もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

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第一部

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やがて、後発隊が街道に沿って天幕へ辿り着いた。

後発隊の責任者が出迎えた枢機卿へ語りかけた。

「ロス枢機卿。遅れて申し訳ありません。」

「構いません。こうして無事に到着出来ましたことですし。天幕を多めに用意させていただいたので、出発までの幾日か休憩していただければ。」

「ありがたい。聖女様は今、どちらに?」

枢機卿が振り向きながら、メリシャの過ごす天幕を手で示す。

「今は中央の天幕で休んでおられます。後日、邂逅かいこうの場を設けましょう。」

「いえいえ。不慣れな環境ですから、お身体に気をつけていただければ十分で御座います。」

恭しく辞退を申し出ると、責任者の男は後発隊へ戻っていく。

後発隊は長い道程を歩いて来たため、手足に生傷を隠すスカーフが巻かれている。
酷い者はスカーフに血が滲んでいる物も窺えた。

神官は休憩に入る人々を優先的に、治療を施していった。

枢機卿はその光景を見守りながら、重傷者が出ていないことに胸を撫で下ろした。

仮に重傷者が出ていれば、枢機卿か聖女のメリシャにしか対応できず、後手に回る可能性が高かったためである。
特に砦へ向かう道程にある街や村に地域柄、教会施設がないことも起因して、枢機卿たちが安堵するのであった。

その日は疲れを癒すことを視野に入れて、天幕で休んでもらうことになった。

歓迎会は数日経ってから行う予定が立てられた。

翌日になると、それまで積み重なった疲れが溢れるように体調を崩す者が目に見えて増えていった。

その度に神官が奔走して治療にあたり、その中にはルーを抱いたメリシャが聖女として駆け回っていた。

感染の可能性を低めつつ、症状で天幕を分ける。
それぞれ症状の重さで優先度を決めたことで、治療が効率的に進められていった。

数日経てば、療養生活に移る病人も現れ、その裏で粛々と歓迎会の準備がされていた。

後発隊の面々が体調を取り戻し、療養生活から通常に戻ったタイミングを見計らい、枢機卿主催で歓迎会が開かれる事となった。

料理が食卓に振る舞われ、後発隊の人数も相まって大規模な宴へと変わった。

開催して盛り上がる面々を眺めながら、メリシャは天幕で眠りにつく。
天幕が閉まった一瞬だけ、ルーの殺気によって酔いが回っていた面々は目を醒まされ、途端に会場は静まり返ってしまった。

その晩、後発隊を迎える歓迎会は静かに進められ、朝を迎えた頃に二日酔いを申し出た者は誰も居なかったという。


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※お知らせ※
次回更新日程:2025年1月24日 17:00・予定

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