モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?

待鳥園子

文字の大きさ
6 / 43

06 疑問符の嵐①

しおりを挟む

「え?! 告白されたけど、断ったのー? なんで?!」

 私は寧々ちゃんの素っ頓狂な声を聞いて、口に人差し指を当てて周りを確認した。結構な人数が私たちの近くを通り過ぎて、自分の教室へと向かっている。特に気にしてないみたいだ。よかった。

 私に告白してきた相手が、まさか鷹羽くんだと思っていないせいなのかもしれない。


「鷹羽くんと付き合うなんて、考えらたこともないし……突然、告白されてもう頭が真っ白になっちゃって」

 もうどうして良いかわからなかったのだ。口をもごもごしながら、私は答えた。

 なんでって聞かれても、こっちがなんでって聞きたい。

「もったいない! あの鷹羽くんだよ?! 何が不満なの? 顔よし性格よし頭もよし、そして……」

「そして?」

「バスケ部で鍛えられた長身の身体もよし!」

 はぁと私はため息をついた。寧々ちゃんは、すぐに暴走する。

 けど、自分の中で留めておくには大きな出来事すぎて、朝来てすぐに人通りが少なめの廊下で、昨日図書室であったことを聞いてもらった。

 最初は確かにひそひそ声だったけど、寧々ちゃんの声は興奮で、結構な音量になってきている。

「だって、良く知らないし……」

「付き合ってから、知ったら良いじゃーん。鷹羽くんと付き合えるなら、代わって欲しい人たくさん居ると思うよ?」

「確かに格好良いと思うけど……隣に立っていたとしたら別世界の住人だもん。付き合うなんて、考えたこともない。好きって良く分からなくて」

「もー、澪ってば、そんな恋愛なんてわからないみたいなこと言って……今からでも間に合うから、やっぱり私と付き合おうって言ったら?」

「え?」

 寧々ちゃんは、意気揚々と私の顔を指さした。

「だって、澪。告白を断ったのを、後悔してるって顔に書いてある」

「そんなこと……」

 ないよって言おうとして、私は顔を両手で覆った。顔に熱が集まって来た。

「わかる」

「なにが」

 寧々ちゃんはメトロノームみたいにチッチッと指を左右に振った。

「あの鷹羽くんと、付き合えるんだよ? 悪魔に魂売っても良いって子も居ると思うようなこの状況だよ? 私も夢だと思うと思う。けど、絶対告白は断ってないと思う」

「言いたいことはわかるけど、そこまで?」

「例えば、だよー。分かってないなぁ」

「寧々ちゃん。もう。声大きいよ」

 ヒートアップすると声が大きくなりがちな寧々ちゃんは、肩を竦めてぺろりと舌を出した。

「鷹羽くんは澪と付き合いたい、澪は鷹羽くんが気になる。じゃあ、付き合えば良いじゃん」

「気になるとか……別に、そういうのではなくて」

「なんなの」

 私は腕組みをして考えた。昨日までは雲の上の人だと思って、正直言えば意識すらしていなかった。

 そんな人を今、どう思って居るんだろう?

「すごく不思議。鷹羽くんから見て私の何が良いかも、良くわかんないもん」

 そんな言葉が、しっくりときた。

 あんな漫画や小説だと主人公かライバル役、主要キャラになるような人が、なんで背景と同化していてもおかしくないモブの私に告白して来たんだろう?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

星降る夜に落ちた子

千東風子
児童書・童話
 あたしは、いらなかった?  ねえ、お父さん、お母さん。  ずっと心で泣いている女の子がいました。  名前は世羅。  いつもいつも弟ばかり。  何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。  ハイキングなんて、来たくなかった!  世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。  世羅は滑るように落ち、気を失いました。  そして、目が覚めたらそこは。  住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。  気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。  二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。  全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。  苦手な方は回れ右をお願いいたします。  よろしくお願いいたします。  私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。  石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!  こちらは他サイトにも掲載しています。

生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!

mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの? ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。 力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる! ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。 読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。 誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。 流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。 現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇 此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。

猫菜こん
児童書・童話
 小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。  中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!  そう意気込んでいたのに……。 「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」  私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。  巻き込まれ体質の不憫な中学生  ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主  咲城和凜(さきしろかりん)  ×  圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良  和凜以外に容赦がない  天狼絆那(てんろうきずな)  些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。  彼曰く、私に一目惚れしたらしく……? 「おい、俺の和凜に何しやがる。」 「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」 「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」  王道で溺愛、甘すぎる恋物語。  最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。

処理中です...