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第四部
37 エレナ毒花令嬢のお茶会に誘われる
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毎日のように孤児院への慰問だなんだとユーゴに引っ張り回されている。さすがに毎日女神様の格好はつらいので普通に貴族のご令嬢の慰問らしい格好にさせてもらう。
子どもたちは女神様の格好をしていなくても懐いてくれたままだ。
慰問以外にも領地で行う新事業に関するあれやこれやがあるからとお兄様にあちこちに駆り出されている。
今まで毎日のように王宮に出仕していたのに、随分と行っていない。
まあ、殿下の悪評高いかりそめの婚約者だと役人たちにバレてしまった手前、もう行きにくいんだけど。
しばらく殿下にもお会いしていない。
殿下は王宮でまた山積みの書類に埋もれているのかしら。
感じが悪い文書係の役人たちは相変わらず仕事をろくにしていないと思うけど、一緒に仕事をしてくれていたリリィさんはじめ女官たちなら、書類を殿下一人に押し付けずにきちんと適切な割り振りを続けてくれているはず。
それなら少しでも殿下の役に立てた気持ちになれる。
ああ、それとも、イスファーン王国との貿易について決める事はもうないし、王宮に籠って仕事はしなくてよくなったのかしら。
いまは王立学園に通われているのかな?
お兄様に尋ねても「僕の考えがあってればそろそろ会えると思うんだよね」とか適当なことを言っていて、殿下が何をしてるのか教えてくれない。
そんななんだか振り回されつつも充実して、でもちょっとだけ空しい日々を過ごしているわたしに一通の手紙が届いた。
殿下付きの秘書官になられたステファン様の婚約者であるネリーネ様からのお誘いだ。
趣味はとんでもなく派手だけど、上質なものをご存知のネリーネ様は常連の服飾店から針子が独立して店を出すのに出資するらしい。
お店のご紹介を兼ねてお茶会でもしませんかとのことだった。
トワイン領の新事業に出資してもらう兼ね合いで、わたしたちはすでに何度もお互いにお茶会と称して招待しあっている。
ネリーネ様から女性実業家の方を紹介していただいたり、わたしがネリーネ様をお誘いする時は、シーワード公爵家のコーデリア様たちや大手商会の若奥様としてメアリさんも招待してご紹介していた。
今日開かれるお茶会は、ネリーネ様の他にコーデリア様やメアリさん、一緒に騎士候補たちの練習を見に行っていたベリンダさんとミンディさんがいらっしゃる。
王立学園に殿下がいらしているのかはコーデリア様たちがご存知なはずだし、仮に王立学園に通われてなかった場合、まだ王宮の出仕を続けているメアリさんが何か情報をご存知かもしれない。
それにネリーネ様にお願いすればステファン様に殿下の情報が手に入るかも。
わたしは邪な思いも持ちつつ、皆さんにお会いするのを楽しみにしていた。
「まあ! ドレスの型から依頼主に合わせて新しいものをデザインするなんて可能なんですの?」
コーデリア様は前のめりになる。
もうすぐダスティン様との結婚を控えているコーデリア様は、挨拶のためパーティーを何度も開くことになっているそうで目新しいドレスは話題作りにもなると興味津々だ。
ミンディさんやメアリさんも結婚後に着るドレスの新調を考えていたとのことで目録片手に盛り上がっている。
「大人っぽいドレスばかりね。わたしにはまだ早そうだわ」
顔を赤らめたベリンダさんは渡された目録を閉じた。
今日見本に持って来てくださった目録はネリーネ様に合わせて描かれたデザイン画だ。
いつもの派手なドレスとは違ってちょっぴり色っぽい感じで大人っぽい。
エレナも童顔だけどベリンダさんもどちらかというと丸顔系で、大人っぽいドレスよりも可愛らしいデザインの方が似合いそう。
「あら、キリアン様にアピールするなら大人っぽいのもいいと思うけれど」
「やっやだもう! メアリさんったら!」
憧れの名前に反応してベリンダさんは声を上げた。バチンッと大きな音が響きメアリさんは背中をさする。
王立学園で一緒にお話ししていた時を思い出して、つい笑ってしまう。
「よかったですわ! エレナ様がお元気そうで!」
なぜか泣きそうな顔のネリーネ様は、そう言ってわたしの手を握った。
子どもたちは女神様の格好をしていなくても懐いてくれたままだ。
慰問以外にも領地で行う新事業に関するあれやこれやがあるからとお兄様にあちこちに駆り出されている。
今まで毎日のように王宮に出仕していたのに、随分と行っていない。
まあ、殿下の悪評高いかりそめの婚約者だと役人たちにバレてしまった手前、もう行きにくいんだけど。
しばらく殿下にもお会いしていない。
殿下は王宮でまた山積みの書類に埋もれているのかしら。
感じが悪い文書係の役人たちは相変わらず仕事をろくにしていないと思うけど、一緒に仕事をしてくれていたリリィさんはじめ女官たちなら、書類を殿下一人に押し付けずにきちんと適切な割り振りを続けてくれているはず。
それなら少しでも殿下の役に立てた気持ちになれる。
ああ、それとも、イスファーン王国との貿易について決める事はもうないし、王宮に籠って仕事はしなくてよくなったのかしら。
いまは王立学園に通われているのかな?
お兄様に尋ねても「僕の考えがあってればそろそろ会えると思うんだよね」とか適当なことを言っていて、殿下が何をしてるのか教えてくれない。
そんななんだか振り回されつつも充実して、でもちょっとだけ空しい日々を過ごしているわたしに一通の手紙が届いた。
殿下付きの秘書官になられたステファン様の婚約者であるネリーネ様からのお誘いだ。
趣味はとんでもなく派手だけど、上質なものをご存知のネリーネ様は常連の服飾店から針子が独立して店を出すのに出資するらしい。
お店のご紹介を兼ねてお茶会でもしませんかとのことだった。
トワイン領の新事業に出資してもらう兼ね合いで、わたしたちはすでに何度もお互いにお茶会と称して招待しあっている。
ネリーネ様から女性実業家の方を紹介していただいたり、わたしがネリーネ様をお誘いする時は、シーワード公爵家のコーデリア様たちや大手商会の若奥様としてメアリさんも招待してご紹介していた。
今日開かれるお茶会は、ネリーネ様の他にコーデリア様やメアリさん、一緒に騎士候補たちの練習を見に行っていたベリンダさんとミンディさんがいらっしゃる。
王立学園に殿下がいらしているのかはコーデリア様たちがご存知なはずだし、仮に王立学園に通われてなかった場合、まだ王宮の出仕を続けているメアリさんが何か情報をご存知かもしれない。
それにネリーネ様にお願いすればステファン様に殿下の情報が手に入るかも。
わたしは邪な思いも持ちつつ、皆さんにお会いするのを楽しみにしていた。
「まあ! ドレスの型から依頼主に合わせて新しいものをデザインするなんて可能なんですの?」
コーデリア様は前のめりになる。
もうすぐダスティン様との結婚を控えているコーデリア様は、挨拶のためパーティーを何度も開くことになっているそうで目新しいドレスは話題作りにもなると興味津々だ。
ミンディさんやメアリさんも結婚後に着るドレスの新調を考えていたとのことで目録片手に盛り上がっている。
「大人っぽいドレスばかりね。わたしにはまだ早そうだわ」
顔を赤らめたベリンダさんは渡された目録を閉じた。
今日見本に持って来てくださった目録はネリーネ様に合わせて描かれたデザイン画だ。
いつもの派手なドレスとは違ってちょっぴり色っぽい感じで大人っぽい。
エレナも童顔だけどベリンダさんもどちらかというと丸顔系で、大人っぽいドレスよりも可愛らしいデザインの方が似合いそう。
「あら、キリアン様にアピールするなら大人っぽいのもいいと思うけれど」
「やっやだもう! メアリさんったら!」
憧れの名前に反応してベリンダさんは声を上げた。バチンッと大きな音が響きメアリさんは背中をさする。
王立学園で一緒にお話ししていた時を思い出して、つい笑ってしまう。
「よかったですわ! エレナ様がお元気そうで!」
なぜか泣きそうな顔のネリーネ様は、そう言ってわたしの手を握った。
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