もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

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第一部

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領境の砦前に荷馬車や人々の列が組まれている。

『緊張されていますか?』

「いいえ。早く辿り着いて、助けないと。ネリ、心配してくれているの?」

『それは勿論。いくら救援要請が届いたからといえ、すぐ駆け付けられる訳ではありませんから。』

準備が整い、リーダー格が点呼している間、メリシャは馬車の中でネリと話し合っていた。

ルーはメリシャの膝の上で静かに佇んで、ピンと立てた耳で周囲の音を聞き入っている。


砦に併設された門の上から眺めていた兵士たちは、その異様な団体を前に立ちすくんでいる。

聖女メリシャ含む神官ら先頭を進む組。

補給物資を運ぶ後方支援に徹する役割の組。

馬車の護衛などを除き、聖騎士や兵士を再編成された組。

門前で証明となる通行手形を門番に見せ、承諾を得られると、一行はウィリスタ辺境伯領内へ足を踏み出した。

一団が門を通っていく姿を眺める者たちがいた。

ゆっくりと進む一行を砦から見送っているのは、領境の砦を任されている責任者と各部署のトップたちである。

彼らは教会の一行を見送りながら、領都の方向を向いて無事を神に祈っている。

一団が門へ向かう前に、砦へ領都に駐屯する兵士がある書簡を届けに来訪したからだった。

報告書は領主の行方不明の報告に続き、魔物の侵攻状況など、さまざまな情報が齎された。

それから書簡の内容を枢機卿へ伝達するかどうか、小会議が開かれたものの、討論の末に伝えない方向で決まり、この場に集まっていた。

何より情報の精査が甘く、正確でないと最終的に判断を下したためだ。

全ての一行が領内へ入ると、門番の一人が報告に駆け上がってくる。

されほど間を空けず、閉門を言い渡した。

彼ら一行の他に居ないといえど、領境は許可なく通ることができない仕組みだからである。

静けさを取り戻した室内で、再び領都がある方向に視線を向けて、彼ら一行と領都の無事を深く祈った。


ウィリスタ辺境伯領内を進む一行は木々や草原を避けて作られた街道を通っていた。

どこにも異変を感じられず、遠目から村々の面影を脳裏に留めながら、一行は領都を目指す。

平和な旅路は馬車の音色と森林の風景を眺めながら、メリシャを乗せた馬車と、その後方を一団が列を成して進む。

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※お知らせ※
次回更新日程:2025年5月4日 17:00・予定
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