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第一部
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ーーその頃、王都ではーー
学園が休学となって以降、学園生は二つのグループに分かれていった。
一つのグループは貴族たちだった。
その大半は高位貴族の子息子女たちだ。
学園が再開される日まで、自身の貴族家へ帰省しに馬車で向かう者たちである。
馬車を持たない貴族は、貴族専用の乗合馬車で帰省していった。
もう一つのグループは王都に居残る者たちだ。
内情はそれぞれあり、学園の寮で生活している者や、帰省を打診した際に家主から許されなかった者などがいる。
その大半は下級貴族や平民が多くを占める。
学園自体は休学だが、一定の施設は利用可能なため、衣食住はほぼ学園で賄える仕組みが構成されている。
例えば、寮の寝具や食堂、学園内の図書館などが挙げられる。
この機会に懐を蓄えようと、王都の組合と相談して狩りに参加する者も現れていた。
学園が休学しているとはいえ、実施予定であった野外訓練と同じだけの評価を組合から得られれば、成績に加点されるため、必死に取り組む者たちも現れた。
ーー同じ頃、王城ではーー
国王夫妻が隣国との会談へ行っており、本来の主人は不在である。
代理として任された王子ギェリブが執務室で胡座を掻きながら、宰相から報告を受けていた。
「お次は、こちらの決済をお願いします。」
王子は渡された書類へ目を通さずに印を押す。
「………。」
代理人は王子という建前だが、実質的な管理者は宰相に一任されていた。
王子が決済する書類は王族の決済を必要とされる極秘書類のみ。
国王でない者に読ませてもらえる筈もなく、宰相が事前に検討した上で承諾された書類のみ、王子の手元へ届けられる。
より緊急性を生む書類以外はほとんど王子に回される事はない。
宰相は内心で困惑していた。
そのキッカケを作ったのが現在、目の前にいる王子である事を知っている。
最も重要な案件だった筈の教会の報告を無碍にしただけでなく、要請を突っぱねてしまった事だ。
それ以降、教会から使者などは一切来ていない。
しかし宰相はその動向を監視させ、報告を受ける度に密かに頭を悩ませていた。
『教会一派が王国を見限ろうと画策する動きがある。』
そんな報告を監視者から聞いた日には自己管理に厳格な宰相は体調を崩してしまい、数日を床で報告を受けることとなった。
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※お知らせ※
次回更新日程:2025年2月13日 17:00・予定
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