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第一部
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しおりを挟む村長から詳しい話を聞くべく、枢機卿は神官を数人指名して、村の中へ入っていった。
その場に残った聖騎士と神官は簡易的な休憩所を設営し、メリシャと聖獣の憩いの場を設ける。
それを囲むように、支援部隊と歩兵部隊が交代で休憩に入っていく。
村人たちは遠巻きに見ているだけで、一団へ近寄る気配がなかった。
ただ村の子供たちは見慣れない一団に興味津々で、親だと思われる大人に抑えられていた。
特に村人たちが目を惹いたのは、一団の中で最も重要視されている少女・メリシャの存在だった。
同様に、その少女と戯れている生き物にも不思議と目で追ってしまう。
普段から村の外に出る機会がなく、近くの森でしか動物や生き物を見ることのできない村の子供たち。
そんな子供の好奇心は一挙一動を目で追っていくたび、刺激を受けて近くで見ようと画策する子も現れる。
村の大人が総出で子供を抑えている反面、一団は聖女と聖獣の戯れる養子を目の保養にしながら警護にあたる。
暫く経つと、村の奥から枢機卿が村長と一緒に戻ってきた。
「どうやら、この村の近辺で魔物が暴れているらしい。少々手間が掛かるが、通りがかった縁に討伐してしまおうと思う。」
枢機卿の提案に盛り上がりを見せる仲間たち。
臨時討伐隊は歩兵部隊を中心に組まれ、波状攻撃で森へ突入していく。
ネリがひっそりと森の中へ飛び込み、木々の枝を避けながら威圧で魔物を追い込む。
魔物たちは拓けた場所へ誘導されると、一斉に四方八方から攻撃され、討伐は日を跨がずに終わりを迎えた。
ウィリスタ辺境伯領の領境から長距離の行軍で溜まった鬱憤を晴らすかのような、仲間の素早い働きに枢機卿も苦笑いを浮かべていた。
その晩は村長の主催による宴会が開かれた。
村の貯蔵庫を開いて行われた宴会はお祭りのようであった。
傍で眺める枢機卿はその明るい顔を見せるメリシャにほっこりしていた。
宴会は夜が明ける頃に終わりを迎え、一団は村を後にした。
出発前、ネリが見つけた謎の古い樽を村長に引き渡したことで、騒動を未然に防げたことは良い思い出となることだろう。
樽を開けると、中には村の子供が数人入っていた。
幸い、宴会中に行動した所為か、全員が仲良く眠っていたことは言うまでもないだろう。
メリシャを乗せた馬車は一団の先頭を走り、一路領都を目指す。
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※お知らせ※
次回更新日程:2025年5月24日 17:00・予定
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