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第一部
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しおりを挟む魔物の群れ全滅の件が落ち着き、それから数日が経過した頃。
魔物が跋扈する外周を結界の中で警戒しつつ、一行は臨時の休息をとることにした。
メリシャは目覚めてから、神官たちに付き添われて快方へ向かっていった。
ルーは常にメリシャが抱き抱えられ、為されるが儘にされている。
ネリは朝と晩の時間をメリシャの見える場所で羽を休め、日中は迷宮があると思われる箇所を転々と飛び回っていく。
あの犇く魔物の群れを全滅させてから、未だ変化という変化が見られない迷宮。
聖獣が聖女の近くにいても慢心することなく、聖騎士や兵士たちは魔物の動向を目で追っていた。
それぞれ交代で引き継ぐため、疲労感や倦怠感を感じる者が少ない。
何故なら枢機卿を中心に構築された特製の結界で閉ざされた中、神官の献身が関係していたからだ。
引き継ぎを終えた者はメリシャの傍を離れた神官が交互に対応して、小さな怪我から不調まで治療を施していた。
始めこそメリシャが立候補していたが、魔物の群れの件で間近にその奇跡を目にした者ほど、口々に「畏れ多い」と相手から告げられ、やんわりと断られ続けていた。
そのため、神官が対応することが内々に決まる。
この事に落ち込みはしなかったメリシャだったが、頼られないという感覚に幼い心は不慣れで、その想いが行き場を失う場面も密かに表面化した。
危ないと感じたルーがその時その時の判断で溢れ落ちる憂鬱感を聖魔法によって一時的に和らげることで難を逃れ、枢機卿か神官が交互に心のケアをしていった。
気持ちが落ち着いたメリシャが眠りに就くと、枢機卿が天幕の外へ歩いていきーー。
「「「ーーうわぁぁぁ!?」」」
天幕の外にて、幾人かが押し殺した低い声で悲鳴を上げた様が、ルーの張った結界でメリシャの耳に届くことはなかった。
その翌日には兵士長の手ずから忍耐力の訓練が実施されるが、タイミング悪く休息を摂っていたため、メリシャが目にする機会は訪れることがなかった。
数日に及ぶ休息はそれぞれが濃い日々で、一行の団結力に磨きがかかった。
そんなとき、偵察に出ていたネリから「迷宮側に動きあり」との情報が届けられたのだった。
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※お知らせ※
次回更新日程:2025年11月30日 17:00・予定
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