216 / 276
第五部
10 エレナ、久しぶりに訓練に顔を出す
しおりを挟む
訓練の喧騒の中に立つ絶世のイケメンは肩当てや胸当てといった簡易防具を身にまとっていた。
殿下は王立学園にいらっしゃる時は騎士を志す生徒たちと授業を共にしてらっしゃるからか、しっかりとした身体つきをしていて体躯のいい男子生徒に囲まれていても見劣りしない。
むしろ背も高くて姿勢もいいから目立っていた。
前にお兄様が無理やり参加させられていた時はガタイのいい輩に囲まれて圧倒的ヒロイン感が拭えなかったけど、殿下はどんな場所でも圧倒的ヒーロー感に溢れている。
わたしはメアリさんと共にご令嬢達が場所取りをしている見学スペースの一角に向かう。
今日の殿下はキラキラとした淡い金色の髪を無造作にまとめている。前髪が邪魔だからか後ろに手櫛で撫でつけられた髪型は正装の時の櫛で丁寧に撫でつけられた髪型の素敵さとまた違った素敵さ。
髪をまとめるリボンは、アイラン様に刺繍を教えていた時に見本で大量に作ったもののうちの一本だった。
お兄様に「ちょうだい」と言われてあげたけど……
なんで殿下の手に渡っているの?
リボンを凝視する。
視線に気がついたのか殿下がこちらを振り返った。
「エレナ!」
凛としたよく通る声。わたしに向かって大きく振る手。
わたしは赤くなった顔を隠すように下を向くと殿下のいらっしゃった方向に手を振って応える。
その瞬間女生徒達の断末魔のような悲鳴が鳴り響いた。
わたしは向けられる視線を背中に感じ、顔を上げる勇気はない。
嫌われ者のくせに。
口にはしなくても、周りのご令嬢達がそう思っているのは想像に難くない。
「殿下に手を振るなんて図々しい振る舞いをしてしまったわ」
「なんでですか? 王太子様、めちゃくちゃ嬉しそうでしたよ」
口から漏れた呟きにメアリさんがフォローしてくれる。
「でも、やり過ぎたわ。周りの目が……」
「確かに」
メアリさんはキョロキョロと周りを見回すと肯定した。
「わたしは、悪名高い婚約者でしかないのだから、きちんと自覚して振る舞わなくてはいけないのに」
「は? マジで言ってます?」
呆れ果てたような声にわたしは顔を上げる。
「マジだけど、どうして?」
「さっきの授業でご令嬢達に囲まれたのにまだそんなこと言ってるんですか? ファンサし過ぎたみたいな話かと思いました」
「ファンサな訳ないじゃない。皆さん事実確認をされていただけでしょう? わきまえなくてはいけないのよ」
「信じらんない……」
呆れたような顔が、より残念なものを見る目に変わる。
そうよね。メアリさんはわたしが王太子妃になると信じて侍女になろうとしてくれているのに、わたしがまだ悪名高い婚約者のままだなんて信じたくないはずよ。
一緒に噂を覆そうと言ってくださった殿下には悪いけど、そんな簡単に悪い噂なんて覆らない。
だからっていつまでも下を向いていてはいけないわ。
わたしは前を向いた。
***
「──訓練はここまで!」
ルーセント少尉の声が響く。
殿下は手合わせをしていたダスティン様に声をかけると、輝かしい笑みを浮かべてこちらに向かってきた。
キラキラ眩しすぎて目が潰れそう。
「私の応援に来てくれたのかな?」
周りのご令嬢たちからギラギラとした視線を向けられているのに、殿下は周りが見えていらっしゃらないのか見えていても無視する気なのかわたしに向かってウィンクをした。
流れ弾を食らったご令嬢の何人かが地面に座り込んだり胸を押さえている。
わたしも胸をギュッと押さえる。もちろんカッコイイのドキドキもあるけれど、心苦し過ぎる。
「あ、いえ、いつも頑張っていらっしゃるスピカさんたちの応援をしに来ましたの」
「……そうか」
わたしがそう言って逃げ腰になると、殿下の周りからキラキラのエフェクトが半減し、どこからかじめっとした肌にまとわりつくような陰湿な空気が流れてきたように感じる。
「えっと、もちろん、殿下の応援もしておりますわ。ルーセント少尉を王立学園に派遣されたのは殿下でいらっしゃいますものね。騎士を目指すものたちからは実践的な訓練だと好評を博していると聞いております」
陰湿な空気に負けないように、取り繕って明るく振る舞う。
「誰から聞いたんだい?」
「ここにいる皆さんが口を揃えておっしゃってます」
「エレナはここにいる者たちとよく話すのかい」
「はい! 差し入れをお渡しするのでその時によく話していただいてます」
殿下は品定めするように周りを見渡す。男子生徒たちはその視線に縮こまり、わたしの隣ではメアリさんが必死に首を振っていた。
「へぇ。差し入れね」
「そうだわ! 皆さんに差し入れを配ってますので殿下もいかがですか?」
わたしは殿下に渡すために自分のカゴから一つ胡桃のケーキを手に取る。
メアリさんは慌てるようにわたしからカゴを奪って「いつも通りわたしが皆さんに配ってきます」と立ち去ってしまった。
急にどうしたのかしら。
そりゃ、お休みの間はジェームズ商会に手配してもらっていたけれど、もともとわたしだって配っていたわ。それに、メアリさんだって王宮に一緒に出仕されてたんだから、配ってくれてたのはベリンダさん達なのに。
「最近はメアリさんにお願いしてジェームズ商会に頼むことが多かったんです。今日は我が家で用意したものなんですよ」
とは言ってもお兄様が「エレナが久しぶりに王立学園に行くんだから」と厨房に頼んでくれていたんだけど。
包みを広げると、香ばしい胡桃のケーキの匂いが広がる。
「胡桃のケーキだ」
じっとりとした顔から少し嬉しそうな表情に変わる。
「こないだ食べた以来だな」
こないだ……
殿下が領地のお祭りに来てくれた時を思い出す。
あの時わたしは殿下は幼い頃のことを覚えてないと思い込んでて、胡桃のケーキを殿下が召し上がってくれないのを毒味がいないからなんて言い訳して……
結局殿下はわたしが一口齧ったのを毒味したことにしてくれて召し上がってくださった。
わたしの手から……
顔が真っ赤になったのはわたしだけじゃなくて殿下もだ。
「毒味をしていないケーキを殿下に召し上がっていただくことはできないですものね」
わたしはケーキを半分に分けた片方を齧り、もう片方を殿下に差し出した。
目の前でごくりと喉が鳴る。
殿下は手を伸ばしてわたしの手首を掴むと、齧りかけの胡桃ケーキを持つ手に向かって顔を近づけわたしの齧ったケーキを口に運ぶ。
ご令嬢達の悲鳴が響きわたった。
殿下は王立学園にいらっしゃる時は騎士を志す生徒たちと授業を共にしてらっしゃるからか、しっかりとした身体つきをしていて体躯のいい男子生徒に囲まれていても見劣りしない。
むしろ背も高くて姿勢もいいから目立っていた。
前にお兄様が無理やり参加させられていた時はガタイのいい輩に囲まれて圧倒的ヒロイン感が拭えなかったけど、殿下はどんな場所でも圧倒的ヒーロー感に溢れている。
わたしはメアリさんと共にご令嬢達が場所取りをしている見学スペースの一角に向かう。
今日の殿下はキラキラとした淡い金色の髪を無造作にまとめている。前髪が邪魔だからか後ろに手櫛で撫でつけられた髪型は正装の時の櫛で丁寧に撫でつけられた髪型の素敵さとまた違った素敵さ。
髪をまとめるリボンは、アイラン様に刺繍を教えていた時に見本で大量に作ったもののうちの一本だった。
お兄様に「ちょうだい」と言われてあげたけど……
なんで殿下の手に渡っているの?
リボンを凝視する。
視線に気がついたのか殿下がこちらを振り返った。
「エレナ!」
凛としたよく通る声。わたしに向かって大きく振る手。
わたしは赤くなった顔を隠すように下を向くと殿下のいらっしゃった方向に手を振って応える。
その瞬間女生徒達の断末魔のような悲鳴が鳴り響いた。
わたしは向けられる視線を背中に感じ、顔を上げる勇気はない。
嫌われ者のくせに。
口にはしなくても、周りのご令嬢達がそう思っているのは想像に難くない。
「殿下に手を振るなんて図々しい振る舞いをしてしまったわ」
「なんでですか? 王太子様、めちゃくちゃ嬉しそうでしたよ」
口から漏れた呟きにメアリさんがフォローしてくれる。
「でも、やり過ぎたわ。周りの目が……」
「確かに」
メアリさんはキョロキョロと周りを見回すと肯定した。
「わたしは、悪名高い婚約者でしかないのだから、きちんと自覚して振る舞わなくてはいけないのに」
「は? マジで言ってます?」
呆れ果てたような声にわたしは顔を上げる。
「マジだけど、どうして?」
「さっきの授業でご令嬢達に囲まれたのにまだそんなこと言ってるんですか? ファンサし過ぎたみたいな話かと思いました」
「ファンサな訳ないじゃない。皆さん事実確認をされていただけでしょう? わきまえなくてはいけないのよ」
「信じらんない……」
呆れたような顔が、より残念なものを見る目に変わる。
そうよね。メアリさんはわたしが王太子妃になると信じて侍女になろうとしてくれているのに、わたしがまだ悪名高い婚約者のままだなんて信じたくないはずよ。
一緒に噂を覆そうと言ってくださった殿下には悪いけど、そんな簡単に悪い噂なんて覆らない。
だからっていつまでも下を向いていてはいけないわ。
わたしは前を向いた。
***
「──訓練はここまで!」
ルーセント少尉の声が響く。
殿下は手合わせをしていたダスティン様に声をかけると、輝かしい笑みを浮かべてこちらに向かってきた。
キラキラ眩しすぎて目が潰れそう。
「私の応援に来てくれたのかな?」
周りのご令嬢たちからギラギラとした視線を向けられているのに、殿下は周りが見えていらっしゃらないのか見えていても無視する気なのかわたしに向かってウィンクをした。
流れ弾を食らったご令嬢の何人かが地面に座り込んだり胸を押さえている。
わたしも胸をギュッと押さえる。もちろんカッコイイのドキドキもあるけれど、心苦し過ぎる。
「あ、いえ、いつも頑張っていらっしゃるスピカさんたちの応援をしに来ましたの」
「……そうか」
わたしがそう言って逃げ腰になると、殿下の周りからキラキラのエフェクトが半減し、どこからかじめっとした肌にまとわりつくような陰湿な空気が流れてきたように感じる。
「えっと、もちろん、殿下の応援もしておりますわ。ルーセント少尉を王立学園に派遣されたのは殿下でいらっしゃいますものね。騎士を目指すものたちからは実践的な訓練だと好評を博していると聞いております」
陰湿な空気に負けないように、取り繕って明るく振る舞う。
「誰から聞いたんだい?」
「ここにいる皆さんが口を揃えておっしゃってます」
「エレナはここにいる者たちとよく話すのかい」
「はい! 差し入れをお渡しするのでその時によく話していただいてます」
殿下は品定めするように周りを見渡す。男子生徒たちはその視線に縮こまり、わたしの隣ではメアリさんが必死に首を振っていた。
「へぇ。差し入れね」
「そうだわ! 皆さんに差し入れを配ってますので殿下もいかがですか?」
わたしは殿下に渡すために自分のカゴから一つ胡桃のケーキを手に取る。
メアリさんは慌てるようにわたしからカゴを奪って「いつも通りわたしが皆さんに配ってきます」と立ち去ってしまった。
急にどうしたのかしら。
そりゃ、お休みの間はジェームズ商会に手配してもらっていたけれど、もともとわたしだって配っていたわ。それに、メアリさんだって王宮に一緒に出仕されてたんだから、配ってくれてたのはベリンダさん達なのに。
「最近はメアリさんにお願いしてジェームズ商会に頼むことが多かったんです。今日は我が家で用意したものなんですよ」
とは言ってもお兄様が「エレナが久しぶりに王立学園に行くんだから」と厨房に頼んでくれていたんだけど。
包みを広げると、香ばしい胡桃のケーキの匂いが広がる。
「胡桃のケーキだ」
じっとりとした顔から少し嬉しそうな表情に変わる。
「こないだ食べた以来だな」
こないだ……
殿下が領地のお祭りに来てくれた時を思い出す。
あの時わたしは殿下は幼い頃のことを覚えてないと思い込んでて、胡桃のケーキを殿下が召し上がってくれないのを毒味がいないからなんて言い訳して……
結局殿下はわたしが一口齧ったのを毒味したことにしてくれて召し上がってくださった。
わたしの手から……
顔が真っ赤になったのはわたしだけじゃなくて殿下もだ。
「毒味をしていないケーキを殿下に召し上がっていただくことはできないですものね」
わたしはケーキを半分に分けた片方を齧り、もう片方を殿下に差し出した。
目の前でごくりと喉が鳴る。
殿下は手を伸ばしてわたしの手首を掴むと、齧りかけの胡桃ケーキを持つ手に向かって顔を近づけわたしの齧ったケーキを口に運ぶ。
ご令嬢達の悲鳴が響きわたった。
74
あなたにおすすめの小説
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw
さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」
ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。
「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」
いえ! 慕っていません!
このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。
どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。
しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……
*設定は緩いです
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
【完結】初恋相手に失恋したので社交から距離を置いて、慎ましく観察眼を磨いていたのですが
藍生蕗
恋愛
子供の頃、一目惚れした相手から素気無い態度で振られてしまったリエラは、異性に好意を寄せる自信を無くしてしまっていた。
しかし貴族令嬢として十八歳は適齢期。
いつまでも家でくすぶっている妹へと、兄が持ち込んだお見合いに応じる事にした。しかしその相手には既に非公式ながらも恋人がいたようで、リエラは衆目の場で醜聞に巻き込まれてしまう。
※ 本編は4万字くらいのお話です
※ 他のサイトでも公開してます
※ 女性の立場が弱い世界観です。苦手な方はご注意下さい。
※ ご都合主義
※ 性格の悪い腹黒王子が出ます(不快注意!)
※ 6/19 HOTランキング7位! 10位以内初めてなので嬉しいです、ありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。
→同日2位! 書いてて良かった! ありがとうございます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
悪役令嬢に仕立て上げたいのならば、悪役令嬢になってあげましょう。ただし。
三谷朱花
恋愛
私、クリスティアーヌは、ゼビア王国の皇太子の婚約者だ。だけど、学院の卒業を祝うべきパーティーで、婚約者であるファビアンに悪事を突き付けられることになった。その横にはおびえた様子でファビアンに縋り付き私を見る男爵令嬢ノエリアがいる。うつむきわなわな震える私は、顔を二人に向けた。悪役令嬢になるために。
死に戻りの悪役令嬢は、今世は復讐を完遂する。
乞食
恋愛
メディチ家の公爵令嬢プリシラは、かつて誰からも愛される少女だった。しかし、数年前のある事件をきっかけに周囲の人間に虐げられるようになってしまった。
唯一の心の支えは、プリシラを慕う義妹であるロザリーだけ。
だがある日、プリシラは異母妹を苛めていた罪で断罪されてしまう。
プリシラは処刑の日の前日、牢屋を訪れたロザリーに無実の証言を願い出るが、彼女は高らかに笑いながらこう言った。
「ぜーんぶ私が仕組んだことよ!!」
唯一信頼していた義妹に裏切られていたことを知り、プリシラは深い悲しみのまま処刑された。
──はずだった。
目が覚めるとプリシラは、三年前のロザリーがメディチ家に引き取られる前日に、なぜか時間が巻き戻っていて──。
逆行した世界で、プリシラは義妹と、自分を虐げていた人々に復讐することを誓う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる