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09 意外な見送り①
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「さあ……それでは、僕が守る国境、デストレへ帰りましょう。この天馬車は守護魔法が掛けられていて、上空でも寒くはないので、安心してください。レティシア」
彼に視線でそれを見るように促された私は目を見開いて、目の前にある信じられないものをまじまじと見た。
だから、ヴィクトルは、この不思議な馬車の発着場に着きたくて、城の階段をずっと上がっていたんだ!
「すごい……」
そこに用意されていたのは、白い翼ある大きな馬四頭に引かれた馬車。芸術品のように瀟洒な彫刻が施されたお洒落な灰色の馬車は、かなり大きくて、私たち二人乗るには十分なようだ。
すごい。シンデレラの馬車みたい! と思ったけど、それを引くのは翼ある白馬。
なんだかこの世界、重量オーバーくらい乙女の夢を満載しているけど、乙女ゲームならば、それは当然のことかもしれない。
ここは、魔法がある世界観なんだ。私の憧れていた異世界転生、そのまま。
「……ライアン。お前はルブラン公爵へ伝言を。今夜、リアム殿下の婚約者ではなくなったレティシア嬢は、俺がデストレへ連れ帰ると」
「御意」
ヴィクトルは天馬車の傍に控えていた部下らしき人に伝え、その指示を聞いた彼は城の中へとサッと入って行った。
あ。あの人が、今の私のお父様ルブラン公爵に、何処に行くか伝えてくれるってこと?
全ての面倒を代行してくれるヴィクトルが私得過ぎて、手を合わせて拝むしかない……感謝。
生まれて来てくれて、ありがとうございます。好みの容姿すぎて、目の保養にも勝手にさせて頂いております。
「レティシア……? ああ、そう言えば、近距離の移動しかしない王都では必要ないので、天馬車は使わないですよね……デストレ地方へは、飛行する天馬車で行かないと、一月経ってしまいますから。しかし、これで行けば、明日の朝には着いています。すぐですよ」
感謝して黙って手を合わせた私に変な顔をしつつも、ヴィクトルはこれからの予定を教えてくれた。
「……これに、今から乗るんですよね?」
ようやく抱き上げていた私を降ろしてくれたヴィクトルは、馬車へとエスコートするために優雅な動きで手を取った。
「ええ。そうです。もしかして、高いところは、苦手でしたか?」
「いいえ! 逆に……とっても、うきうきして。楽しみです!」
旅行で飛行機に乗るのも好きだったし、空飛ぶ馬車なんて、最高でしかないよ!
「それは良かった。では、どうぞ。足元に気を付けて」
私たち二人が乗り込めば、それを合図に天馬車はふわりと浮き上がり、無数の星が輝く夜の空へと駆けた。
すっ……すごい。まるで乙女ゲームの世界! って、ここはそうなんだろうけど。
その時に、偶然、窓を覗いていた私には、私たちの乗った天馬が引く馬車を見上げる人たちが見えた。
あれは、リアム殿下と……黒髪の少女? あれが、異世界から来た聖女ヒロイン。
「あ……」
彼に視線でそれを見るように促された私は目を見開いて、目の前にある信じられないものをまじまじと見た。
だから、ヴィクトルは、この不思議な馬車の発着場に着きたくて、城の階段をずっと上がっていたんだ!
「すごい……」
そこに用意されていたのは、白い翼ある大きな馬四頭に引かれた馬車。芸術品のように瀟洒な彫刻が施されたお洒落な灰色の馬車は、かなり大きくて、私たち二人乗るには十分なようだ。
すごい。シンデレラの馬車みたい! と思ったけど、それを引くのは翼ある白馬。
なんだかこの世界、重量オーバーくらい乙女の夢を満載しているけど、乙女ゲームならば、それは当然のことかもしれない。
ここは、魔法がある世界観なんだ。私の憧れていた異世界転生、そのまま。
「……ライアン。お前はルブラン公爵へ伝言を。今夜、リアム殿下の婚約者ではなくなったレティシア嬢は、俺がデストレへ連れ帰ると」
「御意」
ヴィクトルは天馬車の傍に控えていた部下らしき人に伝え、その指示を聞いた彼は城の中へとサッと入って行った。
あ。あの人が、今の私のお父様ルブラン公爵に、何処に行くか伝えてくれるってこと?
全ての面倒を代行してくれるヴィクトルが私得過ぎて、手を合わせて拝むしかない……感謝。
生まれて来てくれて、ありがとうございます。好みの容姿すぎて、目の保養にも勝手にさせて頂いております。
「レティシア……? ああ、そう言えば、近距離の移動しかしない王都では必要ないので、天馬車は使わないですよね……デストレ地方へは、飛行する天馬車で行かないと、一月経ってしまいますから。しかし、これで行けば、明日の朝には着いています。すぐですよ」
感謝して黙って手を合わせた私に変な顔をしつつも、ヴィクトルはこれからの予定を教えてくれた。
「……これに、今から乗るんですよね?」
ようやく抱き上げていた私を降ろしてくれたヴィクトルは、馬車へとエスコートするために優雅な動きで手を取った。
「ええ。そうです。もしかして、高いところは、苦手でしたか?」
「いいえ! 逆に……とっても、うきうきして。楽しみです!」
旅行で飛行機に乗るのも好きだったし、空飛ぶ馬車なんて、最高でしかないよ!
「それは良かった。では、どうぞ。足元に気を付けて」
私たち二人が乗り込めば、それを合図に天馬車はふわりと浮き上がり、無数の星が輝く夜の空へと駆けた。
すっ……すごい。まるで乙女ゲームの世界! って、ここはそうなんだろうけど。
その時に、偶然、窓を覗いていた私には、私たちの乗った天馬が引く馬車を見上げる人たちが見えた。
あれは、リアム殿下と……黒髪の少女? あれが、異世界から来た聖女ヒロイン。
「あ……」
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