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第254話 アシナとハルミ
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カメに王水の作り方を教えて、金の手配もして、俺とスクナは最初の工房に戻った。ハルミとアシナはそこで仲良く待機していた。
ふたりとも護衛のはずなんだが、それらしい仕事全然してないな。特にハルミは経験値が稼げるとなると、俺なんかそっちのけだ。
「あの、私たち、まだなにもしてないのですけど」
「経験値をいくつかもらったボソッ」
「護衛が暇ならそれにこしたことはないけどな。けど、俺がガラス屋に行っている間、お前らはなにをやってたんだ?」
「準備運動とかを一緒にやらせてもらったあと、少年チームと一緒に狩りに行きました」
「こちらでは大人の引率なしで、同じ年頃の子供が集まって狩りをするのだそうだ」
「へぇ。引率なしか。危険じゃないのかな?」
「この辺りってすごいんですよ。狩りには最適なんです」
「最適?」
「そう、ちょっと街を離れると、いろんな魔物がわんさかいて」
「草原なんか魔モグラの巣窟でしたね」
「あれは面白かったな。穴を見つけてそこで火を焚くと、あちこちから魔モグラが飛び出してくるんだ。それをこのミノオウハルでビシッと」
それほど危険じゃない魔物がたくさんいるということだろう。だから子供たちだけで行かせられるのだ。道場よりも実践経験が積めるのは、大きなメリットだろうな。だから、ここの人はあんなに強いのかな?
「ハルミさんはずるいです。私なんか走って走って必死でようやく1匹仕留めるぐらいなのに、1振りで5匹6匹と退治しちゃうんですから」
「ずるいって言われてもな、これは私の力だし」
「ミノオウハルの力ボソッ」
「いーや。これは私にしか使えないのだ。だから私の力だ」
とってもまずい話をしているようだ。この辺で止めさせないとやっかいな、
「それならユウさん! 私にも作って!」
ことになったじゃねぇか!! もう。
ハルミも魔刀のことを、そんなおおっぴらにひけらかすなよ。
「無茶を言うな。お前には魔刀を使うような能力はない。いまは地道に力をつけることだけを考えろ」
「力をつければ良いのですね」
え?
「力をつけたら、私にも魔刀を作ってくれますね?! 約束ですよ?」
アイヅの女は怖い。いや、この世界の女はみんな怖いけど。特にフクシマの女は強い(ソースは俺)。うかつなことは言えないな。
「ハルミは特殊なんだよ。去年の秋には、5cmの鉄棒を3本重ねたものを、一刀両断にしたんだぞ。もちろんミノオウハルを使わずにだ」
「え? あの話は魔刀を使わずにだったのですか!? 鉄を?! う、うそ? 私はてっきり」
「それは本当だ。剣技大会のときにやったからな。ハザマ村の人全員が証言してくれるだろう。なんならいまから斬って見せてやってもいいぞ?」
ハルミの低い鼻が3cmほど高くなった。だが村人全員は言い過ぎだ。
その前の年には、ただの木の棒を5mも吹っ飛ばしてたってことは内緒だけどな。
「巻き藁の切り口だって見ただろ? あれだけの切れ味がお前に出せるか?」
「ううぅうぅ。あれは……無理です」
「知っての通り、アイヅの判定ではすでに上級に属する腕前だ。男のタノモにも負けない実力がある。その上にクラスチェンジも果たして攻撃魔法も使えるようになっている。さらにイズモの神から直々に識の魔法まで授かっている。アシナがそんな相手と対等なはずはあるまい?」
「それは、その、通りです……」
「もっと精進して、一人前の剣士になったら考えてやろう」
「それは、どのくらいに?」
「エロエロ度がハルミを抜いたら痛いっ!!」
「ユウ!!」
「いたたた。ニホン刀で殴りやがったな。ほんとのことだからいいじゃねぇか!」
「その話は禁句だ! 二度と言うでないぞ」
「じゃあ、アシナ」
「は。はい?」
「胸のサイズが88cmになったら作ってやる」
「は……はち……え?」
「ちなみに、それはハルミのサイズだ」
「そ、それを言……っても別にいいか。いいのか?」
どうだ、これは事実だ。文句はあるまいて。
「はい! がんばります!」
あれ、なにをどうがんばると?! まあいいや。
「それでは精進したまえ。男性に揉んでもらうと大きくなるらしいぞ。ちなみに、いまはいくつ痛っ」
「ユウさん、セクハラ発言ですよ」
今度はスクナにツッコまれた。浜の真砂は尽きるとも、この世にツッコみの種は尽きまじ痛たたのた。
ふたりとも護衛のはずなんだが、それらしい仕事全然してないな。特にハルミは経験値が稼げるとなると、俺なんかそっちのけだ。
「あの、私たち、まだなにもしてないのですけど」
「経験値をいくつかもらったボソッ」
「護衛が暇ならそれにこしたことはないけどな。けど、俺がガラス屋に行っている間、お前らはなにをやってたんだ?」
「準備運動とかを一緒にやらせてもらったあと、少年チームと一緒に狩りに行きました」
「こちらでは大人の引率なしで、同じ年頃の子供が集まって狩りをするのだそうだ」
「へぇ。引率なしか。危険じゃないのかな?」
「この辺りってすごいんですよ。狩りには最適なんです」
「最適?」
「そう、ちょっと街を離れると、いろんな魔物がわんさかいて」
「草原なんか魔モグラの巣窟でしたね」
「あれは面白かったな。穴を見つけてそこで火を焚くと、あちこちから魔モグラが飛び出してくるんだ。それをこのミノオウハルでビシッと」
それほど危険じゃない魔物がたくさんいるということだろう。だから子供たちだけで行かせられるのだ。道場よりも実践経験が積めるのは、大きなメリットだろうな。だから、ここの人はあんなに強いのかな?
「ハルミさんはずるいです。私なんか走って走って必死でようやく1匹仕留めるぐらいなのに、1振りで5匹6匹と退治しちゃうんですから」
「ずるいって言われてもな、これは私の力だし」
「ミノオウハルの力ボソッ」
「いーや。これは私にしか使えないのだ。だから私の力だ」
とってもまずい話をしているようだ。この辺で止めさせないとやっかいな、
「それならユウさん! 私にも作って!」
ことになったじゃねぇか!! もう。
ハルミも魔刀のことを、そんなおおっぴらにひけらかすなよ。
「無茶を言うな。お前には魔刀を使うような能力はない。いまは地道に力をつけることだけを考えろ」
「力をつければ良いのですね」
え?
「力をつけたら、私にも魔刀を作ってくれますね?! 約束ですよ?」
アイヅの女は怖い。いや、この世界の女はみんな怖いけど。特にフクシマの女は強い(ソースは俺)。うかつなことは言えないな。
「ハルミは特殊なんだよ。去年の秋には、5cmの鉄棒を3本重ねたものを、一刀両断にしたんだぞ。もちろんミノオウハルを使わずにだ」
「え? あの話は魔刀を使わずにだったのですか!? 鉄を?! う、うそ? 私はてっきり」
「それは本当だ。剣技大会のときにやったからな。ハザマ村の人全員が証言してくれるだろう。なんならいまから斬って見せてやってもいいぞ?」
ハルミの低い鼻が3cmほど高くなった。だが村人全員は言い過ぎだ。
その前の年には、ただの木の棒を5mも吹っ飛ばしてたってことは内緒だけどな。
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「ううぅうぅ。あれは……無理です」
「知っての通り、アイヅの判定ではすでに上級に属する腕前だ。男のタノモにも負けない実力がある。その上にクラスチェンジも果たして攻撃魔法も使えるようになっている。さらにイズモの神から直々に識の魔法まで授かっている。アシナがそんな相手と対等なはずはあるまい?」
「それは、その、通りです……」
「もっと精進して、一人前の剣士になったら考えてやろう」
「それは、どのくらいに?」
「エロエロ度がハルミを抜いたら痛いっ!!」
「ユウ!!」
「いたたた。ニホン刀で殴りやがったな。ほんとのことだからいいじゃねぇか!」
「その話は禁句だ! 二度と言うでないぞ」
「じゃあ、アシナ」
「は。はい?」
「胸のサイズが88cmになったら作ってやる」
「は……はち……え?」
「ちなみに、それはハルミのサイズだ」
「そ、それを言……っても別にいいか。いいのか?」
どうだ、これは事実だ。文句はあるまいて。
「はい! がんばります!」
あれ、なにをどうがんばると?! まあいいや。
「それでは精進したまえ。男性に揉んでもらうと大きくなるらしいぞ。ちなみに、いまはいくつ痛っ」
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