もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

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第一部

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メリシャと枢機卿たちを乗せた馬車がウィリスタ辺境伯領の領都へ向かう道中。

長い旅程であるため、現地へ到着した際に行動を起こしやすいよう、休憩を小忠実こまめに組み込んで進む。

後方を追随する支援部隊と歩兵は強行軍しないことで疲労感と倦怠感に襲われず、無理のない範囲で身体を動かせていた。

通常、軍隊規模での行軍となれば、歩兵部隊は騎馬部隊の次に無理を強いられることが多い。
騎馬部隊の生命でもある軍馬が疲労していれば、歩兵部隊が徒党を組んで向かうこともある。

そういった背景をおもんぱかれば、彼らが枢機卿たちへ感謝の念を抱くことも仕方がなかった。

また、今回の行軍に聖女の連れた聖獣が参加していたことも大きかった。

聖女メリシャが連れる聖獣のルーが常に聖魔力を発していることで、一行の抱える疲れなどといった状態を軽減されているからだった。

そして聖獣のネリがいることで鳥や風を通じて、魔獣が一行へ近寄れないよう調整されていた。

その隠れた影響力は目に見えずとも、第一線で魔獣と戦う行為を避けられている彼らはどれだけ助かっているだろうか。


街道沿いに進むこと数日、農村を通りがかった時だった。

村人は列を成した馬車に驚き、畑と農具を放り出して村の中へ駆け込んでいく。

暫くして村の代表と思われる村人が馬車の先頭へ近寄り、その後ろ姿を他の村人たちが様子を窺っている。

馬車からは枢機卿が堂々とした雰囲気で降り、メリシャはルーを抱えて車窓から外を覗く。

「私がこの一行の代表者だ。何か用だろうか。我々は領都を目指している最中でな。」

「へぇ。私はこの村の村長をしております。偶然にも村の者が馬車の行列を見たというので、お貴族様かと思いまして。」

「いや。私は教会の者だな。一応、爵位を賜っている身の上だが、本職は聖職者だからな。」

「貴族」と聞いて、青褪める村長。

「実は、最近になって森から魔物が畑を荒らしておりまして。皆、警戒しているんですよ。なかなか領主様はお忙しいようで、村の狩人たちで間引きしているんですが、あまり進捗は良くありません。」

村長は「教会」と聞いて顔に血色を取り戻し、まるで隠し事を独白するように、枢機卿へ村の状況を語った。

枢機卿はこの件が支援要請に関係しているかもしれないと考えを巡らせる。

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※お知らせ※
次回更新日程:2025年5月14日 17:00・予定
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