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それからのダンジョン攻略はあっさり終わった。魔人が消えた後は普通のモンスターしかいなかったのだ。各国から選りすぐられた精鋭たちにかかればどうということもなかった。
最下層まで踏破し、ダンジョンコアを破壊。ミッションをクリアすると、苦楽を共にしたと言うのは大袈裟かもしれないが、それなりに気心を通じ合わせた仲間たちとの別れがやってきた。
「いやあ、おまえたちには本当に世話になったな」
「いやいや、こちらこそですよ」
「そろそろ魔王が復活するなんて話もあるが、またあてにさせてもらうぜ」
「それですよね」
「この機会に召喚勇者のネットワークでも作れねえかな。何かあった時には情報のスピードが生命線になるだろうから」
「それならいいものがあるわ」
一人の女性勇者がドヤ顔でポケットからひとつの道具を取り出した。
それを見た、俺を含めた一同の目が点になる。
「…そ、それってーー」
「スマホ?」
そう、彼女が手にしていたのは俺らがよく知る、そして切望していたスマホそのものに見えたのだ。
「もちろん機能的には格段に劣るわよ。アプリもないし。言ってみれば最初期のガラケーの劣化版みたいなものだからね」
「「「それがどうした!!!」」」
みんなの声が重なる。
「できるだけ改善していくつもりではいるけど、とりあえずこれで遠距離の通話はできるはず。電気じゃなくて魔力で動くようにしてあるわ」
「ありがてえ」
一度その恩恵を受けてしまうと、なかなかその利便性からは離れられなくなる。常々欲しいなーと思っていた物を目の前に提示されて、俺のテンションは爆上がった。
「数はないから、一国に一台ね」
「「「十分です!!!」」」
俺だけでなく、各国の勇者たちは大喜びでスマホ(便宜上こう呼ぶ)を受け取った。
動作確認をし、問題なく使えることがわかると、みんなで製作者を激賞する。
「天才」
「まさにそれ」
「異世界で電話が作れるなんて考えもしなかった」
「誰だってそうだろ」
「あなたがいてくれてよかった」
これで戦略的に大きな進歩があったのは確かだが、ひとつだけ問題があった。
レジーナ王国だ。
今回レジーナ王国はブロディを主将とした部隊を派遣してきたが、その中に召喚勇者はいなかった。挙げ句にブロディ自身は拉致され、まとめ役までいなくなってしまった。ブロディの人格はともかくとして、レジーナ王国にとって大打撃であるのは間違いない。
俺たちが戻るという選択肢はある。ブロディがいなくなって、障害もなくなったわけだが、そうすると今度はオルタナに穴が空く。
どうしたもんか……
シルヴィアも何か言いたそうにしている。仮にも故国だ。心配なのだろう。
「ーーあたしたち、レジーナに戻るよ」
「え!?」
カズサさんの思わぬ申し出に、俺は素っ頓狂な声をあげてしまった。
「オルタナはあんたたちがいれば心配ないだろ。あたしたちは元々レジーナに召喚された身だしね。それなりに愛着もあればしがらみもできてる。成り行きで離れることになったけど、ことがこうなった以上知らん顔はできないよ」
「いいんですか?」
確かにそうしてもらえれば、俺たち的には非常にありがたい。
「よろしくお願いします」
「便利な連絡手段もできたわけだし、安心しておくれ」
「ありがとうございます」
シルヴィアが深々と頭を下げる。
こうして俺は異世界に来て以来の仲間たちと別れることになった。
最下層まで踏破し、ダンジョンコアを破壊。ミッションをクリアすると、苦楽を共にしたと言うのは大袈裟かもしれないが、それなりに気心を通じ合わせた仲間たちとの別れがやってきた。
「いやあ、おまえたちには本当に世話になったな」
「いやいや、こちらこそですよ」
「そろそろ魔王が復活するなんて話もあるが、またあてにさせてもらうぜ」
「それですよね」
「この機会に召喚勇者のネットワークでも作れねえかな。何かあった時には情報のスピードが生命線になるだろうから」
「それならいいものがあるわ」
一人の女性勇者がドヤ顔でポケットからひとつの道具を取り出した。
それを見た、俺を含めた一同の目が点になる。
「…そ、それってーー」
「スマホ?」
そう、彼女が手にしていたのは俺らがよく知る、そして切望していたスマホそのものに見えたのだ。
「もちろん機能的には格段に劣るわよ。アプリもないし。言ってみれば最初期のガラケーの劣化版みたいなものだからね」
「「「それがどうした!!!」」」
みんなの声が重なる。
「できるだけ改善していくつもりではいるけど、とりあえずこれで遠距離の通話はできるはず。電気じゃなくて魔力で動くようにしてあるわ」
「ありがてえ」
一度その恩恵を受けてしまうと、なかなかその利便性からは離れられなくなる。常々欲しいなーと思っていた物を目の前に提示されて、俺のテンションは爆上がった。
「数はないから、一国に一台ね」
「「「十分です!!!」」」
俺だけでなく、各国の勇者たちは大喜びでスマホ(便宜上こう呼ぶ)を受け取った。
動作確認をし、問題なく使えることがわかると、みんなで製作者を激賞する。
「天才」
「まさにそれ」
「異世界で電話が作れるなんて考えもしなかった」
「誰だってそうだろ」
「あなたがいてくれてよかった」
これで戦略的に大きな進歩があったのは確かだが、ひとつだけ問題があった。
レジーナ王国だ。
今回レジーナ王国はブロディを主将とした部隊を派遣してきたが、その中に召喚勇者はいなかった。挙げ句にブロディ自身は拉致され、まとめ役までいなくなってしまった。ブロディの人格はともかくとして、レジーナ王国にとって大打撃であるのは間違いない。
俺たちが戻るという選択肢はある。ブロディがいなくなって、障害もなくなったわけだが、そうすると今度はオルタナに穴が空く。
どうしたもんか……
シルヴィアも何か言いたそうにしている。仮にも故国だ。心配なのだろう。
「ーーあたしたち、レジーナに戻るよ」
「え!?」
カズサさんの思わぬ申し出に、俺は素っ頓狂な声をあげてしまった。
「オルタナはあんたたちがいれば心配ないだろ。あたしたちは元々レジーナに召喚された身だしね。それなりに愛着もあればしがらみもできてる。成り行きで離れることになったけど、ことがこうなった以上知らん顔はできないよ」
「いいんですか?」
確かにそうしてもらえれば、俺たち的には非常にありがたい。
「よろしくお願いします」
「便利な連絡手段もできたわけだし、安心しておくれ」
「ありがとうございます」
シルヴィアが深々と頭を下げる。
こうして俺は異世界に来て以来の仲間たちと別れることになった。
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