もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

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第一部

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※『ーー後発隊ーー』の続きより※

後発隊は空が暗くなると、最低限の天幕で屋根を組み立て、割り振られたグループごとに野宿を強いられていた。

一定の危険を回避するため、街への補給に向かう少人数を除き、雨天以外の天候では誓約書によって進行が確約されている。

教会の護衛が付いているが、警護を第一とされているため、基本的に野営地で野獣の間引きには参加しない。

名目上、先発隊である聖女一行を後方支援するために結成されたのが後発隊であった。

鎧や紋章付きマントなど装備を外して商人を装っているが、軍事訓練などに取り組んできた者たちは長い距離を歩くことで疲弊していた。

休憩や野営でその都度、神官が聖魔法で疲労を回復させていく。

厳しい行程の中、彼らは荷馬車が通れる道の探索や誘導といった役割を果たす役目がある。

街で補給が儘ならない状況で、神官が従軍してくれていることに教会への感謝を祈りで捧げる者もいる。


そんな環境の中、後発隊の責任者に任命された男は幸先の悪い行程に不満を抱きながら、悪態ひとつ出さずに仲間へ指示していた。

教会に恩義を感じている訳でもなく、王国に忠義を立てているという訳でもなく、ただ故郷のために奮闘していた。

彼はウィリスタ辺境伯領に生まれた元領民だった。

騎士になろうと将来を見据え、仲間と学園で励んでいくと、貴族に生まれた令息や家紋を背負った者から妬まれることも多かった。

学園を卒業すると、国軍からスカウトを受けて軍人の道を歩んでいたが、その優秀さから騎士団の一つに配属された。

そして今回のウィリスタ辺境伯領で突発的に発生したイレギュラーに応戦するよう、王命が下されて後発隊を指揮することになった。

騎士団の上層部は故郷へ帰省も兼ねてと後発隊の責任者に推された。

騎士団長を除く、上層部は選民主義が根強いことがとある界隈で有名だった。

最終決定を下した騎士団長の想いを汲み、彼はこの遠征へ参加した経緯があった。

先発隊の連絡を受けながら、今日とて後発隊を先導する。

(このまま無事に、先発隊と合流出来ますように。)

彼は木々の隙間から覗く青空を見上げながら、そう祈りを捧げる。


--------------------

※お知らせ※
次回更新日程:2025年3月15日 17:00・予定
一言:もう一話ほど、幕間を予定しております。 最近寒い日が続いているため、体調に気を付けましょう。
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