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7 デートに行こう
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部屋の扉を開けると、ちょうどシルヴィアも部屋から出て来たところだった。
「おはよう、シルヴィア。今日も綺麗だね」
「~~~!?」
今日もシルヴィアはわちゃちゃとパニクる。その様子がたまらなく可愛いので、恥ずかしいからやめてくれと言われているにも関わらず、ついつい言ってしまう。
まあ俺的にはリハビリのつもりもあるので、やめる気はこれっぽっちもないわけだが。
聞いたところによると、シルヴィアは生まれてこの方「綺麗」だとか「可愛い」だとか容姿に関する褒め言葉を一切言われたことがないらしい。
何でそうなるのか、本気で謎だ。
この世界に来て一週間が過ぎたが、その間いろいろ観察してみて気づいたことがある。
ブサイク扱いされているのはシルヴィアだけなのだ。
シルヴィアレベルとはいかないまでも、綺麗な娘、可愛い娘はそれなりにいる。そして、そういう娘たちはそれなりに妥当な評価を受けている。
なぜシルヴィアだけが正当に評価されないのか?
考えても答えは出ない。
だから、俺はシルヴィアを褒める。ちやほやする。徹底的に甘やかす。
でなきゃバランスが取れん。
幼い子供のころから化け物扱いされて来たシルヴィアは、自信というものを全く持てずにいた。性格が歪んでもおかしくないレベルの抑圧を受けながらここまで真っ当に成長したのは奇跡だと思う。
そこも褒める。
どんな些細なことでも褒める。
褒めちぎる。
傍から見たら丸っきり馬鹿だろうが、誰に何と思われようが知ったこっちゃない。大事なのはシルヴィアがに自信をつけさせることだ。
「そうやって照れてるところも可愛いなぁ」
「もう、やめてって言ってるのに……」
「無理。可愛いものを可愛いと言わないのは罪だ」
「もう……」
言い続けて来た甲斐あって、俺が本気でシルヴィアのことを綺麗だと思っていることは疑われなくなった。
とは言え、言われなれていないため、その都度可愛らしい反応を見せてくれる。まことに眼福の至り。
「…ホントに変わった人……」
「そうか?」
「そうですよ。わたしなんかに関わってもいいことなんて何もないのに」
「こんな綺麗な娘が嫁さんになってくれるんだぜ。それ以上を望むのは贅沢ってもんだ」
赤くなるシルヴィアが可愛い。
「そんなこと言ってくれるのは、コータローだけです。わたしと並んで歩いてたら、みんなから笑われちゃいますよ」
「んなことねえさ。何だったら試してみるか?」
「試す?」
「街に出てみようぜ。案内してくれよ」
「街、ですか……」
シルヴィアの顔が曇る。あまりいい思い出がないのだろう。
気持ちはわからないでもないが、いつまでも閉じこもってるわけにもいかない。
「行こうぜ。街でデートしよう」
「デート?」
こっちにはそういう言葉がないのか。
「恋人同士が楽しく遊ぶことだよ」
「こ、恋人!?」
「ほら、行こう」
手を取って引っ張ると、シルヴィアは素直に立ち上がった。
「おはよう、シルヴィア。今日も綺麗だね」
「~~~!?」
今日もシルヴィアはわちゃちゃとパニクる。その様子がたまらなく可愛いので、恥ずかしいからやめてくれと言われているにも関わらず、ついつい言ってしまう。
まあ俺的にはリハビリのつもりもあるので、やめる気はこれっぽっちもないわけだが。
聞いたところによると、シルヴィアは生まれてこの方「綺麗」だとか「可愛い」だとか容姿に関する褒め言葉を一切言われたことがないらしい。
何でそうなるのか、本気で謎だ。
この世界に来て一週間が過ぎたが、その間いろいろ観察してみて気づいたことがある。
ブサイク扱いされているのはシルヴィアだけなのだ。
シルヴィアレベルとはいかないまでも、綺麗な娘、可愛い娘はそれなりにいる。そして、そういう娘たちはそれなりに妥当な評価を受けている。
なぜシルヴィアだけが正当に評価されないのか?
考えても答えは出ない。
だから、俺はシルヴィアを褒める。ちやほやする。徹底的に甘やかす。
でなきゃバランスが取れん。
幼い子供のころから化け物扱いされて来たシルヴィアは、自信というものを全く持てずにいた。性格が歪んでもおかしくないレベルの抑圧を受けながらここまで真っ当に成長したのは奇跡だと思う。
そこも褒める。
どんな些細なことでも褒める。
褒めちぎる。
傍から見たら丸っきり馬鹿だろうが、誰に何と思われようが知ったこっちゃない。大事なのはシルヴィアがに自信をつけさせることだ。
「そうやって照れてるところも可愛いなぁ」
「もう、やめてって言ってるのに……」
「無理。可愛いものを可愛いと言わないのは罪だ」
「もう……」
言い続けて来た甲斐あって、俺が本気でシルヴィアのことを綺麗だと思っていることは疑われなくなった。
とは言え、言われなれていないため、その都度可愛らしい反応を見せてくれる。まことに眼福の至り。
「…ホントに変わった人……」
「そうか?」
「そうですよ。わたしなんかに関わってもいいことなんて何もないのに」
「こんな綺麗な娘が嫁さんになってくれるんだぜ。それ以上を望むのは贅沢ってもんだ」
赤くなるシルヴィアが可愛い。
「そんなこと言ってくれるのは、コータローだけです。わたしと並んで歩いてたら、みんなから笑われちゃいますよ」
「んなことねえさ。何だったら試してみるか?」
「試す?」
「街に出てみようぜ。案内してくれよ」
「街、ですか……」
シルヴィアの顔が曇る。あまりいい思い出がないのだろう。
気持ちはわからないでもないが、いつまでも閉じこもってるわけにもいかない。
「行こうぜ。街でデートしよう」
「デート?」
こっちにはそういう言葉がないのか。
「恋人同士が楽しく遊ぶことだよ」
「こ、恋人!?」
「ほら、行こう」
手を取って引っ張ると、シルヴィアは素直に立ち上がった。
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