね!」
「おう!」
「トラさん、私たちも明日お願いします」
「任せろ!」
三人が笑った。
家に戻り、6時半。
もう亜紀ちゃんがソワソワしていて、速く食事と風呂を済ませろと言う。
「なんだ、このヤロウ!」
「いいから早くぅー!」
笑いながら、ヒラメの煮物を食べる。
亜紀ちゃんが俺の着替えを持って、後ろで待っている。
「ウゼェ!」
「早くぅー!」
「まだ時間はあるだろう!」
「今日は内風呂に入って下さいね」
「お前らは?」
「もう「虎温泉」に入りました!」
「分かったよ!」
斬が声を掛けて来た。
「おい、時間があるならちょっと付き合え」
「斬さん!」
「なんじゃ!」
「時間、無いんです!」
「そうなのか?」
俺もそうだと言った。
斬の鍛錬に付き合うよりもいい。
士王が俺と一緒に入りたくて待っていた。
斬も誘って3人で入った。
7時半には亜紀ちゃんの招集でみんなで地下へ行く。
つまみはもちろん揃っている。
桜花たちも楽しみにしていたようで、亜紀ちゃんとテーブルでワイワイ話していた。
斬も士王の隣に座り、何かニコニコと話しているので不思議だ。
あいつと一緒にテレビを観る日が来るとは思ってもいなかった。
大勢がいるので、ロボまで興奮気味だ。
あちこちに歩いて行っては無意味に額をぶつけて回っていた。
8時になり、亜紀ちゃんがテーマソングを歌い、ロボが吼える。
みんなで『虎は孤高に』を大騒ぎで観た。
今回は蓼科部長が院長に就任し、俺が第一外科部部長に選任された回だ。
斎木の麻雀事件が今回のメインとなっていた。
亜紀ちゃんが号泣で、それを見てみんなが笑った。
「タカさん! 最高ですぅー!」
「うるせぇ! 分かったよ!」
「大好きですぅー!」
「わ、わたしもぉー!」
柳が乗っかって来た。
「俺の女房たちの前で言うんじゃねぇ!」
みんなが笑った。
栞が虎蘭の肩を抱いて一緒に笑っていた。
「斬、どうだったよ」
「ああ、なかなか面白かった」
「マジか!」
「なんじゃ!」
「お前、テレビなんか観ないだろう?」
「たまには観る!」
「うっそでぇー!」
「フン!」
何を観たのかと聞くと、恐ろしく古いドラマを口にした。
俺以外誰も知らねぇ。
亜紀ちゃんが早速ブルーレイを渡すと斬に言うと、意外とありがたく受け取ると言いやがった。
本当に観るつもりか。
まあ、分からんが。
でも、こいつは必要ない物は受け取らない人間だったはずだ。
斬はそのまま上に上がって寝た。
士王がついていき、今日は一緒に寝るつもりだ。
斬にも懐く人間がいるのだ。
他の人間は、そのまま地下でのんびりと話した。
栞が楽しそうにみんなと話し、そして俺に言った。
「明日は響子ちゃんが来るんだよね?」
「ああ、よろしくな」
「そういえば、響子ちゃんと一緒に泊まるってあんまり無かったかも?」
「そう言えばそうだなぁ。別荘ではいつも入れ違いだったもんな。ああ、士王を妊娠した時に別荘で一緒だったか」
「うん」
「茜と葵も来るからな」
「あなたの子ども時代の話を聞きたいわ」
「それはいいんだが、保奈美の思い出と繋がってることも多いからよ」
「そっか、気を付けるね」
「まあ、あいつも強い女だ。大丈夫だろう」
「うん」
虎蘭が俺に聞いて来た。
「高虎さん、お願いがあるんですが」
「なんだ?」
「「常世渡理」を見せていただけませんか?」
「ああ、いいぞ」
虎蘭は今回の機会に観ておきたかったのだろう。
剣士として、興味があるようだ。
俺は庭で待っているように言い、俺の部屋から持って行った。
みんなも観たがり、一緒にウッドデッキに出る。
何かを感じたか、上に上がったはずの斬も士王を連れて来た。
ロボももちろん一緒。
「ほら」
虎蘭に手渡した。
2メートル以上の長大な刀剣だ。
「抜いてもいいですか?」
「もちろん構わない。手伝おう」
「いいえ、自分で」
容易く抜ける長さではない。
両手を目一杯広げた長さが、普通は自分の身長になる。
だから普通は2メートルを超える刀身を鞘から抜くことは出来ない。
俺はもちろん出来る。
しかし、虎蘭は鮮やかに鞘を払った。
みんなが感心する。
虎蘭が嘆息した。
「美しい……」
透き通るような青い刀身。
薄刃でありながら儚さは微塵も無い。
凛とした存在感に満ちており、刀身自体が薄く青光を纏っているかに感ずる。
虎蘭は俺を一瞥し、刀身を振った。
シャララン
美しい音色を発し、刀身が瞬く。
そのまま虎蘭は軽く演舞をした。
まるで使い慣れた分身のように、虎蘭は「常世渡理」を操った。
シャララン シャララン ……
舞いながら、虎蘭は空中に跳ぶ。
幽玄の軌跡を見せながら、「常世渡理」が斬り舞う。
斬に肩を抱かれた士王が拍手した。
15分ほどで虎蘭は「常世渡理」をまた見事に鞘に納め、両手で俺に返した。
「素晴らしい物をお借り出来ました」
「やはりお前は美しいな」
「そんな。まだまだ不足なことを刀から教えられました」
「そうか」
虎蘭が熱を帯びた眼差しで俺に言った。
「宜しければ、高虎さんの剣舞を見せていただけませんか?」
「よし」
一瞬で鞘を払い、「常世渡理」と舞った。
地を舞い、空に跳ねてまた舞った。
斬り裂く空間が輝く。
その輝きが美しい軌跡を靡き、紋様を描いて行く。
虎蘭には、ここまでは出来ない。
高速で舞い、俺の周囲に刀身の軌跡で光の珠が映し出されていく。
全員が驚いて見ている。
虎蘭は涙を流していた。
剣舞を終え鞘に戻すと、虎蘭が直立して叫んだ。
「石神家当主! 石神高虎様ぁ! 万歳!」
士王が俺に駆け寄って来た。
俺は虎蘭に「常世渡理」を預けて士王を抱き上げた。
「お父さん! 素晴らしかったです!」
「そうか」
全員が拍手していた。
斬までが笑顔で手を叩いていた。
「おい、御近所迷惑だろう!」
「誰もいませんよ!」
「そうか!」
みんなが笑った。
「斬、お前もやるか?」
「とんでもない。お前の剣を観れば、わしなどは何もできんよ」
「お前が降参すんのかよ!」
「フン!」
いつもは自分もやりたがる子どもたちも、何も言って来なかった。
「じゃあ解散だ。もう寝よう」
ロボが爪を出しているので、そっと宥めて抱き上げた。
ロボは以前に、双子がやっと見つけた正国の同田貫を爪でへし折った。
今日も自慢したいらしい。
こいつ、空気を読まねぇ。
同田貫と同じことはさせねぇ。
ロボは俺に抱かれながら、虎蘭の持つ「常世渡理」に手を伸ばそうとしている。
「勘弁してくれ」
「にゃ」
勘弁してもらった。
また茜と葵がいる。
一緒に『虎は孤高に』を観ていたようだ。
今日は金曜日で放映日なので、そこまで一緒に観るらしい。
遅い時間になるので、俺が許可を出している。
六花がいた時にも、そうやって一緒に観ていたから、問題は無い。
「じゃあ俺はそろそろ帰るな」
「うん! 明日は宜しくね!」
「おう!」
「トラさん、私たちも明日お願いします」
「任せろ!」
三人が笑った。
家に戻り、6時半。
もう亜紀ちゃんがソワソワしていて、速く食事と風呂を済ませろと言う。
「なんだ、このヤロウ!」
「いいから早くぅー!」
笑いながら、ヒラメの煮物を食べる。
亜紀ちゃんが俺の着替えを持って、後ろで待っている。
「ウゼェ!」
「早くぅー!」
「まだ時間はあるだろう!」
「今日は内風呂に入って下さいね」
「お前らは?」
「もう「虎温泉」に入りました!」
「分かったよ!」
斬が声を掛けて来た。
「おい、時間があるならちょっと付き合え」
「斬さん!」
「なんじゃ!」
「時間、無いんです!」
「そうなのか?」
俺もそうだと言った。
斬の鍛錬に付き合うよりもいい。
士王が俺と一緒に入りたくて待っていた。
斬も誘って3人で入った。
7時半には亜紀ちゃんの招集でみんなで地下へ行く。
つまみはもちろん揃っている。
桜花たちも楽しみにしていたようで、亜紀ちゃんとテーブルでワイワイ話していた。
斬も士王の隣に座り、何かニコニコと話しているので不思議だ。
あいつと一緒にテレビを観る日が来るとは思ってもいなかった。
大勢がいるので、ロボまで興奮気味だ。
あちこちに歩いて行っては無意味に額をぶつけて回っていた。
8時になり、亜紀ちゃんがテーマソングを歌い、ロボが吼える。
みんなで『虎は孤高に』を大騒ぎで観た。
今回は蓼科部長が院長に就任し、俺が第一外科部部長に選任された回だ。
斎木の麻雀事件が今回のメインとなっていた。
亜紀ちゃんが号泣で、それを見てみんなが笑った。
「タカさん! 最高ですぅー!」
「うるせぇ! 分かったよ!」
「大好きですぅー!」
「わ、わたしもぉー!」
柳が乗っかって来た。
「俺の女房たちの前で言うんじゃねぇ!」
みんなが笑った。
栞が虎蘭の肩を抱いて一緒に笑っていた。
「斬、どうだったよ」
「ああ、なかなか面白かった」
「マジか!」
「なんじゃ!」
「お前、テレビなんか観ないだろう?」
「たまには観る!」
「うっそでぇー!」
「フン!」
何を観たのかと聞くと、恐ろしく古いドラマを口にした。
俺以外誰も知らねぇ。
亜紀ちゃんが早速ブルーレイを渡すと斬に言うと、意外とありがたく受け取ると言いやがった。
本当に観るつもりか。
まあ、分からんが。
でも、こいつは必要ない物は受け取らない人間だったはずだ。
斬はそのまま上に上がって寝た。
士王がついていき、今日は一緒に寝るつもりだ。
斬にも懐く人間がいるのだ。
他の人間は、そのまま地下でのんびりと話した。
栞が楽しそうにみんなと話し、そして俺に言った。
「明日は響子ちゃんが来るんだよね?」
「ああ、よろしくな」
「そういえば、響子ちゃんと一緒に泊まるってあんまり無かったかも?」
「そう言えばそうだなぁ。別荘ではいつも入れ違いだったもんな。ああ、士王を妊娠した時に別荘で一緒だったか」
「うん」
「茜と葵も来るからな」
「あなたの子ども時代の話を聞きたいわ」
「それはいいんだが、保奈美の思い出と繋がってることも多いからよ」
「そっか、気を付けるね」
「まあ、あいつも強い女だ。大丈夫だろう」
「うん」
虎蘭が俺に聞いて来た。
「高虎さん、お願いがあるんですが」
「なんだ?」
「「常世渡理」を見せていただけませんか?」
「ああ、いいぞ」
虎蘭は今回の機会に観ておきたかったのだろう。
剣士として、興味があるようだ。
俺は庭で待っているように言い、俺の部屋から持って行った。
みんなも観たがり、一緒にウッドデッキに出る。
何かを感じたか、上に上がったはずの斬も士王を連れて来た。
ロボももちろん一緒。
「ほら」
虎蘭に手渡した。
2メートル以上の長大な刀剣だ。
「抜いてもいいですか?」
「もちろん構わない。手伝おう」
「いいえ、自分で」
容易く抜ける長さではない。
両手を目一杯広げた長さが、普通は自分の身長になる。
だから普通は2メートルを超える刀身を鞘から抜くことは出来ない。
俺はもちろん出来る。
しかし、虎蘭は鮮やかに鞘を払った。
みんなが感心する。
虎蘭が嘆息した。
「美しい……」
透き通るような青い刀身。
薄刃でありながら儚さは微塵も無い。
凛とした存在感に満ちており、刀身自体が薄く青光を纏っているかに感ずる。
虎蘭は俺を一瞥し、刀身を振った。
シャララン
美しい音色を発し、刀身が瞬く。
そのまま虎蘭は軽く演舞をした。
まるで使い慣れた分身のように、虎蘭は「常世渡理」を操った。
シャララン シャララン ……
舞いながら、虎蘭は空中に跳ぶ。
幽玄の軌跡を見せながら、「常世渡理」が斬り舞う。
斬に肩を抱かれた士王が拍手した。
15分ほどで虎蘭は「常世渡理」をまた見事に鞘に納め、両手で俺に返した。
「素晴らしい物をお借り出来ました」
「やはりお前は美しいな」
「そんな。まだまだ不足なことを刀から教えられました」
「そうか」
虎蘭が熱を帯びた眼差しで俺に言った。
「宜しければ、高虎さんの剣舞を見せていただけませんか?」
「よし」
一瞬で鞘を払い、「常世渡理」と舞った。
地を舞い、空に跳ねてまた舞った。
斬り裂く空間が輝く。
その輝きが美しい軌跡を靡き、紋様を描いて行く。
虎蘭には、ここまでは出来ない。
高速で舞い、俺の周囲に刀身の軌跡で光の珠が映し出されていく。
全員が驚いて見ている。
虎蘭は涙を流していた。
剣舞を終え鞘に戻すと、虎蘭が直立して叫んだ。
「石神家当主! 石神高虎様ぁ! 万歳!」
士王が俺に駆け寄って来た。
俺は虎蘭に「常世渡理」を預けて士王を抱き上げた。
「お父さん! 素晴らしかったです!」
「そうか」
全員が拍手していた。
斬までが笑顔で手を叩いていた。
「おい、御近所迷惑だろう!」
「誰もいませんよ!」
「そうか!」
みんなが笑った。
「斬、お前もやるか?」
「とんでもない。お前の剣を観れば、わしなどは何もできんよ」
「お前が降参すんのかよ!」
「フン!」
いつもは自分もやりたがる子どもたちも、何も言って来なかった。
「じゃあ解散だ。もう寝よう」
ロボが爪を出しているので、そっと宥めて抱き上げた。
ロボは以前に、双子がやっと見つけた正国の同田貫を爪でへし折った。
今日も自慢したいらしい。
こいつ、空気を読まねぇ。
同田貫と同じことはさせねぇ。
ロボは俺に抱かれながら、虎蘭の持つ「常世渡理」に手を伸ばそうとしている。
「勘弁してくれ」
「にゃ」
勘弁してもらった。
1
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる