異世界でカイゼン

soue kitakaze

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第124話 エルフを栽培

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 ユウコを残して帰ったふたりを見送って、売り尽くした爆裂コーンの売り上げを計算すると。

「1,850皿も売れた。37,000円の売り上げだ。たった1日ですっげー!!」

 喜びを隠しきれないクラークである。魔王がたかが4万弱で喜んでどうするよ。

「ここは物価も安いが、そもそも貧乏な土地なのだヨ。なにしろ人口が少ないからヨ」

 なるほどね。しかも観光も難しいとなれば、輸出に頼るしかあるまい。簡単ではないが、あれこれ考えなくてもいいのはメリットだ。

 ともかく作らせればいいのだ。販売はミノ国でやればいい。爆裂コーンにポテチは確実に需要がある。それを入れる袋もエルフさんたちが作ってくれる。これで手はずは整った。

 これからここは、お菓子立国として勇名をはせることになるだろう。

「いらないときにはどこにでもあると思っていたのに、いざ集めようとすると見つからないもんだなぁ」
「シャイン、そういうものだよねぇ」
「まあ、今はお試し期間だからな。本格的な生産販売は春になってからだ。それまで待たせておけばいいさ」

 材料の供給係をしていたシャインが状況を聞きに来て大いに喜んでいた。お試しは大成功と言って良いだろう。ただ、それまで粗略に扱ってきたイエローコーンがなかなか集められないのだ。それさえあればいくらでも作れるのにと。シャインもモナカも残念がっている。

 たった1日のお試しであったが、市場は大いに暖まった。イエローコーンが見つかったらまたやろう。雪が積もり始めるまでは露天販売が可能である。来年の生産・販売にに弾みをつけるためにも、もうちょっと売りたいものだ。

「来年は、イエローコーンも1ヘクタールぐらい生産するか?」
「10ヘクタールくらい作ってもいいような」
「いきなりそれは多すぎないか? 品種改良しながらだぞ?」

「品種改良は続けますけど、今のままでも充分売れそうですよ?」
「それもそうか。じゃあやってみるか。10ヘクタール」
「「「おーー!!」」

 お菓子の需要だ。いくらでもあるだろう。それにこれは腐ることがないし重量も軽い。それに俺にはただで搬送できる運搬部長がついているのだ。

「我のことなのかヨ?」
「そうだよ、部長様」
「ヨヨヨ」

 爆裂コーンやポテチに加工して本州に出荷すれば、付加価値も高い。需要も際限なく膨らむだろう。この国にもやっと、まともな冬の仕事ができることになる。こちらも頑張って売らないとな。

 これでここの人たちも明るくなって、好素もふんだんに放出してくれるだろう。クラークも二度と人を滅ぼそうなどとは考えまい。それだけでも俺はここに来て良かった。


 その日の夜である。俺たちは温泉に招待されてそこに泊まることとなった。温泉につかっていい気分になったあと、ユウコが夜の伽をしたいと申し出てきたた。
 ちょっとどぎまぎしたが、じゃあ8時においでよということになった。修学旅行での学生たちの乗りである。

 ワクテカで待ちわびる俺。ああ、これから寝るまでの1時間ぐらい、好きなだけもにもにができるのだ。一番の巨乳を選んで大正解である。ただ、ミヨシに比べると幾分小ぶりではあったが、それはそれで良いではないか。大きい小さいではない。おっぱいはそこにあるだけで正義なのだ。

 そう思っただけで頬が緩む。指先と手首のストレッチをしておこう。くきこきくきこ。

 そしてユウコがやってきた。じゃあ、さっそく……

「むかぁしむかぁし、あるところに。おじーさんとおばーさんが、おったとじゃ」
「はい?」
「おじーさんは、山に柴刈りに、おばーさんは川に」
「やかましいわ!!」

「ど、ど、どうしたんですか、ユウさん?」
「ため口は止めたんか。そんなことよりどうしたじゃねぇよ、ユウコ。誰が常田富士男で昔話をしろと言ったよ! 誰が良い子だねんねしなだよ! ユウコは伽をするためにわざわざこんな時間に来たんだろ?」

「お仕えする以上は敬語が必要かなって。はい、そうですよ? だから、おじーさんは草へ山狩りに」
「単語がひっくり返ってんぞ。そんなことよりもだ。なんで赤ずきんちゃんの話をここでしないといけないんだよ。あれにエロシーンはないだろ」
「いや、これ桃太郎だから」
「あぁっ」
「いまのは相当恥ずかしかったヨ」

「だって、おとぎの話をしにきたのですから。エロシーンってなんですか?」

 なんだろう、この食い違い感。

「エロシーンとはそもそもほにゃららがほいほいする……そんなことよりユウコはどんなつもりで」
「どんなって、夜の伽ですから、寝るときにするお伽話に決まっていますよね?」

(ミノウ、こいつ殴ってもいいか?)
(それを殴るなんてとんでもないヨ)

「それはひょっとしてギャグで言ってるのか?!」
「ち、違いますよ! なんでですか、他になにがあるんですか? 私は言われた通りの……あ。じゃあ、昔々あるところに赤ずきんちゃんという女の子が」
「いや、そういうことじゃない。赤ずきんのことは忘れろ!」

 ウソをついているようには見えない。素でボケられるほどの天然ものなのか、こいつは。試しにちょっとだけ。

 もにっ。

「きゃん」

 もにもにっ。

「きゃんきゃん」

 割と平気だな?

「じゃあ、あと1時間ほどもにも……」ぱっかーーん。

 痛っ痛っ痛っ。

「モ、モナカ、どこから入ってきた!??」

「はぁはぁはぁ。もう所長ったら。セクハラで訴えられますよ。いまから10年後くらいに」
「それはもっと自由を標榜する大国の話ではないのかヨ?」

「ユウコさん、あんたも黙って揉まれていないで、抵抗ぐらいしなさいよ!」
「10年後にお金になったらいいかな、って思ってみーつー」
「たくましい種族だな、おい!」
「それは冗談ですけど」

「いやいまの時代、冗談には聞こえないのだヨ」
「エルフは無性生殖なので、人のこういう作法? のことは良く分からないのですよ」

「え? そうなの?」
「だから、ユウさんがそうしたいのなら、別にいいかなって」
「そうかじゃあ、もう一度もにいったぁぁぁいん」

「良くありませんってば!! 人間界ではそういうのは禁止されているのです。ユウコさんも気をつけてください!!」

 モナカのツッコみはミヨシよりもきつい。

「痛ってぇなもう。ところで、エルフって無性生殖なのか、初めて聞いた。あぁ、頭がいたひ」
「はい。エルフはある年齢になると卵を産みますが、それを神殿に祭っておくのです。するとある日突然子供が生まれてきます。私はまだ経験ありませんけどね」

「まるで、キノコの胞子みたいね」
「モナカさん、エルフをシイタケみたいに言わないでよ」
「光と湿度を与えておけば育つみたいな?」
「ユウさんもコケの育て方みたいに言うの止めて!」

「エルフの神殿ってどこにあるの?」
「里の奥にはご神木があってその周りに神殿が建てられています。そこに卵をお供えするのです」

「暖めたりしはしないの?」
「ニワトリじゃありませんよ。そうするとある日、ご神託が降りてくるのです。もう、生まれなさいよって」

「へぇ。ご神託ってどんなんだろう?」
「それは私たちにも良く分かりません。でもそのときには、激しい轟音と共に雷(いなずま)が落ちますね」

「なのです! ヨ」
「それは通じないと思うが」

「カミナリで発芽するシイタケ栽培みたいね」
「栽培って言うのも止めて!」

 エルフは胞子を木に植えて、カミナリを落とすと生まれると。めもめもめも。

「そこ! おかしなメモをしない!」

 そんなこんなで、がっかりな夜は更けて、俺はおねむである。そしていつもの場面展開となるのである。

 どうもこの世界は、俺が眠っている間に問題を起こさないといけなルールでもあるようだ。

「作者の都合なのではないかヨ?」
「それを禁句と言ってだな」
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