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72 ここではないどこかへ
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「あれはヤバイよ。バカ過ぎる。言葉が通じてないよ」
「関わりあうとロクなことにならない未来しか見えないな」
「あれ、完全にロックオンされたと思うぞ」
「ですよね……」
心の底からうんざりする。
「どうする気だ?」
「逃げる。あんなのまともに相手できるか」
「逃げるって……」
「旅に出よう」
「旅?」
「ああ。冒険者しながら他の国巡るってのはどうだ?」
「楽しそうね」
シルヴィアが真っ先に賛成してくれた。
「皆はどうする?」
「着いてっていいなら一緒に行こうかな」
珍しく遠慮がちにカズサさんが言った。
「新婚さんの邪魔にならない?」
「元から二人っきりじゃないですよ。ガンテスさん連れ出しますから」
「ワシか!?」
ガンテスさんはびっくりしている。もしかしてこの人、自分のヤバさ理解してない?
「あたりまえじゃないですか。あのバカの行動見たでしょ。言うこと聞かなきゃマジで殺しにきますよ。んでもってガンテスさん、言うこと聞く気なんて、これっぽっちもないでしょ?」
「むう……」
「ほら。いいですね。一緒にいきますからね」
「それなら俺たちも行くか」
「そうね。このメンバーなら、それもいいかもね、って言うか、おいてきぼりにされたら、毎日がつまんなくなっちゃうわ」
これで全員参加と思った時、頭の中に声が響いた。
『コータロー、喚んで』
「へ? ツブラ? どうした?」
『いいから喚んで』
有無を言わせぬ迫力に押しきられ、ツブラを喚ぶことになったのだがーー
「なあ皆、今からびっくりすると思うけど、あんまり驚かないでくれな」
「…何だ、そりゃ?」
皆をキョトンとさせてしまった。
いかんいかん。気を取り直してーー
「おいで、ツブラ」
声と共に目の前が真っ白な光に満たされた。実際に召喚するのは初めてだが、こんな風になるんだな。
徐々に光が収まってくる。
ほどなくして完全に光が消えた後にはーー
全裸の麗女がいた。
「……」
「……」
「……」
イッタイナニガオコッテイルノダロウ……
目の前の光景を認めたくない脳みそが現実逃避を試みるが、それで裸の女性が消えるわけもなく。
「いつまでガン見してるのよ!」
カズサさんに後頭部をひっぱたかれて、ようやく現実に返った。
「あんた一体何したの!? これはどういうことなのよ!?」
カズサさんは、女性に自分の上着を羽織らせながら、ものすごい目で睨んできた。
「これは確かにびっくりしたよ。君もなかなか腕を上げたねぇ」
ニヤニヤしながらユキノさんが言う。
「ちょっと待て。これは何かの間違いだ!」
とは言え、麗女のインパクトが強すぎて、俺がどんな弁解をしても通用しないだろう。
「…どうなってんだよ。ツブラを喚んだはずなのに」
「わたし、ツブラだよ」
麗女が真面目な顔で言った。
「へ?」
「だから、ツブラだよって言ってるの。人化の術を覚えたの」
「え? マジで」
「わたしも仲間に入れて欲しいの。ダメ?」
「えーっと……」
見回した視線が今にも泣き出しそうなシルヴィアのそれと重なった。
「待て、シルヴィア。誤解しないでくれ。ちゃんと説明させてくれ」
それから小一時間ほどかけて、ツブラの正体が神獣であることや俺たちの旅に同行を希望している旨を説明した。
最終的には何とか納得してもらったが、狩りより疲れたのはなぜだろう……
「関わりあうとロクなことにならない未来しか見えないな」
「あれ、完全にロックオンされたと思うぞ」
「ですよね……」
心の底からうんざりする。
「どうする気だ?」
「逃げる。あんなのまともに相手できるか」
「逃げるって……」
「旅に出よう」
「旅?」
「ああ。冒険者しながら他の国巡るってのはどうだ?」
「楽しそうね」
シルヴィアが真っ先に賛成してくれた。
「皆はどうする?」
「着いてっていいなら一緒に行こうかな」
珍しく遠慮がちにカズサさんが言った。
「新婚さんの邪魔にならない?」
「元から二人っきりじゃないですよ。ガンテスさん連れ出しますから」
「ワシか!?」
ガンテスさんはびっくりしている。もしかしてこの人、自分のヤバさ理解してない?
「あたりまえじゃないですか。あのバカの行動見たでしょ。言うこと聞かなきゃマジで殺しにきますよ。んでもってガンテスさん、言うこと聞く気なんて、これっぽっちもないでしょ?」
「むう……」
「ほら。いいですね。一緒にいきますからね」
「それなら俺たちも行くか」
「そうね。このメンバーなら、それもいいかもね、って言うか、おいてきぼりにされたら、毎日がつまんなくなっちゃうわ」
これで全員参加と思った時、頭の中に声が響いた。
『コータロー、喚んで』
「へ? ツブラ? どうした?」
『いいから喚んで』
有無を言わせぬ迫力に押しきられ、ツブラを喚ぶことになったのだがーー
「なあ皆、今からびっくりすると思うけど、あんまり驚かないでくれな」
「…何だ、そりゃ?」
皆をキョトンとさせてしまった。
いかんいかん。気を取り直してーー
「おいで、ツブラ」
声と共に目の前が真っ白な光に満たされた。実際に召喚するのは初めてだが、こんな風になるんだな。
徐々に光が収まってくる。
ほどなくして完全に光が消えた後にはーー
全裸の麗女がいた。
「……」
「……」
「……」
イッタイナニガオコッテイルノダロウ……
目の前の光景を認めたくない脳みそが現実逃避を試みるが、それで裸の女性が消えるわけもなく。
「いつまでガン見してるのよ!」
カズサさんに後頭部をひっぱたかれて、ようやく現実に返った。
「あんた一体何したの!? これはどういうことなのよ!?」
カズサさんは、女性に自分の上着を羽織らせながら、ものすごい目で睨んできた。
「これは確かにびっくりしたよ。君もなかなか腕を上げたねぇ」
ニヤニヤしながらユキノさんが言う。
「ちょっと待て。これは何かの間違いだ!」
とは言え、麗女のインパクトが強すぎて、俺がどんな弁解をしても通用しないだろう。
「…どうなってんだよ。ツブラを喚んだはずなのに」
「わたし、ツブラだよ」
麗女が真面目な顔で言った。
「へ?」
「だから、ツブラだよって言ってるの。人化の術を覚えたの」
「え? マジで」
「わたしも仲間に入れて欲しいの。ダメ?」
「えーっと……」
見回した視線が今にも泣き出しそうなシルヴィアのそれと重なった。
「待て、シルヴィア。誤解しないでくれ。ちゃんと説明させてくれ」
それから小一時間ほどかけて、ツブラの正体が神獣であることや俺たちの旅に同行を希望している旨を説明した。
最終的には何とか納得してもらったが、狩りより疲れたのはなぜだろう……
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