もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

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第一部

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枢機卿の画策はその後、魔物の襲来によって有耶無耶となってしまった。

帰還した聖騎士たちが持ち込んだ死骸の匂いに惹かれたことが原因とされた。

疲労が溜まった所為で寝込むこととなった聖騎士たちの看病をメリシャは率先して寄り添う。
その様を遠目に、枢機卿は温かく見守っていた。

その一方で珍しいことに、ネリはルーから小言を言い続けられていた。

ルーは聖騎士たちが帰還した当初、その疲労困憊な様子に悪い予感がしていた。
その後に起きた魔物の襲来でも、その疲労度が垣間見えていた。

ルーの小言はネリが反省しているのを判断して、注意を促した。


一方で要塞側は急に起きた魔物の襲来で躍起になっていた。

結果から言えば教会側が処理したという背景だが、領境に陣取る彼らは辺境伯家に託された自身らの失態と見ていた。

重苦しい会議の中、誰も良い判断材料が出ることもなく、時間だけが過ぎていく。

発案すれば賞賛はされても、発案者として現地に向かう羽目になるのは目に見えていた。
この要塞での責任者であり、議長である彼であれば間違いないと理解していた。
けれど、沈黙を打ち破る者は一向に出ない。

休憩を挟む余力もなく、持久戦を講じる彼らは保身に走る者ばかり。

蝋燭に火を灯す者も、給仕の代わりに入退室する兵士も、魔物と相対する時よりも緊張する。

それは唐突に現れた。
給仕の代わりをしていた一人に会議場の一人が気付き、声をかけた。

「君。ちょいと手を貸してくれないか?」

「はっ、はい!何で御座いましょう。」

「砦の外に設営した教会御一行様に、先の魔物について問い合わせてきてくれると、とても助かる。」

「え——」

一瞬、辞退しようとした兵士だが、間を置かず言葉を発する。

「もちろん、引き受けてくれるだろう?」

「………、分かりました。拝命いたします。」

辞退が叶わないとみれば、渋々受け入れて退室していった。

周囲で見守っていた会議の参列者は苦虫を噛み潰したような顔で、こっそり睨む。
彼らとて猫の手でも借りたい一心だが、一兵卒に荷を負わせるやり口をお互いに毛嫌いしていた。

何処か妙案を思いついたような表情と態度で椅子の背に寄りかかる男は、他の者の視線を気にすることはなく、議長から解散を命じられるまで安らいでいた。


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※お知らせ※

次回更新日程:2024年11月25日 17:00・予定

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