2,827 / 3,215
モスクワ侵攻作戦 Ⅸ
しおりを挟む
俺はすぐに地図を拡げ、柏木さんに位置が分かるかを聞いた。
柏木さんはすぐさまに、生存者のいる場所を示す。
十数名が集まっているようだ。
「ルイーサ! 救助にデュールゲリエを出すぞ!」
「好きにしろ。だが我が子どもたちが暴れ回っておる。覚悟せよ」
「分かった!」
俺も行きたかったが、柏木さんの護衛がある。
それに、俺の戦場の予感が強大な敵が近付いてきていることを感じていた。
まだ柏木さんは何も捉えてはいないようだったが。
デュールゲリエ10体が飛んで現場へ向かう。
映像が端末に繋がり、俺と柏木さんでそれを見詰めた。
そして柏木さんが気付いた。
「レジーナ様! 敵襲です!」
柏木さんが叫んだ。
その数秒後に偵察衛星から、「業」の「ゲート」が開いた報告が来た。
どうやら、柏木さんは「霊素観測レーダー」よりも早く、「ゲート」の気配を察することが出来ることが分かった。
《「ゲート」出現を感知。数は312、まだ増えます》
「ルイーサ! 大量の妖魔が来るぞ! 「ゲート」を叩け!」
「もうやっておる」
ルイーサが応え、柏木さんが叫んだ瞬間に。もう指示は行き渡っており、すかさず行動に移っていた。
通信兵は使わず、咄嗟の事態にルイーサの眷族への直接の命令が降っていたようだ。
兵士たちは即座に動き、的確に「ゲート」へ対する反撃行動を始めた。
さすがは「グレイプニル」だ。
ルイーサのために一切の遅滞なく、己の全てがルイーサに捧げられている。
具体的な内容を話す必要もなく、各自が最もルイーサを満足させることを為して行く。
これが「グレイプニル」の強さだ。
これが通常の軍隊であれば指揮官が命じて動くところだ。
指揮官が遅れれば行動も遅れ、万一にも指揮官が躊躇すれば兵士に動揺が広がる。
その点で、「グレイプニル」は石神家に似ている。
石神家も誰が命じずとも、戦場で最適な動きを独自の判断で選択するのだ。
違いは、石神家が敵の撃破を唯一の目的とするのに対し、「グレイプニル」はルイーサを満足させることを目的としていることだ。
ほとんどの場合同じ行動結果となるが、この違いは実は明確な差異となる。
どちらが優れているという問題でもないのだが。
要するに、ルイーサが撃破以外のことを思えば、「グレイプニル」はそのように動くということだ。
だから攻撃の行動ですら、石神家と「グレイプニル」は異なるものになることも多いだろう。
もっとも、ルイーサは俺のために戦ってくれるので、大まかには同じ結果となるだろうが。
俺はそういうことを考えながら、救出に向かったデュールゲリエたちのことを思った。
この妖魔が溢れる中での救出は大丈夫だろうか。
その時、控えていた《マルドゥック》たちが来た。
「レジーナ様、我らも救助に加わらせて頂きたい」
《マルドゥック》が初めて喋った。
俺と蓮花はもちろん声を聞いているが、俺たち以外に話しかけたことはない。
ルイーサも一瞬驚いていたが、すぐににこやかに笑った。
「今は我が僕らが戦っておる。お前たちは邪魔をするな」
「承知しております。しかし、この敵襲の中、デュールゲリエたちだけでは救出は困難かと」
「我が邪魔だと申しておるのだぞ」
ルイーサが激しく威圧した。
彼女の言葉に逆らうことは、何者にも許されないのだ。
生命であろうと機械であろうと、知性を持って存在するものであれば黙り込むしかない強圧だ。
《マルドゥック》たちも威圧の影響は受けたようだが、尚も言葉を続けた。
「お願い申し上げます。何卒レジーナ様の寛大な御心を」
ルイーサが微笑んだ。
やはり試しただけか。
《マルドゥック》に魂があること、そして高い心を持っていることを確かめたのだ。
魂があれば、ルイーサの威圧に気圧されるはずだった。
その上で、《マルドゥック》たちは尚もルイーサに懇願した。
「赦す。存分にやれ」
「感謝を」
どうやらルイーサは、《マルドゥック》に満足したようだった。
共に戦場に並ぶにあたり、兵士として確固とした意志で挑む者を求めているのだ。
決して自分に従順な者ではなく、高い誇りを持つ者を尊ぶ。
そういうルイーサの高貴な心を感ずる。
二体が飛んで行った。
戦場は殲滅戦から反撃への迎撃戦へと移行している。
これが戦場の千変万化だ。
どのような場面でも、勇敢に戦う者だけが勝利する。
この激戦の中で、救助者のことを「グレイプニル」たちは一切構わないだろう。
「ルイーサ、ありがとうな」
「良い。美獣はこういう時も考えてあやつらを連れて来たのだろう」
「バレたか。「グレイプニル」の戦力は1ミリも疑ってはいなかったけどな。こんな地獄でも「人間」やってる奴がいたら、出来るだけ救ってやりたくてな」
「うむ」
ルイーサは俺ではなく、柏木さんを見ていた。
だが何も言わない。
柏木さんもルイーサに手を合わせて頭を下げた。
「レジーナ様、感謝します」
「お前の感謝などはいらん。美獣だけで十分だ。お前はつくづく戦場は似合わんな。しかしお前はそれでも美獣のためにここに立った。天晴なことじゃ」
「はい。石神さんのためであれば、どこにでも。レジーナ様のような偉大で寛大なお方とご一緒であれば、更に感謝を」
「フフフ」
あのルイーサが満足そうに笑った。
柏木さんは、この侵攻作戦で何が行なわれるのかは十分に分かっていた。
だからこそ、ルイーサが自分の希望を聞き入れてくれたことの意味の大きさを理解していた。
「あの者たちも良い。美獣のために戦い、美獣の心を汲もうとしておるな」
「分かるか」
ルイーサはやはり、自分の言葉に臆せずに出撃した《マルドゥック》たちを褒めた。
「ああ。人造生命は何度も見たが、あの者たちのように美しい魂を持つ者たちはかつておらなんだ。美獣、見事な仕事をしたな」
「俺の力じゃないよ。蓮花の愛情と、よく分からん流れが《マルドゥック》やデュールゲリエたちを創ったんだ」
「レンカか。あの者も本当に良いな。また会いたいものじゃ」
「まあ、蓮花は普通の女だからな。こないだ初めて戦場に連れてったんだけど、まあ似合わなかったよ」
俺は笑って蓮花の強化外骨格をスマホでルイーサに見せた。
「ワハハハハ! これは良いな!」
「カワイイだろ!」
「うむ、確かに戦場には似合わん。せいぜい守ってやるが良い」
「ああ」
「ゲート」を攻撃してはいたが、膨大な数であるために妖魔が大量にモスクワに未知ていた。
しかし、俺たちは戦況に全く不安を抱いてはいなかった。
出現した「ゲート」に対し、「グレイプニル」たちが一斉に《異界魔導》で攻撃している。
「ゲート」が次々に消滅していくのが見えた。
《異界魔導》に「ゲート」そのものを消す力があることに、俺は驚いた。
やはり《異界魔導》は「魔法陣」に匹敵する。
但し、次々に「ゲート」が出現するために、妖魔が市街へ噴出して来る。
しかしそれに対しても、「グレイプニル」が即座に殲滅していく。
恐らく前線指揮官の命令だろうが、すぐに「ゲート」を潰す役と妖魔を殲滅する役のツーマンセルになり、一層効率的に迎撃して行った。
目まぐるしく激変する戦場を、「グレイプニル」は見事に抑え込み、《マルドゥック》たちが踏破していく。
実力だけの話ではない。
ルイーサへの美しい忠誠と、《マルドゥック》たちの愛が駆け巡っているのだ。
残酷な戦場に、美しいものが靡いて行った。
柏木さんはすぐさまに、生存者のいる場所を示す。
十数名が集まっているようだ。
「ルイーサ! 救助にデュールゲリエを出すぞ!」
「好きにしろ。だが我が子どもたちが暴れ回っておる。覚悟せよ」
「分かった!」
俺も行きたかったが、柏木さんの護衛がある。
それに、俺の戦場の予感が強大な敵が近付いてきていることを感じていた。
まだ柏木さんは何も捉えてはいないようだったが。
デュールゲリエ10体が飛んで現場へ向かう。
映像が端末に繋がり、俺と柏木さんでそれを見詰めた。
そして柏木さんが気付いた。
「レジーナ様! 敵襲です!」
柏木さんが叫んだ。
その数秒後に偵察衛星から、「業」の「ゲート」が開いた報告が来た。
どうやら、柏木さんは「霊素観測レーダー」よりも早く、「ゲート」の気配を察することが出来ることが分かった。
《「ゲート」出現を感知。数は312、まだ増えます》
「ルイーサ! 大量の妖魔が来るぞ! 「ゲート」を叩け!」
「もうやっておる」
ルイーサが応え、柏木さんが叫んだ瞬間に。もう指示は行き渡っており、すかさず行動に移っていた。
通信兵は使わず、咄嗟の事態にルイーサの眷族への直接の命令が降っていたようだ。
兵士たちは即座に動き、的確に「ゲート」へ対する反撃行動を始めた。
さすがは「グレイプニル」だ。
ルイーサのために一切の遅滞なく、己の全てがルイーサに捧げられている。
具体的な内容を話す必要もなく、各自が最もルイーサを満足させることを為して行く。
これが「グレイプニル」の強さだ。
これが通常の軍隊であれば指揮官が命じて動くところだ。
指揮官が遅れれば行動も遅れ、万一にも指揮官が躊躇すれば兵士に動揺が広がる。
その点で、「グレイプニル」は石神家に似ている。
石神家も誰が命じずとも、戦場で最適な動きを独自の判断で選択するのだ。
違いは、石神家が敵の撃破を唯一の目的とするのに対し、「グレイプニル」はルイーサを満足させることを目的としていることだ。
ほとんどの場合同じ行動結果となるが、この違いは実は明確な差異となる。
どちらが優れているという問題でもないのだが。
要するに、ルイーサが撃破以外のことを思えば、「グレイプニル」はそのように動くということだ。
だから攻撃の行動ですら、石神家と「グレイプニル」は異なるものになることも多いだろう。
もっとも、ルイーサは俺のために戦ってくれるので、大まかには同じ結果となるだろうが。
俺はそういうことを考えながら、救出に向かったデュールゲリエたちのことを思った。
この妖魔が溢れる中での救出は大丈夫だろうか。
その時、控えていた《マルドゥック》たちが来た。
「レジーナ様、我らも救助に加わらせて頂きたい」
《マルドゥック》が初めて喋った。
俺と蓮花はもちろん声を聞いているが、俺たち以外に話しかけたことはない。
ルイーサも一瞬驚いていたが、すぐににこやかに笑った。
「今は我が僕らが戦っておる。お前たちは邪魔をするな」
「承知しております。しかし、この敵襲の中、デュールゲリエたちだけでは救出は困難かと」
「我が邪魔だと申しておるのだぞ」
ルイーサが激しく威圧した。
彼女の言葉に逆らうことは、何者にも許されないのだ。
生命であろうと機械であろうと、知性を持って存在するものであれば黙り込むしかない強圧だ。
《マルドゥック》たちも威圧の影響は受けたようだが、尚も言葉を続けた。
「お願い申し上げます。何卒レジーナ様の寛大な御心を」
ルイーサが微笑んだ。
やはり試しただけか。
《マルドゥック》に魂があること、そして高い心を持っていることを確かめたのだ。
魂があれば、ルイーサの威圧に気圧されるはずだった。
その上で、《マルドゥック》たちは尚もルイーサに懇願した。
「赦す。存分にやれ」
「感謝を」
どうやらルイーサは、《マルドゥック》に満足したようだった。
共に戦場に並ぶにあたり、兵士として確固とした意志で挑む者を求めているのだ。
決して自分に従順な者ではなく、高い誇りを持つ者を尊ぶ。
そういうルイーサの高貴な心を感ずる。
二体が飛んで行った。
戦場は殲滅戦から反撃への迎撃戦へと移行している。
これが戦場の千変万化だ。
どのような場面でも、勇敢に戦う者だけが勝利する。
この激戦の中で、救助者のことを「グレイプニル」たちは一切構わないだろう。
「ルイーサ、ありがとうな」
「良い。美獣はこういう時も考えてあやつらを連れて来たのだろう」
「バレたか。「グレイプニル」の戦力は1ミリも疑ってはいなかったけどな。こんな地獄でも「人間」やってる奴がいたら、出来るだけ救ってやりたくてな」
「うむ」
ルイーサは俺ではなく、柏木さんを見ていた。
だが何も言わない。
柏木さんもルイーサに手を合わせて頭を下げた。
「レジーナ様、感謝します」
「お前の感謝などはいらん。美獣だけで十分だ。お前はつくづく戦場は似合わんな。しかしお前はそれでも美獣のためにここに立った。天晴なことじゃ」
「はい。石神さんのためであれば、どこにでも。レジーナ様のような偉大で寛大なお方とご一緒であれば、更に感謝を」
「フフフ」
あのルイーサが満足そうに笑った。
柏木さんは、この侵攻作戦で何が行なわれるのかは十分に分かっていた。
だからこそ、ルイーサが自分の希望を聞き入れてくれたことの意味の大きさを理解していた。
「あの者たちも良い。美獣のために戦い、美獣の心を汲もうとしておるな」
「分かるか」
ルイーサはやはり、自分の言葉に臆せずに出撃した《マルドゥック》たちを褒めた。
「ああ。人造生命は何度も見たが、あの者たちのように美しい魂を持つ者たちはかつておらなんだ。美獣、見事な仕事をしたな」
「俺の力じゃないよ。蓮花の愛情と、よく分からん流れが《マルドゥック》やデュールゲリエたちを創ったんだ」
「レンカか。あの者も本当に良いな。また会いたいものじゃ」
「まあ、蓮花は普通の女だからな。こないだ初めて戦場に連れてったんだけど、まあ似合わなかったよ」
俺は笑って蓮花の強化外骨格をスマホでルイーサに見せた。
「ワハハハハ! これは良いな!」
「カワイイだろ!」
「うむ、確かに戦場には似合わん。せいぜい守ってやるが良い」
「ああ」
「ゲート」を攻撃してはいたが、膨大な数であるために妖魔が大量にモスクワに未知ていた。
しかし、俺たちは戦況に全く不安を抱いてはいなかった。
出現した「ゲート」に対し、「グレイプニル」たちが一斉に《異界魔導》で攻撃している。
「ゲート」が次々に消滅していくのが見えた。
《異界魔導》に「ゲート」そのものを消す力があることに、俺は驚いた。
やはり《異界魔導》は「魔法陣」に匹敵する。
但し、次々に「ゲート」が出現するために、妖魔が市街へ噴出して来る。
しかしそれに対しても、「グレイプニル」が即座に殲滅していく。
恐らく前線指揮官の命令だろうが、すぐに「ゲート」を潰す役と妖魔を殲滅する役のツーマンセルになり、一層効率的に迎撃して行った。
目まぐるしく激変する戦場を、「グレイプニル」は見事に抑え込み、《マルドゥック》たちが踏破していく。
実力だけの話ではない。
ルイーサへの美しい忠誠と、《マルドゥック》たちの愛が駆け巡っているのだ。
残酷な戦場に、美しいものが靡いて行った。
1
あなたにおすすめの小説
付喪神狩
やまだごんた
キャラ文芸
古い道具には年月と共に人の情念が蓄積され、それが意思を持ったものが付喪神と呼ばれる。
容姿端麗だが口も性格も女癖も悪い大和御門は日本で唯一の付喪神狩として、付喪神を祓う能力者。
自分に取り憑いた大口真神を引き連れ、同居中の相方・棚橋亨と繰り広げる現代異能バトル
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる