なんと、世界を滅ぼすはずの魔王が仲間になりたそうに、こちらを見ています。仲間にしますか?→良い子に出来るなら、私が養ってあげる。

待鳥園子

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07 良かった

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「ただいまー!」

「あ。おかえり。デルフィーヌ! 遅かったね」

 家に入るとソファに寝そべって、グスタフが分厚い本を読んでいた。うちの両親も気に入って、すぐにすんなり我が家に溶け込んだし……本当に、可愛いし性格が良くて良い子なのよね。

「ごめんね。お腹すいてる? これ食べて。今日は魔核が質が良いのが取れたって聞いたから」

 私は本を読んでいたグスタフへ、魔物から取れる魔核の入った袋をあげた。

 なんと、魔族が覚醒するには、同族同士で心臓の中にある魔核を奪い合う必要がある。小説の中では魔王ギュスターヴは偶然、奴隷商を営む主人の宝物庫で巨大な魔核を発見し覚醒することになる。

 けど、私はそこまでお金持ちにはなれないから、冒険者が売り払った魔核を買ってグスタフにあげるしかない。

「……僕、魔族としてなんて、覚醒したくないよ。デルフィーヌ」

 私の勉強部屋にある書物を早々に読み終えてしまったグスタフは、うちの薬屋を手伝ったり、家事を手伝ったりしたお駄賃で購入した高度な学問の書かれた書物にまで手を出している。

 私も今、彼が読んでいる書物をちらっと見たけど、複雑な数式が書かれていてパッと見でなんて全然理解出来そうもない。

「また、そんなこと言って! 私は貴方が立派な魔族として独り立ちが出来るまで、ずっと養ってあげるから……魔力が限定されて使えないままなんて、不便でしょう?」

「けど、デルフィーヌと居られなくなる……嫌だよ」

 グスタフはうるうると保護欲をそそる目になったので、私は安心するように髪を撫でてあげた。

 彼はまだまだ、何も知らない幼い子どもと同じ。早くに人の母を亡くして、魔族の父にも役立たずだと見捨てられていた。

 そんなギュスターヴの手を、無責任に離したくない。

「……貴方がさみしいなら、一緒に居てあげるから。魔族だって人と共生出来るんだから、一緒に暮らせば良いわ」

「本当に!? ……デルフィーヌが、誰かと結婚しても?」

「だいじょーぶ! 私が結婚するなら、グスタフと一緒に暮らしてくれる人をまず条件にするから、何も問題ないわ」

「良かったー……」

 可愛らしい笑顔で微笑んだので、私はまた彼の頭を撫でてあげた。

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