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76 めんどくさい女
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残念なお姉さんは、そのお姫様の侍女だった。同じ侍女でもイリスさんとはずいぶん違う。最初にちょっと似てるかもと思ったことは絶対に知られないようにしよう。
要領を得ない話で理解するのに時間がかかったが、何とか整理してみるとーー
自分が仕えるオルタナ王国には四人の王女がいる。
その末姫の容姿が他の三人とは似ても似つかない、酷い面相をしている。
流れてきた噂話でシルヴィアのことを知った。
もしかしてうちの姫様にも呪いがかかっているのではないか。
ぜひシルヴィアに姫様を見てもらいたい。
とのことだった。
たったこれだけのことだったのだが、言葉の幹線道路に交通規制がかかっていたのか、裏道回り道を繰り返したあげくに現在位置を見失うという残念っぷりを、これでもかと見せつけられた。
正直途中で放り出したくなったのだが、この残念姉さんが姫さんのことを本気で何とかできないかと考えているのは伝わってきたので、とにかく話は最後まで聞いた。忍耐力はかなり磨耗してしまったが……
「…うーん……」
期待を寄せられたシルヴィアは、困り顔を俺に向けた。俺的には苦笑するしかない。
「…えーっと、わたしで何とかできるなら何とかしてあげたいところなんだけど、多分わたしじゃ役に立たないと思う」
「どうしてですか!?」
残念姉さんの声はほとんど悲鳴だった。
「わたし、呪いを解いてもらった側だよ」
「あ……」
口がポカンと開く。
まったく残念だよな。実に残念だ。
「…わたし、シルヴィア様にお会いできれば何とかなるとばかり思ってました……」
そのまま地面に沈んでいってしまうのではないかと心配になるほど壮絶な落ち込みっぷり。何だかこっちが悪いことをしているような気になっちまう。
「…姫様、申し訳ございません…この無能者はお役目を果たすことができませんでした。かくなる上はこの一命をもってお詫びとさせていただきます」
また短剣を取り出した。
「やめてーっ!?」
シルヴィアが止めに入り、揉み合いになる。
あー、もう、っとにめんどくせえな、この女。
こんなくだらない流れでシルヴィアに怪我でもされたら目もあてられん。強引に短剣を取り上げると、遠くへ放り投げた。
「あーー」
ぐい、と残念姉さんに顔を寄せる。親指で自分を差しながらーー
「シルヴィアの呪いを解いたのは、俺だ」
残念姉さんの目が見開かれる。
「あなたが……」
数秒の間の後、残念姉さんは胸ぐらを掴まんばかりの勢いで迫ってきた。
「お願いです。どうか、どうかお力を貸してください!」
勢いに押されて返事ができずにいると、残念姉さんはとんでもないことを言い出した。
「ただでとは言いません。わたしで良ければ自由にしていただいて結構です」
言うなり、ばっと上着を脱ぎ去る残念姉さん。
「うわっ!?」
至近距離で大きなモノが激しく揺れた。
心とは別のところで目が吸い寄せられた。
効果あり、と思ったか、残念姉さんはさらにブラウスに手をかけた。
「ーーいい加減にしなさい」
重々しい声が響き、その場の全員が動きを止めた。
ツブラが目に怒りの炎を灯していた。
「……」
凄まじい威圧に、口をきくこともできない。
「正座」
残念姉さんに向けられた命令だったのだが、俺を含め全員が速やかに従った。
要領を得ない話で理解するのに時間がかかったが、何とか整理してみるとーー
自分が仕えるオルタナ王国には四人の王女がいる。
その末姫の容姿が他の三人とは似ても似つかない、酷い面相をしている。
流れてきた噂話でシルヴィアのことを知った。
もしかしてうちの姫様にも呪いがかかっているのではないか。
ぜひシルヴィアに姫様を見てもらいたい。
とのことだった。
たったこれだけのことだったのだが、言葉の幹線道路に交通規制がかかっていたのか、裏道回り道を繰り返したあげくに現在位置を見失うという残念っぷりを、これでもかと見せつけられた。
正直途中で放り出したくなったのだが、この残念姉さんが姫さんのことを本気で何とかできないかと考えているのは伝わってきたので、とにかく話は最後まで聞いた。忍耐力はかなり磨耗してしまったが……
「…うーん……」
期待を寄せられたシルヴィアは、困り顔を俺に向けた。俺的には苦笑するしかない。
「…えーっと、わたしで何とかできるなら何とかしてあげたいところなんだけど、多分わたしじゃ役に立たないと思う」
「どうしてですか!?」
残念姉さんの声はほとんど悲鳴だった。
「わたし、呪いを解いてもらった側だよ」
「あ……」
口がポカンと開く。
まったく残念だよな。実に残念だ。
「…わたし、シルヴィア様にお会いできれば何とかなるとばかり思ってました……」
そのまま地面に沈んでいってしまうのではないかと心配になるほど壮絶な落ち込みっぷり。何だかこっちが悪いことをしているような気になっちまう。
「…姫様、申し訳ございません…この無能者はお役目を果たすことができませんでした。かくなる上はこの一命をもってお詫びとさせていただきます」
また短剣を取り出した。
「やめてーっ!?」
シルヴィアが止めに入り、揉み合いになる。
あー、もう、っとにめんどくせえな、この女。
こんなくだらない流れでシルヴィアに怪我でもされたら目もあてられん。強引に短剣を取り上げると、遠くへ放り投げた。
「あーー」
ぐい、と残念姉さんに顔を寄せる。親指で自分を差しながらーー
「シルヴィアの呪いを解いたのは、俺だ」
残念姉さんの目が見開かれる。
「あなたが……」
数秒の間の後、残念姉さんは胸ぐらを掴まんばかりの勢いで迫ってきた。
「お願いです。どうか、どうかお力を貸してください!」
勢いに押されて返事ができずにいると、残念姉さんはとんでもないことを言い出した。
「ただでとは言いません。わたしで良ければ自由にしていただいて結構です」
言うなり、ばっと上着を脱ぎ去る残念姉さん。
「うわっ!?」
至近距離で大きなモノが激しく揺れた。
心とは別のところで目が吸い寄せられた。
効果あり、と思ったか、残念姉さんはさらにブラウスに手をかけた。
「ーーいい加減にしなさい」
重々しい声が響き、その場の全員が動きを止めた。
ツブラが目に怒りの炎を灯していた。
「……」
凄まじい威圧に、口をきくこともできない。
「正座」
残念姉さんに向けられた命令だったのだが、俺を含め全員が速やかに従った。
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