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みんなで真冬の別荘 X
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「こないだ風花が偶然に東門から話を聞いてな。それですぐに俺に連絡してきた。まあ、いい話だったからな」
「そうなんですか! 本当に素晴らしい二人ですね!」
亜紀ちゃんがニコニコしている。
力を合わせる兄妹のことが大好きになったのだろう。
「子どもながらによ、他の人間を逃がすために戦おうなんてなぁ。しかもちゃんといろいろ考えて有効な方法を見出した」
「白い襷を巻いてなんていいですよね!」
「そうだよな。自分たちを犠牲にしてなんて、なかなか思いつくことじゃねぇ。最高の二人だよ」
「はいはい!」
強い力を持てば戦うことは出来る。
ここにいる全員がそうだ。
しかし、そうでない人間もいるし、敵が圧倒的に強いこともある。
その時にも諦めずに何とかしようとする人間こそが、真に強い人間だと俺は思う。
人間の「崇高」はそこにある。
自己犠牲だ。
葉佩兄妹は、しかも会ったばかりの何の関わりも無い連中のために自分たちが犠牲になろうとした。
「俺が「ハイドラ」に欲しいのは、まさしく数馬と花咲里のような人間だ。戦場では予測できない事態が多々起きる。そうした時に何とかする人間だ。だから二人に話して「ハイドラ」に入ってもらうことになった。
亜紀ちゃんが喜び、他の全員が喜んだ。
「タカさん、どうして数馬さんと花咲里さんはそんなに勇気があったんでしょうか?」
皇紀が聞いて来た。
もっともな疑問だ。
普通の子どもでは決して持ち得ない勇気だ。
「あの二人はな、幼い頃に両親を殺されているんだ。まあ、今でいう通り魔殺人でな。突然包丁で襲われたらしい」
「そんな……」
「その時にな、父親が楯になって逃がそうとし、母親は犯人に追い詰められた時に自分たちに覆い被さって刺されて死んだ。母親は「絶対に守るから」と言いながら何十回も刺された」
「……」
皇紀も他の人間もショックを受けていた。
「だからな、二人は絶対に諦めることを考えない。自分たちの命は、そういう両親から与えられ守られたものなんだと心に刻んだ。だからどんな状況でも最後まで諦めないで誰かを助けることを考える。そんな人間になっていったんだよ」
「強いですね」
「そうだ。それが本当の強さだ。当時の二人には何の力も無かった。最初に角材をぶちこんだのも、運が良かっただけだ。諦めない二人が準備し、勇気を奮ったお陰だな。風花から話を聞いて、俺はすぐに二人に会って「ハイドラ」の話をした。数馬も花咲里もその場で入隊を希望してくれたよ。今はもう石神家本家に行って、馬込と一緒に鍛錬している」
「そうなんですか!」
「それとな、これは葉佩兄妹から聞いたわけじゃないんだけどな」
「なんですか?」
「あの時、全員が攫われて来た子どもたちであることは分かっていた。だからな、両親のもとへ帰してやりたかったんだと思うぞ」
「!」
「自分たちが親を喪った悲しみをしっているからな。だから絶対に帰してやろうと。それが二人が襷をかけた理由だろうよ。自分たちを犠牲にしてなんとしても他の子どもたちを、とな」
皇紀と風花が涙を零した。
近くにいながら、人間というものの深さは計り知れないものだ。
本当のその人間は、なかなか分からない。
響子が襷を知らず、六花に聞いていた。
六花は上手く説明出来ない。
麗星が自分の浴衣の帯を解いて、実際に響子に結んでやった。
「分かった! ありがとう!」
「いいえ」
「昔は日本人は着物だったからな。着付けが乱れないように、また女性などは袖が邪魔にならないように、そういうもので固定したんだよ」
「なるほどー」
響子が気に入ったのだが、麗星の下着が見えるので六花が笑って解いた。
「なんか背筋が伸びた気がした!」
「まあ、そういう効果もあるよな。お前、ちょっと猫背だしな」
「そんなことないよ!」
響子は長身になって来たが腹筋も背筋も弱いので、実際に多少猫背だ。
「タカさん、他の「ハイドラ」のメンバーは決まったの?」
馬込を気にしているハーが俺に聞いて来た。
「まあ、全員では無いけどな。工兵のプロフェッショナル、大学で地理学を納めた者、それに数学、歴史学、社会学の専門家、軍事史の研究家や様々な専門家が集まった。実際の戦力はマンロウ千鶴と御坂が率いていたアーチェリー部と剣道部の連中も入っている」
「そうなんだ!」
「学者連中も「虎」の軍に希望して来た人間たちで、今はそいつらアラスカで戦闘訓練もしている。「ハイドラ」に入ることは納得して、必死に頑張ってるよ。千鶴と御坂の後輩たちも石神家本家に行っている。あいつらは本格的に即戦力になるからな」
「え! 私たちも石神家に行っていい?」
「もちろんだ。どういう奴らか見て来いよ。お前らも「ハイドラ」には万一の場合には援助に行ってもらいたいしな」
「「うん!」」
ルーとハーが喜んだ。
「馬込がまだ16歳だからな。部隊も若い連中が多い。何人か古参兵もいるけどな」
虎蘭が俺に聞いて来た。
虎蘭は実際に石神家本家で千鶴たちを見ている。
「高虎さん、その「ハイドラ」は戦闘力以上に柔軟な発想を求めているんですよね?」
「そういうことだ。基本的に「花岡」を身に付ければ大層なことが出来る。それはアラスカで千石が仕上げてくれる。それ以上の戦力は石神家本家に行った連中が持ってくれるしな。まあそれでも馬込が最強になるかな」
「そうですか。頭の良さの部隊でもあるんですね」
「ああ、そういうこともあるなぁ。実際にさ、知能指数のテストもしてみたんだよ。平均で140以上にもなった」
みんなが驚いた。
ビネー式で行なったものだが、その数値は天才の領域を示している。
もちろん知能テストにでは真の優秀性を確定するものでは無く、ある意味での仮説の尺度の一つに過ぎない。
しかし、揃ってその数値が出るのは異常なことだ。
「別に知能指数を元に選んだ連中ではないんだよ。後からテストしたらそうだったというだけでな」
「へぇー! でも、みんなそんな頭がよくっちゃ、馬込も大変だね」
「あいつバカだもんね」
俺は笑ってそういう双子の頭を撫でた。
「それがよ、もちろん馬込にもテストしたんだ」
「うん」
「あいつ、240の数値を出した」
『エェーーーー!』
みんなが驚いた。
馬込の数値は、知能指数の世界ランキングに入るほどの数値だ。
「な、驚いたよな!」
「タカさん、本当なの!」
「まあな。でも知能指数が人間の頭の良さの全てじゃねぇ。それでもなぁ、びっくりだぜ」
「あいつ、そんな奴だったかー」
「バカなのにね」
「ワハハハハハハハハハハ!」
みんなも笑った。
「何よりもあいつの良さはガッツがあるのと仲間思いの心だ。でも、まったく楽しみな部隊になりそうだな」
「「うん!」」
双子も喜んだ。
ちなみに葉佩兄妹も200近いと言うと、双子がすぐに会いたいと言った。
、まあ、双子であれば石神家は自由に出入り出来る。
また楽しく話してから解散した。
桜花たちにはゆっくりと飲めといい、普段はあまり持てない三人の時間を過ごさせた。
「そうなんですか! 本当に素晴らしい二人ですね!」
亜紀ちゃんがニコニコしている。
力を合わせる兄妹のことが大好きになったのだろう。
「子どもながらによ、他の人間を逃がすために戦おうなんてなぁ。しかもちゃんといろいろ考えて有効な方法を見出した」
「白い襷を巻いてなんていいですよね!」
「そうだよな。自分たちを犠牲にしてなんて、なかなか思いつくことじゃねぇ。最高の二人だよ」
「はいはい!」
強い力を持てば戦うことは出来る。
ここにいる全員がそうだ。
しかし、そうでない人間もいるし、敵が圧倒的に強いこともある。
その時にも諦めずに何とかしようとする人間こそが、真に強い人間だと俺は思う。
人間の「崇高」はそこにある。
自己犠牲だ。
葉佩兄妹は、しかも会ったばかりの何の関わりも無い連中のために自分たちが犠牲になろうとした。
「俺が「ハイドラ」に欲しいのは、まさしく数馬と花咲里のような人間だ。戦場では予測できない事態が多々起きる。そうした時に何とかする人間だ。だから二人に話して「ハイドラ」に入ってもらうことになった。
亜紀ちゃんが喜び、他の全員が喜んだ。
「タカさん、どうして数馬さんと花咲里さんはそんなに勇気があったんでしょうか?」
皇紀が聞いて来た。
もっともな疑問だ。
普通の子どもでは決して持ち得ない勇気だ。
「あの二人はな、幼い頃に両親を殺されているんだ。まあ、今でいう通り魔殺人でな。突然包丁で襲われたらしい」
「そんな……」
「その時にな、父親が楯になって逃がそうとし、母親は犯人に追い詰められた時に自分たちに覆い被さって刺されて死んだ。母親は「絶対に守るから」と言いながら何十回も刺された」
「……」
皇紀も他の人間もショックを受けていた。
「だからな、二人は絶対に諦めることを考えない。自分たちの命は、そういう両親から与えられ守られたものなんだと心に刻んだ。だからどんな状況でも最後まで諦めないで誰かを助けることを考える。そんな人間になっていったんだよ」
「強いですね」
「そうだ。それが本当の強さだ。当時の二人には何の力も無かった。最初に角材をぶちこんだのも、運が良かっただけだ。諦めない二人が準備し、勇気を奮ったお陰だな。風花から話を聞いて、俺はすぐに二人に会って「ハイドラ」の話をした。数馬も花咲里もその場で入隊を希望してくれたよ。今はもう石神家本家に行って、馬込と一緒に鍛錬している」
「そうなんですか!」
「それとな、これは葉佩兄妹から聞いたわけじゃないんだけどな」
「なんですか?」
「あの時、全員が攫われて来た子どもたちであることは分かっていた。だからな、両親のもとへ帰してやりたかったんだと思うぞ」
「!」
「自分たちが親を喪った悲しみをしっているからな。だから絶対に帰してやろうと。それが二人が襷をかけた理由だろうよ。自分たちを犠牲にしてなんとしても他の子どもたちを、とな」
皇紀と風花が涙を零した。
近くにいながら、人間というものの深さは計り知れないものだ。
本当のその人間は、なかなか分からない。
響子が襷を知らず、六花に聞いていた。
六花は上手く説明出来ない。
麗星が自分の浴衣の帯を解いて、実際に響子に結んでやった。
「分かった! ありがとう!」
「いいえ」
「昔は日本人は着物だったからな。着付けが乱れないように、また女性などは袖が邪魔にならないように、そういうもので固定したんだよ」
「なるほどー」
響子が気に入ったのだが、麗星の下着が見えるので六花が笑って解いた。
「なんか背筋が伸びた気がした!」
「まあ、そういう効果もあるよな。お前、ちょっと猫背だしな」
「そんなことないよ!」
響子は長身になって来たが腹筋も背筋も弱いので、実際に多少猫背だ。
「タカさん、他の「ハイドラ」のメンバーは決まったの?」
馬込を気にしているハーが俺に聞いて来た。
「まあ、全員では無いけどな。工兵のプロフェッショナル、大学で地理学を納めた者、それに数学、歴史学、社会学の専門家、軍事史の研究家や様々な専門家が集まった。実際の戦力はマンロウ千鶴と御坂が率いていたアーチェリー部と剣道部の連中も入っている」
「そうなんだ!」
「学者連中も「虎」の軍に希望して来た人間たちで、今はそいつらアラスカで戦闘訓練もしている。「ハイドラ」に入ることは納得して、必死に頑張ってるよ。千鶴と御坂の後輩たちも石神家本家に行っている。あいつらは本格的に即戦力になるからな」
「え! 私たちも石神家に行っていい?」
「もちろんだ。どういう奴らか見て来いよ。お前らも「ハイドラ」には万一の場合には援助に行ってもらいたいしな」
「「うん!」」
ルーとハーが喜んだ。
「馬込がまだ16歳だからな。部隊も若い連中が多い。何人か古参兵もいるけどな」
虎蘭が俺に聞いて来た。
虎蘭は実際に石神家本家で千鶴たちを見ている。
「高虎さん、その「ハイドラ」は戦闘力以上に柔軟な発想を求めているんですよね?」
「そういうことだ。基本的に「花岡」を身に付ければ大層なことが出来る。それはアラスカで千石が仕上げてくれる。それ以上の戦力は石神家本家に行った連中が持ってくれるしな。まあそれでも馬込が最強になるかな」
「そうですか。頭の良さの部隊でもあるんですね」
「ああ、そういうこともあるなぁ。実際にさ、知能指数のテストもしてみたんだよ。平均で140以上にもなった」
みんなが驚いた。
ビネー式で行なったものだが、その数値は天才の領域を示している。
もちろん知能テストにでは真の優秀性を確定するものでは無く、ある意味での仮説の尺度の一つに過ぎない。
しかし、揃ってその数値が出るのは異常なことだ。
「別に知能指数を元に選んだ連中ではないんだよ。後からテストしたらそうだったというだけでな」
「へぇー! でも、みんなそんな頭がよくっちゃ、馬込も大変だね」
「あいつバカだもんね」
俺は笑ってそういう双子の頭を撫でた。
「それがよ、もちろん馬込にもテストしたんだ」
「うん」
「あいつ、240の数値を出した」
『エェーーーー!』
みんなが驚いた。
馬込の数値は、知能指数の世界ランキングに入るほどの数値だ。
「な、驚いたよな!」
「タカさん、本当なの!」
「まあな。でも知能指数が人間の頭の良さの全てじゃねぇ。それでもなぁ、びっくりだぜ」
「あいつ、そんな奴だったかー」
「バカなのにね」
「ワハハハハハハハハハハ!」
みんなも笑った。
「何よりもあいつの良さはガッツがあるのと仲間思いの心だ。でも、まったく楽しみな部隊になりそうだな」
「「うん!」」
双子も喜んだ。
ちなみに葉佩兄妹も200近いと言うと、双子がすぐに会いたいと言った。
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