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第29話 いつもの
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「わはははは、かんぱーいい!!!」
その日の晩である。もう何度目の乾杯だよ。お茶で乾杯はもう飽きた。俺を水死させるつもりか。
「いやぁ、めでたいめでたい。これで、この工房も安泰だ」
じじいの元気なこと。安泰とか言っているが、まだ手付金代わりに1万円もらっただけなんだぞ? あてができたとは言え、騒ぐのはもっと経営が安定してからにするべきだろう。
それがこんな酒盛りしてて、家計は大丈夫なのか。ミヨシの姿が見えないのが気になる。
もっとも、これからは週に2本ぐらいのペースで金めっき品を納入することになるだろうから、月に100万ぐらいの売り上げにはなるけどな。
まあ大丈夫か。
「じゃあ、俺もウイルを一杯ごちにな」
ごっつーんこ。
「あ痛てててて、なにすんだハルミ。俺にも飲ませろよ」
「あんたはダメ。これを飲むとすぐ寝ちゃうでしょうが」
「もう、寝ても良いだろ。どんな味か知りたいんだよ、一杯だけでいいから」
「この間はこれでよっぱらって寝ちゃったくせに」
「あの時の俺は、うがっちゃかうがうが記憶喪失だったろ?」
「なんでいちいちそこでブルー・スウェードがでてくんのよ。でも、そういう設定だったわね、はいはい」
「軽く受け流しやがった。ほれ、このジョッキに一杯ついで」
「でかいわね! まあ、いいわ。今日は頑張ったからサービスしたげる」
「お、おう」
「その代わり、私の刀を作るの忘れないでよ」
「その代わりのバランスがおかしい。酒つぐだけで作ってもらえるとか甘過ぎひゃほ」
「ほら、もう酔ってきた。まだ一口しか飲んでないくせに弱すぎでしょ」
「やかまひい。人よりちょっとだけ、アセトアルデヒド分解酵素が不足しているだけひゃ」
「なによそれ? ますます意味不明……ちょ、ちょっと、ユウ、どこ触ってんの」
「ちょっとむひゃくひゃしてやった、眠くて反省はしなひ。むにむにむにむに」
「いやいやいや、それにして手にはしっかり力が入っているし。私の胸が結構な勢いでひしゃげてるし、止めなさいっての。ちょっと痛いって」
「むひゃむひゃむひゃ」
「こ、こら。しつこいって。離れなさい!」
「良いではないか、良いではないか。ねぇちゃんええ乳してまんなぁ。ちょっとその邪魔なシャツも脱がして」
その直後だった。ドカーンという音を立てて爆弾が落ちた。そして俺は死んだ。
のかと思った。ああ、後頭部の頭痛が偏に痛い。
「はぁはぁ、酔った勢いでなにをするんだユウめ。ハルミも黙って触られててどうする!」
「ちょっとソウ、嫉妬してくれるのは嬉しいけど、太刀を作るための鋼の延べ棒なんかで殴ったらユウが死んじゃうよ!」
「ああ、それなら大丈夫だ」
「なんで社長が太鼓判?」
「死んだら、最初からいなかったことにしてしまえばいい」
ひでぇじじいである。
「ダメよ!! 私の剣を作ってもらうまでは生かしておいてあげて!!」
ハルミも大概である。
「ああっ。私の包丁だって作るまで待ってもわらないと」
どこからか帰ってきたばかりのミヨシまで混じった。お前ら俺を剣や包丁を作る道具ぐらいにしか思ってないのか。
「ユウがいなくなったら今日の酒盛りの代金払えなくなりますよ?」
コウセイさんにとっては金策の道具だし。
「僕のボケに付き合ってくれる人がいなくなると困ります!!!」
アチラに至っては漫才師のツッコみ役だ。
「ふぁぁ?」
そして、いつもの俺だった。
その日の晩である。もう何度目の乾杯だよ。お茶で乾杯はもう飽きた。俺を水死させるつもりか。
「いやぁ、めでたいめでたい。これで、この工房も安泰だ」
じじいの元気なこと。安泰とか言っているが、まだ手付金代わりに1万円もらっただけなんだぞ? あてができたとは言え、騒ぐのはもっと経営が安定してからにするべきだろう。
それがこんな酒盛りしてて、家計は大丈夫なのか。ミヨシの姿が見えないのが気になる。
もっとも、これからは週に2本ぐらいのペースで金めっき品を納入することになるだろうから、月に100万ぐらいの売り上げにはなるけどな。
まあ大丈夫か。
「じゃあ、俺もウイルを一杯ごちにな」
ごっつーんこ。
「あ痛てててて、なにすんだハルミ。俺にも飲ませろよ」
「あんたはダメ。これを飲むとすぐ寝ちゃうでしょうが」
「もう、寝ても良いだろ。どんな味か知りたいんだよ、一杯だけでいいから」
「この間はこれでよっぱらって寝ちゃったくせに」
「あの時の俺は、うがっちゃかうがうが記憶喪失だったろ?」
「なんでいちいちそこでブルー・スウェードがでてくんのよ。でも、そういう設定だったわね、はいはい」
「軽く受け流しやがった。ほれ、このジョッキに一杯ついで」
「でかいわね! まあ、いいわ。今日は頑張ったからサービスしたげる」
「お、おう」
「その代わり、私の刀を作るの忘れないでよ」
「その代わりのバランスがおかしい。酒つぐだけで作ってもらえるとか甘過ぎひゃほ」
「ほら、もう酔ってきた。まだ一口しか飲んでないくせに弱すぎでしょ」
「やかまひい。人よりちょっとだけ、アセトアルデヒド分解酵素が不足しているだけひゃ」
「なによそれ? ますます意味不明……ちょ、ちょっと、ユウ、どこ触ってんの」
「ちょっとむひゃくひゃしてやった、眠くて反省はしなひ。むにむにむにむに」
「いやいやいや、それにして手にはしっかり力が入っているし。私の胸が結構な勢いでひしゃげてるし、止めなさいっての。ちょっと痛いって」
「むひゃむひゃむひゃ」
「こ、こら。しつこいって。離れなさい!」
「良いではないか、良いではないか。ねぇちゃんええ乳してまんなぁ。ちょっとその邪魔なシャツも脱がして」
その直後だった。ドカーンという音を立てて爆弾が落ちた。そして俺は死んだ。
のかと思った。ああ、後頭部の頭痛が偏に痛い。
「はぁはぁ、酔った勢いでなにをするんだユウめ。ハルミも黙って触られててどうする!」
「ちょっとソウ、嫉妬してくれるのは嬉しいけど、太刀を作るための鋼の延べ棒なんかで殴ったらユウが死んじゃうよ!」
「ああ、それなら大丈夫だ」
「なんで社長が太鼓判?」
「死んだら、最初からいなかったことにしてしまえばいい」
ひでぇじじいである。
「ダメよ!! 私の剣を作ってもらうまでは生かしておいてあげて!!」
ハルミも大概である。
「ああっ。私の包丁だって作るまで待ってもわらないと」
どこからか帰ってきたばかりのミヨシまで混じった。お前ら俺を剣や包丁を作る道具ぐらいにしか思ってないのか。
「ユウがいなくなったら今日の酒盛りの代金払えなくなりますよ?」
コウセイさんにとっては金策の道具だし。
「僕のボケに付き合ってくれる人がいなくなると困ります!!!」
アチラに至っては漫才師のツッコみ役だ。
「ふぁぁ?」
そして、いつもの俺だった。
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