209 / 336
第209話 ヘンゼルとグレーテルの石
しおりを挟む
あと1時間しか持たないだと?
「じゃ、じゃあ、すぐにも逃げなきゃいけないではないか!」
「それは手遅れというやつだな。この洞窟の外はすでに炎の中だ。外にでたとたんに黒焦げになるだけだぞ」
「ハルミ、お前がくだらないところで余計な時間を使うからだぞ!!」
「な、なんでも私のせいにするな! お前だって勝手に骨なんか折りやがって」
「か、勝手に折ったわけじゃねぇよ! すべてお前が原因を作ったんだろうが!!」
「同じように転んでも私はキズひとつ負ってないぞ。お前が軟弱過ぎるんだよ!!! 毎日筋トレぐらいやりやがれ」
「ああ、お前は丈夫なだけが取り柄だもんな。そのかわり衣服はひとつも着てないけどな!!!!」
「わぁぁぁぁ、忘れていたのに、それを、それを言うな!!」
忘れたんかい。忘れていれば大丈夫って、お前の羞恥心ってその程度なのか。
「それにしても困ったな。あの火砕流がこの洞窟に入って来られないように、入り口にフタをするとかできないのか?」
「俺たち仙人は長生きしているから知識はたくさん蓄えているが、魔王と違って物理学の法則を無視するような力はないのだ。洞窟には人から見つからないような結界が張ってあるが、物理的に遮断はできない。溶岩が流れて来れば中に入ってくるだろうな」
「入ってきたら、どうなるのでしょう」
「この中は蒸し焼きであろうなぁ」
「あろうなぁ、じゃないだろ! どうすんだ、これ」
「ここの出入り口はあそこに1箇所だけだ。なんともならん」
ああ、もっと早く決断してここを出て行くべきだったか。とは言っても火砕流の足は早い。俺の足で逃げられるわけもなかった。それに骨折しているのだ。走ること自体が無理ゲーだ。俺を抱えてはハルミだってそんなに早くは走れまい。
ふむ。ということは、ここはひとつ。
「よし! ハルミ!!」
「あぁ、びっくりした。なんだ?」
「おっぱい揉ませろ」
「ちょ、おま、お前はこんなときになにを言っているのだ、それどころじゃないだろが」
「こんなときだから言ってるんだろうが。これから俺の一生分、おっぱいを揉んでやる。こっちに来い」
「嫌だ! 誰かがそんなことさせるか。もう一度お前の骨を折ってやる、めきめきめき」
「あたたたたたた。こ、こら、止めろ!! まだ直ったばかりの手を逆に曲げようとするな!! また折るつもりか!!」
「それが嫌ならそのイヤラシい手つきを止めろ!」
「もうこれで死ぬんだから、最後くらい良いではないか」
「どこのお代官様だよ。ダメなものはダメだ」
「良いではないか、良いではないか」
「お主らはのんきだの」
「「お前(あんたが)が一番のんきだろ!!」」
「それにしてもおかしいな? 俺の予測ならもう洞窟の前を通り抜けている頃なのだが、一向に熱くなる様子がないな?」
「そうなのか。いまどういう状況なのか、ここにいて良く分かるものだな」
「鳥たちの声や、虫たちの羽音。けものが騒ぐ声。風の音、それに木々が燃える匂い。そういうものを感じとるのだ。そうすると、外の情報はなんとなく分かる」
「さすが仙人様です。それで外の様子はどうなのでしょう?」
「生き物がこちらに集まってきているようだなぁ。どうしてだろう?」
「生き物がこちらに集まってくるということは、ここが安全だということではないか?」
「ふむ。その可能性は高い。しかし、どうしてであろう? 自然の気まぐれか。それとも誰かの幸運のたまものか?」
「俺はこっちに来てからは、かなり運は良いほうだと思っているが」
「こっちに来てから?」
「ああ、俺はミノウっていう魔王にこちらに呼び出されたんだよ」
「おや、お前はカミカクシであったか。こちらに来てから長いのか?」
「いや、まだ半年にもならないな」
「それではその幸運は、あまり当てにならないなぁ」
「それもそうか。ハルミはどうだ? 運は良いほうか?」
「私は悪いほうだと思う。いまだって着るものもなくて、凍えているし、服を取りに行きたいが、あそこまで戻るのも怖いし」
「それでよく吹雪の中で、結界が張ってあるここを見つけることができたものだな」
「それは、なんだか岩が凹んでいるのが見えちゃった?」
「ハルミには、特殊な能力が備わっておるのかもしれんな」
「まあ、このおっぱいだけでも充分特殊能力だが、もにに」
「こら! どさくさで揉むな!!」
「しかしおかしい。もうとっくに溶岩は到着しているはずなのだが。ここからでは詳細が分からん。ちょっと外を見てこよう」
「仙人でも分からないことがあるのか」
「目があるわけではないからな。とりあえず、いまはこの辺りは安全のようだ。一緒に来るか?」
「俺は止めておく。どうせ行っても役にはたたん。ハルミ行ってこい」
「うん、分かった。仙人様、連れて行ってください」
「ついでに、着るものも回収してこいよ」
あぁあぁぁぁそうだったぁぁぁ。と今さらながらに恥ずかしがるハルミを前に歩かせ、クドウは出口に向かった。
……ハルミを前に歩かせ?
……あのやろう! ハルミのケツを見たさに先に行かせやがったな! あの身長なら目の前で見られるもんな。帰ってきたらとっちめてやる。カスミに胡椒とか振りかけて食べさせてやる。今度俺もやろうっと。
その今度があるかどうかは、生き延びられるかどうかにかかっている。クドウが最初に言ったことが本当なら、ここは逃げ道もない袋小路だ。火砕流が押し寄せてきたら、それで終わりだ。
押し寄せてこなくても、入り口を塞がれたらその熱だけでも死ぬだろう。その前に窒息死するかも知れない。火山性ガス中毒で死ぬほうが先かも知れない。
天災なのだ。どうしようもないほどに、これは天災なのだ。火山噴火にまともに立ち会う経験を、どれほどの人類がしたことだろう。
まともに歩くこともできない俺が、この状況で助かることが想像できない。イタリアの古代都市・ポンペイは、一瞬のうちに街全体が火砕流に飲み込まれて、焼け死んだ人の苦悶の表情までが遺跡として残っているという。怖っ。
俺はなるべくかっこいい形で遺跡になりたいものである。ハルミみたいに刀でも持っておけば、魔物と戦って命を落とした的な遺跡にならないかな?
いやいやいや。そんなこと考えてどうする。まだ死ぬと決まったわけじゃない。それにしても、あいつら遅いな。まさか、外で燃えちゃったんじゃないだろな?
そう思っていたら、突然。すちゃらかなやつが目の前に現れた。
「見つけたぁぁ!!!!! こら、お前なにやってんだ。探したじゃないか」
ウエモンのように見えるのだが、これはウエモンではない。俺はきっと混乱のあまり幻想を見ているのだ。でも、幻想なら他にもっといいキャラがいたはずなのに、なんでわざわざこんな貧乳を。
「いま、すっごい失礼なことを考えただろ。ユウ。助けにきたんだぞ。少しは感謝しやがれ」
「お前は誰だ?」
「がしがしがしがしがし」
「分かった、それで分かった。ウエモンか。分かったからやめろ。どうやってここに来た?」
「雪に刺さっていたミノウから、この辺りにいるはずだと聞いて、皆で探していたゾヨ」
「おおっ、イズナではないか! そうか、お前も転送魔法が使えるんだな。ミノウも助けてくれたのか。しかしミノウは、かなり上流のほうで刺さっていたはずだが、良くここが分かったな」
「途中まではソリの跡があったからそれを追ったゾヨ。だが、途中で不意に跡が消えてしまったと思ったとこに、あの噴火があってビビったゾヨ。仕方なくその辺りを探していたのだ。そしてウエモンが見つけたのだ」
「ウエモンが見つけた? なにを?」
「ブチブチに斬られた岩を見つけたんだ。あんなもんハルミが斬ったに違いないだろ」
あ、ああ、なるほど。ハルミが羞恥のあまり錯乱して切り刻んだ岩の数々が、いい目印になったというわけだ。ハルミにとって岩石はヘンゼルとグレーテルの白い石かよ。
「そうだったか。ともかく助かったよ。それじゃさっそく俺たちを回収してくれ。ハルミは下にいる。それに、もともとここに住んでいた仙人も一緒だ」
「仙人? それ、どういう食べ物?」
「食べるな! 俺を助けてくれたクドウって人だ。折れた足を治してくれたんだ」
「クドウという仙人か? ワシには良く分からんが、ともかくオウミに連絡を取るからちょっと待っていてくれ。ワシはウエモン以外の人間は運べないのだゾヨ」
「そうだったか。それで頼む。ハルミとクドウと俺の3人を運べるのはオウミだけだからな」
「カンキチも来ておるぞ。やつも運べる。すぐに連れて来る。待っていてくれ」
「待ってろよ」
カンキチも来てくれているのか。あちらも大変だろうに。これもすべては外で素っ裸になっている女のせいだからな。俺にはなんの責任もないからな。
あ、そうだ。このことをあいつらにも教えてこなきゃ。外の様子も気になるし。
そして俺はまだ痛む足をひきずって下に降りて行った。下りの階段は思ってたより痛い。段差がきつい。ひーひー、言いながら降りて行くと、途中でこちらに猛ダッシュしてきたハルミと正面衝突。
どんがらーがーん。ぽきっ。 ぽきっ?
「痛たたたたた。このアホタレ! 前を見て走りやがれ!」
「たたたた、大変なのだ、ユウ。仙人様が仙人様が仙人様がわぁぁぁぁ」
「お前は落ち着いてしゃべるということを学習しろ。クドウがいったいどうしたんだ? なにがあった? 火砕流はどこまできている? なんでお前はまだ素っ裸なんだ? 外はどんな様子だ?」
「ユウもそんなに一度に聞く癖を直せ!」
「じゃ、ひとつだけ。クドウはどうした?」
「そ、それが」
「ここで続くのかヨ?」
「見事なヒキだろ?」
「じゃ、じゃあ、すぐにも逃げなきゃいけないではないか!」
「それは手遅れというやつだな。この洞窟の外はすでに炎の中だ。外にでたとたんに黒焦げになるだけだぞ」
「ハルミ、お前がくだらないところで余計な時間を使うからだぞ!!」
「な、なんでも私のせいにするな! お前だって勝手に骨なんか折りやがって」
「か、勝手に折ったわけじゃねぇよ! すべてお前が原因を作ったんだろうが!!」
「同じように転んでも私はキズひとつ負ってないぞ。お前が軟弱過ぎるんだよ!!! 毎日筋トレぐらいやりやがれ」
「ああ、お前は丈夫なだけが取り柄だもんな。そのかわり衣服はひとつも着てないけどな!!!!」
「わぁぁぁぁ、忘れていたのに、それを、それを言うな!!」
忘れたんかい。忘れていれば大丈夫って、お前の羞恥心ってその程度なのか。
「それにしても困ったな。あの火砕流がこの洞窟に入って来られないように、入り口にフタをするとかできないのか?」
「俺たち仙人は長生きしているから知識はたくさん蓄えているが、魔王と違って物理学の法則を無視するような力はないのだ。洞窟には人から見つからないような結界が張ってあるが、物理的に遮断はできない。溶岩が流れて来れば中に入ってくるだろうな」
「入ってきたら、どうなるのでしょう」
「この中は蒸し焼きであろうなぁ」
「あろうなぁ、じゃないだろ! どうすんだ、これ」
「ここの出入り口はあそこに1箇所だけだ。なんともならん」
ああ、もっと早く決断してここを出て行くべきだったか。とは言っても火砕流の足は早い。俺の足で逃げられるわけもなかった。それに骨折しているのだ。走ること自体が無理ゲーだ。俺を抱えてはハルミだってそんなに早くは走れまい。
ふむ。ということは、ここはひとつ。
「よし! ハルミ!!」
「あぁ、びっくりした。なんだ?」
「おっぱい揉ませろ」
「ちょ、おま、お前はこんなときになにを言っているのだ、それどころじゃないだろが」
「こんなときだから言ってるんだろうが。これから俺の一生分、おっぱいを揉んでやる。こっちに来い」
「嫌だ! 誰かがそんなことさせるか。もう一度お前の骨を折ってやる、めきめきめき」
「あたたたたたた。こ、こら、止めろ!! まだ直ったばかりの手を逆に曲げようとするな!! また折るつもりか!!」
「それが嫌ならそのイヤラシい手つきを止めろ!」
「もうこれで死ぬんだから、最後くらい良いではないか」
「どこのお代官様だよ。ダメなものはダメだ」
「良いではないか、良いではないか」
「お主らはのんきだの」
「「お前(あんたが)が一番のんきだろ!!」」
「それにしてもおかしいな? 俺の予測ならもう洞窟の前を通り抜けている頃なのだが、一向に熱くなる様子がないな?」
「そうなのか。いまどういう状況なのか、ここにいて良く分かるものだな」
「鳥たちの声や、虫たちの羽音。けものが騒ぐ声。風の音、それに木々が燃える匂い。そういうものを感じとるのだ。そうすると、外の情報はなんとなく分かる」
「さすが仙人様です。それで外の様子はどうなのでしょう?」
「生き物がこちらに集まってきているようだなぁ。どうしてだろう?」
「生き物がこちらに集まってくるということは、ここが安全だということではないか?」
「ふむ。その可能性は高い。しかし、どうしてであろう? 自然の気まぐれか。それとも誰かの幸運のたまものか?」
「俺はこっちに来てからは、かなり運は良いほうだと思っているが」
「こっちに来てから?」
「ああ、俺はミノウっていう魔王にこちらに呼び出されたんだよ」
「おや、お前はカミカクシであったか。こちらに来てから長いのか?」
「いや、まだ半年にもならないな」
「それではその幸運は、あまり当てにならないなぁ」
「それもそうか。ハルミはどうだ? 運は良いほうか?」
「私は悪いほうだと思う。いまだって着るものもなくて、凍えているし、服を取りに行きたいが、あそこまで戻るのも怖いし」
「それでよく吹雪の中で、結界が張ってあるここを見つけることができたものだな」
「それは、なんだか岩が凹んでいるのが見えちゃった?」
「ハルミには、特殊な能力が備わっておるのかもしれんな」
「まあ、このおっぱいだけでも充分特殊能力だが、もにに」
「こら! どさくさで揉むな!!」
「しかしおかしい。もうとっくに溶岩は到着しているはずなのだが。ここからでは詳細が分からん。ちょっと外を見てこよう」
「仙人でも分からないことがあるのか」
「目があるわけではないからな。とりあえず、いまはこの辺りは安全のようだ。一緒に来るか?」
「俺は止めておく。どうせ行っても役にはたたん。ハルミ行ってこい」
「うん、分かった。仙人様、連れて行ってください」
「ついでに、着るものも回収してこいよ」
あぁあぁぁぁそうだったぁぁぁ。と今さらながらに恥ずかしがるハルミを前に歩かせ、クドウは出口に向かった。
……ハルミを前に歩かせ?
……あのやろう! ハルミのケツを見たさに先に行かせやがったな! あの身長なら目の前で見られるもんな。帰ってきたらとっちめてやる。カスミに胡椒とか振りかけて食べさせてやる。今度俺もやろうっと。
その今度があるかどうかは、生き延びられるかどうかにかかっている。クドウが最初に言ったことが本当なら、ここは逃げ道もない袋小路だ。火砕流が押し寄せてきたら、それで終わりだ。
押し寄せてこなくても、入り口を塞がれたらその熱だけでも死ぬだろう。その前に窒息死するかも知れない。火山性ガス中毒で死ぬほうが先かも知れない。
天災なのだ。どうしようもないほどに、これは天災なのだ。火山噴火にまともに立ち会う経験を、どれほどの人類がしたことだろう。
まともに歩くこともできない俺が、この状況で助かることが想像できない。イタリアの古代都市・ポンペイは、一瞬のうちに街全体が火砕流に飲み込まれて、焼け死んだ人の苦悶の表情までが遺跡として残っているという。怖っ。
俺はなるべくかっこいい形で遺跡になりたいものである。ハルミみたいに刀でも持っておけば、魔物と戦って命を落とした的な遺跡にならないかな?
いやいやいや。そんなこと考えてどうする。まだ死ぬと決まったわけじゃない。それにしても、あいつら遅いな。まさか、外で燃えちゃったんじゃないだろな?
そう思っていたら、突然。すちゃらかなやつが目の前に現れた。
「見つけたぁぁ!!!!! こら、お前なにやってんだ。探したじゃないか」
ウエモンのように見えるのだが、これはウエモンではない。俺はきっと混乱のあまり幻想を見ているのだ。でも、幻想なら他にもっといいキャラがいたはずなのに、なんでわざわざこんな貧乳を。
「いま、すっごい失礼なことを考えただろ。ユウ。助けにきたんだぞ。少しは感謝しやがれ」
「お前は誰だ?」
「がしがしがしがしがし」
「分かった、それで分かった。ウエモンか。分かったからやめろ。どうやってここに来た?」
「雪に刺さっていたミノウから、この辺りにいるはずだと聞いて、皆で探していたゾヨ」
「おおっ、イズナではないか! そうか、お前も転送魔法が使えるんだな。ミノウも助けてくれたのか。しかしミノウは、かなり上流のほうで刺さっていたはずだが、良くここが分かったな」
「途中まではソリの跡があったからそれを追ったゾヨ。だが、途中で不意に跡が消えてしまったと思ったとこに、あの噴火があってビビったゾヨ。仕方なくその辺りを探していたのだ。そしてウエモンが見つけたのだ」
「ウエモンが見つけた? なにを?」
「ブチブチに斬られた岩を見つけたんだ。あんなもんハルミが斬ったに違いないだろ」
あ、ああ、なるほど。ハルミが羞恥のあまり錯乱して切り刻んだ岩の数々が、いい目印になったというわけだ。ハルミにとって岩石はヘンゼルとグレーテルの白い石かよ。
「そうだったか。ともかく助かったよ。それじゃさっそく俺たちを回収してくれ。ハルミは下にいる。それに、もともとここに住んでいた仙人も一緒だ」
「仙人? それ、どういう食べ物?」
「食べるな! 俺を助けてくれたクドウって人だ。折れた足を治してくれたんだ」
「クドウという仙人か? ワシには良く分からんが、ともかくオウミに連絡を取るからちょっと待っていてくれ。ワシはウエモン以外の人間は運べないのだゾヨ」
「そうだったか。それで頼む。ハルミとクドウと俺の3人を運べるのはオウミだけだからな」
「カンキチも来ておるぞ。やつも運べる。すぐに連れて来る。待っていてくれ」
「待ってろよ」
カンキチも来てくれているのか。あちらも大変だろうに。これもすべては外で素っ裸になっている女のせいだからな。俺にはなんの責任もないからな。
あ、そうだ。このことをあいつらにも教えてこなきゃ。外の様子も気になるし。
そして俺はまだ痛む足をひきずって下に降りて行った。下りの階段は思ってたより痛い。段差がきつい。ひーひー、言いながら降りて行くと、途中でこちらに猛ダッシュしてきたハルミと正面衝突。
どんがらーがーん。ぽきっ。 ぽきっ?
「痛たたたたた。このアホタレ! 前を見て走りやがれ!」
「たたたた、大変なのだ、ユウ。仙人様が仙人様が仙人様がわぁぁぁぁ」
「お前は落ち着いてしゃべるということを学習しろ。クドウがいったいどうしたんだ? なにがあった? 火砕流はどこまできている? なんでお前はまだ素っ裸なんだ? 外はどんな様子だ?」
「ユウもそんなに一度に聞く癖を直せ!」
「じゃ、ひとつだけ。クドウはどうした?」
「そ、それが」
「ここで続くのかヨ?」
「見事なヒキだろ?」
0
あなたにおすすめの小説
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
一流冒険者トウマの道草旅譚
黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。
しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。
そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる