泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子

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07 苦笑

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 私は中途半端な姿勢で、湯船の縁へともたれかかっていたけど、体を支えてくれているのは、ノエルの安定感のある太い腕だった。体を任せていても不安じゃない。安心出来る。大丈夫だって思える。

 ぐっと押し上げられて縁へと座らされたら、ノエルは私の足の付け根に舌を這わせたので、彼の頭をぎゅっと抱き抱えるような姿勢になった。

「あっ……あんっ……ふわっ」

 敏感な花芽を柔らかな舌で狙って、彼は攻め立てた。だいぶ高められて息も絶え絶えな私は、五分もしない内に絶頂へと駆け上がった。

「あっ……あああっ……」

「ミフユ……可愛いね。もう少し慣らしたら、挿れてあげるから……」

 身体の奥の奥に、彼の何かを待ち侘びるようなうずうずとした期待があった。早く……早く、埋めて欲しかった。私に足りないものを、彼に埋めて貰うように。

 ノエルはぬかるんだ場所に指を一本挿れて「狭い」と呟くと、丹念にそこをほぐすように時間を掛けて慣らした。

 小さな水音がやがて、派手に聞こえてくる頃には、何本かの指が無作為に自分の体の中で動いているのを感じていた。

 気持ち良い、気持ち良い。けど、何か足りない。何かを望んでいるのに、与えられないという飢餓感。

「ノエルっ……ノエルっ……早く……」

 涙目で訴えた私に、ノエルは我に返ったようにして言った。

「えっ……あ。ごめん。なんだか、夢中になってた。辛い? なるべく早く終わらせるから……」

 ノエルはそう言うと床に寝そべっていた私の腰を掴んで、自分が縁に腰かけて抱き上げた私を膝の上へと下ろした。

「……大丈夫? 疲れてない?」

 心配して聞いてくれるけど、今欲しいのはそれではなかった。

「良いからっ……早くっ……早く」

 ノエルの固くなり切ってしまったものに擦り付けるように腰を動かした私を見て、彼は苦笑した。

「うん。ごめん……待たせて、ごめんね」

 ノエルは私の腰を持って抱き上げて、焦ったいくらいにゆっくりとした速度で自分のものの上へと濡れた蜜口を落とした。

 彼のものが体内に入ってくるという異物感はあるけど、満たされていく何か。奥にまで辿り着くと、これを自分は待ち望んでいたのだと知った。

「あっ……気持ち良い。ノエル」

「俺も……俺も、気持ち良い」

 ゆるゆるとした動きで動き出した彼に、私は自然と口づけをした。

 くちゅくちゅと、両方が繋がり合う粘膜。なんでこんなに、深く繋がり合うことで、体も心も深く満たされるんだろう。

 彼とは、さっき出会ったばかりなのに。何も知らないのに。どうして。

 ノエルは私の様子を見て、時間をかけてゆっくり動いていたけど、やがて限界が来たのか、いきなり腰を持ってガツガツと腰を打ちつけ始めた。

 口付けをしたままでの激しい動きに、私は夢中になって彼へとしがみ付いた。
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