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01 若返って……ます?
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「えっ……」
「聖女様……大丈夫? ……え」
若い男性の声に驚いたのか、間近に居た私のぽかんとした顔を見つめつつ自分の喉へとパッと手を当てた。
その時に自分の手が視界へ映ったのか、団長は続けて手のひらや手の甲をまじまじと見ていた。
彼につられて私も視線をそちらへ目を向けると、さっきまで年齢相応の筋張っていた男性の肌だったのに、その手は肌艶良く肉付きもふっくらとして若返っている。
「団長……あの、若返っています」
私は今起こった出来事、そのままを言った。
ついさっきまで中年イケオジ騎士団長だった人が、十九歳の私と同じくらいの年齢の男性になっている。
ほんの十秒前。私はみっともなく何もない地面でこけて、怪我をしていて地面へ座り込んでいた団長に咄嗟に受け止めてもらい、それを助けて貰った。
その時に私たち二人の唇と唇が軽く触れ合ったのは、お互いの気持ちなんて何もない……ただのアクシデントで……何が起こったのか良くわからないけど、現に彼はこうして若返っている。
「ええ。驚きました。そのようですね……」
キリッとした整った顔立ちの団長は自分の声や肌が若返っていることを把握し、何が起こったのかという驚きでか薄い緑の目を何度も瞬いていた。
けれど、現代のライトノベルが大好きで異世界ものに嗜んでいて特殊なシチュエーションをいくつか知っている私自身は、これはもしかしたら……と彼がこうして若返った事情をなんとなく察していた。
これって……もしかして、聖女の私に与えられるという『祝福』の能力の仕業なんじゃないの?
別世界から聖女として召喚された私には、この世界を救うボーナスとして神様から与えられるはずの『祝福』と呼ばれている特殊な能力があるはずだった。
この異世界はこれまでにも世界を救うため十年周期で異世界の聖女の召喚が行われていて、それがもう百回以上も続いているらしい。
だから、召喚された聖女に神より与えられる『祝福』には良くある能力とされるものが、何種類か出揃っている。
けど、今回の聖女である私は幾通りかある発動方法を試してみたけど、何をしてもうんともすんとも何も起こらずに発動しなかったのだ。
今の今まで、私の聖女の祝福については「一体、今回は何だろうね?」ととある約一名除き、皆で不思議がり首を傾げていたんだけど……まさかの……これって、もしかして!
私とキスをしたら、相手が若返っちゃうの!? 嘘でしょ。これから先、誰ともキス出来なくなっちゃうじゃん!!
うら若き乙女としては、これからの人生における大問題勃発なんですけど!!
「あ……聖女様。ほら。見てください。先ほどの傷もこの通り……ありがとうございます」
まさかの『聖女の祝福』にこれから先のことを思いどうしようと、私は両手で頬を挟んで悶えていた。
ついさっきまで美中年だった団長がまるで魔法にかけられたように美青年になり、そんな彼に至近距離で微笑まれて私の心は簡単にとろけて落ちてしまった。
え。やだ……格好良い。金色で長めの前髪から透けて見える、薄い緑色の目も綺麗。
団長は悪気なく切れてしまっている服を軽く持ち上げて、ついさっきまでだらだらと血が出ていたはずの筋肉質な脇腹を見せていた。
どうやら彼が若返ったついでに、深い切り傷まで治せてしまったのかもしれない。
え。駄目。やだ。ちょっと、待って待って……! これって若返った団長ってば、完全に私の恋愛守備範囲内なんですけどー……というか、完全にど真ん中です。
私の目の黒目部分、♡型になってない? 何分その原因となる目の前の人には恥ずかしくて確認出来ないから、多分なってるかもなーって感じでしかないんだけど!
騎士らしく凛々しく整った顔立ちに、照れくさそうな可愛らしい微笑みを浮かべて頂きまして、本当にありがとうございます。全人類を代表しましてお礼を言いたいと思います!
優しくて頼りになるおじ様枠から、完全に恋愛対象者になってしまった騎士団長にあわわわと慌てつつ、これは聖女の祝福について彼に話さねばと勢い込んで声を出した時。
なぜか私の身体は力なくくらりと傾いで、団長の身体の上へと落ちてしまった。
「聖女様……大丈夫? ……え」
若い男性の声に驚いたのか、間近に居た私のぽかんとした顔を見つめつつ自分の喉へとパッと手を当てた。
その時に自分の手が視界へ映ったのか、団長は続けて手のひらや手の甲をまじまじと見ていた。
彼につられて私も視線をそちらへ目を向けると、さっきまで年齢相応の筋張っていた男性の肌だったのに、その手は肌艶良く肉付きもふっくらとして若返っている。
「団長……あの、若返っています」
私は今起こった出来事、そのままを言った。
ついさっきまで中年イケオジ騎士団長だった人が、十九歳の私と同じくらいの年齢の男性になっている。
ほんの十秒前。私はみっともなく何もない地面でこけて、怪我をしていて地面へ座り込んでいた団長に咄嗟に受け止めてもらい、それを助けて貰った。
その時に私たち二人の唇と唇が軽く触れ合ったのは、お互いの気持ちなんて何もない……ただのアクシデントで……何が起こったのか良くわからないけど、現に彼はこうして若返っている。
「ええ。驚きました。そのようですね……」
キリッとした整った顔立ちの団長は自分の声や肌が若返っていることを把握し、何が起こったのかという驚きでか薄い緑の目を何度も瞬いていた。
けれど、現代のライトノベルが大好きで異世界ものに嗜んでいて特殊なシチュエーションをいくつか知っている私自身は、これはもしかしたら……と彼がこうして若返った事情をなんとなく察していた。
これって……もしかして、聖女の私に与えられるという『祝福』の能力の仕業なんじゃないの?
別世界から聖女として召喚された私には、この世界を救うボーナスとして神様から与えられるはずの『祝福』と呼ばれている特殊な能力があるはずだった。
この異世界はこれまでにも世界を救うため十年周期で異世界の聖女の召喚が行われていて、それがもう百回以上も続いているらしい。
だから、召喚された聖女に神より与えられる『祝福』には良くある能力とされるものが、何種類か出揃っている。
けど、今回の聖女である私は幾通りかある発動方法を試してみたけど、何をしてもうんともすんとも何も起こらずに発動しなかったのだ。
今の今まで、私の聖女の祝福については「一体、今回は何だろうね?」ととある約一名除き、皆で不思議がり首を傾げていたんだけど……まさかの……これって、もしかして!
私とキスをしたら、相手が若返っちゃうの!? 嘘でしょ。これから先、誰ともキス出来なくなっちゃうじゃん!!
うら若き乙女としては、これからの人生における大問題勃発なんですけど!!
「あ……聖女様。ほら。見てください。先ほどの傷もこの通り……ありがとうございます」
まさかの『聖女の祝福』にこれから先のことを思いどうしようと、私は両手で頬を挟んで悶えていた。
ついさっきまで美中年だった団長がまるで魔法にかけられたように美青年になり、そんな彼に至近距離で微笑まれて私の心は簡単にとろけて落ちてしまった。
え。やだ……格好良い。金色で長めの前髪から透けて見える、薄い緑色の目も綺麗。
団長は悪気なく切れてしまっている服を軽く持ち上げて、ついさっきまでだらだらと血が出ていたはずの筋肉質な脇腹を見せていた。
どうやら彼が若返ったついでに、深い切り傷まで治せてしまったのかもしれない。
え。駄目。やだ。ちょっと、待って待って……! これって若返った団長ってば、完全に私の恋愛守備範囲内なんですけどー……というか、完全にど真ん中です。
私の目の黒目部分、♡型になってない? 何分その原因となる目の前の人には恥ずかしくて確認出来ないから、多分なってるかもなーって感じでしかないんだけど!
騎士らしく凛々しく整った顔立ちに、照れくさそうな可愛らしい微笑みを浮かべて頂きまして、本当にありがとうございます。全人類を代表しましてお礼を言いたいと思います!
優しくて頼りになるおじ様枠から、完全に恋愛対象者になってしまった騎士団長にあわわわと慌てつつ、これは聖女の祝福について彼に話さねばと勢い込んで声を出した時。
なぜか私の身体は力なくくらりと傾いで、団長の身体の上へと落ちてしまった。
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